【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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660話 「戦闘」にもならない対峙

『――同胞故と、慈悲を与えたのが我の失策であった』

 

「ふっ……本来なら弱点のはずの痛覚を快感に変換可能となった私には、なにも効きません!」

「ないない」

 

両翼を広げたその姿は、地球型惑星をも包み込む――星の命、そのもの。

 

そのような、生命体として上位の巨体に対するは――「ハル」を「ないない」し、ためにそれからの怒りを一身に受けるノーネームとくっころ。

 

住まう星から害虫と見なされるほどの脅威を覚えながらも、1柱と1匹はすまし顔と、どや顔で応対する。

 

『その妄言も、全てが我を欺くためだけに初めから演技していた……見抜けなかった、我の失敗である』

 

「あ、いえ、これは本当に……途中立ち寄った世界の娼館にてムチやロウソクを使い快感を与える本職のお方からこの身に刻んでもらった成果でもありまして」

「ないない?」

 

『我を欺くため、まずはあの女神ハルを初め全ての味方をも惑わした、その話術。それに騙されたのは我よ……敗北を認めよう』

 

「本当なのに」

「ないない……」

 

【草】

【草】

【悲報・くっころ、最強】

【なにやっても喜ぶなこいつ】

 

【てかハルちゃんは……?】

 

【くっころがどっかにないないしちゃったよ】

【そんなぁ】

【ないないはノーネームちゃんの専売特許なのに!】

【この人でなし!】

【まぁドラゴンだしな】

 

「うっ……ふぅ。残念ながら、卵はできませんね。私の愛する御方はただのお一人ですゆえ」

 

【!?】

【は?】

【もしかして:くっころ、コメント欄見てる】

【なんだこいつ、最強かよ】

【あー、ノーネームちゃんとタッグ?組んでるしなぁ】

 

「――魔王よ。最後に、女神に代わって警告します」

 

形勢は、思考能力のほとんどない虫けら――いや、本能的に恐怖を覚えられるだけ、虫けらの方がはっきりと分かるほどに絶望的。

 

にもかかわらず、元魔王・現くっころが告げる。

 

「貴公は侵攻を中断し、現在支配する領域にて満足されたし。不毛な戦闘は避けるべきであり、これより先へと踏み出そうものなら、貴公が幾万年を掛けて拡大してきた勢力を減ずることになります」

 

【えっ】

【!?】

【くっころ……?】

【変態がまともすぎることをしゃべってる!?】

【草】

 

【え、ここまで真面目ってことは、さっきまでのは演技】

 

【本気でしょ】

【本気だったよな】

【本気だったよね】

【マジでハルちゃんの全てに欲情してたよな】

【それで卵産もうとしてたよな】

 

【草】

【うん……ヘンタイさんなのは本当だよね、えみちゃん】

【草】

【いちいち引き合いに出すのはやめたげてよぉ!】

 

『――返答は、否。もはやこの世は、我ら魔の王たるドラゴンの天下。たかが女神2柱に裏切り者の同胞――我の元部下が牙を剥こうと、結果は変わらぬ』

 

『ぎぎぃ』

『ぎっ!』

『ぎぎぎっ』

 

ハルが居なくなっても、なおハルの意向を汲むドラゴンたちが――ノーネームたちの前で、前の支配者へ抵抗の声を上げる。

 

「……そうですか」

「んむ」

 

【ドラゴンたち……】

【ハルちゃんとお酒を飲み交わして友達になったやつらまで】

 

【馬鹿だよな  勝ち馬に乗っときゃ良いのに】

 

【でもさ、友達になったんだよ】

 

【友達ならしょうがないよな】

【な】

 

『――丁度良い。辺境の地にて小勢力の王を名乗っていた貴様に、我の力を見せてやろう』

 

――――――ぶん。

 

その言葉と合わせ――宙が、切り裂かれる。

 

「ないない、あうと」

 

「転移魔法……あまりにも、膨大な数の」

 

『然り――――――見よ、絶望せよ。これが――この宙を統べる、魔の王たる朕の全軍である』

 

【?】

【えらく大上段な物言いだけど、なにも起きてないぞ】

【いや、待て】

 

【画面のあちこちで見えてる光の点――あれ全部、転移魔法の光じゃね……?】

 

『『『『――――――GAAA!!!』』』』

 

1、2。

 

光から、巨体が姿を見せ始める。

 

『『『『『GIIII――――――!』』』』』

 

500、600。

 

見渡す限り全天に出現する姿は――さすがに王である魔王ほどには及ばないまでも――広げた羽の先と先の距離が小惑星の直径程度には届く質量を備えた、威厳と畏怖を備えた龍の姿。

 

2万、5万。

 

1秒おきにみるみる膨らむその数は、魔王という名の恒星に惹かれて集まってきた小惑星帯のよう。

 

『『『『――――――■■■■■■!!』』』』

 

宇宙の果てまで届くかと思わんばかりの咆吼が、戦場を包む。

 

『――我が魔王軍。我を着飾る親衛隊こそ敗北し、奪われはしたものの……各方面へ配属していた主力軍は、全くの手つかずよ。むしろ我がそれぞれに全権を任せるほどの粒ぞろい――これらこそ、我が親衛隊。我の世界そのものを守護せし部下よ』

 

「魔王とは……ここまでの……」

 

「………………………………」

 




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