【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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763話 【くしまさぁん is goddess】

「……ごめんなさいね。あの人があなたへあんなに酷いことをして」

 

「うん……」

 

「あなたたち魔族でもそうかは知りませんけど、人間は個体ごとに多種多様で……中には、あんな突然変異で同じ種族と思いたくない存在も出てきてしまうんです」

 

「わかる……ハルに付きまとってたあやつ、くっころとかいうのもドラゴンの恥さらしだったもん……」

 

「あー……それを言えば神族でも私のお母さんは……魔族もそうなんだよね。変なの、たまに生まれるんだよね」

 

「なるほど。それは……大変ですね」

「うん……」

 

なでなで。

 

おじゃるさんが、右から左からなでなでされている。

 

「……きしゃまは、怒ってないのか? きしゃまら人間を殺してきたのは、朕たちぞ……?」

 

「怒っていない――と言えば嘘にはなるかもしれませんし、きっとあなたたちに被害を受けた人々からは、私の方が怒られてしまうでしょう。でも」

 

――おじゃるさんを撫でている姉さんの反対側。

 

静かに現れた九島さんが、座り込んだおじゃるさんへ母親のような声をかけている。

 

「人間だって、数え切れないほどの戦争をしてきましたし――いえ、日常の中でも同じ人間を殺してしまうこともあります。それは生物としての本能……ですが」

 

ちらり。

 

えみさんと同じく、最後に別れたときから全然姿の変わっていない――ヘンタイさんを発症もしていないから唯一に安心できる九島さんが、僕を見て。

 

「少し前の戦いで、ハルさんが言っていました。『そんな人間でも、好きだから』――ハルさんやアルさんと対話できていた魔族の王、魔王のあなたへもまた……私は、同じ気持ちを抱いています。話が通じる相手を、憎みきることは……できないんです」

 

「……うん……ハルと、おみゃえの言うこと、わかる……」

 

ぎゅっ。

 

九島さんの胸元へ顔をうずめているおじゃるさん。

高校生の九島さんへ大人な格好のおじゃるさんがしがみついてるけど、不思議と違和感はない。

 

どころか、まるで小さな子供が大人びたお姉さんへ甘えている――そんな印象だ。

 

【てぇてぇ】

【てぇてぇ】

【これが尊いという感情……】

【これが宗教画ですか?】

【アルちゃんもセットだからそうだな】

 

【くしまさぁん is goddess】

【くしまさぁん is goddess】

【くしまさぁん is goddess】

【くしまさぁん is goddess】

 

【精神面で言えば間違いなく女神なくしまさぁん】

【これは女神】

【アルちゃんと同じ属性だから実質女神】

【素晴らしい……】

【人の身で女神として崇められる  これは聖女だな】

 

「ちほちゃん、優しいね」

「ですね」

 

「むー! むー!」

 

びったん。

 

「えみさんは少し静かにしていましょうね」

「ふむっ! ふむっ!」

 

びったんびったん。

 

「えみちゃん? 静かにしてないならお鼻にも巻くよ?」

 

「!?」

 

ぴたり。

 

びったんびったんと跳ねていた懐かしい見慣れた姿――全身ぐるぐる巻きにされてお鼻以外が出ていない芋虫さんが、動きを止める。

 

……えみさん、君、最初に会ったときからずっとそんなんだね。

 

でもすっぱだかな僕を見たときみたいに奇声を上げて鼻血を噴射してないことだけはえらいと思うよ。

 

【草】

【草】

【悲報・えみちゃん】

【朗報では?】

【それはそう】

 

【てか、るるちゃんが怖い】

【でもこの対応は当然では?】

【それはそう】

【マジでそれ】

【ハルちゃんも止めない時点でね……】

 

【いつも通りただ見てるだけのハルちゃんだけど、実はちょっぴり見下してそう】

【ちょっぴり……?】

 

【「えみさんはダメダメですね」ってシンプルに思ってそう】

 

【大丈夫大丈夫  さっきの「リリさんは使えない」よりはマシだろうから】

 

【草】

【草】

【ハルちゃん、あれからリリちゃんのこと完全放置だしな】

【そらそうよ……】

 

【結果的に大丈夫だったとはいえ、誰かが危険だった状況で助けるのが遅れた……ハルちゃんからの心証が著しく低下してそう】

 

【あっ……】

【人助けとくれば勝手に体が動くタイプのハルちゃんからすれば不倶戴天だもんな!】

【草】

【リリちゃん……どうして……】

【ここへ来て大きく暴落したリリちゃん株  はたして……】

 

【一方のアル×おじゃるで神聖な空間へ、突如として影のように出現したくしまさぁん】

 

【いちばん早く気づいてたのはハルちゃんだったね】

【さすがはハルちゃん】

【おててふりふりしててかわいかったね】

 

【るるハルへアイコンタクトをしてからそのまま音も立てずに忍び寄り、悶えていたえみちゃんを捕獲】

 

【そして束縛】

【緊縛】

【どうしよう……簀巻きにされてぼんきゅっぼんがこれでもかと強調されてるのに、ぜんぜんえっちって感じない……】

【だって残念だもん】

【えみちゃん……どうして……】

 

【そのあとでリリさんを冷たい目で見てからアルちゃんへと合流し、おじゃるをあやしていると】

 

【草】

【リリちゃん、さっきくんかくんかしてからトリップして戻ってこないんだが】

【ハルちゃんの匂いを大量摂取してしまったからな】

【お薬とか葉っぱってそうなるよね】

 

【異世界人にとって地球人・地球で過ごして醸成される特定の体臭(体匂・体香)はその類いなのかもなぁ】

 

【ちょっと離れた場所で戦ってるサキュバスでちょうちょで魔王の娘なロリ聖女も、その匂いで数々の敵を討ち取ってるし……フェロモンってすごいね】

 

【脳が……嗅覚だけを残して羽ばたく……】

【草】

【まぁ生き物の原始的だからこそ強力な本能だからなぁ】

【あー】

【遺伝子が離れてるほど臭くても良い匂いって感じるのってすごいよね】

【人間と女神様だもんな  お酒まみれでも普通に良い匂いはしそうだよな、ハルちゃん】

 

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