【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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657話 僕にそっくりな子が居た

「はぁ……」

『はぁ……』

 

僕たちは、何度目かのため息を合わせた。

 

だって、ねぇ……?

 

「んっ」とか「はぁんっ」とか、ぷるぷるしながら蠢いている――見た目中学生で、でもお胸が大きくて……だからきっと大変なことになっているだろう、くっころさんが、嫌でも視界に入るし耳に入ってくるし、すがり付いてくるんだもん。

 

『もう良いであろう……此方へ来い……それが救いにもなるでおじゃ――なるであろう……』

 

「そうですね……あ、この人、連れて行っても? これでも仲間なので」

 

「3つめが!!」

 

「………………………………」

『………………………………』

 

「こんなのでも、仲間………………………………です」

 

僕は、なんとか言い切った。

僕は、がんばったんだ。

 

『…………良かろう……愚痴なら幾らでも付き合おうぞ……』

 

【草】

【すっごく嫌そう】

【そらそうよ……】

【目の前で卵を製造続けてるバケモンを連れてくのはなぁ】

【草】

 

「この人、本当に気持ち悪いですけど、こんなのでも見捨てられないんです」

 

『……神族とは、在り方がかくも凄惨であるな』

「卵が……産道を進んで……!」

 

【●REC】

【はよ】

【安全に産むためにも、早く分娩台を用意するんだ!】

【まずはお股を開こうか大丈夫これは生物学的な好奇心だから】

【お前ら……】

【いや、こればかりはくっころちゃんが悪い】

【それな】

 

【ノーネームちゃんがかわいいレベルのアレだもんなぁ】

【ノーネームちゃんが清楚に見えるレベル】

 

 

【清楚】

 

 

【そうかな? そうかも……】

【なんか元気になってるね、ノーネームちゃん】

【くっころも、たまには役に立つか……】

【少なくともこの場面ではかなり役に立ってたぞ】

 

【あと、えっち】

 

【えっち】

【悶えて……ふぅ……】

【出産……いや、産卵を我慢して……ふぅ……】

【我慢……そして解放……ふぅ……】

【卵のサイズによっては苦しんで……ふぅ……】

 

【€6000000 人間では再現不可能なシチュに、感謝】

 

【!?】

【まーた謎の高額投げ銭が】

【えぇ……】

【この配信……ちょっと変……】

【ちょっとか?】

【なんだか妙に懐かしい流れだけど、もう……】

 

「うっ、産まれる……! せめて、せめて産む瞬間だけは手を!」

 

「ですからヤですってば――速い!?」

 

しゅばっ――がしっ。

 

僕の手は、くっころさんにホールドされた。

僕はもうだめだ。

 

【草】

【草】

【すっごくすばやい】

【まるで黒くてかさかさ動くアレのような】

【だってGだぞ?】

【そうだったわ……】

【まーた繋がっちゃった】

 

『その手を離せ下郎!! 女神ハル! 疾く此方へ! 貴様を――いや、其方を救ってみせる!』

 

「おじゃるさん……!」

 

ああ。

 

なんだかおじゃるさんが輝いて見えるよ。

 

【草】

【朗報・立場、完全に逆転する】

【ハルちゃんが常に攫われるお姫様ポジなこと以外はころころ変わる情勢】

 

【くっころ……お前、やっぱすげぇよ……】

【えみちゃんが見習わないといけない胆力だね】

【草】

【くっころ、弟子取る気はある? えみちゃんっていうの】

 

「――――――――――姫よ。お耳を」

 

――ぼそり。

 

これまでのはぁはぁってのが一瞬で収まった彼女が――僕へ魔力を流し込みながら、告げる。

 

「――『姉上様』よりの、願い。この騎士くっころ、無事に達成致しました」

 

「え?」

 

姉上――誰のこと?

 

「くっころさん、

 

 

 

 

 

 

 

 

なにを言って。………………………………」

 

僕は、足に重力を感じている。

僕は、人工的な建築物の床に、足を着けている。

 

「………………………………え?」

 

「――ずいぶん、待たせたね。ずいぶん、辛い目に遭わせたね。説明もなしに……君だけに任せきりで」

 

「?」

 

僕は――そうだ、ついさっきこの声が聞こえてきたんだ――振り返る。

 

「――――――……………………」

 

そこには――僕と全く同じ姿の女の子。

 

いや、僕よりは何歳か歳が上だ――けども、せいぜいがくっころさんと同じく高校生には届かないか、高校生の中でも小さい子――るるさんと比べても、やっぱり中学生に見える子。

 

金色に光る長いもしゃもしゃの髪の毛を腰まで流し、蒼い目はどこか眠そうで。

きっとしゃべるのはそんなに得意じゃないだろう口元は、僕と同じく小さくって。

 

そして――今の僕と同じく、謎のギリシャ風の白い半袖のドレスを着ていて――白い羽を生やしていて、頭の上には輪っかさんが乗っかっていて。

 

「説明は、後。――ハル、ここに立って。なるべく早く。今は、頼むよ」

 

彼女が指した先には――ああ、ここは金属の床だと思ったら、お船の操舵室――いや、艦橋っていうもので。

そういや戦艦さん――なんとか大和型戦艦っていうのだっけ――の艦橋に舞い降りたときも、こんな感じの雰囲気で。

 

前方一面にはガラス張りのでっかい窓――その先は真っ黒な空の中に、無数の銀色に光る構造物。

 

視線を手前に移し、彼女の指す先に戻すと――

 

「……魔法陣?」

 

鋼鉄の構造物の中に、立体的な魔法陣が光る光景。

それは、あんまりにもアンバランスで。

 

現実感は、まったくない。

 

けども同時に、これが夢だとは思っていない。

 

だって――僕を呼んだ彼女は、僕の「この体」を与えてくれた――

 

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