【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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751話 【朗報・きちゃない袋さん、カムバック】

「君が最弱と定義した存在になった者同士、地味な結末になりそうだ。うん、派手な魔法もスキルも使えず、ただただ肉体の限界まで殴り合うだけ。……うん、2人とも、良い仕事をしたね。これなら、チャンスはある」

 

「むふん」

「むふん」

 

【かわいい】

【かわいい】

 

【かわいいいいいいいいいいいいい】

 

【あっ……】

【草】

【ノーネームちゃん!! それともノームちゃん!!】

【お、こっち監視してないないできるようになったのね】

【弱体化?してもネットを支配する力は健在か】

 

【ノーネームちゃんかわいいいいいいいいいいいいい】

【ノームちゃんもかわいいいいいいいいいいいいい】

【かわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい】

【かわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい】

 

【安易なないないは残された家族が大変だって言ってるでしょ!!!】

 

【かわいいね  ……普通にかわいい言うだけならないないされないのに……こいつら……邪念を込めやがって……】

 

そっか。

 

……今のおじゃるさんは「ちょっとすごい力を持っているだけの人間でも相手になる」――その域を出ない存在にされているんだ。

 

「つまり、僕と仲間です。おじゃるさん」

 

羽が生えていない僕なんて、ただの幼女。

 

いくら装備と地形で有利でも、何十人のベテランさんに追い詰められたら……せいぜいが10人20人を狙撃して、それでおしまい。

 

今の僕は、敵に回ると高難易度のダンジョンのボス部屋の高いところにあるいい感じのくぼみで寝ているタイプのボスモンスターレベルでしかないんだから。

 

それに、今の僕には武器もなにもない。

 

きちゃない袋さんっていう切り札すらなく、せいぜいが……あれ、拾って投げる石ころさんすらここにはない。

 

つまり、僕はこの場において、本当にただの幼女。

戦うこともできず、ただぼーっとしてるだけなんだ。

 

「……ハルは動揺してないんだね」

 

「?」

 

振り返ってきた姉さんが、よく読み取れない目を向けてくる。

 

「……ああ、そうか。君も元は――――――」「だんじょん」「ぼす」

 

ノーネームさんにしては珍しく、姉さんの声を無理矢理に断ち切って、少し大きな声で話し始める。

 

「ぼすは、みんなでたおすもの」

「ぼすは、れいどせん」

 

「「だから」」

 

ぶぉん。

 

――ぶぉんぶぉんぶぉんぶぉんっ。

 

僕たちの周囲へ、次々と現れる小さな渦。

 

うん、小さい。

 

これまでよりも、ずっと。

 

それこそ、「人ひとりがぎりぎり通れる」サイズしか――

 

「よんだ」

「よびつけた」

 

「はるのこと」

「たいせつなひとたち」

 

「じゅんばん」

「よういして、まってて」

 

「ちから、とっといた」

「きんきゅうないない」

 

「へそくり」

「とっておき」

 

「ほんだな、たんす」

「ほじくりかえしてつかう」

 

緊急ないない?

 

順番?

 

「? それって、どういう――」

 

――――――ぱさり。

 

「わぷ」

 

……と思ったら、僕の顔になにか柔らかい感触。

 

「ぷは。……あ、きちゃない袋さん」

 

絶妙なシミが特徴的な、一瞬見ただけだとはき古したぱんつに見えたりもするきちゃない袋さんが、僕の両手にあった。

 

【!?】

【きちゃない袋さん!】

【おかえり】

【草】

 

【黒髪っ子たちが意味真に言うから何かと思ったらそれかよ!?】

 

【え、でも、ハルちゃんの武器とかって……あの中に……】

 

【あっ……】

【そうだよな  きちゃない袋さんがないからお酒も飲めなかったし武器もなかったんだよな】

【でも、帰ってきた】

【てことは】

【武器はほとんど使い切った  でも、ちょっとはあるっぽかったよな】

 

「んー」

 

ごそごそ。

ごそごそごそごそ。

 

「久しぶりだからどこになにがあるのか……このへんにあったはずなんだけどなぁ……」

 

あっちをごそごそ、こっちをごそごそ。

 

前に仕舞った、なんとなくの位置関係とかもすっかり忘れたもんだから、僕はちょっとだけ戸惑う。

 

【あー】

【わかる】

【それ、俺の机の引き出しのことだ……】

【それ、私の汚部屋のことだ……】

【それ、この前床ぶち抜いて倒壊した、上の階にあった書庫のことだ……】

【草】

【定期的にお掃除と断捨離はしようね?】

 

【収納袋の中は整理とかしようがない気がするが……500階層攻略のときと子供たちのときに貯め込んでたからなぁ、いろいろと】

 

ん、あった。

 

「……少ないって言っても、全部合わせれば100発は撃てるはず」

 

じゃきんっ――在庫僅少になっていたけども「もしものために」って取っておいた狙撃銃、その十数丁のうちのひとつ。

 

「……とと、結構重い。筋力強化とかなくなってるからか」

 

2歩、3歩。

てしてしってサンダルでたたらを踏んで、おじゃるさんみたいにすっ転ぶのを回避。

 

……銃って、重かったんだな。

 

そりゃそうだ、確か男のときにダンジョンで手に入れたときもそう感じたくらいだもんな。

 

【あー】

【あー】

【ふらついてるハルちゃん】

【そっか、ハルちゃん、デフォルトの筋力とか体力は少ないって言ってたもんな】

【け、けどさ  相手はレベル100だぞ? いくらハルちゃんが武器を取り戻したとしても、魔力もそこまではないだろうし……】

 

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