【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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649話 消し飛んだドラゴンたち

【誰からも注目されず、誰からも褒められないけど、気ままにふらふら  そういう、縁の下のお仕事が好きな……優しすぎる種族、なのかもね、ハルちゃんたちは】

 

【でも、ちゃんと危なくなった誰かは助けてくれる……】

【神社の神様とかそれ系統よね、完全に】

【あるいは山の中の名も無き……いや、忘れられた……】

 

【普段見向きもされなくても、ちゃんと見守ってくれる、か】

【たとえ信仰が薄くなっても、なくなってもそばに居てくれる……】

【ぶわっ】

 

【あとで近所の神社に行ってこよっと】

【お寺でもいいかな】

【良いと思うよ】

 

【ハルちゃんみたいな『何か』が守ってくれてるんなら、せめてお礼くらいは言ってもバチは当たらないもんな】

 

【ゴースト系のモンスターが居るんだから、もしかしたら姿はないだけで――ハルちゃんみたいな存在が居るかもってのは、ダンジョンが出てきてからずっと言われてたことだしな】

 

「………………………………」

 

『ぎー、ぎー!』

『ぎゅー……』

 

「ん……ごめんごめん」

 

ちょっとぼーっとしてたからか、彼らから心配が含まれてる声を掛けられる。

 

……誰だってぼーっとしたくなることはあるんだ、大丈夫だよ。

 

「大丈夫です、僕はどこにも行きません。行くったって、僕が魔王さんのとこに居ないと僕の大切な人たちが襲われるかもだし」

 

急に僕へ寄ってきて鼻面を押しつけてくるドラゴンさんたち。

 

その声は……なんだか、もの悲しそうで。

 

「もー、甘えんぼさんですねぇ」

 

『ぎゅー……』

 

【あっあっあっ】

【脳がとろける】

【これは女神】

 

【聖女……?】

【それはちょうちょに汚染された、二度と口にするな】

【概念がギャグになっちゃったからダメです】

【草】

 

【慈愛の女神……】

 

【俺たちのことも、ずっと守っててくれたくらいだしな】

【これは母性の塊】

 

【母性……?(ハルちゃんのお胸を見て】

 

【あれ】

【ないないされない】

 

【??】

【ノーネームちゃん?】

【さっきは一瞬元気になってたのに】

 

「……?」

 

ふと、周りを見ると――僕の周りは、完全に囲まれている。

 

さっき戦っていたときとは違って、それこそ未だにぐいぐいと鼻を押しつけてくる彼らが居るほどの近距離で。

 

その密集具合は尋常じゃなくって――さっき僕を取り囲んで攻撃してきていたとき並みに、いや、それ以上に――

 

「ちょっとみなさん、近すぎですよ? おかげであの3人の戦いが見え――」

 

『――ぎぃぃ』

『――ぎぎっ』

 

――『ありがとう』。

 

そう、聞こえた気がして――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ハルちゃん!?】

 

【急に音も光も】

【カメラさんが復帰したか】

【良かった……良かった……】

【でも、まだなんにも……】

 

なぜか寝ていたらしい僕は、目を開く。

 

「お酒、ちょっと飲み過ぎちゃったみたいです」――そう冗談を言おうとした先の、お酒を飲み交わして意識を通わせ合った、ドラゴンさんたちは。

 

『ぎぃ』

『ぎぎ』

 

――ほんの、数十。

 

よろよろと、僕の周りから――羽を寄せて固めてくれていたらしい彼らが、離れていく。

 

「………………………………」

 

周囲を見ると――無数の魔石。

 

「………………………………」

 

「………………………………………………………………」

 

たくさん居たはずのドラゴンたち。

 

彼らは――僕を守るために、盾になって――消えちゃったんだ。

 

「……痛っ」

 

ふと痛むところを見ると――

 

【!?】

【ひぇっ】

【ハルちゃん!?】

【やけど】

【腕が……】

【痛そう】

 

「右腕が……でも、なんで」

 

真っ赤になっちゃってる、僕の右腕。

本来なら、僕の中で寝てるイスさんが守ってくれるはずなのに、ケガをしている。

 

そのあまりのダメージに、なんにも分からなさすぎて、ただ「熱い」としか感じられなくって。

 

そんな僕は、目を上げて。

 

「――――――あ」

 

――宇宙、開闢。

 

それを思わせるのは、真っ暗な宙――その中に、ただひとつの光源。

 

表面温度は数千度。

 

とっても熱そうな――いや、この瞬間にも強烈な熱と光が僕を侵食するも、ぼろぼろになってもなんとか片腕だけの被害で抑えてくれているイスさんのバリアが、守ってくれているんだ。

 

このエネルギーの塊が生まれたてでもっともっと大きかった一瞬は、ドラゴンさんたち全員がバリアを張ってくれて守ってくれていたんだ。

 

「……これ、まさか」

 

――魔王級、3人の戦い。

 

……もしかして、その結末は――。

 

――ぴこんっ。

 

 

【謝罪】

 

【敗北】

 

 

もぞっ。

 

胸元に、いつもの感覚。

 

むんずとつかみあげたその正体は、もちろん――

 

「……ノーネームさん」

 

小さなお人形さんに戻っている、彼女。

しかも、心なしか――や、だいぶちっちゃい。

 

これまでは手のひらサイズだったのが、その半分も行けばいいところ。

 

【草】

【かわいい】

【つまみ上げられたノーネームちゃん】

【ノーネームちゃん、お前……また服の中に……】

 

【ハルちゃん? ぺって投げ捨てちゃって良いからね、ぺって】

 

【そうだよ】

【始原も当然の判断です】

【草】

【始原に裏切られてて草】

【ノーネームちゃんの価値がストップ安】

 

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