【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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651話 疲れる女騎士くっころさんとノーネームさん

「……話をまとめると、です」

 

僕は、疲れてきたけども事情聴取を続ける。

 

「頂上決戦は、痛み分け……いえ、くっころさんは本体だけになっちゃったらしいですけど」

 

「私の強靱な高位存在である龍の肉体が、今や、あえてひ弱に設定して作り上げた人間の小娘……簡単に死ぬ恐怖が今もぞくぞくとさせる、この高揚感……! 姫よ!!」

 

「忘れた方が良いですよ、そんな高揚感。あと、なんで叩かれたがってるんですかくっころさん」

 

もぞもぞと――なんとか服を着させたら女騎士さんって格好で、やっぱ人間のダメダメな娯楽に影響されたんだってため息つきたくなるくっころさんが、ぷるぷると震えながらほっぺを突き出しつつ悶えている。

 

……ヘンタイさんだね。

 

【草】

【ハルちゃんが呆れている】

【ハルちゃん、本気で呆れてて草】

【そらそうよ……】

 

【こんなのでも相手してるハルちゃん……女神かな? 女神だったわ……】

 

差した僕の指先には――これでもずいぶんと距離を取ったけどもあいかわらずにまぶしいし熱い、太陽。

 

「んで、3人同時に必殺技を放った結果――」

 

「姫! 私のものは最上位の闇系極大魔法です!」

「あの自爆のときに使ってたブラックホールですね」

 

「今思えば、あのときも予備の肉体とはいえ――あのときは自分勝手な逆ギレというものでの憎しみが込もっていたとはいえ、自らの魔法とはいえ、肉体が切り刻まれて圧縮されていく痛みをHPが0になる瞬間まで感じて……んっ……!」

 

「勝手に自爆して勝手に悶えないでくださいね」

 

くっころさんはもともといろいろダメだったのかもしれない。

えみさんなんか目じゃないくらいにダメダメさんだったのかも。

 

【うわぁ……】

【うわぁ……】

【悲報・Gもといくっころ、あの自爆を快感に変換してる】

【ドMって最強過ぎる】

【ハルちゃんですらえんがちょになるレベルのな……】

 

 

【光】

 

 

「ノーネームさんは光系の極大魔法――ジャッジメント、と。そしておじゃるさんが――」

 

「私たちに負けるのが余程に悔しかったのでしょう! 予備を数体使っての、炎系の極大魔法を――『世界』がひとつ創造できるほどの魔力を、私たちへ向けて発しました!」

 

【!?】

【ひぇっ】

【まって  まって】

【さらりと言ってるけど……世界!?】

【世界って……】

 

【もしかして:宇宙】

 

【もしかして:ビッグバン】

 

【じょばばばばば】

【おろろろろろろ】

 

【予備の肉体――に収められてる魔力?――を幾つも使うほどの攻撃だったか】

 

【そのせいで、あのドラゴンたちたちが……】

【一応、まだ数十は残ってるようだけど】

【ハルちゃんを守るために、ほとんどが……】

 

【ノーネームちゃんとくっころ、ハルちゃん相手だとこんなんだけど、それでもがんばったんだな……】

 

【たとえこんな感じで、ひたすら変態という名の呪詛をまくしたてる精神攻撃で参ったおじゃるが自爆したとしても、それするほどにダメージは与えたんだよな  変態という名の精神攻撃で  少なくともかなり消費はさせたんだよな、変態だけど】

 

【草】

【草】

【変態こそ最強】

【精神攻撃は最強】

【古今東西、戦いとは情報と精神と数だからね】

 

【あー、無駄に知性があって会話できちゃうと、こういうデメリットもあるのね……】

【変態な会話とか……ね……】

【言葉と意思が通じない方が救われることって、あるんだなって】

 

炎と巨大な炎、そして光。

 

それぞれの――魔力の塊が、正面から衝突して干渉し、エネルギー同士のせめぎ合いが起きて。

 

「んで、その結果が」

 

 

【恒星】

 

 

「……星がひとつ、生まれちゃったんですねぇ……はぇぇぇ」

 

ぐいぐい。

 

見てるだけで、生まれたてほやほやな太陽に引き寄せられる。

重力まであるし……あ、おひげみたいなプロミネンスがあっちこっちに。

 

 

【+】

 

 

「その際――さすがは自称でも私たちの大半が認める最強勢力の魔王の側近たちです。とっさの判断により、展開していた奴の部隊が一斉に姫を守るために防御魔法を展開――飲み込まれそうになるや、己らを犠牲に投げ打ち、勢いを相殺。さらには、奴の大切に抱えてきた玉を投げ捨てることであの星の核とし……安定したようです」

 

――ドラゴンさんたちが。

 

さっきまで……ついさっきまで、一緒に笑ってた、あの人たちが。

 

「……状況説明と、がんばったことには感謝しておきますね……それだけには……」

 

――お酒を飲み交わした彼らは、もうとっくにじゅってなって、本体に戻っていて会えない。

それは確かに悲しいけども、そんなことよりも事態の大きさに、今度はこめかみが痛くなる。

 

「ああ、彼らも本体があるのでじきに復活するでしょう。ええ、姫を救った彼らへは私もひとこと礼を言いたいので!」

 

 

【感謝】

 

 

「………………………………」

 

それは確かに嬉しいけども、そんなことよりもこの2人のダメさ加減に、今度はひたいが痛くなる。

 

ああ。

これはストレス性の頭痛だ。

 

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