【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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672話 「ないない」

――ごぉっ。

 

光の洪水が、右から左へと流れていく。

 

さっき、ずっとずっと遠くから引き金を引いたときはお船の中だったし、今みたいな余裕なんてなかったからどんな攻撃になってるのかなんて気にしてる余裕もなかった。

 

なによりもすっごく遠いところに居たおじゃるさんに絶対当てなきゃいけなかったから、しっかりとおなかを狙って片時も意識を逸らせなかったんだ。

 

外しちゃいけない攻撃。

そういうの、今まで僕は経験してこなかったから。

 

けども、今の2射目はそうじゃない。

 

最初の攻撃でまだまだ金色の炎で燃えていて回避もできなくなっていて、しかも砲塔が目の前にあったんだから。

 

そうして放った2射目は、今回もまた手応えは充分で。

 

『G――AAAAA――――――!!』

 

まだまだしぶといらしいおじゃるさんへ――大きすぎる存在からしたらゼロ距離射撃ってやつみたいに真横から叩きつけたことになる砲撃は、こっちに来たときからずっとごうごうと燃えていた彼を金色の球にしながら、さらに燃え上がる。

 

というか本当にしぶとい。

単純にでっかくて強いから、ダメージが通りにくいんだ。

 

それの、余波――体感で99%のエネルギーがおじゃるさんに直撃した残りが、まだ無事だったドラゴンさんたちを飲み込んでいく。

 

たったの1%だけで、軍隊っていうか艦隊ってサイズの陣容が、まるごと濁流に呑み込まれていく。

 

【ひぇっ】

【有識者によると惑星サイズの朕魔王を丸ごと飲み込む砲撃……】

【おろろろろ】

【ここまでくると天文学的な事象だな……】

【スケールが違いすぎる】

【俺たちのハルちゃんが、ついに宇宙規模に】

 

【けど、さっきのに比べたらまだ画面が見えるあたり……初撃の威力がうかがい知れる】

【どんだけのエネルギーが込められてたんだろうねぇ……】

【おろろろろ】

【あー、さっきは画面が真っ白だったもんね】

【今は手前に居るハルちゃんたちが見えてるだけでも何十何百倍の威力の差がありそう】

【あ、さっきの大砲が……】

 

――どぉん。

 

「あ……」

 

さっきまで一緒に居た、たくさんの船でできた筒。

もうぎりぎりのところで、それでも2射目を放ってくれたそれが――砲塔内の圧力に負けて爆ぜ、崩れていく。

 

ばらばらに、ちりぢりになって。

 

「………………………………」

 

「彼らは、役目を果たしたんだ。彼ら1隻ずつの存在意義を、無事に完遂したんだ。ハル、君のおかげでね」

 

「……そうですか」

 

ごおごおと、僕が放った金色の炎に包まれて崩れ落ちていく金属の塊。

 

――つい最近に、恐竜さんと戦ったときに助けてくれたイスさんや戦艦さんたちと触れ合った僕は、知っている。

 

金属でできた機械にだって――ある程度以上のものなら、なんとなくでも意識はあって、意思はある。

モンスターさんの中にも、明らかに知性があったり会話ができたりする存在も居る。

 

つまり、今燃えている彼らは――

 

「ないない」

「うん、ありがとう。ちゃんとないないシステムは機能してるね」

 

炎に照らされたノーネームさんと姉さんが、話している。

 

――本当、髪と目の色が違う以外はそっくりさん。

つまりノーネームさんはこの子の妹かなにか――だけども。

 

「ないないシステム、ですか?」

 

ノーネームさんが好きな、「ないない」。

 

10年前――11年前、ダンジョンが出現したときからモンスターに食べられたりしそうな人を助けてくれる力のこと……だよね?

 

「うん。この子――ノーネームへノームと私が教えた、魔王たちの侵攻にさらされるみんなを、命だけは守るための転移魔法機構のこと。本来はもっと仰々しい名前があるんだけども……なんだかほんわかしてるこの名前は、ハル、君たちが名付けたんだよね?」

 

「え?」

「え?」

 

「違うの?」

「そうなんですか?」

 

「そう聞いたんだけど」

「そう聞いたんですか」

 

「ないない?」

「らしいけど?」

 

「………………………………」

「………………………………」

「………………………………」

 

「?」

「?」

 

「ないない……」

 

【草】

【草】

【かわいい】

【かわいい】

【急にかわいさが投げつけられた】

 

【そっくりさんな金髪碧眼なロリっ子×2+黒髪紅目なロリっ子×1が揃ってきょとんとしている】

 

【かわいいね】

【かわいいね】

【この気配はまさか……】

 

【ないないシステム  もしかして:俺たちが名付けた】

 

【あっ……】

【「ないない」って……】

【あー】

【速報・俺たち世界デビュー】

【誇っていいのか、それ……】

 

【そんな大事ならもっと早く言ってよぉ……かっこいいのにしたのにぃ……】

【いやいや、ノーネームちゃんが言いだしたんじゃなかったっけ】

【もう覚えてないよぉ……】

 

 

【nai-nai】

 

【original】

 

 

【草】

【草】

【ノーネームちゃん!!!】

【今真面目な場面でしょ! 笑わせてこないで!!】

【おなかいたい】

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