【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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652話 勝者は――おじゃるさん

「ふぅ……」

 

頭が痛い。

頭痛がしている。

 

ヘンタイさんたちのしてたことと、その影響力のスケールとで。

えみさんが影響力を持っちゃったら、きっとこんなことになるんだ。

 

【ハルちゃん……】

【なかないで】

【目元を抑えてる】

【ああ……】

 

【あいつら、魔王の命令とはいえ……予備の体とはいえ、自分たちを犠牲にしてハルちゃんを……】

 

【ぶわっ】

【悲しい】

【敵にさえ悲しいって思わせる、ハルちゃんの優しさ……】

【あのドラゴンさんたち、戻ってきたら良いね】

 

【だけど、ハルちゃんのこと好きになっちゃったから、たぶん……】

 

【あー】

【ハルちゃん相手の軍からは排除されちゃうかなぁ】

【どうにかしてハルちゃんたちと一緒に逃げるのは……難しいかぁ】

 

『――――――嗚呼』

 

ぞわり。

 

僕の体の毛穴という毛穴がぷつぷつと開く感覚。

 

『流石は、幼体だとは言えども、あの決戦を生き延びた神族。加え、まだまだ幼いが繁殖期を迎える程度には成長し、朕とは比べるべくも無くも魔王を名乗るだけはある同胞よ』

 

びりびりびり。

 

まるで世界そのものが震えるかのような、見渡したときに星が少なくって真っ暗でちょっと怖い漆黒が語りかけてくるかのような迫力が、僕たちを包んでくる。

 

 

【警戒】

 

 

「――奴がもう、復活を……お気をつけください、姫」

 

「おじゃるさん? どこに居るんです?」

 

僕たちの近くには――おじゃるさんから僕たちを守るように寄ってきたドラゴンさんたち以外には、新しく生まれた星しか存在するものがない。

 

【こわいよー】

【どこからこの声が】

【おろろろろ】

 

【悲報・おじゃる、マジ切れ】

【完全に精神攻撃が解けてる】

【もうだめだ……】

 

『――神族と相対したのだ。数千万年の宿敵と、対峙したのだ。朕は、侮っていた』

 

ごろごろごろ。

 

どこからともなく、地響きのような音と振動。

なんにもない空間なのに、それでも伝わってくる。

 

……あんなに親しみやすくなってた話し方も、「おじゃる」もしなくなっちゃって。

 

『1対の神族――双子。現在も残る、唯一の宿敵にして強敵――特に金色のは本体そのもので出てきているのだ……朕が、間違っていた』

 

【本体?】

【ハルちゃんが?】

【そりゃあハルちゃんはハルちゃんで……】

 

【え、でも、やべー存在たちは基本的に予備のボディで外に出て、自分のオリジナルの肉体は安全圏に隠すのが常道だと考えると……】

 

【ハルちゃんは……】

【ノーネームちゃんも、何度もじゅっして平気っぽいし……】

【草】

【やっぱり、ハルちゃんだけが……】

 

【ちょっとおかしい強さだから最初からオリジナルで出てきているのか、それとも……】

【てことは今までどおり、ハルちゃん自身がやられちゃったらアウト……】

 

――――――ずずずずず。

 

「……っ!? まさか!? 魔王――あなたほどの存在が本体を顕現させたら!?」

 

『――――――故に』

 

さっきまでは親しみやすかった、おじゃるおじゃるっていう口調もなりを潜め――ただただ冷たい声が、近づいてくる。

 

『――先の戦いで勝利せし、朕の真の姿を――敬意と共に絶望し、朕の手に収まるべしと理解させるため、顕す』

 

――最初は、鼻。

 

大きすぎて、それが鼻の形をしているって理解が追いつかない、あまりにも巨大な構築物。

 

それがやがて――ドラゴンさん特有のワニみたいな鼻に続いておっきな目、ツノ、首と出てくるにしたがって。

 

……いや、やっぱ大きすぎない?

 

【      】

【      】

【      】

【      】

【      】

 

【でかくない……?】

【でかいな……】

【あの……ハルちゃんのカメラさんから、完全に見切れてるんですけど……】

【奥の、新しい「星」を隠すほどのでかさ……】

【おろろろろろ】

 

羽と胴体までが出てきて。

 

――その時点で、僕は理解した。

 

「……すっごく、おっきい」

 

 

【全長】

 

【推定】

 

【:】

 

【新星】

 

【10万km】

 

【魔王】

 

【30万km】

 

【ふぁっ!?】

【     】

 

【直径10キロ……あっ……恒星が維持できる最小のサイズって、一説には……】

【さっきの爆発での炎の玉の中で核分裂が起き続けた場合、恒星として普通に存在し続ける……?】

 

【!!??】

【なぁにそれぇ……】

【いや、それよりも】

 

【※地球の直径は12万kmです】

 

【※つまり】

 

【※おじゃる朕の本体は】

 

【※地球の倍以上のサイズです】

 

【※地球の近くに出現されたら、どこからでも今みたいに見切れるでかさです】

 

【※生物の強さは、基本的にそのサイズで決まります】

 

【※「星」を生み出せる攻撃力持ちです】

 

【※もし】

 

【※もし、地球の前に来られたら】

 

【※体当たりだけで地球ごと……】

 

【      】

【      】

【      】

【      】

【      】

 

【ハルちゃん、降伏して……】

【そうだよ】

【こんなのに目をつけられた俺たちはしょうがない】

【でも、ハルちゃんは……】

【まだお気にらしいから、そのまま抵抗せず……】

【せめて、ハルちゃんだけでも……】

 

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