【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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772話 おじゃるさんが、「僕たち」を見た

「……あ、これ、ハルの世界の人たち、もしかしなくても……配信を通じて拡散したハルの影響で、軽い精神同調状態に……ああ、だから最初からずっと違和感が……そうか、ハルの精神安定に、幼子が好きっていうあの子とかの汚染……あ、匂いが好きなあの子のも数%が……うわぁ……」

 

「?」

 

「ぬ゛ぉぉぉぉぉ……」

 

姉さんが下を向いてぶつぶつつぶやいている。

 

おじゃるさんもうずくまって唸っている。

 

おじゃるさんはともかく、姉さんはどうしたんだろう。

お腹でも空いた?

 

きちゃない袋さんからおにぎり出そっか?

 

「……それに、うん。ハルは父さんの戦闘狂の血を引いてるね……感情の振れ幅が大きい母さんじゃなく、消失直前で救出したときも平気そうだったし、魂だけで一撃かまそうとしてた父さんに……」

 

「そうですか? 姉さんの方が引いてる気がしますけど」

 

だって僕、あの2人の子供じゃないし。

 

長女っていうんならアル姉さん――この体を抜きにしたら僕は蚊帳の外だし、アルさんこそがあの2人の血を濃く引いてるんじゃないかなぁ。

 

【悲報・どっちもどっち】

 

【姉妹だからね】

【見た目じゃマジでわかんないくらい似てるからなぁ、このふたり】

【だな】

【一応アルちゃんの方が背が高いけど、ほぼ誤差なのと、なにより戦闘への意欲がそっくりでなぁ……】

 

【育った環境と年齢の差でアルちゃんは常識的、ハルちゃんは幼女だけど、それ以外は姉妹って感じよね】

【草】

【そ、それがかわいいから……】

 

 

【Love♥】

 

【らぶ♥】

 

 

【!?】

【草】

【ノーネームちゃん!! ノームちゃん!!】

【ああ、そういや君たちもそっくりさんでしたねぇ……】

 

「しかし……ハルを入れてようやくに――互角、って言ったところだねっ!」

 

「む……痛いことは痛いが、こんなものは致命傷になどならぬわ!」

 

ひゅばんっ――――ばしんっ。

 

姉さんの正拳突き――それを正面から受け止めるおじゃるさん。

この場面だけを見ると、どっかの道場の稽古をしているようにも見えるね。

 

……しゅううう。

 

けども姉さんたちの拳と手のひらは、衝突の衝撃で煙と……

 

ぼっ。

 

あ、ちょっと火が上がってる……あ、消えた。

 

「……手のひらが痛いのだが。神聖魔法で焼いてくるのはやめぬか。大して効かぬが、この肉体では地味に痛い」

 

「痛くなきゃ対話はできないよ? 魔王」

 

「その頭には魔力しか詰まっておらぬのか?」

「失礼な、いろいろ詰まってるよ」

 

【?】

【?】

【魔力?】

 

【もしかして:「脳みそに筋肉でも詰まってるのか」の魔族とか神族版】

 

【あー】

【あー】

【魔王の方が俺たち寄りの感性で草】

【アルちゃんは戦闘となるとウォーモンガーになるからね……】

 

【まさか初登場からここまで印象が変わるなんてなぁ、魔王……】

【だってハルちゃんに振り回されたからね】

【やっぱりハルちゃんは魔性  宇宙の支配者すら、ここまで落として堕とすんだもん】

 

「――じゃあ、君が小さくさせられてここに押し込められる前。今のように、ここまで私たちの話、聞いてた? こうやって正面から、真剣に?」

 

「………………………………」

 

ぴたり。

 

「君たち魔族やモンスターが生存するために必要な分の『狩り』以上の侵略を始めてから、何度聞いた? ……調べたら、確かに君の気まぐれで滅ぼされなかった世界、あるいはたった1つの町とかはあるようだ。けど、彼らからの助命とか悲鳴に――――――――今みたいに、耳を傾けたかな」

 

「………………………………………………………………」

 

「――私たち神族が宿敵なのは、よく分かってる。でもその被造物の子孫だし、なによりも『存在として遙かに格下だけど知性があること自体は理解してた』彼女たちのような人間へ――言葉を返そうと。気まぐれ以外で、したことは……あった? 魔王」

 

おじゃるさんが、動きを止める。

 

「………………………………」

 

動きを止めて――ぐるりと、僕たちを見渡す。

 

「……チホ……カースドメデューサ……こわいやつ……強いやつ……」

 

――たぶん。

 

きっと。

 

「今この瞬間」に、おじゃるさんは初めて――真正面から見たんだ。

 

似たような存在の僕たちはともかく――普通の人間のるるさんを、リリさんを――えみさんを、そして九島さん……は、特別扱いしてたけど。

 

そんな、人間のみんなのことを。

 

「………………………………朕は。魔王として。……しかし……」

 

ちらり。

 

そして――最後に、僕を見てくるおじゃるさん。

 

【くしまさぁん is goddess】

【魔王から唯一名前呼びのくしまさぁん】

 

【るるちゃんは……まぁ、うん……】

【カースドメデューサるるちゃんとかぴったりすぎるからね……】

【メデューサってのをハルちゃんに褒められて嬉しそうだったし……】

 

【※えみちゃん】

 

【草】

【草】

【「こわいやつ」で草】

【もはや「えみちゃん」で笑っちゃうんよ】

【アルちゃんの声掛けを聞いて涙ぐんでたのにどうしてくれるえみちゃん!!】

【完全にとばっちりで草】

 

【リリちゃんは……まぁ強いよね】

 

【「つよいやつ」だもんね】

【ハルちゃんの匂いにやられなければ普通の美少女だから……】

【普通に人類最高峰だから……】

【そうか、この面子だとこの扱いになる  だからこそのクンカーか】

【草】

 

【そんで最後にハルちゃんの様子をうかがうおじゃる】

 

【キマシ】

【ハルちゃんのことマジで好きなんだなぁ】

【好きな子に嫌われるかもって顔してるよね】

 

【できれば無事に戦い終えて大団円  難しすぎる道だとは分かってるけど……この2人が気兼ねなく仲良くしてる姿を、見たいんだ】

 

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