【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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758話 【悲報・えみちゃん】

「ふぅ……」

 

全ての動きが止まった世界で、えみさんが満足げなため息をつく。

 

……えみさんだよね?

 

「私には見える……外のガワに騙されそうになるけど、私なら分かるわ。あの中身はハルさんの肉体年齢と同程度の幼女……6歳児というちょうど良い塩梅の女の子。配信越しに観察していた幻の肉体なんかじゃなく、その中身は今の、ちょっと育ちすぎているハルさんよりも幼くって平坦で、あんなにグラマラスではなくイカっ腹の幼い女の子。そう、ハルさんは幼児体型ではあっても食が細いからおなかはすっきりしちゃっているけど、あの子はむしゃむしゃ食べるからいつもおなかがぽっこりなっていてかわいい子……。ガキ大将だけど自分より強い相手には媚びへつらうという生まれついてのおいしそうな子……そんな子が魔力で作った張りぼての姿の中で強がっている、そんな姿が炎を通して見て取れたの……」

 

あ、えみさんだ。

 

これがえみさん以外なら、僕はとっても怖いよ。

 

【えみちゃん!?】

【なんかすらすらと語り出したぞえみちゃん】

【これが……高速詠唱か……】

【やべーことしか言ってなくて草】

 

【※多くの国でこの発言は1発アウトです】

【そらそうよ……】

【※全世界&全異世界生配信です】

【あーあ】

【えみちゃん……どうして……】

【現れたとたんに詠唱しだしたやべー女】

 

【悲報・ギャグ展開】

【お前はそれを望んだんだろう?】

【それはそうだけどさ……】

【シリアスさん……どこ……?】

【ちょうちょが回収していっちゃったよ】

【そんなぁ】

 

【然り】

【うむ】

【素晴らしい考察ですね】

【なるほど】

【知見が冴え渡りますね三日月様】

【流石は俺たちロリコンの女王】

【心眼で魔王を視たか】

【帰還後はぜひそれを配信で語ってほしい】

【貴重な体験を、ぜひ共有を】

【\5000000 先払いの報酬だ】

 

【草】

【草】

【ああ、えみちゃんの同類が】

【もしもしお巡りさん?】

【う、うん……こんな場面で人死にとか出なくて良かったから……】

【それはそう】

【肝が冷えて泣いてたから笑わせてくれるのは助かる】

【えみちゃんはエンターテイナーの素質を開花させたんだよ】

 

――――――ごきゅっ。

 

えみさんの喉が鳴る。

 

「……おいしそうね」

 

「ひぅっ!? ――――――ぶべっ」

 

「あっ、ごめん」

 

えみさんの謎の詠唱、そして見定めての舌なめずり。

 

……それに反応したおじゃるさんが硬直。

 

――それに反応しきれなかった姉さんが思いっ切りそのほっぺたを殴り。

 

結果……おじゃるさんが吹っ飛んでいく。

 

「へぶっ、えぶっ」

 

かわいそうな声を上げながら何十メートルも――あ、今の、姉さんは本気で殴ったし、おじゃるさんは本気でえみさんにびびってなんにもできなかったんだ――ごろごろと転がっていく姿。

 

……心が、ちくちくする。

 

【かわいそう】

【心が痛い】

【精神幼女になんてことをするんだアルちゃん】

【草】

 

【※魔王です】

 

【※えみちゃん】

 

【※ごめんなさい】

 

【草】

 

【今この瞬間、この世界の序列は魔王<<<えみちゃんになりました】

【この2人のあいだ限定だけどすさまじい逆転劇だな!】

 

「ほ、ほんとにごめん……いや、でも……え? 燃えても無事……? 人間……だよね……?」

 

拳を振り抜いたワイルドな姿勢のまま、こちらを――奇声の主を見て固まる姉さん。

 

うん、気持ちは良く分かるよ。

 

だってさ。

 

「……ハルさんと同じ、幼女の匂いが……ブレス越しに……」

 

あんなに燃えたのにぴんぴんしてこんなこと言う人に出会ったら、そりゃあね。

 

「うわ、ぞくっとしたぁ。ねえハル? この子、魔族じゃないよね?」

「たぶんそのはずです」

 

――久しぶりに見たのにこれっぽっちも変わっていない……いや、ヘンタイさんなロリコンさん度が何割どころか何倍増しになってる、すっごい笑顔のえみさんが居たんだもん、そりゃあ怖いってなるよね。

 

えみさんの本気を見たら姉さんだって固まるし、魔族疑惑とか持つよね。

うん、えみさんの奇行に慣れてる僕たちでも困るくらいだもんね。

 

「……ぅっふぅ……はぁぁ……」

 

1人、上を仰いで変な声を上げながら体をぶるぶると震わせてるえみさん。

 

るるさんやリリさんとは違って、元から長かった髪の毛は特段に変わっていない。

装備も普段見慣れたものだし、変わったところ……うん。

 

「良かった、いつものえみさんだ」

 

「うん……そうだね……いつものえみちゃんだね……」

「……この少女は、これが……いつもの……?」

 

「いつも……?」

「んぅ……?」

 

【アル&ノーネーム&ノームちゃんが疑問を呈している】

【ハルちゃん以外の全女神が疑問を呈するほどの逸材】

【4大女神のうち3大女神が、その存在を疑問視するやべーロリコンという業よ】

【そらそうよ……】

【これはなぁ……】

 

【えみちゃん……お前……】

【さすがの無表情っ子たちですらドン引く、えみちゃんとかいうやべー女】

【隠す必要がなくなったせいでどんどん進化し続ける女】

【えみちゃん……やりすぎるとファンが消し飛んじゃうよ……?】

 

【ならえみちゃんは俺がもらいますね】

【待て、それは私のえみちゃんだ】

【どうしようもないえみお姉様を飼育するのならわたくしに!】

【貴重な同志として迎え入れたい所存】

 

【草】

【悲報・えみちゃんのファン層、ちょっとおかしくなってる】

【×ちょっと  ○相当】

【草】

【やっぱり本音で生きるって大切だね  そう思うでしょ? えみちゃん】

 

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