【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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668話 【魔王を引っ叩いた光】

『女神……貴様、何を――――――』

 

黒き女神へ振り返ろうとした魔王の横っ面を、途方もない現象が引っ叩く。

 

それは、宇宙開闢の幾分の1に等しいエネルギー。

 

大型の恒星数百万、あるいは銀河数千、はたまたはその星から脱出できない文明の観測可能な宇宙の数十分の1の力。

 

――ただ凝縮され純粋な力の塊となったそれが、魔王の頬を、まるで婚姻を拒絶する姫の渾身の力のように

 

――――――ごうっ。

 

と――引っ叩いた。

 

『――――――G■■■■■AAAAAAA■■■AA■■■■■■AAA――――――!?』

 

魔王はその力を受けた直後からきりもみを始め――そのコンマ秒後に、「光」そのものに飲み込まれた。

 

宇宙を構成する恒星の力を内包し、重力を生じうる惑星ほどの存在にまで生に成長していたはずの魔王は――――――精鋭の各方面部隊とともに、半壊させられた。

 

【!?】

【!?】

【なんだこの音】

【まっしろ】

 

【なんにも見えない】

【耳がないなった】

【なにも聞こえない】

【あれ、リストバンドが】

 

【速報・救護班より】

 

【現在、配信音量を66%以上にしていた視聴者のリストバンド起動を確認しました】

【現在、デバイスの光量をデフォルトにしていた視聴者のリストバンド起動を確認しました】

 

【現在進行形で多数の患者が転送されています】

 

【目と耳がないなった視聴者たちで阿鼻叫喚です】

 

【全世界の視聴者たちは至急イヤホン・ヘッドホンを外し、液晶モニターやスピーカーなどを使用し、制限のあるデバイスでの視聴をお願いします】

 

【※命へ直ちに影響はないので救護班の治療は基本的に放置です  苦しみたくなかったらすぐに暗所へ退避してください】

 

【!?】

【救護班!?】

【耳がきーんってなってるけどなにがおきた】

 

【コメント見もskd;jlかん】

 

【草】

【おちつけ】

【たぶんなんにも見えてないよその人】

【草】

 

【a;sldkjr;lwa】

【わからん】

【画面も真っ白でなにひとつわからん】

【あ、ちょっとだけ真っ白じゃなくなってきた】

 

140億年前後の宇宙が、140億年前後前に発したのと同等の光と音と振動が、落ち着いていく。

 

徐々に感覚器官が戻ってきた生命体たち。

その中で、比較的守られていたノーネームが最初に認めたのは。

 

「……しゅきぃ……♥」

 

【!?】

【?】

【!?!?】

【なにがおきてる】

【わからん】

 

【ノーネームちゃんは無事】

【くっころも無事】

【あ、くっころの羽に守られてたドラゴンたちも】

【え、でも、その外は】

 

青/赤/黄/白/黒――――そして金の光が、彼女たちを包むように押し寄せている。

 

――ゆえに、彼女たち以外のすべての空間が、破壊されている。

 

『――――――GAAAAAAA――――――!?』

 

1体1体が、小惑星から大陸サイズのドラゴンたち。

 

「各世界――辺境」へ派遣された辺境軍の主力部隊であったはずの彼らは、その光で魔素まで分解され尽くしていっていた。

 

戦うことも許されず、構えることも許されず。

 

ただただ、塵芥のように爆発四散させられていた。

 

【きれい】

【綺麗だけど……ゑ?】

【もしかして:倒されていってる】

 

【え、なんで?】

【この光……なにかのブレスなんじゃ】

【ブレスって、誰の?】

【分からん……】

 

【ちょうちょの?】

 

【草】

【草】

 

【シリアスを四六時中に問答無用で爆発四散させるワードは謹んでお控えくださいちょうちょで精神を殺すぞ】

 

【ひぇっ】

【草】

【そら怒るわこんなん】

【なぁにこれぇ……】

 

混沌となる戦場、こんとんとなる配信画面。

 

そこへ――――――一筋の光が、灯る。

 

「……! くっころ、くっころっ!」

 

「ど、どうされましたか、姫のお姉――」

 

「――――――はる! きたぁっ……♥ はるっ、はるぅっ……!」

 

それを見た黒き女神は――まるで初恋の相手を認めたような、桜色のほほえみを奏でる。

 

「かふっ……」

 

「?」

 

【       】

【       】

【       】

【       】

 

【救護班詰め所  死ぬな】

 

【草】

【草】

【投げてて草】

【え、けど今、ノーネームちゃん……】

【「ハルちゃん」って……?】

 

光のゲート――超空間ワープアウト、または超長距離転移魔法の出口。

 

そこから鼻を覗かせるは、赤い口を開いた鈍色の筒。

 

【?】

【なんだこれ】

【つか……でかくね?】

【でかいな……】

 

【こっちの画面上で推測すると……魔王おじゃると同程度、いや、それよりでかい円筒形の人工構造物なんだが】

 

【!?】

【!?】

【なぁにそれぇ……】

 

宇宙の底まで響く重低音とともに、光の円盤から「射出口」が露わになる。

 

それは――直径が5100kmにも至る、膨大な数の船を寄せ集めた人工物であり。

 

【大砲……?】

【なぁにこれぇ……】

 

【あの  魔王の顔よりはるかにでっかい銃? 狙撃銃? の銃口が、ずずずずって光の中から】

 

【狙撃銃……銃口……遠距離射撃……】

 

【遠距離攻撃……見えないところから……あっ……】

 

【えっ】

 

【もしかして:ハルちゃん】

 

【は?】

【えっ】

【え?】

【いやいや……いやいや】

【で、でも、ノーネームちゃんがこんなに嬉しそうになるだなんて……】

【まさか、本当に……?】

 

 

◆◆◆

 

 

今年もハルちゃんをよろしくお願いします。

 

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