【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

785 / 802
794話 女王雑と魔王様の問答

「――――魔王。貴女が世界征服を目論む理由を、改めてうかがっても?」

 

ビビさんが、問いかける。

 

それに相対するおじゃるさんが――たった今に水浸しにされたのを、実はこっそりほんのりと全身の温度を上げて乾かそうとする時間稼ぎを隠そうとして付き合っているのを、スコープ越しに知っている。

 

「はっ……決まっておろう。きしゃまら――――」

 

あっ。

 

「………………………………」

「………………………………」

 

「――貴様ら人間が目障りだからよ」

 

「噛みましたね?」

「噛んでおらぬ」

 

堂々と言い放つ魔王さん。

 

そういや君、けっこう口調とか幼くなったよね?

 

【噛んだ】

【噛んだな】

【噛み噛み魔王ちゃん】

【ぺろぺろ】

【うわぁ……】

【わかる】

 

 

【魔王】

 

【HP:】

 

【67%】

 

 

【まじ?】

【そんなに削ったのか】

【「そんなに」なのか「まだ」なのかは分からないけど、削れてるのは確からしい】

【他のみんながどこまで疲れてるかは分からないけど、だいぶ進んだな】

【なるほど】

【レベル100まで落としても強いな……さすがは魔王】

 

【で、ダメージも負って疲れてるから】

【それで噛んでると】

【噛み噛みと】

【おっぱいふとももぷるんぷるんなのにどう見ても幼女の擬態と】

【草】

 

【あの見た目で動作とか普通に幼いんだよなぁ……】

【なのにケタ違いの実力持ってるのは分かる恐怖】

【弱体化(人間化)して「あれ」なんだよな】

 

【ダンジョンに潜らない素人の私でもどんくさいって思える動き方なのに、人類最強のリリちゃんとか女神様のアルちゃんを捌けてるの、頭ほんとにバグる】

【それよな】

【まぁドラゴンならブレスor巨体を振り回せばだいたい勝てるだろうし】

【確かに】

 

「偉大なはずの魔王様が、こんな場で噛んだのはともかくとしまして」

「噛んでおらぬわ!」

 

【草】

【草】

【煽る煽る】

【おじゃるとの相性は抜群だな!】

【これでこそブチ切れ芸女王様よ】

 

「王たるもの、虚偽は許されないと思いますが?」

「じゃあかしい! 朕こそが全てよ!」

 

ごぉぉっ。

 

明らかに――得意技のブレス、あれをまたお水でキャンセルされるかと警戒しながら、口元で数十センチの炎を吐きながら怒るおじゃるさん。

 

「そうですか」

 

それを見ながら、やけに自信ありげな態度を崩さないビビさん。

 

「………………………………」

「………………………………」

 

そんな彼女がなにかしらの作戦で、あえて挑発している――僕が感じたそれは、とっくにみんなも感じていたらしい。

 

さささっと――るるさん、るるさんを守りながらのリリさんとえみさん。

 

僕たちの方へと後ずさりしながら近づいてきている九島さん。

ビビさんの左右で腰を落としながら双剣を構えているアリスさんとアレクくん。

 

こっそりと――ちらちらっておじゃるさんが目で追ってるけど警戒はこれ以上なくされる斜め後ろの位置へカニ歩きしてるアル姉さん。

 

みんなが、静かに……言葉を使わず、お互いの表情と目線、姿勢だけで意思疎通をして次の衝突に備えている。

 

「………………………………」

 

……今なら余裕でおじゃるさんのヘッドショット――左右のこめかみ、たぶんツノが生えてただろう場所にあるコアへダブルショットを決められるけど、自重しとこ。

 

たぶん、勝っても負けてもみんなに怒られる気がするから。

 

僕だってコミュニケーションはそこそこ取れるんだ。

ただ普段はめんどくさいから取らないだけなんだ。

 

「ふん……貴様が。そこの――血族よりも年上の癖に、弱い。体もレベルも足りておらぬ貴様が……朕に、敵うとでも?」

 

「無理でしょうね。私の戦場は、政治の場でしたので」

 

あ、おじゃるさんの服と髪の毛が乾ききった。

 

けども――だからこそ、分かる。

 

やっぱりおじゃるさん、背、縮んできてるよね。

 

「ですが、私は水属性の魔法を得意としています。全魔力を叩き込めば、貴女をもう一度は水浸しにさせ――この数分で乾かした貴方の体を、もう一度ブレスが使えない、あるいは使えても威力が落ちる状態にできます」

 

「………………………………にゃんの話か」

 

あ、噛んだ。

 

「……ふっ」

「にゃにがおかしいきしゃまぁ!!!」

 

それを見て――気のせいだと思うけど、見下すような笑い方のビビさん。

 

「お可愛らしいこと……」

 

「きしゃまぁ!!! ふしゃあああ!!」

 

あーあ。

 

おじゃるさんが手玉に取られてる。

……なるほど、ビビさんは他の女の子たちよりもさらに口が達者だから口論では全体に敵わないと。

 

【かわいい】

【かわいい】

【どっちが?】

【どっちも】

 

【魔王が諦めてくれさえすればなぁ……】

【無理だろ、少なくとも決着がつくまでは】

【あ、アルちゃんがおじゃるへ踏み込もうとしたところにビビちゃんへのぷんすこをしてるから突撃を戸惑ってる】

【かわいい】

【お優しい女神様】

 

【精神攻撃は基本  異世界出身なのに内政と外交の場を主戦場としてきた女王様だ……】

 

【ブチ切れ芸は、あくまで交渉のためのパフォーマンスだったか】

【政治家って怖いね】

【したたかな女の子も怖いね】

 

【口撃も攻撃の1つ  ほらえみちゃん、出番だよ】

 

【草】

【草】

【ここでおじゃるへロリコン全開で突撃したら映えるよえみちゃん】

【今度こそ消し炭(物理)にされそう】

【それはそれで満足しそうだから嫌だなぁ……】

【草】

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。