【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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646話 ドラゴンたちたちを手玉に取った

「戦争も、結局はこの広い宇宙の中での生存競争。あの魔王さんが無理矢理にでも勢力を拡大してるのは、きっと押さえつけてた神族――僕たちが居なくなったから。だから、ある意味では僕たちのせいでもある……彼らを抑えてバランスを取るべきだった僕たちが負けたんだから、しょうがないんです」

 

『ぎぃぎぃ』

『ぎー……』

 

「え? なるべくご機嫌取って穏便に? お酒のお礼? ……ふふっ、ありがとうございます」

 

なでなで。

 

酔っ払ってご機嫌になって、鼻をぐいぐいと寄せてくる彼らを、僕の小さい手で撫でていく。

 

「鱗、すべすべしてますね。かっこいいです」

 

『ぎー♪』

 

【ハルちゃん……】

【優しすぎる】

【お酒で全部を終わらせる系女神】

 

【ハルちゃんにかかれば、なんでもかわいく見えるんだよなぁ】

【これがおじゃる魔王に届けばなぁ】

【届くさ  いつかは】

【でも、それまでハルちゃんは……】

 

【大丈夫大丈夫  くっころGとノーネームちゃんと煩悩と怒りをぶつけ合ったら、ちょっとは落ち着くだろうからさ】

 

【草】

【草】

【濃すぎる性癖をぶつけられたらねぇ】

【どうか、どうかブチギレモードが収まっていますように……ノーネームちゃんたちは好きにして良いですから……】

【草】

 

【うん……さっきもドン引きしてたし、マジでただのお姫様ポジションで案外快適かもだし……】

 

【くっころ、良くやった  もう用済みだから爆発四散しろ】

 

【ノーネームちゃんもそろそろ  分かるね?】

【期待してるよ】

 

 

【エッ】

 

 

【草】

【草】

【反応してて草】

【扱いがどんどんひどくなってく2人で草】

【なにしろハルちゃんから見捨てられてるからね】

 

 

 

 

「ふんふん……おじゃる軍は、基本的に最低でも5つは予備の体があって、その先に本体が……HPを超えるダメージを受けるときに別の予備の体のHPを使うことで、本来なら別の体に戻ってから再訓練するための時間と労力を節約できる体制を……なるほど。なかなかに上質な情報です。では」

 

ごそごそ。

 

きちゃない袋さんの中を漁った僕は――

 

「――これは、マッカランっていうお酒の45年もの。おじいさんにもらった、すごく高級で希少なやつです」

 

ちゃぽんっ。

 

僕は、普段僕が呑む価格帯を何段も飛び越えているお酒をひけらかす。

 

『……!!!!』

 

ドラゴンさんたちのおめめが、琥珀色の液体に吸い寄せられている。

 

「正直、僕も呑んだことありません。そのくらいお高くって……僕が住んでた地域は安全で物がたくさんありましたけど、それでもお店で手に入れることすら難しいやつです」

 

ちゃぷちゃぷ。

 

僕は、鼻をぐぐっと――ふんふんと鼻息が掛かるくらいに近くで見つめてくる彼らへ、散々に見せびらかし――

 

「……こくっ」

 

『ごくり……』

『ごくり……』

 

【ごくり……】

【ごくり……】

【ごくり……】

【ごくり……】

【ごくり……】

 

【草】

【わかる】

 

「――では、はい。今回いちばんに有用な情報をおすそ分けしてくれたあなたへ」

 

ぺいっ。

 

投げ捨てた酒瓶を――ぱりんっとくわえ込み、

 

『ぎ――――!!』

 

「おいしいですか? 良かった」

 

おめめをぐるぐると回しながら……あ、ちゃんと飛べなくなって、ふらふらとどこへともなく千鳥羽で飛んで行くドラゴンさん。

 

うんうん、おいしいよね、これ。

……せっかくだから、もっと呑んどきゃ良かったな。

 

【草】

【草】

【さすがのドラゴンでもアルコール40度をひと瓶はキツいか】

 

【酔うかどうかはともかく、お口は熱くなるよね】

【ウォッカショット――1口量のウォッカを一気飲みするだけで口と喉がひりつくもんなぁ】

【ドラゴンって……酔うんだね……初めて知ったよ……】

【草】

 

「――さあ、みなさん」

 

――どぉんっ。

 

ひとつ、大きな花火が上がる河川敷――雰囲気ではそんな感じだ――で、僕は次の酒瓶を手に取りながら、僕を取り巻くドラゴンさんたちへとそそのかす。

 

「次の5人は誰ですか? その人たちが順番に教えてくれた情報の中で、いちばん良いって僕が思った人は……おいしいお酒を。さっきみなさんに振る舞ったお安いものの何倍もオリジナルの味がするのを、楽しめますよ……?」

 

『ぎぃ――――――!!!!』

 

自分も自分もとアピールしてくる彼ら。

 

「………………………………」

 

ぞくぞく。

 

なんだかおバカな人たちを逆手に取ってるみたいで、とってもぞくぞくするんだ。

 

「……ちょろい」

 

【もしかして:悪女】

 

【その兆候は結構前からあったな】

【ああ……】

【ふぅ……】

 

【敵の親分へ、自分の手下(自分へ変な性癖で絡んでくるやつら)をけしかけて三つ巴の戦いを引き起こさせて対消滅を狙い、一度は数の暴力で負けかけるも、負けたからって振る舞ったように見せかけたお酒で敵軍の兵士たちを釣って、自分で呑んで見せてちょっと酔ってお色気サービスしてみせて、それよりいい酒を自分で口つけるサービスまでしてからちらつかせて、もっともっとと情報を引き出させる対価として見せびらかす悪女ハルちゃん】

 

【草】

【草】

【やだ、ハルちゃんってば頭脳派】

【ハルちゃんはいつでも頭脳派だぞ】

【用意周到、臨機応変とはハルちゃんのことを言うんだ】

 

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