【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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725話 【悲報・ハルちゃんのメンタル崩壊済み疑惑】

「ですから、生きてますって母さんは」

 

「うん、そうだね」

 

僕は抱きつかれてもごもごしながらも訴える。

 

「それはもう元気に生きてるんです」

「うん、そうだね」

 

「脳天気できゃぴきゃぴしてるんです」

 

「うん、そうだね」

「ぎゅー」

 

「見た目は姉さんや僕を高校生大学生くらいにした姿ですけど、それでも姉さんたちの母親のはずなのに」

「うん、そうだね」

 

ダメだ。

 

姉さんが話を聞いていない。

 

【ハルちゃん……】

【ぶわっ】

【ちょっと困ってる表情も、ストレスで記憶が捻じ曲がってるって考えると……】

【これまでちょうちょとか言ってごめんなさい】

 

【※少なくともノーネームちゃんが捕獲?した宇宙ちょうちょ以降のハルちゃんは、本当にちょうちょの影響受けてるので大丈夫です】

 

【草】

【ノーネームちゃん!! 野に返しなさい!!】

 

 

【ダメ】

 

 

【草】

【この百合っ子め……】

【なんなの?? ちょうちょって女神すら惑わすやべーのなの??】

 

「ほら、おじゃるさん、燃えてますよ」

 

「うん、そうだね」

 

「えっと……そうだ、遠くでは戦いが続いてますよ」

 

「うん、そう――魔王が機能停止して大規模な転移魔法が使用不能のはずだから、もう大規模な増援は止まってるから大丈夫なんだ」

 

「あ、そうなんですね」

 

「だから、今の戦力で充分に……そうだね」

 

「あ、戻った」

「ないない?」

 

とりあえずとしては戦いが収束しつつあるらしいのは安心。

 

けど、姉さんが……うーん。

 

【なるほど】

【完全に心が壊れたわけじゃなかったんだね、アルちゃん……】

【かわいそうに……】

【発狂もできないとか辛すぎるもんなぁ】

【おいたわしい……】

【しかも、ここへきてハルちゃんまでがって疑惑で余計に……】

【ぶわっ】

 

「あ、そうだ。母さん。母さーん」

 

あの玉の中で――姉さんが言うには別の空間らしいけども、父さんはこの戦いのことを知っていた。

 

つまり、あそこからこっちは……ちょっとだったとしても見聞きできてるはずなんだ。

 

「母さん? 僕たちのこと見てるんですよね? 母さーん」

 

上をぐるぐる、横をぐるぐる。

 

きっと僕たちを見てるはずなんだ。

目が合えば反応してくれるはずなんだ。

 

「ハル……っ! 良い、もう良いんだ……! ハルはもう、何も抱え込む必要はないんだよ……うぅっ……!」

 

ぎゅうううう。

 

「苦しいです姉さん」

「たぷたぷ」

 

あと、さすがの僕でも女の子に強く抱きつかれたら……その、いろいろと困る。

特に今の僕たちってば布1枚な服装だし……うん、お胸とかお腹とか太もも同士が押し付け合う感覚で……ね?

 

しかもなぜか僕へ顔を押しつけて泣いてるし。

 

……女の子に泣かれるのは、もっと困るし。

 

【ハルちゃん……】

【泣いた】

【ハルちゃん、マジで心を……】

【ナチュラルに記憶と認識が……】

【アルちゃんが泣いてる】

【なかないで】

【俺たちも泣いてる】

 

【でも、ハルちゃんは……泣いて良いんだよ……】

 

【涙が止まらない】

【こんなことって……】

 

【……ハルちゃんってさ  最初期の幼女だった段階での配信ではお父さんのことしか言及しなかったのって】

 

【ああ……】

【あのときはまだ……】

【正常だったのか……】

【それからずっと転戦を繰り返して、とうとう限界に……】

 

【ずっとずっと、守る戦いだったもんな】

【ずっとずっと、劣勢だったもんね】

【ずっとずっと、敵から攫われ続けたからね】

 

【感情が最近の天気みたいに上げ下げされまくって心が辛い】

【ゆっくり休め……ハルちゃんはもう、戻ってくるんだから】

【ぶわっ】

 

んー。

 

呼びかけても母さんの返事はない。

 

「困ったなぁ……」

 

「ハル……すべてが終わったら、ゆっくりと一緒に過ごそう……2千年くらいは穏やかな世界へ行って……」

「しゅきぃ……♥」

 

姉さんは話を聞かないし、ノーネームさんはすりすりしてるだけだし。

 

でも、あの空間が「内側からは開けられないし話しかけられない」類いのものだったとしたら無理もないかも。

や、そもそもとしてリアルタイムで細かく情報を取り入れられるものじゃないのかも。

 

「じゃあ無理かぁ」

 

僕は、深くため息をついて姉さんに身を委ねる。

 

「『母さんが寝てる僕を襲って妹を作ろうとしてました』って姉さんに告げ口するのが嫌なら、生きてるって姉さんに伝えてって言おうとしたのに」

 

「うん、そうだ――――ん?」

「しゅき――――――むぁ?」

 

あ、2人の目が一瞬で起き上がった。

 

【!?】

【!?】

【!?!?】

【え、なんだって?】

【おいばかやめろ】

 

【急に変なこと言わないのハルちゃん!!】

【ハルちゃん……そこまでおかしくなって……】

【幻聴が……いや、それにしてはその方向性が……】

 

【もしかして:くっころGに襲われて大ピンチだったとき、ノーネームちゃんに襲われたあの場面を中途半端に思い出した】

 

【あー】

【あー】

【あーあ】

【ノーネームちゃん???】

 

 

【既成】

 

【事実】

 

 

【ノーネームちゃん!!!!】

【草】

【この百合幼女……なに勝ち誇ってやがる……!】

【さりげなくノーネームちゃんも充分に怒られるべき存在だよね】

【さりげなく……?】

 

【どうしよう……ハルちゃんの闇が盛大に噴出してるのに、解決策がなんにもねぇ……】

 

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