【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~ 作:あずももも
重い。
くっころさんが重い。
だって、ハグしただけのはずのくっころさんが……僕よりも背が高くてお胸っていう重量のある子が、僕に寄りかかってきてるんだもん。
今の僕は小さいから、力を抜くと押しつぶされそうなんだもん。
るるさんもよく怒ってくるけど、単純な背丈と体重差って小さい側にとっては重いんだからね?
「くっころさん?」
「 」
ゆさゆさ。
「くっころさーん」
「 」
「 」
背中へ回したままの腕ごとちょっと揺らしてみるけども……だめだ、首がかくかくしてるだけだ。
お顔は真っ赤で、白目を剥いてよだれも垂れているだけだ。
まるでいつものリリさんみたいだ。
「……ねぇ、ハル。君、こういうこと……いつもやってたりする……?」
ふと見ると、姉さんがまた変な顔をしている。
「よく分かりませんけど、なぜかみんなこうなりますね」
「……なるほど。君たち……ハルがいつも苦労をかけているみたいで……ごめんね」
ぺこり。
姉さんがなぜか、くっころさんから始めてひとりひとりへ頭を下げている。
【朗報・お姉ちゃん力】
【これはお姉ちゃん】
【保護者助かる】
「悪気はないんだ。ただ……私たちは、そう。長命種っていうか、純血の神族なら、やろうと思えば永遠に近く生きられるせいで……成長がとんでもなく遅くてね。うん、よくそのへんは私たちに近い種族なエルフの子たちが、普通の寿命の種族とケンカする原因にもなっててね……」
【!?】
【エルフぅ!?】
【ああ、そういや宇宙戦艦もとい宇宙ブロッコリーを作った人たち、居ましたね……】
【草】
【ブロッコリーは怒られるって草】
【でもブロッコリーだったんだよなぁ……】
【てか神族とエルフが近い種族て】
【寿命の話では?】
【あと時間感覚とか成長が遅いとか】
【あー】
【あー】
【見た目が綺麗とかそのへんも、神族に近いってことなら】
【なるほど】
【そもそも人間って神族……神様たちが作ったって言ってたしなぁ】
【あー】
【……そういやハルちゃん、やたらとのんびり屋さんでしたねぇ……普通の人間とか子供とか、そう言うのを超越したレベルで……】
【え?】
【あっ……】
【そういえば……】
【待て、この流れは非常によろしくない】
【既視感のある空気が流れてきたな……】
【ダンジョンにピクニック気分で何日も籠もるとか……そんなの「普通の人間」なら発狂するって最初期から……でも、それが今アルちゃん様が言ってた「長命種」なら……?】
【そういうのも、単純に1日が数時間とか数十分程度――数分程度とかまでに感じるとしたら、全然へっちゃらですねぇ……】
【完全にイメージだけど、エルフって時間をかけて魔法を作ったり弓矢での狩りとか上手って】
【難しいご本とかと格闘するのも、時間がかかるのがへっちゃらなら……あとは興味次第で、それこそ無限に……】
【………………………………】
【………………………………】
【繋がっちゃった……?】
【繋がってしまったな……(n回目】
【まーた最初期のいろいろが今になって明かされるのか】
【いつものでは?】
【それな】
【ハルちゃんが人間じゃない(事実)(褒め言葉)だからなんとか受け入れられる事実だね】
【それな】
【ただの幼女だと思っていたときには……数え切れない悲鳴が飛び交っていたからなぁ……】
【全国の幼女たち&今どきの子供たち「風評被害って言いましたよね?」】
【ごめんなさい】
【本当にごめんなさい】
【完全に風評被害でしたねぇ……】
【だって、こんなん分かるわけないじゃん……】
【のんびり屋さんなのはハルちゃん自身の性格も相当あるだろうけど、ハルちゃんのちょっとおかしな部分が次々と種族的な特徴だったって分かってくると……それはそれで、こう……来るものがあるな】
【でもさ、ほら……見てみてよ ハルちゃんの顔】
姉さんがぺこぺこして、ひとことふたこと――たぶんコメント欄を見て返事をしているんだろう――やっぱり、のしかかってきてるくっころさんが重い。
けども。
「………………………………」
エルフ。
「……?」
エルフ?
「?」
エルフって……居るの?
姉さんみたいなんだ?
「………………………………」
ふむ。
ちょっと見てみたいかも。
【な?】
【草】
【草】
【かわいい】
【かわいすぎる】
【ああ、これが母性本能 あ、待って、今お腹の子が初めてお腹を蹴ったんだけど】
【!?】
【ママさん!?】
【草】
【どんな人でも居るな、この配信】
【※異種族の方々どころか魔族側もアクセスしてます】
【もうだめだ……】
【草】
【ま、まぁ、これがハルちゃんの配信の平常運転だから……】
【だからなんにも分かってないハルちゃんを眺めようか】
【いいな】
【始原の宴会もワインセラーを空にしました】
【しかし困ったな もう飲むべき酒がない】
【いや、あるぞ? ハルちゃんへのお供え物】
【それだ】
【草】
【草】
【古参同士で飲み会やってんじゃねぇ!!】
【お供え物を勝手に飲み食いするんじゃねぇ!!】
【もうやだこいつら】
【ま、まぁ……全世界から届くお供え物とか、倉庫を借りまくって保管してるらしいし……? 空調管理とかも必要だろうから、維持費分くらいは……?】
【どうせハルちゃんが受け取りきれない量が届いてるらしいし】
【だが始原は自己主張が激しすぎるから許さない】
【草】
【それはそう】
【ことあるごとに自慢してくる古参とか……厄介だよなぁ……】