【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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648話 【神様と女神様とハルちゃん】

「ふぅ……結構呑みましたねぇ」

 

『ぎぎっ!』

『ぎー♥』

 

【ちょっと赤くなってるハルちゃん】

【かわいい】

【あの……赤いのはたぶん、花火()の光……】

【※有識者によると、あの光は核融合ではなく核爆発のそれに近いと……】

【炎系魔法の最終形態ってもしかして……】

【ひぇっ】

【おろろろろろ】

 

『ぎ、ぎぎぃー?』

 

「え? しゃべっちゃったの、心配になってきた? 大丈夫です。このことを聞くのは僕と……ごくごく親しい人だけ。バレやしませんし、僕がおじゃるさんにチクらなければバレようがないんですから、なんにも問題はありません」

 

【草】

【草】

【バレなきゃ犯罪じゃないってのを地で行ってるハルちゃん】

【※全世界生中継です】

【草】

【魔王側にバレなきゃOKだから……】

 

『ぎぃぎぃ』

 

「え? この頭のは何かって? で、頭の飾り? 綺麗でしょ?」

 

ちょっと冷静になっちゃったドラゴンさんが、どかんどかんと繰り広げている花火を見て怖くなってきちゃったらしく、配信機材にも目をつけてきた。

 

「ふふっ」

 

『   』

 

とりあえずごまかしておこっと……女の子ってアクセサリー好きだし、ファッションで着けてるって思い込ませれば良いよね。

 

【あっあっ】

【    】

【ハルちゃんの流し目!!】

【順調に悪女になってるハルちゃん……】

【いい……】

【ふぅ……】

 

【それにしても、だ  ハルちゃんがお酒と色香で誘惑してくれたおかげで、膨大な情報が手に入ったな】

 

【しかもこれ、たくさんの世界に同時中継だよね  うちだけじゃなくって】

【つまり……】

 

【ハルちゃんがお酒と色香でお口を軽くしたおかげで、今後、いろんな世界でとんでもなく戦況が有利に……? 少なくとも情報戦でいえば、魔王の側近部隊からのそれをことごとくすっぱ抜いてるレベルだし……】

 

【ハルちゃん、ここまで考えて?】

【だろうなぁ】

【そうか……? そうか……】

【草】

【ハルちゃん、ぽやんってしてるように見えて計算高いから】

【そうでないにしても無意識では計算してそう】

 

【いつものんびりしてるししょっちゅうおねむですやすやだし、おさけのんでぽやぽやしてるけど、そこがかわいいんだけど……まさかの昼行灯系だったか】

 

【草】

【相手に絶対警戒させないって意味ではそうね】

【古今東西、自分を徹底的にバカでマヌケって思わせてる方が強いからな】

【ハルちゃんはね、興味がないことにはとことんに無関心だからね】

 

【情報戦ってのは、いかに相手を警戒させないかって戦いだからね】

【現に今も、よりにもよって魔王の側近たちから情報を抜き取ってるわけだしな】

【ああ、自分が妃ろろろろになるってのを逆手に取ってな】

【草】

 

「……でも、良いかもね。君たちみたいな人たちと暮らすのも」

 

ぽつり。

 

ふと漏れる、僕の本音。

 

「……君たちだって、ただ征服するだけの機械とか現象じゃない。休憩時間にははしゃいだり、こうしてお酒を飲んだりして仲良くなれる、『人』。戦いさえ……停戦に持ち込めたなら、きっと。人間さんも巨人さんも魔族さんも――みんな、友達になれるんだから」

 

彼らの声は――発声こそぎぃぎぃ言ってるだけだけど、意味は伝わってきてる。

つまりはコミュニケーションも交渉も可能な「人」なんだ。

 

『ぎー……』

『ぎっぎっ!』

 

「え? 僕が新しい魔王さんに? や、僕はそういうのに興味ないし……たぶん神族ってのもみんなそうで、たくさんの人をまとめてがーっと行くモチベーションとかなくって、あくまでその場その場で助っ人に入る程度しかしなかったから全滅したんだろうけどね。でもしょうがないです」

 

こくり。

 

さっきから飲み始めた――これは普通の値段の、僕でも手が届いて普段呑みしてるやつだから幾らでも呑めるんだ――酒瓶の底までを飲み干して、言う。

 

「そういう性質なんだから。僕たちには――きっと、神族のみんなには。僕とそっくりな人たちには……一時的ならまだしも、ずっと王様で居る楽しみは、理解できない。毎日ふらふらと好きな場所で好きなことをしていたいんだ。1カ所で何十年もちやほやされるとか、逆にストレスだし」

 

【ハルちゃん……】

【神話の神様たちって、みんな好き勝手してるもんな】

【気分屋なのは人間以上だもんな】

 

【神話が本当なら、最初の数千年は人間をまとめ上げてたけど、そのうちにふと居なくなったんだよな】

 

【それってさ、ハルちゃんみたいに飽きてどこかにふらふらと行っちゃった……ただ、それだけだったのかもね】

 

【てことは、ハルちゃんもやっぱり……】

【いわないで】

【でも、気は楽になったよ  ハルちゃんなら、このあとどうなってもこの調子だって】

【ぶわっ】

 

【あの  ハルちゃんが事あるごとにるるえみくしまさぁんから脱走してたのっで……】

 

【え?】

【あっ……】

【脱走で草】

【もしかして:女神・神族としての本能】

 

【ずっと祀られるのは好きじゃない……か】

【異世界救ったあとも、町じゅうの人から崇められて心なしかすっごく嫌そうだったしな】

【草】

 

【だからダンジョンに潜り始めてから3年以上もだんまりだったわけだ】

【あー】

 

【ハルちゃんを初め、神様たちは野良猫気質  気が向いたときは手を貸してくれて、気が向いたときはそばに居てくれて  気が向かなくなった、またふらふら旅に出ちゃうんだ】

 

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