【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~ 作:あずももも
「にゃい……にゃい!? 朕の誇りが……何一つ!?」
ぐるぐるぐる、じたんだじたんだ、もぞもぞもぞ。
「私の……羽が。……羽が……光輪も……なにもかも……」
しおしおしお、しおしおしお。
姉さんがぽけーっとしてるのは結構斬新だけど、それ以上に斬新なことをしているおじゃるさん。
「大変そうですね」
「ん」
「たいへん」
【草】
【他人事で草】
【完全に観戦モードのハルちゃん】
【ハルちゃんだからね……】
元々ドラゴンさんとか女神さんな2人が、急にその得意だったのをむしり取られた形になったんだもんね。
僕?
僕は元々人間だし、むしろこの方が落ち着くかも。
あ。
でも、僕のことお母さんって呼んできてたあの輪っかさんたちと羽さんたちが消えちゃったって考えると、とてつもなく悲しくなるかもしれない。
………………………………。
あ、大丈夫だ。
「ここじゃないどこか」に収納されてるだけで、元気いっぱいらしい。
………………………………。
え?
僕、なんでこんなこと分かるの?
やっぱりお母さんだから?
僕、お父さんにもなってないのにお母さんになっちゃったの?
あと……相手は……?
「しゅうのうまほう」
「きちゃないふくろ、いっしょ」
「あ、そうなんですか。なら安心ですね」
どうやら僕は安心していいらしい。
……結局お母さん疑惑なのは……全部終わってから考えよっと。
「あ、おじゃるさーん」
「今は構っておられぬ!」
「お胸、こぼれちゃいますよ? そんな動きしてたら」
「じゃあかしい! 黙っておりゃ!! そんなどうでも良いことを気にしておる場合じゃにゃいのでおじゃ!」
大丈夫なのかなぁ。
ほら、もう上半分は見えてるし、片方はわきの下とかまで見えちゃってて……
「にゃあ!?」
あ、尻尾を確かめようとおしりをめくり上げようとしてすっ転びそうになった。
【!?】
【!?】
【ガタタッ】
【●REC】
【はよ】
【はよ】
【紳士は常に全裸で待機しています】
【ネクタイと靴下は装備しているので大丈夫です】
【そうか……ストリップか……大変に宜しい】
【然り】
【草】
【ばかばっか】
【でも大変にえっち】
【わかる】
【女の子が自分から脱ぐのでしか得られない栄養素とえっちさが存在するんだ……】
【服の中に何かが入ってパニクって女の子が自分から脱ぐシチュはいいぞ】
【いいぞ】
【いい……】
【健全の範囲なのが、さらにいいんだ】
【分かる】
【興奮してきたな】
【あ、叡智なサイトがアクセス過多で落ちてる】
【草】
【えぇ……】
【最終決戦?の場面で、お前ら……】
「……なるほど。君もまた、ノームたちによって――『このダンジョンの節理』によって力を制限されたんだね。単体としてはこの宇宙で最強なはずの君が、楔から逃れるために変形した人間という形態をとったことによって。そこまで含めての、この場……か。みじめだね。君も、私も」
気を持ち直したらしい姉さんが、少し悲しそうな顔をしながら語らう。
――ここに居る全員が、相当に弱くなってる。
それこそ――――――――「特別な力のない、ただの人間」レベルにまで。
いや、魔力自体はあるし戦闘経験もレベルもあるから、最低でも上級者――ダンジョン潜りさん換算でリリさんが何十人居ないと話にならないレベルではあるんだろうけども。
けども、逆に言えば。
「大人数で挑めば、撃破も不可能じゃない」ラインにまでハードルが下がっている気がする。
おじゃるさんを袋叩きにして、疲れさせて――「負けた」って、ひとことを言わせられる可能性が出てきているんだ。
……くいくい。
「?」
左右から袖を引かれた僕の目の前に、ぴこんと文字が出現する。
【ダンジョンシステム解析完了】
【通称・魔王おじゃる――オリジナル】
【Lv.】
【60000000000】
「?」
えーっと?
いちじゅうひゃくせん……。
【 】
【 】
【ひぇっ……】
【カヒュッ】
【待って ノーネームちゃんノームちゃん待って】
【なんでこのタイミングで絶望的なこと言うの……?】
【600億……レベル、600億??】
【??????】
【オリジナルってことは1番強かったときのこと……だよね……?】
【ハルちゃん、アルちゃん……んなバケモンと戦ってたのか……】
【てことは、ハルちゃんはともかくアルちゃんはそれに近い感じ?】
【どうだろう】
【ハルちゃんが鼻っ面にでかでか大砲ぶっ放す前か後かで相当変わりそうだが】
【前】
【あ、はい】
【ありがと、ノーネームちゃん……ノームちゃん?】
【草】
【レス速くて助かる】
【端的で助かる】
【調子戻ってきたねノーネームちゃんたち】
「ん」
ノームさんがつぶやくと、次の文字が出現。
【魔王おじゃる――壊】
【Lv.12000】
「レベル1万……どのときの強さなんです?」
「ついさっき」
「ついさっきっていつの?」
「んぅ」
「むずい……」
「難しいならしょうがないですね」
【むずいならしょうがない】
【ああ、そうだよな】
【草】
【ハルちゃんが2人に甘えられている】
【最近のいつものだろ?】
僕へ頭をこすりつけてくる、2つの黒髪のこそばゆさ。
2人とも続けざまにすごい魔法を使ってるんだ、疲れてるときって深いことは考えたくないよね。
そういうときはお酒飲んでうとうとしたくなるよね。
お酒……どこかにないかなぁ。