【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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717話 戻ってきたから挨拶した

ひゅんっ。

 

放った矢が、綺麗に放物線を描くことなく直線に飛翔していく。

 

「……お?」

 

次々に分裂していく光――けれども僕の意識は肉体にある。

 

しゅどどどどっ。

 

僕の正面の宙で数万の光が爆ぜる。

その狙いきれなかった外縁部へは、輪っかと羽の1本1本が飛んでいって刺さっている。

 

「へー」

 

僕は矢を離した手をにぎにぎしてみる。

 

「もう上がらないと思ってたけど、上がるんだ。射撃スキル」

 

正確には――なんだろう。

 

羽が生えたモードの光の弓矢スキルとかかな?

 

【ひぇっ】

【まだ上がるのぉ……?】

【そらお前、アルちゃんが言ってたろ  ハルちゃんは幼いんだって】

【おろろろろろ】

【ハルパパの加護的なのもあって強くなってるのかもな】

【あー】

 

「じゃ、もっかい」

 

きりきり――ひゅんっ。

 

今までどおり、次から次へと出てくる敵を1体ずつ見定めてロックオンしているはずなのに、確かに集中力は使うけども……矢を離しても、意識は飛んでいかない。

 

「おー」

 

すちゃっと矢を取り出してつがえて離す。

 

「……これ、連射できるようになってる」

 

ひゅんひゅんひゅんっ。

 

1回で何万かの矢が、ダンジョンの中で普通の弓矢の速射練習をしてたときみたく、矢継ぎ早っていう言葉通りに飛んでいく。

 

「……おー」

「とうとい」

 

【       】

【       】

【       】

 

【悲報・ハルちゃん、めっちゃ強化されてる】

【つよいよー】

【朗報だろ?】

【※ハルちゃん自身はなぜだかよく分かってません】

【おろろろろろ】

【無邪気な幼女がとてつもない力を手に入れてしまった……】

【ハルちゃんは……うん、優しいから……】

 

『……全艦隊へ報告……転移魔法で出現した戦力は……駆逐、されました……』

 

そんなアナウンスがお船から聞こえてきて我に返ると、せっかくの花火は最後の花を咲かせていた。

 

「お」

 

――ぎゅんぎゅんばさばさ。

 

「おかえり」

 

――がしゅんがしゅん、ざくざくざくっ。

 

あらゆる方向から飛んできた輪っかと羽たちが、それぞれの居場所へと戻ってくる。

 

「みんな、戻ってきた? そう」

 

なんとなくだけど、数が揃ってくると嬉しい感覚。

よく分からないけど、とりあえず褒めておこうっと。

 

【草】

【ゑ? ハルちゃんのそれって自律してるし寄生してるし戻ってくるのぉ……?】

【そのようだな……】

 

【もしかして:機動要塞ハルちゃん】

 

【草】

【草】

【超威力の拡散型の弓矢、ブチ切れたときは範囲攻撃ジャッジメント、そして自律ホーミングして迎撃するタイプの輪っかと羽を放ってくる幼女サイズの航空母艦だぞ】

【もはや空母というよりは要塞衛星とかそんな感じでは】

【これが……神の力か……】

【そうだよ?】

 

【うん、これは強いわ  ハルちゃんを成長させた神々ってどんだけ強いんだろうなぁ】

 

【※そんな神々とタイマン張って相打ちになったのが魔族です】

【おろろろろろ】

【そら生き残りの朕魔王ですら強いわなぁ】

【宇宙征服が目前だったのもうなずけるよな】

 

【あっ……朕が出だしはカメラで見切れすぎるくらいでかかったのって……】

 

【あっ】

【え?】

【……迎撃戦で出てたでかい半神?たち、でかかったよな……?】

【でかかったねぇ……】

 

【え? じゃあハルちゃんもアルちゃんもノーネームちゃんも、成長すると星サイズにでかくなるのぉ……?】

 

【見た目はぜひ幼女のままであってくれたら愛でられる】

【分かる】

【草】

【えぇ……】

【かわいいは正義だからな!】

 

【あとそれだけでかければ衛星になって周回するとハルちゃんの服のすそから下がががががががが】

 

 

【怒】

 

 

【草】

【あーあ】

【ノーネームちゃんも元気になってるようでなにより】

【ハルちゃんが追い詰められたりうっかり消し飛んだりする絶望が深ければ深いほど、俺たちは嬉しいんだ】

【ハルちゃんの配信だからね!】

 

「じゃ、行ってきますね」

 

急に出てきた敵を迎撃するため足場を借りていたお船へ――声をかけ、僕は飛翔――

 

『アル様の妹様……どうか、お名前を……!』

 

声に振り返ると、艦橋のガラスにこれでもかと並んでいる人影。

あ、隕石みたいな形のお船たちからは、岩にへばりつくように頭がひょこひょこ……空気がなくても息ができるタイプの人たちなのかな。

 

いや、それ言ったら僕も平気で息してるもん。

なんでもできる魔力と魔法があれば宇宙服要らずなんだろう。

 

「え? あ、ハルって言います。あとこっちはノーネームさんですね」

「はろ」

 

まだ張りついてたノーネームさんを胸元から引っぺがし、ちょっと前に突き出してご挨拶。

 

……姉さんの話では分からなかったけど、聞いてる限りにはノーネームさんも僕の家族?って扱いだったもんね。

 

【草】

【軽ぅい!】

【ハルちゃんだからな……】

【悲報・ノーネームちゃんも軽い】

【「はろ」って】

 

【なにこれかわいいいいいいいい】

【かわいいいいいいいいいいいいいいい】

 

【草】

【懐かしい流れだな】

【ああ、これだよ  ハルちゃんが強いから安心して見られる状態の配信】

【懐かしいな】

【だからみんなで言うんだ  「なぁにこれぇ……」って】

 

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