【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~ 作:あずももも
「ふぅ――ともかくも、作戦の第1段階は奇襲という形だけども成功した。――だから」
――ずむっ。
見上げた光の渦――金色の光の渦から飛び出してきたやじりに、僕は言いようのない親近感を覚える。
「?」
「――――――第2段階の次は、魔王準主力部隊、対――私たち神族の仲間、再統合を果たした準神族を主軸にした……君たち全員の最新鋭と精鋭を寄せ集めた、自慢の部隊の活躍だ」
――ずむむむむ。
僕たちの見上げる先の、おじゃるさんの仲間たちが今も膨れ上がる黒い渦――それに相対するように、やっぱり数え切れないくらいの金色の渦が編み目のように開いていく。
その光の渦の中でもひときわに大きいそれから、ひょこっと出てきたのは――
「……脚?」
【でかい】
【でかい】
【でっっっっっ】
【ハルちゃんアルちゃんノーネームちゃん、あとくっころと比べると山サイズ以上だけど、とにかくでっかい脚が】
【あ、何本も】
【ふぅ……】
【えぇ……】
【よく見ろ 女性の理想とするすらりとした脚からムキムキマッチョな筋肉の塊みたいなふくらはぎまであるぞ】
【\1500000】
【$60000】
【€90000】
【ふぁっ!?】
【わかる】
【巨女って……いいよな……】
【いい……】
【あのサイズの巨男……一体どのくらいのご立派様が……】
【言ってる場合か!?】
【もうやだこの人類】
【私たちは無機物や概念にでも興奮できる存在よ】
【ひぇっ】
【草】
【こわいよー】
【画面の中のインパクトより身近な人類の方が怖い恐怖】
何本もの脚――でっかいサンダルに包まれたでっかい指が揃った足、その上のふくらはぎには金色の輪っか、その上のふとももの上には今の僕の格好と同じようにしゃらんらと金色の紐、腰からひらひらとしているスカートや短いズボンの裾。
男女、肌の色、背丈を問わず、とにかくでっかい人たちの脚がずむむむっと出てきている。
や、おっきすぎるから「ずむ゛む゛む゛」って感じではあるんだけども。
「あれは、巨人族の血が混じった私たちの仲間。純血の彼らはすっごく大きいから、こういう戦いではいつも最前線で戦ってくれていたんだ。血が薄れると小さくなっちゃうけど、それでも頼れる大きさだよね」
「へー」
【これで……】
【小……さい……?】
【アルちゃんは一体何を言っているんだ】
【おろろろろろ】
【純血?の巨人たち、ちょっと前にハルちゃんが出会ったあの巨人たちよりはるかにでかいのか……】
【今の光景と比べたら、ひとつ目のでっかい方のも子供どころか……】
ぼーっと眺めていた僕たちの遙か上の上空の渦から、ずずずずむむむっと一斉にゆったり出現してきているのは、隊列を組んだ巨人の軍隊。
すっごくでっかい、そうとしか表現できない――もちろんおじゃるさんに比べたらちっちゃいけども、それでもさっきの偉そうにしてたドラゴンさんたち並みにはでっかい体をした――人の見た目の、ノーネームさんや姉さん、僕たちみたいな古代の服装をして手脚に黄金のリングをはめて、羽も生えていて、頭の上には見慣れた輪っかがある――とても、懐かしく感じる人たち。
彼らは、出現する前からきりきりと絞っていた光る弓を限界まで引き絞り――1列目の彼らが弓の弦を引っ張る側の腕の肘、羽までが光の渦から完全に出てから――――――力を、解放する。
「「「――――――神代劣化光最上位魔法――――――メタ・ジャッジメント」」」
――ひゅんっ。
渦に入る前からつがえていたらしい矢が、何十何百と一斉に放たれる。
その1本1本は、たぶん、何百メートルもある代物で――僕がこれまでに放ってきたどの攻撃も石ころみたいな、膨大なエネルギーが込められていて。
「巨人族は、巨体を利用してみんなのために山や島、星を動かしてくれていた。……そんな彼らは、半減したとしても力に自信がある。それに耐えうる弓を開発してあげたなら」
――――――ひゅんっ……どぉぉぉん。
正面の赤い画面――遠くで僕たちのことをブレスで威嚇してきていたおじゃるさんへの応援部隊が、ぽつぽつと金色に光って崩れる。
ちょっとすると、きっと黒い渦から新しく追いついたんだろうドラゴンさんたちが、すぐにその穴を埋めるのも見える――けども、こっちから確認できるくらいの風穴は開けられたんだ。