【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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669話 神々の遺せし箱舟

『――魔王に対抗する意思のある、全存在へ告ぐ』

 

宇宙の光が魔王を飲み込み、その配下を次々と飲み込み――球状に広がっていた全軍の大半を飲み込み、さらには現在もワープアウトしてきている追加の戦力をも瞬時に魔素へと変換するだけの力とともに到来した力が、あらゆる言語で宣言する。

 

『こちらは、1万年前からの大戦を生き延びし……私たちを守護せし、唯一に残る純血神族最後の主神「4柱」の指揮せし最終連合軍』

 

円盤から出でし光の滝は、抵抗を許さずに魔王軍を消していく。

 

砂糖と空気で構成された綿飴が水に触れたとたんに、抵抗もなく溶けていくように。

 

『「女神のダンジョン配信」を視聴されている、神々を信仰し、魔から転向した全ての全種族へ再度告げます――――――これは、反撃の狼煙です。数千年前の敗北より敗者であることを受け入れ、勝者よりのあらゆる辛酸を舐めた私たちの、希望』

 

――――――未だに光を吐き出し続ける巨大な光の円盤。

 

その周囲へ――それよりは圧倒的に小さいものの、そのどれもが最低でも直系数キロはある円盤が1つ、2つ、1000、5000と膨れ上がっていく。

 

それを突き破るように、最初は黒――その次には硬い色をした物質が、首を揃えて顔をのぞかせる。

 

『魔王よりの配信を観ていた――作戦のために私たちが見捨てた同胞へも、いかなる言葉も受け入れます。ですが――』

 

そこから次々と出てくるのは、

 

【……船?】

 

【船だな】

【船だね】

【船ですね……】

 

【サイズ感がないないなってるけど、たぶんこれやべー規模のお船がやべー規模の集団で出てきてますね……】

 

【草】

【語彙力】

【言いたいことは分かる】

【でも】

【でかくね……?】

【でかいよ?】

 

【なぜか真空で電気も電波もないはずなのにへっちゃらでぴんぴんして配信してるカメラさんのおかげで、でっっっっすぎる魔王を映してた画角のままでも普通に見えてるレベルででっっっな人工物たちが次々と現れてるよ  てか画素数やばない……? 拡大しまくっても普通にひとつひとつの細かいとこまでやべーくらい見えるんだけど】

 

【草】

【草】

【カメラさんを称えよ!】

【ドンドコドコドコ】

【ハルちゃんのカメラさんは特別性だからね】

 

【それに……でかいは正義だからね】

 

【でかい】

【うむ】

【ふぅ……】

【あっ……(昇天】

【男の子はでかいってロマンを求めるからね】

【最低でも星間規模の鋼鉄製の兵器……ふぅ……】

 

【まぁダンジョン経由?でたくさんの異世界からたくさんの戦力集められたくらいだ、やろうと思えば……いや、やっぱ規模おかしいわこれ……でもいいや、なんかすごいし】

 

【男はな、おっぱいも兵器もでかければでかいほどに興奮するんだよ】

 

【すごくよく分かる】

【これ以上なく同意する】

【たぶん生きてきた中で一番興奮してる】

【分かる】

 

【なによ! 女だって興奮するわよ!】

【正直、どんなイケメンよりも興奮するわ】

 

【ごめんね】

【いいよ】

【優しい世界】

【即座に謝って即座に許す精神】

【草】

【この規模感を見たらね……】

【あっ……光から出てきた】

 

最初に姿を現したのは、「一挺」の筒。

 

広く空いた鼻面は真っ赤に焼けただれ、現れた瞬間から崩壊していくそれの周囲へ追従するように出現してきているのは、それよりもはるかに小さくとも明らかな人工物と認められる――艦橋や砲塔、観測儀、レーダー、推進砲や対宙砲などが突き出している円筒形の構造物であり、

 

【……戦艦?】

【宇宙船……だよな?】

【タンカー……いや、空母……?】

【移民船……まさか……】

【ボート……駆逐艦、潜水艦……魚雷艇まで……!?】

 

【往年のSF映画で覧た宇宙船……そうか、理論とロマンを詰め込んだ造形は、本当に存在したんだ……】

 

【あ、なんか遠くにでっかい木が】

【ブロッコリーみたいなでかい木から木製?の船が飛び立ってる……なぁにこれぇ……】

【ファンタジーだったか】

【そりゃ相手がドラゴンだからな、世界樹っぽいのくらい宇宙を飛んでるわな】

【草】

 

ただ1隻だけ明らかに異物である「筒」を取り囲み守護する陣形で出現したのは、多くが艦首に巨大な筒を備えた形状をした「船」たち。

 

宇宙を海と見立て、地球の海で浮かんでいたそれらを側面と海面まで考慮した形状に再構成された金属――に限らず、木・土・泥・水・魔力・精霊力神力魔力霊力虚数界力その他、ありとあらゆる――それぞれの世界で最も強固な装甲で保護された戦いのための「船」が、姿を現し続ける。

 

幾何学的だったり奇想天外な形状をしていたり、かと思えば古めかしい三段櫂船から屋形船、単純な円形や正方形、長方形――ありとあらゆる形状が許容されたそれらは、けれども等しくひと目で武装と判別される砲塔や発射管を備えている。

 

「……! はるっ……はるっ……!」

 

「女神様!? 待ってください、私、腰が抜けて……!」

 

守っていた手の甲にゆらゆらと半透明の光を漂わせるちょうちょを携えたノーネームが、羽をぱたぱたと動かして赤黒く崩壊していく銃口へと向かっていくのを、巨乳ロリと変化した龍が食い止めようとする。

 

【ノーネームちゃん!?】

【あ、ノーネームちゃんのおててのちょうちょ】

【草】

【力が抜けていく……】

【シリアスにちょうちょは厳に控えてください殴るぞ!!!】

【草】

 

【ごめんね】

【いいよ(怒】

【怒ってる!】

【草】

【そらそうよ……】

【NGワードに放り込んどけそんなもん草】

 

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