【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

767 / 767
766話 九島さんは強くて優しい

「……貴様! そこの! さっきのをやったら、おみゃあだけは殺すからな! 朕の命を引き換えにしても八つ裂きにしてやるからな!」

 

ふしゃーっ。

 

るるさんの鎌から視線を移したおじゃるさんが、えみさんを見て吠える。

 

うん、えみさん相手だもんね。

だからこそ言っとかないとね。

 

「えみさん、ヘンタイさんは封印ですよ。いいですね」

 

じゃないと、また姉さんの不意打ちストレートが決まっちゃって後味の悪い結末になるかもだし。

 

「えみちゃん、ダメだからね。こんな場面であんなことしたら、さすがに私も怒るからね」

「三日月さん――えみさん。ここでやらかしたら、本当に見捨てますからね。更生を期待する気持ちを、捨てますからね」

 

お、るるさんと九島さんが追撃。

 

「そこの人間の女の子。ちゃんとした戦いをしなきゃだから、魔王を怯えさせたりしてぽでね。さっきの私みたいなフルスイングとか、やった方が申し訳ないんだからね。逆に私が気を取られてストレート負けもあり得るからね? 本当に気をつけてね?」

 

「ろりこん」

「ふういん」

 

あ、姉さんとノームさんとノーネームさんまでが言ってる。

 

……えみさんはこんなだけど、それでもお昼寝とかしてる僕へ手を出してきたことはないから大丈夫なのになぁ。

 

「みんな、少しは信用して!?」

 

最初は僕の声にびっくりして、ついででみんなに言われて顔を真っ赤にしているえみさん。

 

僕はそこそこに信用してるけども……残念ながら僕以外の全員の視線はひややかだ。

なんなら黒髪の2人は微妙に距離を取ってるし、おじゃるさんもじりりと1歩後退している。

 

……連携、できるのかな。

 

【草】

【信用……?】

【????】

【え? なんだって?】

【初手で興奮して魔王をビビらせてかわいそうな目に遭わせたロリコンがなんだって?】

 

【ぼっこぼこで草】

【無口っ子からすら言われてて草】

【シリアスにしたいのにギャグ持ってこられたら困るもんな!】

【えみちゃんへの信用が暴落している】

【紙切れどころか借金になってるよ?】

【えみちゃん……どうして……】

 

「こほん。戦闘形式はボス戦――1対多数で、いいんですね? 魔王」

 

前に出ているるるさんにえみさん、その1歩後ろで護身用の――とはいっても自身もかなり戦えるらしいけども――短剣を抜いている九島さん。

 

「朕を誰だと思うておる。魔王じゃ、チホ。彼我の種族、格の違い――これでも朕へは圧倒的有利。全力で掛かって来るのじゃ。むしろ圧勝してしまったら……ハルとチホには謝罪せねばならないほど。気負うことなく戦い、治癒をせよ」

 

「……では。もし私たちが負けても……少しでもその気持ちがあるなら、私たち全ての存在へ、気まぐれの範囲でもいいので温情をお願いします、魔王」

「チホの言うことじゃ、考えよう」

 

彼女が頭を下げると、魔王さんも深くうなずいている。

 

……九島さんって、すごい。

 

あのおじゃるさんが、見下してる人間のはずの九島さんへだけはちゃんと目を見てうなずいている。

るるさんへはときどき、えみさんへは警戒の目を向け続けているおじゃるさんが、九島さんへだけは真っ正面から見ているんだ。

 

「誇り高き魔族は、こと決戦の場で戦えぬ者を甚振る趣味はない。チホ、貴様が傷つき倒れ戦えなくなったならば武器を捨てよ。他の者もそうせよ。さすれば朕は誇りある魔の王として、戦闘中もその後も、人間だとしても誇りある存在として丁重に扱ってやろうぞ」

 

開くまで、自分が勝つ前提で話を進めるおじゃるさん。

 

……けど、あのおじゃるさんがここまで言うだなんて。

ついさっきまでは虫けら扱いしてた人間、その九島さんへ。

 

「ありがとうございます……ですが、勝敗が決するまではお構いなく。私も、るるさん……この人たちと一緒に、ダンジョンでモンスターを倒してきました。手加減せずに全力で戦うからこそ、互いの陣営が納得できる結末が訪れる。そうでしょう? 魔王」

 

「……朕の誇りに賭けて誓おうぞ」

 

凜とした佇まい。

 

それは、強さやレベルじゃない何かから発せられているんだ。

 

【goddess……】

 

【おお……】

【なんと……】

【勇ましくもお優しい……】

【すごく強いわけでもないし、なんならこの中で1番「普通の人間」のはずのくしまさぁんが、魔王から対等の存在として認知されている……】

 

【ノーネームちゃんとノームちゃんですら名前呼びされないのに、くしまさぁんだけは違うからな】

 

【あ、そういやそうだわ】

【ハルちゃん&アルちゃんだけだったよな、これまで】

【だな】

【すげぇよくしまさぁん……包容力と母性だけで……】

 

【素晴らしい……】

【素敵】

【さすくし】

【だからそれやっぱ言いにくくない?】

【草】

 

【くしまさぁん、とうとうハルちゃんの次に気に入られてるな】

【純粋な人類では1番に気に入られてるよな】

 

【まぁあんだけ母性発揮したらね】

【バブみを感じたらね】

【弱ってるところへなでなでよしよしされたらね】

【どんな存在でも、母親には敵わないからね】

【なんてことだ、くしまさぁんは魔王の母にもなってしまうのか】

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。(作者:あずももも)(オリジナル現代/冒険・バトル)

【護られる系柚希姫なユズちゃん】【姫が男? 寝ぼけてんの?】【あの可愛さで声と話し方は中性的なのが、ぐっとくるよな】【天然でちょうちょすぎる】【ちょうちょ(物理】(視聴者の声より)▼◆病気な母のために高校を休学し、バイトを掛け持ちする生活の星野柚希。髪が伸び切るほど忙しいある日、モンスターに襲われている小さな何かを助ける。懐かれたため飼うことにしたが、彼は知…


総合評価:2980/評価:7.59/連載:620話/更新日時:2026年06月23日(火) 20:10 小説情報

言葉を知らないTS幼女、エルフで過保護なお姉さんに拾われる(作者:こびとのまち)(オリジナルファンタジー/コメディ)

ロリエルフに転生したので泣く泣く森を彷徨っていたら、エルフのお姉さんに拾われました。▼だけど、言葉が全く理解できません。▼どうしよう……?▼ロリコンエルフ「この天使はわたしが育てるのっ! えへへ、でへへ」▼ダークエルフ「ヤベェ。遂にフー姐が幼女を攫ってきた……」▼ロリエルフ「……ぐすん(何の話してるんだろう? もしかして失礼なことしちゃった?)」▼勘違い渦巻…


総合評価:10545/評価:8.75/完結:38話/更新日時:2021年08月23日(月) 18:02 小説情報

星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~(作者:イワシロ&マリモ)(オリジナルSF/冒険・バトル)

冴えない社畜中年サラリーマンは、幸の薄い人生を歩んでいた。▼だが、今まさに電車へ飛び込もうとしていた少女を救い代わりに命を落とす。最後に意味がある死に方が出来て良かったと安堵しながら。▼再び彼が目覚めたのは地球から遥かに離れた惑星で、天使のような種族が住まう世界だった!▼もう一度地球を見たい。そして緩やかな滅亡へ進む故郷を救いたい!▼これはそんな少女が星々を…


総合評価:8097/評価:7.85/連載:479話/更新日時:2026年06月23日(火) 07:00 小説情報

この苦しみ溢れる世界にて、「人外に生まれ変わってよかった」(作者:庫磨鳥)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

美少女が謎の生命体と戦うソシャゲみたいな世界で、『謎の生命体』として生きていくことになった主人公が色々と活躍するお話。▼【二・五章完結】▼※カクヨムにも投稿を始めました▼登場人物の短編を別枠で投稿しているものがありますので、よろしければこちらもご覧ください。▼[くるがい ストーリー集]https://syosetu.org/novel/306231/▼活動報…


総合評価:48943/評価:8.95/連載:101話/更新日時:2025年06月11日(水) 18:00 小説情報

ハンマー少女はバズらない! 固有スキル【隠遁】で自由に探索してたら伝説になってました(作者:chikuwabu)(オリジナル現代/冒険・バトル)

 魔物からも認識されないし、人間からも認識されない。そんな癖の強いスキルのおかげで人知れずソロ探索をしていたら、いつの間にかドワーフだとか座敷童子だとか、変な目撃証言が広まっちゃった、見た目子供な女の子(18)のお話。▼ そんな噂は気にもせず、妖精少女をパートナーに従えて、カレーを作ったり、ハンマーを振ったり、探索したり、人助けをしたり、たまに目撃されたり、…


総合評価:10342/評価:8.78/完結:644話/更新日時:2026年06月19日(金) 23:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>