【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~ 作:あずももも
ぴこん。
僕の左右から、文字が浮かぶ。
【魔王】
【HP:44%】
【おお】
【ステータス報告助かる】
【かなり削ったな】
【けど……】
【これだけやって、まだ半分ちょい……】
【しかも……】
――――――たぁんっ。
「いひゃいっ!? しびれるのじゃあ!?」
【HP:39%】
【おお】
【1発で5%……やっぱハルちゃんつよいな】
【ぅゎょぅι゛ょっょぃ】
【今のはきれいに入ったし】
【確かに】
【ハルちゃんのクリーンヒットが、あと8発あれば だけど……】
右肘のコアを、破壊。
した、けれども。
――――かちゃっ、かちゃっ。
「……弾算、ゼロ。何回調べても――もう、使える銃は……ない、か」
体がだるかったから地面に這いつくばっていた僕は、使い終えた狙撃銃たちをもぞもぞときちゃない袋さんへしまっていく。
【ああ……】
【だよなぁ】
【さっきから何回も弾数数えてたもんな】
【きちゃない袋さんもまさぐられてたもんな】
【きちゃない袋さん「キモチイイ」】
【草】
【草】
【ほんとに無生物が自我を持ちそうだからやめて】
【マジで持ちかねないからなぁ……ハルちゃん関連は】
【だって女神様だもん】
【愛着持った相手は無機物だろうがお構いなしに惚れる それがハルちゃんだ】
【悪女】
【悪幼女では?】
「ないない……」
「まりょく、あればほじゅう……でも、まりょくないない……」
「そうですか。なら、しょうがないですね」
左右からしょんぼりとしたノーネームさんとノームさんの声。
2人でもどうしようもないんなら、これはどうしようもないことなんだ。
【かわいいいいいいいい】
【かわいいいいいいいいいいいいいい】
【かわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい】
【かわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい】
【草】
【弾幕で草】
【※ミラー配信ごとに数十人ずつがいらんことしてないないされました】
【あーあ】
【ノーネームちゃんたちに負担かけちゃだめでしょ!!】
【てかぎりっぎりのところで戦ってるんだから2人はいちいち反応しないの!】
「たま、ないない……」
「たたかえないない……」
「はる、ないない……」
「みてるしかないない……」
「や、僕、一応まだ少しは弓矢もありますし、石ころならたくさんありますよ?」
なんだか「ないない」って言葉が妙に好きな2人。
なぜか僕が戦えないってことにさせられそうだし、さっさと出そうっと。
【かわいい】
【かわいい】
【邪念を一切込めなければないないされないんだよなぁ……】
【それな】
【娘の幼いころを思い浮かべたら普通に大丈夫だったわ】
【孫を思い浮かべたら大丈夫でした】
【お父さんorお母さん!!】
【おじいちゃんorおばあちゃん!!】
【んなことのために子供とかお孫さん残してないないされる危険冒す必要ありませんよね!!】
【草】
【総ツッコミで草】
【でもノーネームちゃんの「ないない」、ひっさしぶりに聞いたわ】
【確かに】
【ついでにノームちゃんもないない言ってて草】
【かわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい】
【お前……】
【たった今、身を張って検証してくれたばかりだって言うのに、お前……】
【もうないないされたからここには居ないよ】
【草】
【言い方がこえーよ草】
【ないないづくしなハルちゃんの周辺だけは、コミカルだけど……】
【戦場は……】
【ハルちゃんには状態異常が通じないからね】
【いつでもマイペースなハルちゃん、ハルちゃんしか見てない黒髪っ子たち でも、みんなは……】
「……はぁ、はぁ……」
「リリ。あと……どのくらい動けそうですか?」
「……まだ、少しは」
肩で息をしているし、九島さんの治癒が追いつかなくなってきたせいで、小さい傷がたくさん肌ににじんでいるリリさん。
水をぶっかけるだけとはいえ、おじゃるさんのブレスを相殺するほどの威力の魔法を連発していたビビさんは、真っ青な顔になっている――たぶん、魔力切れが近くなったときの、あの感じ。
「いやー、やっぱつええわ魔王。高難易度ダンジョンのボスなんかとはやっぱ違うなぁ」
「そう、ですね……ふぅ……魔力も、残りが……」
その両翼を守るように、1本の短剣だけを構える姉弟は――装備が半壊している。
ずっと陽動とか邪魔するために走り回っていた2人は、もうスタミナがとっくに切れているはずだ。
「ちほ……回復は、もう要らないわ」
「……でも、えみさんの傷が」
「火傷は痛いけど、あちらに帰れば治癒魔法を使ってもらえる……ちほこそ、無理をしないで」
えみさん。
おじゃるさんが何度かるるさんを――鎌さんを狙ってのブレスからかばっていたために、右腕と右脚が痛そうで。
そんなえみさんへの治癒魔法も――もう掛けられないほどに、MPが少なくなった九島さんが、せめてと包帯を……たぶん普通の包帯を、巻いてあげている。
【くしまさぁん】
【is】
【goddess】
【でも何回も全力の治癒魔法で、くしまさぁんも】
【かなり消耗してる……】
【お互いに決着をつけようとしてるんだな】
【ああ】
【がんばれ】
【今の魔王なら「参った」って言ってくれるはず だから、もうひと踏ん張りだよ】
【でも、あと少し あと誰か1人でも戦力が居たなら……】