【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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63話 無事だったらしいリリさん(気絶してた)

『先ほどは大変な失礼を……』

 

『いえ、特になにもありませんでしたけど?』

 

部屋に戻ったら起きたリリさん。

 

なんかちょっとぼーっとしてたけども熱はないみたい。

おでこ同士で確かめたから多分大丈……あ、子供って体温高いんだっけ。

 

まぁいいや。

 

リリさん、おでこで熱確かめたらそのあともっかい倒れかけたし、看護師さん呼ぼうとしたら、『これは……私の体質です!』って真っ赤なお顔で言ってたし。

 

体質ならしょうがないよね。

人の体質は尊重するべきだ。

 

ちなみに僕の体質はお酒が好きなこと。

 

体質だよ?

だから飲酒も許してね?

 

だめかな?

 

ちなみに会話は、あのときからずっと外国語。

なんか自然にしゃべれてるけどちょっと怖いね。

 

便利だから良いけどさ。

 

『……改めまして、ありがとうございました。貴方のおかげで私はこの通り、無事に帰還できました。再度の感謝を』

 

また倒れたら困るからってベッドに留まらせたからか、その上で……スカートなのに器用に折りたたんで正座、からの三つ指。

 

『……あの、それ』

『この国の正式な作法だと友人が』

 

『でも、それ』

『もちろん公式な場ではしないと存じております。個人的に、極めて親しい仲の方へのものと』

 

んー。

 

ま、いいや。

そこまで分かってるんなら町中でしたりしないでしょ。

 

微妙に違う気がするけどね。

どうでもいいけど。

 

『救助要請は応じるものだから気にしないでください。誰が相手でも僕はああしていたので』

 

『……だとしても、あのようなことになってまで……しかも私だけが先に』

 

『あー』

 

まぁ負い目感じちゃうよねぇ……逆の立場だったら僕だってそうなる。

 

しかも相手は幼女で?

しかもしかも原因は物理的に倒せないわけじゃないモンスターなわけだったし。

 

まぁペットは家族だから、そんなペットに似てる三つ首わんこならしょうがない。

 

『つきましては』

 

『お金には困ってないので、どうしてもでも相場のお見舞い金で結構です』

 

『でも』

『もちろん、この国の一般的なやつで。じゃないと』

 

じゃないと?

 

……んー。

 

『僕が困ります』

『困……ふふっ』

 

あ、笑った。

 

この子、ちょっと人と距離取るタイプだからかはにかむ感じの笑い方なんだね。

 

僕にとっては初めてのタイプだ。

 

ちなみにるるさんは元気っ子って感じの笑い方。

 

えみさんは……通常時はまじめなお姉さんって感じで、ヘンタイさん時はよだれと鼻血を垂れ流すヘンタイさんっぽい感じ。

 

九島さんは笑うの見せるの苦手なタイプで、後ろ向いてこっそりにやけてる感じ。

 

女の子って言ってもみんな違うんだね。

 

僕?

 

僕は……どんな感じなんだろ。

表情筋があんまり動いてない感じはするんだけどな。

 

 

 

 

『なるほど、案内ですか』

 

『はい。私の国のダンジョンは平均的にレベルが高いものが多く、といいますかそのせいで独立したほどで、構造も他国とは少々……ですので』

 

ほー、国ごと、いや、地域ごとにダンジョンも違うんだね。

 

そういや海外の配信ちらって見たら結構雰囲気違ったもんね。

いつ潜ってみたいなぁ……。

 

で。

 

リリさんが日本に来た理由は、「お友達」とこっそり会うため。

 

ほんとは言葉ができるようになってから来たかったんだけど、我慢できなかったから「実地で鍛えます!」って感じだったんだとか。

 

この国る言葉って、簡単な意思疎通だけならそう難しいわけでもないらしいし、女の子だから話すの好きだしで合ってる気がする。

 

会話の途中にもがんばってしゃべってたけどもどかしいっぽくて、結局外国語のままだ。

 

偉いっていうか行動力ある系だよね。

バイタリティーってやつ。

 

僕に1番必要なものだ。

 

『で、レベルは? 聞いても良いんですか?』

『……こちらの協会での換算ですと、確か25と』

 

『へ?』

 

『あっ、可愛……きゅう』

 

まーた目を回しちゃったリリさんを軽く倒して、ぽすっと頭を枕へin。

 

この子、体弱いんだなぁ……でもレベルめっちゃ高いじゃん。

 

あ、ダンジョンでの疲れかぁ。

 

魔力が切れるとだるいんだよね、分かる分かる。

今の僕もそれだからね。

 

レベル25。

 

るるさんえみさんよりずっと高くって……前の僕よりも高い。

数値上だけでいうと、ほぼ倍だ。

 

あれだ、普通の人の限界が10そこらですごい人が20とかだから、この子は本当の天才さん。

 

しかも――どう見ても高校生くらいですでにそこまで到達している。

 

やばい。

すっごいやばい。

 

世界は広いね。

それともこの子の住んでる地域のレベルに釣られたのかな?

 

でも僕も★10とかでよく分かんないことになってるから、どっちが強いのかは不明。

 

多分装備と準備がちゃんとしてたら、あとはお仲間さんもちゃんとしてたら普通にあの250階層までちゃんと到達できるレベルだろうなって感じ。

 

まぁあのときは呪い様のせいでいろいろおかしかったから……。

 

 

 

 

『……はっ!』

 

『あ、起きた』

 

まだ結構だるいからベッドでごろごろして楽しんでたら、起きたっぽいリリさんが敏捷に飛び起きる。

 

こんなに気絶ばっかして大丈夫なのかな……看護師さん呼んだら?

 

『……ハル様、お髪が』

 

『え? あー、ぼさぼさー』

 

ほんとはリリさんも結構ぼさぼさだけどね。

 

でも女の子のそういうのを指摘するのは良くないって知ってるから黙ってる僕。

 

『……そ、その。お礼はいずれ、他にもするつもりですけれども……』

『あ、じゃあお願いします』

 

『へ?』

 

『え、してくれるんじゃ?』

『え……は、はいぃ……』

 

なんか髪とかしてくれる雰囲気になったから背中を向けておすわり。

 

女の子って他人の髪の毛いじるの好きだもんね。

るるさんとか九島さんで慣れてるから大丈夫。

 

こうして先に察せられると気が楽だよねー。

 

『……………………………………』

 

ちなみにえみさんは意外とこういうのしてこない。

 

多分僕に触れたら興奮しちゃうから鋼の意志で抑えてるんだろうね。

えらいね。

自制できるヘンタイさんなら信頼できるよね。

 

男?

 

男はちょっと……僕がそもそも嬉しくないし、あと男は歯止め効かないと女の子な僕は……ねぇ……?

 

『……で、では、失礼して……』

『はい、お願いします』

 

さすがに「これがお礼で良いです」ってのはダメだろうなー。

僕は別にダンジョンに潜る仲間としての責任で助けただけなんだけどなー。

 

というかさ、これまで僕が助けてきた人たちが僕のことどうしてか知っちゃったらしく――いや、ほんとなんでなんだろ……怖……――事務所の方にお礼のお手紙とか菓子折とかいろいろ届いてるらしいし。

 

みんなもっと気楽で良いんだよ?

僕だって初心者の頃は何回も助けてもらったし。

 

中級者とかになってもミスるときはミスるもん。

ほら、上級者なリリさんとかだってさ。

 

あー、でもそういうときって確か、その場で謝り倒してごはんは奢ったっけなー。

 

相手が成人してたら、お酒も振る舞えば大体それでOK。

大人の方がちょろいんだよね。

 

『……んぅっ……』

 

あっ。

 

クシの入れ方がるるさんたちとは違って優しかったから変な声出た。

今の声、なんかちょっとえっちだったな。

 

あと、おそるおそるって手つきのせいで妙にくすぐったいんだ。

 

『はうっ!? ……きゅう』

 

そんな僕の後ろで、ぽすって倒れる音がした。

 

 

 

 

『……この度は……』

 

『具合大丈夫ですか?』

『は、はい、それよりも』

 

『寝てなくても大丈――』

 

『御髪の続きを!!』

『あ、はい』

 

今度の復帰は1分足らず。

なんだかんだ高レベルな子は違うね。

 

『……んぅ……』

 

『……! ……!』

 

あー、良い気持ちー。

 

どうして頭って撫でられたり抱きしめられたり梳いてもらったりすると、こうも気持ちいいんだろうねー。

 

今ならナデポとかいうの分かる気がするー。

相手は女の子限定だけどー。

 

『……このような長い髪……美しい……香しい……』

『なんかこの髪の毛、手入れしなくてもわりと良い感じなんです』

 

不思議だよね。

多分この体の、お酒が平気な体質とかとセットなんだろうけども。

 

なにしろあのアパートから連れて来られて最初の夜――お風呂上がりで髪の毛をがしがしってバスタオルで適当に拭いて適当なドライヤーかけてた僕を見て、九島さん、卒倒したもん。

 

やー、人が卒倒とか初めて見てほんとびびった。

 

真顔で真っ青になったと思ったら、そのまんますっ転んで本気でびびった。

 

久しぶりに血の気が引くってのを僕自身が体験したレベル。

 

で、「なんでそんなことをしているんですか!?」とか食ってかかられたけど、「でもこの1年毎日でしたよ?」って黙らせたんだ。

 

乾けば髪の毛はちゃんと綺麗になるからいいじゃん。

 

ねぇ?

 

『……すんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすんすん』

 

『あー』

 

こしょばゆい。

 

なるほど、この子るるさんと近いのね。

 

るるさんも、いつも顔真っ赤にして酸欠にしてぶっ倒れるまで嗅ぎながら梳かしてくれるし。

 

気持ちは分かるよ。

 

僕だって暇すぎるときは髪の毛いじって1時間2時間平気で――

 

「――――ハルちゃん!!!」

 

「で、ですから深谷さん……」

 

「あ。るるさんに九島さん」

 

ばんっと開いたドアにびくっとした僕。

 

音でびくっとはしたけども、索敵でなんとなく分かってたし。

 

「――――ハルちゃんその子なになんでハルちゃんに触ってハルちゃんに――」

 

「この子はリリさんです。ダンジョンの」

 

僕たちのことを光の差さない瞳で見つめてくるピンク髪のくるくるを見上げる。

 

「でもハルちゃんの髪の毛梳くのは私のお仕事だしいつもいつも私が」

「あ、じゃあるるさんお願いします。リリさん、ありがとうございました」

 

この子は他人のお世話するの好きな子。

だからお仕事をあげればご機嫌になるはず。

 

「あ、うん! 任せて! ハルちゃんのことは全部私が面倒見るの!」

 

『ひっ……は、はい……』

 

リリさんから櫛を受け取って……あ、なんかおしゃれだねこれ、リリさんのセンスが光る……るるさんに差し出すと、あの怖い感じがなくなって嗅がれ出す僕。

 

うん。

 

この子、意外とちょろいよね。

 

いつも自分がお世話焼かれてるからって、肉体年齢も女の子歴も短い僕のことを、妹みたいにお世話したいって子だからなぁ。

 

「ハルちゃんのこと――ずっとずっとお世話するからね」って毎日言われてるし。

 

髪の毛と服選びだけ毎日通ってきてやってくれる程度なら大歓迎かもね。

 

大丈夫大丈夫、慣れない幼女のあいだだけって意味だろうしさ。

 

 

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