【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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823話 神魔共同全種族連合解放軍銀河系合同作戦司令部直轄地球宇宙軍極秘特殊作戦部隊旗艦第7世代型恒星間航行機関搭載改良型時空跳躍魔法搭載試作船だって

「すぅ――――……ふぅ。ううん、私は……いえ。おっしゃるとおり、私はキャシーです。ハル様」

 

ちょっとだけ僕に顔を近づけて深呼吸をしたキャシーさん。

 

……なんで急にかしこまった話し方に?

 

「ハルでいいですよ」

 

「それは駄目です。あと、ハル様は私たちへは普通にしゃべってください。命令口調とか見下す感じでも全然OKです」

「なんでです?」

 

なんで?

 

「だってハル様は……神様なので」

「僕はそう思ってないですけどね」

 

ほんとうにね。

 

じゃなきゃキャシーさんに吸われてた前に見てた昔の思い出とか、どこで拾ってきたんだって感じだし。

 

「で、でも、ハル様はみんなから崇められていて……」

「僕はそういうの、要らないんですけどね」

 

心の底からね。

 

「あと、キャシーさん」

「はい、ハル様。なんなりと」

 

すんっ、と澄ませた顔になった、大人な彼女を見上げる。

 

「子供のころにお世話……短いですけど、した相手が大人になっても、僕的には昔のままな感覚なので。できたら、普通に話してもらえたらなって」

 

感覚としては……近所に住んでた子供が大きくなっても、やっぱり子供だって感じるやつかな。

 

「………………………………」

 

目を見開いて、じっと僕を見る彼女。

目元とかお化粧してるし、イヤリングもしてるし……やっぱり大人だね。

 

「……えへへ。ハル様って、やっぱり昔から変わらないですね」

「そうですか?」

 

あ、顔が柔らかくなった。

あと、話し方も。

 

やっぱりキャシーさんはキャシーさんだね。

 

「じゃ、久しぶりのあいさつをできたってことで……行きましょっか!」

 

ぎゅっ。

 

ごく自然に――だって、誰とでも基本的に身長差があるんだからしょうがないじゃん――僕が持ち上げた手を取って、嬉しそうにほほえむキャシーさん。

 

……この顔も、小さいときとおんなじだ。

 

まぁこの子はどっちかっていうと泣きべそかいてる方が印象的だけども。

そんなことはいいとして、

 

「どこへです?」

 

「どこだと思います? それはですねぇー」

 

ふわりと漂う香水の中に、懐かしい匂い。

 

キャシーさんの匂い。

 

「――私たちの決戦兵器で最高傑作で、このときのためだけに作られたオーパーツ! 神魔共同全種族連合解放軍銀河系合同作戦司令部直轄地球宇宙軍極秘特殊作戦部隊旗艦第7世代型恒星間航行機関搭載改良型時空跳躍魔法搭載試作船――その1隻の艦橋です!」

 

「………………………………」

 

どやぁ。

 

なんか、すっごくリリさんがしそうな顔をしているキャシーさん。

 

けども……え?

 

なんか今、すっごく自慢げにしゃべってたけど……なんて?

 

「神魔共同全種族連合解放軍銀河系合同作戦司令部直轄地球宇宙軍極秘特殊作戦部隊旗艦第7世代型恒星間航行機関搭載改良型時空跳躍魔法搭載試作船です!」

 

僕の手を引いて歩くキャシーさんが、すらすらと呪文を口にする。

 

「息継ぎしないでよく言えますね」

 

「かっこいいでしょう!」

「確かにかっこいいですね」

 

むっふんと胸を張る彼女。

その姿はどう見ても子供のままだ。

 

「でも聞き取れませんでした」

 

ただ、問題は。

 

「しょうがないですねぇ……いいですかハル様? 神魔共同全種族連合解放軍銀河系合同作戦司令部直轄地球宇宙軍極秘特殊作戦部隊旗艦第7世代型恒星間航行機関搭載改良型時空跳躍魔法搭載試作船です! 本当はもっと細かいんですけど、ハル様は初めて聞きますから省略形です!」

 

「そうですか」

 

少し粘ったけども、やっぱり無理だって判断した僕は諦めた。

 

人生は何事も諦めが肝心なんだ。

 

「で、この船は旗艦のハワイです!」

 

「そうですか」

 

ハワイか。

 

イメージ的には小さく感じるけども……実際には普通に大きいんだけどね、島として。

 

「他にも、今、この船と『合体』してる船はオセアニア、パナマ、ユーラシア、アフリカ、アンタークティカ、アトランティスですね! みんな同型艦ですけど、それぞれちょっとずつコンセプトが違うんです! 全部まとめて『連合艦隊・アース』です! かっこいいでしょう!」

 

「そうですか」

 

んー。

 

ここ、ちょっと足元が冷えるね。

 

「私が採用したネーミングセンスなんです!」

「そうですか」

 

「私が! 採用したんです!」

 

「そ――センス良いですね、キャシーさん」

「むふんっ」

 

おっと、危ない。

 

るるさんみたいな子が好き勝手さえずってるのは適当に聞き流せばいいんだけど、今みたいなイントネーションのときはちゃんと褒めてあげないとなんだ。

 

るるさん、ありがとう。

 

これで僕、無事男に戻って社会復帰できて嫌な上司とかおしゃべりだらけでお仕事しない同僚や後輩に当たっちゃっても、前よりへっちゃらになったよ。

あと、実家に帰るたびに文句を言われ続けるのにも耐性ができた気がするんだ。

 

なお、九島さん相手だと聞き流すのは無理だ。

 

九島さんだけはだめなんだ。

そばにえみさんが居れば生贄にできるけども、そうじゃなきゃだめなんだ。

 

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