【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

677 / 739
675話 【悲報・ちょうちょ】

『『『GAAAAAA――――――!!』』』

 

魔王さんよりはずっとちっちゃくて、けどもさっき僕たちを囲んでたドラゴンさんたちとそんなに変わらないサイズの――つまりはでっかいドラゴンさんたちの群れが、ひとつひとつが数万数十万の群れが、何千何万と編み目のように出現している。

 

遠すぎるからただの威嚇だけども、それらが一斉にブレスをこっちに放ったりしていて……やる気満々なのも伝わってくる。

 

そりゃそうだ、自分たちの王様を僕たちが燃やしちゃってるんだから。

 

「すいてい」

 

「……んむ」

 

「だいにじん」

「さんおく」

 

こくこく。

 

ノーネームさんが、納得げにうなずいている。

 

「そんなに居るんですか?」

「ん」

 

あれ、全部数えてたのかな。

そうだとしたらノーネームさんってすごいね。

 

「しゅきぃ……♥」

 

ふと見ると、くっころさんの腕の中でくねくねと揺れているノーネームさん。

君、結構のんびり屋さんだよね。

 

「うーん……あれから数千年ってのは、やっぱり放置しすぎたかなぁ……けど、それくらいないと私たちの戦力も回復できなかったから致し方なしなんだけど、こうして見ると結構冷や汗ものだね」

 

「そうなんですか?」

「うん、ハルとノーネームは産まれたばかりだから知らないだろうけど」

 

「むっ」

 

僕はちょっとだけむかっとした。

 

「僕、子供じゃないんですけど」

 

「え、でもその体ではまだ1歳でしょ?」

「2歳くらいにはなってるはずです」

 

確か、るるさんたちが異世界に来てくれたとき、そう言ってたし。

僕がTSして幼女になってから1年は1人で隠れて過ごして、そのあとの1年はみんなに囲まれて忙しかったんだから。

 

【!?】

【1歳!?】

【いや、ハルちゃんは2歳と言い張っているぞ】

【草】

【たいした違いがないんだが】

 

「2歳なんて生まれたてだよ?」

「そうでもないです」

 

「怒ってる?」

 

「怒ってないです」

「ないない」

 

「ハル、怒ってるときは怒ってるって言いなよ?」

 

「怒ってないです」

「ないない」

 

「ノーネームさん」

「ごめん」

 

【草】

【草】

【かわいい】

【かわいすぎる】

【ハルちゃんが不機嫌な顔をしてる】

【ハルちゃんってこういう怒り方するよね】

 

【我が生涯に一片の悔いなし】

 

【     】

 

【あ、爺が転送されたわ】

 

【始原の爺!】

【草】

【あーあ】

【ひっさしぶりに見たな始原のコメント】

【ついに尊死したか……】

 

【ハル様の行く末を、みんなで兵糧買い込んで固唾を呑んで見守ってるからね】

 

【あ、いつもの始原だったわ】

【厄介信奉者たちだったわ】

【しっしっ】

 

【<URL>?】

 

【草】

【姉御、お前……】

【むしろこの状況でショタ推しできるその胆力に恐れ入ったよ……】

 

【けど……えっ】

【ハルちゃんのほんわか具合で目を逸らしてたけど……】

【3……億……?】

【宇宙規模の戦力が……】

 

【おろろろろろろ】

【あの  戦いの桁が……】

【こわいよー】

【さっきハルちゃんが絶体絶命だったときでもやばかったのに】

【もうだめだ……】

【で、でも、親玉なおじゃるを倒したんなら諦めて……】

 

「いや、魔王は斃れてはいない。本体で出張ってきてはいるけども、単純に存在としてはこの世界で最も巨大な生命体になっているから。……分かりやすく言うと、人間換算だと魂が無数にあるくらいの生命力がある……って言えば良いのかな。それとも、山を倒そうとして山に火を放って丸焼けにしても、山本体はまだまだ元気って感じ。惑星に衛星サイズの隕石が衝突しても、惑星自体はちょっと動揺するだけでしょ?」

 

【!?】

【おお】

【なるほど】

【けどノーモーションで返事返してくるのは怖いよ偽物あらためアルちゃん】

【草】

 

姉さんが、また……なんにもないとこを見上げてなにかを説明してる。

 

「? さっきからどこに向かって話してるんですか?」

 

「え? 君の配信機器だけど」

 

僕へ振り向いてきた顔は、やっぱり鏡を見てるようにそっくりだ。

 

けども――

 

「え、配信してたんですか?」

「配信してたんじゃなかったの?」

 

「配信してるんですか?」

「配信してるんじゃないの?」

 

「配信してないんですか?」

「や、配信してるんじゃないかって聞いてるの、私」

 

「そうでしたっけ?」

「そうだったはずだね」

 

「ないない」

 

「………………………………」

「………………………………」

 

「………………………………?」

「………………………………?」

 

こてん。

 

僕たちは首をかしげ合う。

 

この感じは、この前お馬さんに乗ってた女の子と一緒に居たときみたいな感じだね。

 

なんだか頭がぼーっとして、よく考えられなくなるんだ。

こう、お酒をたらふく飲んで、ぼーっと月を見上げたりしてるあの感じ。

 

「ないない?」

 

「ノーネーム様、そろそろお手のちょうちょを野に返してあげませんか? 魔力がおふたりまで包んでいますし、なにか害がありそうな……」

 

「んむ、ちょうちょ……」

 

「あ、はい。この戦場で野に放っても危険……ですか……」

 

【かわいい】

【かわいいけど……】

 

【もしかしなくとも:ちょうちょ】

 

【悲報・ちょうちょ、ハルちゃんのお姉さん?なアルちゃんすら侵食する】

【もうだめだ……】

【ノーネームちゃんがずっとおててにかざしてるちょうちょって……】

【あんのユニコーンロリの仲間なんじゃ……】

 

【悲報・敵、味方に取り入っていた】

【獅子身中の虫か……】

【獅子身中の蝶……そうか、バタフライエフェクトとは……】

【すでに俺たちを羽ばたかせようと……】

【おのれ魔王!よくも卑劣な手を!】

【草】

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。