【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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71話 みんなで温泉……だから何で?

かぽーん。

 

温泉とかだとよく聞く音。

 

「ふぃ――……」

 

あー、生き返るー。

 

やっぱ温泉って良いよねー。

この体だとじゃぶんって沈むし、ぷかぷか浮かぶから大変だけど。

 

お湯に浸かってもお股のあいだの相棒がぷかぷか浮かばない、すっきりしすぎてる女の子な体。

 

幼女な体。

そんな僕。

 

普段とは違って「温泉に髪の毛浸けるのはマナー違反なの!」って言われて後ろでぐるぐる巻きにされた髪の毛が重いし重心が変だ。

 

でも、こういうのたまには良いよね。

 

うん。

それは良いんだ。

 

それは良いんだけども……。

 

「みなさん、ほんとに良いんですか? いつも結構言ってる気がしますけど、なんか信じてもらえてないっぽいですけど、僕、男ですよ? 大人の男。信じてない? 男ですよ? オオカミですよ?」

 

僕は執拗に主張した。

信じてもらうために。

 

「私は裸、もう見せてるから平気だよ! あと今のハルちゃんは女の子だから!」

 

るるさんが元気いっぱいに返事をしてくる。

 

あと信じてない、絶対。

僕が男だって。

 

前にお風呂に突撃されたときの、あの変な雰囲気はないから良いんだけども……あれって見せてたんだね。

 

高校生女子なのに大胆だね、君……さすがの僕も引くよ。

 

年頃の娘さんがして良い行動でも発想でもないよ。

年頃の僕でも遠慮するし断固として拒否する行動だよ。

 

「わ、私もですね……普段から良い思いを……ではなく、あくまで肉体的同性だからですね……」

 

えみさんがはにかみながら言っている。

でもヘンタイさんはどうでもいいです。

 

でも浮くんだね、お胸って。

 

僕、そういうの初めて見たよ。

浮力ってすごいね。

 

きっと男たちにモテモテだね。

中身はヘンタイさんなのにね。

 

いや、男たちは馬鹿だからその方が良いのかな。

 

「……私、出ても良いですか……?」

「えー!? ちほちゃんもせっかくだから入ろうってー!」

 

僕の視界外に移動し続けている九島さんは、完全に巻き込まれ。

 

でも本当にヤだったら早く出なよ?

 

いくらかっこ良くてもやっぱり九島さんは女子高生で、こんな見知らぬ成人男性に見られたくないって気持ちは本物だろうから。

 

「僕、上がりましょうか?」

 

「……上がったらどこへ?」

 

「もちろん男性風呂に――」

 

「それはダメ――――――――!!!」

「ダメですハルさん! 私のようなロリコンが居たら餌食です!!」

 

るるさんとえみさんが叫ぶ。

あとえみさんは素直なのが素敵だよ。

 

「自覚はあるんですね……大丈夫です、ハルさんを男性風呂に追いやるくらいなら。………………………………え、えっと……そこまで嫌でもありませんし……」

 

最後のは聞き取れなかったけども……僕は別にいいけどもこの子たちの方が良くないって理由で、一緒のお湯なんだね。

 

けど、なんで一緒?

ちょっと待てば良いだけでしょ?

 

痴女?

痴女なの?

 

みんな高校生なお年頃にして、まさかの痴女?

あ、えみさんが痴女なのは知ってるけど、残り2人がね。

 

「それに家族風呂、わざわざ予約して取りましたし……」

「そうそう、私たちだけー。露天風呂って素敵ー!」

 

じゃばって立ち上がって、夜風に全裸を晒しているるるさん。

 

うん、それは男気のある立派な立ち姿なんだけども……あの、見えてるんだけど。

 

「ね?」

 

しかも、ちらちら僕のこと見てくるし。

 

なんで君はそこまで開放的なの?

見せつけたいお年頃なの?

 

……もしかしてえみさんの同類――

 

「あ、それはさすがに違うよ。それだけはないよ」

「そうですか」

 

違ったか。

あと、サトラレが反応するレベルで同類認定は嫌なんだね。

 

「……良く分からないですが、るるが酷いことを言っている気がする……」

 

でも良いのかなぁ……「目を背けすぎてるのもかえって意識しちゃうから自然にお願い!」って言われたから仕方なく前向いてるけど……見えてるんだけど。

 

るるさんの断崖ぜっぺ――

 

「ハルちゃん」

「どうして突然温泉……はまだ分かるんですけど、よりによって僕も一緒なんですか?」

 

慣れてきた僕は華麗に回避。

 

それは置いといて、おっきいえみさんに中くらいの九島さん。

 

九島さんはいつものポニテを湯船の外にへたりと垂らし、るるさんは髪の長さ的にそこまで浸からないからオッケーってことらしくっていつも通り、えみさんは髪の毛長いから僕みたいにお団子ってやつ。

 

で、全裸。

 

はだか。

 

肌色。

 

……だから何で?

 

しかも僕、目線が低いから……その、湯気の具合でばっちり見えちゃうんだけど。

 

なんなら視力良くなってるから……あと、男の本能で……こう、ね……?

 

「……ハルちゃん」

「なんですかるるさん」

 

声のトーンが……ん、これは闇が入ってない感じ。

 

「……私を助けに来てくれたときからずっと、迷惑、かけちゃってるよね」

「や、代わりにいろいろしてもらってますし。めんどくさいいろいろを」

 

本当にめんどくさいいろいろをね。

 

しかも、なんでも……僕の今年の確定申告もやってくれるとか。

 

本当に嬉しいよね。

感激だよね。

 

税金の計算のための収入の計算とか、世の中で最もしたくない行動だもんね。

 

「……あの、ハルさん。ハルさんも配信者……しかも個人勢の趣味のはずなのに、どうして各種設定どころか、わざわざ目立たないようなことを……? 始原の方々が言っていましたけど……いわゆる『普通』にやっていれば、今ごろはとっくに収益化程度はできていたはずだと……」

 

あ、始原さんと仲良しのえみさんが僕の知らない情報を知らされている。

 

「え、だってめんどくさいじゃないですか」

「いえ、ですけど」

 

「1個1個細かく調べてやるとか……僕、感覚派なので、とりあえずいろいろ手探りで試すのは大好きなんですけど、Wikiとかを最初から見てコスパとかタイパが良いのとかは……なんて言うか、つまんなくて」

 

僕はゲームとかもチュートリアルは飛ばす派。

だからソシャゲとかはちょっと苦手。

 

それくらい、失敗しても良いから自分でいろいろ知るのが好きなんだ。

 

ほら、なんか興味持った分野とかの本を何冊か買ってさ、3日くらい没頭して格闘するのって楽しいでしょ?

 

楽しくない?

 

「それに配信ってのはあくまで義務だからつけっぱにしてるだけで、別にそれで人気になりたいわけでもないですし。そういう気持ちがちょっとでもあったら、もっと男だったときから声とか顔とか出してますって」

 

そして……それすらも面倒くさいのが僕だ。

 

「だから、最初に最低限だけ調べて……配信できてるって分かったので、なんかもういいやって思って」

 

「……ふふっ、ハルちゃんらしい」

 

お、るるさんがちょっと元気になった。

 

……でも見えてるんだけどね……だって僕の真ん前、すっごく近くに座ってるから、お湯から出ててちょうど目の前にある2個の突起がね……もっと肩まで浸かろうよ。

 

「あと、そもそも僕。……アイドルとかしてる2人は分かんないかもですけど、九島さんなら分かるかも。ほら、学校とかでもあんまり注目されたくないっていうか、手を上げて発言したりみんなの前に立ちなくないっていうかだったので」

 

るるさんとえみさんは目立ちたい、いわゆるいけいけの女子だからね。

 

「あ……分かります。私も……適性を見出されて高校からこの仕事に就くまでは、図書委員をしていたので」

 

おー。

 

僕と同じ生息域に棲息していたんだ。

親近感。

 

「学級委員とかじゃなかったんですね」

 

「……兼任していました。消去法で」

「おー」

 

ますます親近感。

僕は学級委員とかしなかったけども。

 

「ちほちゃん、委員長さんだったんだ! へー!」

「いつも、本来の仕事とこちらとをこなしているものね……なるほど。要領も良いし面倒見も良いちほには最適かもね」

 

「えみさんのせいで仕事が増えてますけどね」

「……見逃してって言っているのに……」

 

九島さんは自分から話すタイプじゃないからもしかしたらって思ってたけども、やっぱり醸し出す雰囲気は僕と同類。

 

陰に属する人たちは同類を探知しやすいんだ。

 

「九島さんもダンジョンに潜るとしても、顔とか」

 

「……ええ、もし私が配信をすることになっても出しませんし、個人情報も最低限。同僚の中には公務員なのにアイドル扱いな人も居ますけど……私はそういうの、苦手ですね」

 

「あ、だから潜ってる人の配信とか、結構顔出さない人とかいるんだー!」

「さすがにハルさんのように声まで出さなかった人は珍しいですけどね」

 

ぶるんっ。

 

「!」

 

僕の視界の隅っこで何かが動いたのを僕の本能が察知してオートフォーカスをする。

 

えみさんが伸びをしようとしてお胸がぶるんって――

 

「ハルちゃん?」

 

「でも、僕は別に人に見られるのが苦手すぎるってわけじゃないんです。ただ……なんて言うか、こう。もにょもにょするっていうか」

 

るるさんを無視して話を続ける。

 

「もにょもにょ……くすぐったいっていうか、恥ずかしいっていうか……」

 

うん、注目されるとこういう感覚になる。

思い出しただけで、想像しただけでこうなるんだから――

 

「ぶふっ」

 

あっ。

 

「えみさん、少し冷やしてきますね」

 

のぼせたらしいえみさんが鼻血を吹き出して、それをお湯に溶け込まないように九島さんがさっと浴槽の外に出して、ささっとえみさんを抱えて立ち上がる。

 

あ。

 

……2人の……おまた……。

 

「ハルちゃん」

「はい」

 

今のは不可抗力だと思うんだけどなぁ。

 

「……見ても、男の人みたいな……その、目つきにならないよね」

 

あれ、大丈夫だったっぽい?

良かった、スケベな男って思われてないっぽくて。

 

この顔のおかげかな。

 

やっぱ、人って顔だよね。

前の顔だったらおんなじことしても「嫌らしい」って言われただろうし。

 

あと、この体のこの顔のこの目が眠そうな目って感じで良かった。

 

僕が見ちゃったのに気づいたらしい九島さんがびくってなって、あわてて隠そうとして……でも両手でえみさんを担いじゃってるからって隠せなくて、うつむきながら外に出ていく。

 

ごめんね、見ちゃって。

 

でも入ってきたの君たちだから良いよね。

 

「ハルちゃん、もしかして女の子には興味――」

「恋愛するとしたら女性です。偏見はないですけど男の趣味はないです」

 

なんか僕に同性愛疑惑が根強いらしいから、このへんでしっかり言っとかないとね。

 

女の子ってそういうの好きだよね。

まぁ男な僕たちも、女の子同士ってのは大好物だけどさ。

 

「そもそも僕、今は生えて……男の体じゃないんです。幼女なんです」

「う、うん……」

 

「たぶん聞いたり読んだりしてるって思うんですけど、男だって中学に上がるくらいまでは、ほとんど女の子の体に興味もなければ欲情とかしないんです。僕みたいにそういうのへの関心が遅いと、それこそ高校生になっても、せいぜいがどきどきするとかその程度で」

 

この前こういう展開になったとき、るるさんがきゅうってなっちゃったから今度は冷静に、表現も控えめにね。

 

「早熟な人も居るとは思いますけど……でも、やっぱり大半は意識する程度で。それだって女の子も同じでしょ? ……あ、でも、女の子は早熟だから、人によっては?」

 

「……答えなきゃダメ?」

「あ、いい。そういうのは知らない方が良いことなんです」

 

いけないいけない。

 

異性の秘密は秘密のままの方が……こう、ぐっと来るものだから知らないままにしよっと。

 

「とにかくそういうこと。小さい子供なら男女関係なくプールの着替えとかおふろも一緒だし、それでほとんど問題ない。お互いに『体がなんだかちょっと違うなぁ』って思いながら見る程度なんです。……今の僕の体はそれと同じだから、だから困ってないし、だからこそ……うん」

 

「ふぇっ!?」

 

今度はしっかりと。

 

サトラレが発動しないように、あとこれから何回も発動しないように。

 

「君の、しなやかって感じで素敵な体も……そりゃあえみさんと比べると貧乳とか言われるだろうけども、綺麗で魅力的だと思うんです。子供っぽさも、るるさんの元気さとぴったりで」

 

「え……えっ」

 

たぶん――こういうときはちゃんと見なきゃいけないんだろうな。

 

そう思うから、ちょっとるるさんの体を――肩からお胸、おへそを見る。

 

お湯の下も、一瞬だけ。

 

「あ、えっと――」

 

「あと、僕、雑食だから」

「ざ……ざっしょく?」

 

「うん。お胸の大きさとかおしりの大きさとかにはあんまり興味ないんだ、僕。男のときから」

 

そりゃあおっきいのには目も行くし、ぷるんってなったら見ちゃうもの。

 

でも悲しいかな、男ってのは女体ならほぼなんでもいいっていうどうしようもない本能があるんだ。

 

「だから君の体も……前も言ったかもだけど、もし男の体だったら困っちゃうかもね」

 

あ、これはさすがに恥ずかしい。

 

……そもそもこれ、社会人何年生な男が高校何年生な女子に「僕は君の裸に欲情する変態です」って言ってるようなものだし……。

 

「だからそういうわけで……あっ」

 

「きゅう」

 

今日何回目かで目にする、女の子の気絶。

 

……ま、今のはしょうがないよね。

 

「くしまさーん」

 

「……はい……」

 

今度はちゃんとタオルで体を隠していて――一部血痕があるのは、きっとえみさんのせいで。

 

「………………………………」

「………………………………」

 

気まずい沈黙。

もしやと思って聞いてみた結果は。

 

「……聞いてました?」

「……その、はい……」

 

あったかいお湯に10分くらい浸かってからこんな恥ずかしい話して目を回しちゃったるるさんも、僕に見られた恥ずかしさが残ってるらしい九島さんも、顔は真っ赤だった。

 

「……………………………………」

 

うん。

 

今日のことは忘れないようにしよう。

 

……男だからしょうがないんだ、男だから。

 

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