【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~ 作:あずももも
【わぁ……ハルちゃんの愉快な仲間で盛り上がってるうちに、画面一面が真っ黒のぽつぽつろろろろろ】
【ろろろろろろ】
【集合恐怖症には厳しすぎる絵面】
【首元がかゆいよー】
【じんましんが出てる】
【蓮とかイチジクとか虫に食われた野菜ああああああ】
【イチゴの接写画像あああああ】
【なぜか急にこれでもかと出てくるようになった毛穴とか虫歯の広告あああああ】
【おろろろろろろ】
【夢に出てくるレベルのグロろろろろろ】
【草】
【大惨事で草】
【明るい光のときは平気だったけど、黒はほんと見てるだけで鳥肌立つわ】
【ぞわぞわするのは分かるけどそこまでかよ草】
【人間の本能的にそういうのはね……】
【こういうのを見て発狂する人が一定数居るのは、進化の過程で見てきた感染症でやられた仲間とかの末路を見た記憶とかなんとか ほら、酷い感染症ってお肌とかが……ね? あ、想像したらおろろろろ】
【なるほど】
【草】
【本能なら仕方が無い】
【猫がきゅうりで飛び上がるアレみたいなもんか】
【草】
【あー】
【ハルちゃんも野良猫だからきゅうりは苦手かな?】
【お酒のつまみになるからって塩つけてぼりぼり食うんじゃね?】
【「これおいしいですね」とか言いながら平気で食べそう】
【ハルちゃん、苦手なものはそんなにないからね】
【猫かわいがりくらいだよな!】
【草】
探知スキルに膨れ上がっていく、無数の戦力。
ダンジョンで下の階層を見るときとかとはケタ違いで、異世界で地上を埋め尽くすモンスターの軍勢を見たときとも、また格段で。
ダンジョンっていう隔離された地形、あるいは地上っていう地面に縛られて地面か空中にしか展開できなかったそれらとは違って、無限の宙を、3Dな空間を、立体を埋めていく戦力の感覚に――肌がぞわぞわ、毛穴がぶわぶわとなる。
おじゃるさんが率いてきた最初の群れが来たときは、ただの畏れで。
今回は――僕たちだけじゃなんにもできない数の暴力への、畏怖で。
「あれは、大量の軍団を移動するための転移魔法の光。……世界全体の7割を掌握しつつある魔王だ、当然ながら即応できる部下以外にも――それこそ無数に手下は居るよね。距離と規模、統治してたり侵攻してる各世界から駆けつけてるから、何十の波になって押し寄せてくるんだ」
「そうなんですか」
どうやらおじゃるさんは、あの尊大で傲慢な物言いに見合うだけの勢力を持っていたらしい。
その勢力が今や、おじゃるさんをいじめられて激怒しているんだ。
【ふぁっ!?】
【7割……?】
【なぁにそれぇ……】
【あはは! ちょうちょ! ちょうちょちょうちょちょうちょ!】
【TSって……良いよな……】
【来世はTS美少女になって男どもを魅了するんだ……】
【かわいそうに……】
【地球上も、陸地の何割をダンジョンとかその発展形の魔界が支配してるってのに、そんなもんじゃない勢力が……】
【え? それ、どうにかなるの……?】
【勝つとかそういう次元じゃなくね?】
【存在として強すぎる魔王こそ行動不能にはできてるけど、その手下が無数に居るんじゃあなぁ……】
【アルちゃんが出てきた以上、何か策はあるはずなんだが】
「あれは、ただの第1陣。魔王直下の即応部隊――精鋭とはいっても、数は限定されてる幹部連中……長老連中が居なくたって、その下には何十のヒエラルキーによって一方面の部隊で星をひとつ滅ぼせる戦力はあるんだ。魔王が目指す道中の、魔王にとっては取るに足らない星を、魔王に手間をかけさせないように滅ぼすための」
「ほぇー」
なんだか良く分からないけども、強そうということは理解できる。
や、だって、そんな規模の話っていまいちピンとこないし……目の前の物量はぴりぴりと感じるけどさ。
【草】
【かわいいね】
【かわいいね】
【ハルちゃんの素直な反応で癒される】
【ハルちゃんさえ居ればなんとかなるって気がするよな】
【どんなピンチでもクール……もといぼんやりしたハルちゃんだからな!】
【やべー規模なのを理解してるのかしてないのか】
【ハルちゃんだからね……】
【ハルちゃんもまだなにか隠してるようではあるもんな】
【けど、いつものように魔力が空っぽになってるんじゃ?】
【ハルちゃんが魔力いっぱいだったときって……そんなに泣くね?】
【あー、るるちゃんにロックオンされてからはそんなにないな】
【るるちゃん怖っ……】
【※元凶はノーネームちゃんです】
【そういやそうだったわ】
【のんびり遠くを眺めてるハルちゃん……いつまでもそのままの君で居て】
「たったの数千年で、ここまで増えた魔王勢力……私たちで、止めないとね」
「そうですね」
ばらばらに散った大砲の残骸――大きなものから小さなものまでいろんな船が、僕たちの後方に退避していっている。
――いつも通りに魔力はすかんぴんだけど、なんとかしないといけないんだ。
大丈夫、いつもいつも――るるさんと出会ってから魔力がいっぱいある状況のほうが少ないんだ、みんなと一緒なら「ダンジョンなら遭遇しないはず」のこの数だって、きっとなんとかなるから。