カートが悪意を滾らせる中、シンは制服を見ていた。
シン「えーと………………制服に付与されてる魔法は『魔法防御』、『衝撃緩和』、『防汚』。この三つか。中々上級の魔道具だな。だが書き換える!」
シンは、制服に付与されている文字を見てそう言って、ペンを取り出す。
すると、メリダが入ってくる。
メリダ『入るよシン。』
シン「婆ちゃん。」
メリダ「上手く行きそうかい?」
シン「うん、丁度今から書き換える所。」
メリダは、シンにそう聞くと、シンはそう答える。
シンは書き換えを開始した。
まずは付与されてる魔法を浮かばせる。
シン「お次はっと。」
鉛筆型の魔道具で、制服に付与してある魔法効果を無効にする。
この鉛筆型の魔道具は、消しゴムが魔法効果を無効にし、鉛筆の芯が魔法効果を有効に付与する物である。
メリダ(全く、とんでもない子だね。魔力を通して浮かび上がる元々付与されていた文字を、魔力を無効化する魔道具によって、剥がした上で再び新たな魔法を付与する。そんな発想が出来るのが、そもそもアンタ位だよ。)
シン(この制服の場合、付与可能文字数は最大で20文字……………。新たに付与するのは………『絶対魔法防御』、『物理衝撃完全吸収』、『防汚』、『自動治癒』、問題は此奴だ。『絶対魔法防御』。全ての魔法を防ぐ事が前提だが、火と水じゃ防御方法も違ってくる。付与する文字にイメージが追い付かなきゃ魔法は発動しない。何かないか……………全てを防ぐ具体的なイメージは……………!!)
メリダがそう思う中、シンは付与する魔法を考えていた。
しばらくして、防汚、自動治癒、絶対魔法防御、物理衝撃完全吸収、この4つを付与された最強の制服が完成した。
シン「出来たーーーー!!あ〜〜〜すっげー集中した〜〜〜!!」
メリダ「(この時点でシンの制服の価値は既に…………。)シン。」
シン「ん?」
メリダ「制服の事、絶対に人に言うんじゃないよ。」
シンがそう叫んでベッドに倒れる中、メリダは制服に付与された魔法を見てそう思い、シンに釘を刺す。
その翌日、遂に入学式の日になった。
スティーブ「マーリン様、メリダ様、ヴァン様、シン様、カケル様、王宮から馬車の迎えが来ております。出立の御準備は宜しいですか?」
シン「準備は出来てるけど……………コレ、こんな感じで良いのかな?」
カケル「流石に緊張するなぁ。」
メリダ「バッチリだよ。よく似合ってるじゃないか。」
ヴァン「うむ。」
カケルとシンは、高等魔法学院の制服を身にまとい、馬車に乗り、学院に向かう。
御者「学院に到着致しました。」
マーリン「さて行くかの。」
ヴァン「そうじゃの。」
しばらくして、学院に到着して、御者の人がそう言って、カケル達は馬車から降りる。
馬車から降りた瞬間。
男性「おい、あれ……………国から勲一等と共に送られるマントだぞ…………!」
女性「3人共それを羽織ってるって事は………あれは…………まさか…………!!」
一般人「賢者様ーーーーー!!」
一般人「マーリン様ーーー!!」
一般人「導師メリダ様ーー!!」
マーリン達の姿を見た人たちがそう言って、マーリン達の方へと駆け寄る。
それを見たマーリンとヴァンは。
マーリン「ぬあっ!またか!」
ヴァン「やっぱりか……………。」
シン「あっ!?ちょっ!まっ!」
カケル「あらぁぁぁぁぁ!?」
群衆がヴァン達に群がる中、カケルとシンの2人は群衆から放り出されてしまった。
そこに、教師がやってくる。
教師「マーリン様!メリダ様!ヴァン様!入学式場まで御案内致します!ウォルフォード君とパラケルス君は集合場所に………………あれ?居ない?」
マーリン「スマンのう、シンとカケル君の晴れ舞台なのにこんな騒ぎになって……………おや?シンとカケル君は?」
メリダ「ええい、離れな!!」
ヴァン「ワシらは見せ物じゃないぞい!」
シン「ほっといて行こう……………。」
カケル「爺ちゃん、頑張れ〜。」
教師が、カケルとシンの2人が居ない事に気づき、マーリン、メリダ、ヴァンがそう言う中、カケルとシンは、集合場所へと向かった。
シン「はぁ………………。」
カケル「まあ、予想通りだよな。」
オーグ「やあシン、カケル。緊張していないか?」
2人がそうやって息を吐く中、そこにオーグがやってくる。
カケル「どうも。」
シン「いや…………まあ大丈夫だけど………。」
オーグ「今日は生徒以外にも国王である父上やこの国の貴族、重鎮が勢揃いしてるが、何も緊張しないで良いんだぞ?」
シン「いや…………だから……………。」
オーグ「主席君はさぞ素晴らしい挨拶をするんだろうな。楽しみだ。」
オーグの挨拶に、カケルがそう言う中、シンはそう答える。
オーグは、わざとプレッシャーがかかる事を言って、爽やかな笑みを浮かべ、肩を叩く。
それを見たシンが叫ぶ。
シン「テメェ!!喧嘩売ってんのか!!」
オーグ「はははっ。おいおい何の事だ?」
シン「主席取られたのは実は根に持ってんだろ!!」
カケル「賑やかだね。」
教師「コラ!もうすぐ式だろ、何騒いでる!整列しろ!」
シンがそう叫ぶと、オーグは惚けて、シンは叫び、カケルはそう言う。
すると、教師がそう叫ぶ。
それを聞いたシンは、小声でオーグに言う。
シン「この野郎…………!初日から怒られたじゃねえか…………!」
オーグ「くくく…………まあそう言うな。お陰で緊張が解れただろう?」
シン「え?(オーグ……………俺の為にわざと…………?)ありが……………。」
オーグ「まあ偶然だけどな。」
シン「てめーなあ!」
カケル「シン、流石に落ち着け。」
シンがそう言う中、オーグはそう言うと、シンは感心しかけるが、オーグはすぐにそう言って、シンはオーグに絡む。
カケルが落ち着かせようとする中、後ろから声がかけられる。
???「あ…………あの…………シン君、お、お久し振りです。」
シン「ん?」
シンは声をかけられて、後ろを振り向く。
そこに、シシリーとマリアが来た。
シン「シシリー!君も合格したんだね!後マリアも!」
マリア「ついでみたいに言うな!」
カケル「いやぁ、2人が合格発表の時に見当たらなかったから、ずっと心配してたんだぞ。シンが。」
マリア「え?そうなの?」
シン「まぁそんな所だ。それより2人共ここに並んでるって事は…………。」
マリア「そ!私達もSクラスよ。主席さん。」
シシリー「はい。一緒のクラスです。」
それを見たシンはそう言い、マリアが突っ込む。
カケルがそう言うと、シンは少しカケルを睨んで、そう聞くと、マリアとシシリーはそう答える。
すると、オーグがシンに話しかける。
オーグ「シン、お前が捜していた女性とは彼女の事か?」
シン「ギクッ!!」
オーグ「おや?確か君達は……………。」
マリア「ご無沙汰しております、アウグスト殿下。メッシーナ伯爵家のマリアでございます。」
シシリー「クロード子爵家のシシリーでございます。」
オーグがそう言うと、シシリーとマリアは、スカートの裾を持ち上げ、そう挨拶する。
それを聞いたカケルとシンは。
カケル「伯爵に子爵って事は……………。」
シン「2人とも貴族!?シシリーは兎も角マリアも!?」
マリア「何それどう言う意味!?」
シシリー「くすくす。」
カケルがそう言うと、シンはそう叫び、マリアが突っ込んで、シシリーは笑う。
シン「何で言ってくれなかったのさ?」
マリア「だって貴族の娘なんて言ったら、急に態度が変わる人が多いんだもん。」
シン「ふーん……………そんなもん?俺は別に…………。」
オーグ「お前が特殊なだけだ。2人共、此奴には権威とか世間の常識とか通用しないから気軽に接して良いぞ。」
「「?」」
教師「静かにしろ!入場だぞ!」
カケル「そろそろ行こうぜ。」
マリア(それはそうと…………例の賢者様のお孫さんと医神様のお孫さんは何処に…………!?)
シンがそう聞くと、マリアはそう答える。
シンが首を傾げる中、オーグはシシリーとマリアにそう言う。
教師がそう言うと、カケルはそう言って、マリアは周囲を見渡す。
入学式が始まって、新入生が入場して、座席に座る。
校長と在校生代表の挨拶が終わり、新入生代表挨拶に入る。
教師「それでは、続きまして新入生代表挨拶です。今年度、入学試験主席合格者、シン=ウォルフォード君。」
シン「はい!」
教師がそう言うと、シンは立ち上がる。
それを見て、周囲がざわつく。
一般人「ウォルフォード…………!?」
一般人「と言う事は…………彼が…………賢者マーリン様の…………!?」
周囲がそう言う中、シシリーとマリアも驚いていた。
マリア「え!?え!?どゆ事!?まさかシンが…………!?」
シシリー「…………!?」
オーグ「何だ、聞いてなかったのか2人共。あいつが例の英雄の孫だよ。」
カケル「そして、俺が医神ヴァンの孫だよ。」
マリア「えええっ!?」
マリアとシシリーが驚く中、オーグとカケルはそう言って、マリアは更に驚く。
カートがシンの事を睨む中、シンは挨拶を始める。
シン『ご紹介に与りました、新入生代表、シン=ウォルフォードです。今日この良き日に皆様に見守られ、このアールスハイド高等魔法学院に入学出来た事を大変嬉しく思います。私は幼い頃より、祖父母や知人から様々な事を学んで参りました。しかし共に暮らす祖父が森の奥に隠居していた為、私は世間を知らずに育ってしまいました。そんな折、とある方に言われたんです。『学院に入って常識を学んで来い』と。王都に来てから私の環境は劇的に変わりました。既に何人かの友人も出来ました。私にとって人との出会いこそ、大切で重要な事です。ですので皆さん!世間知らずだからと言って、仲間外れにはしないで下さいね?そんな事されると泣いてしまうかも知れません。そして保護者及び御来賓の皆様そして在校生・教師の皆様何卒、3年間、御指導御鞭撻の程宜しくお願い致します。新入生代表、シン=ウォルフォード。』
シンがそう言う中、周囲が一瞬ざわつくが、シンは挨拶を終える。
すると、凄まじい拍手喝采が起きる。
席に戻ると、オーグが笑いを堪えていたが、笑いだす。
オーグ「くっくっくっ……………!あっはっはっはっ!」
シン「何だよ、何笑ってんの?」
オーグ「くく……………だってお前、代表挨拶に冗談を交えるなんて前代未聞だぞ?他の挨拶見てなかったのか?」
シン「え!?そうなの!?」
シシリー「あまり聞いた事はないですね…………。」
マリア「あまりって言うか、私は初めて聞いたわ!」
カケル「まあ良いんじゃない?」
シン(マジか〜〜〜またやっちまった!?確かに前世じゃ挨拶はユーモアを交えた方が良いって聞いたから…………。)
オーグが笑うのを見て、シンがそう聞くと、オーグはそう言って、シシリーとマリアもそう言う。
カケルがフォローする中、シンはそんな風に頭を抱える。
マリア「でも生徒にはウケてたし、良かったと思うよ。」
シン「え?」
カケル「俺的には面白かったぞ。」
マリア「それより!カケルもだけどさ、何で自分がマーリン様とメリダ様の孫、ヴァン様の孫だって教えてくれなかったの!?」
シン「ああゴメン…………。入学早々目立つのもどうかと思って…………。」
カケル「悪目立ちはしたくないんでね。」
マリア「……………ま、言われてみれば納得だったけどさ。」
マリアがそうフォローすると、マリアはそう叫ぶ。
シンとカケルがそう答えると、マリアは納得する。
その後、ディセウムの挨拶に入る。
ディセウム『今年は、英雄の孫達と言う規格外が紛れ込んでいる。同級生達は彼らから色々と学ぶと良い。きっと皆の固定観念を吹き飛ばしてくれる事だろう。』
シン「国のトップも冗談ブッ込んできたけど…………。」
オーグ「流石父上。早速取り込むとは。」
カケル「面白い人だね。」
ディセウム『皆が大きく成長してくれる事を切に願っている。』
ディセウムは、シンに触発されたのか、冗談を早速入れた。
それを見て、シンは呆れ、オーグとカケルは感心した。
そうして、入学式が終わった。
シン「やっと入学式終わった〜…………。」
カケル「さて、Sクラスには、誰が居るんだろうな。」
シン「っ!?」
カケル「ん?」
シンとカケルがそう言う中、2人は異様な気配に気づく。
周囲を見渡すと、カートが2人を睨んでいた。
カケル「カート?」
シン「カケル、カート君のあの表情って…………。」
カケル「まさかな……………。」
シン「まさか俺が挨拶で冗談なんか言ったから怒ってるんじゃ…………!?」
カケル「そこかよ!?(…………それはともかく、凄まじい悪意だな。ケミーが居たら、確実にマルガムになっちまうな。大丈夫…………だよな?)」
カケルがそう言うと、シンは的外れな事を言って、カケルは突っ込みながら考える。
そんな中、それを見つめる存在が居た。
???「カマ?」
それは、普通のより大きいカマキリだった。
この学院のクラスは学年毎にS・A・B・Cの4つに分かれており、A〜Cは30人で、Sクラスのみ12人の少人数クラスで、入試上位12人がそのままSクラスに入れる。
教師「ここがお前達Sクラスの教室だ。」
担任の人がそう言って、教室に案内する。
この12人が、Sクラスのメンバーだ。
主席 シン=ウォルフォード
第2位 カケル=パラケルス
第3位 アウグスト=フォン=アールスハイド
第4位 マリア=フォン=メッシーナ
第5位 シシリー=フォン=クロード
第6位 アリス=コーナー
第7位 トール=フォン=フレーゲル
第8位 リン=ヒューズ
第9位 ユーリ=カールトン
第10位 トニー=フレイド
第11位 エレナ=フォン=クラーク
第12位 ユリウス=フォン=リッテンハイム
この構成だ。
教室に入ると、担任の先生が口を開く。
アルフレッド「入学おめでとう。Sクラス担任のアルフレッド=マーカスだ。元魔法師団所属だ。宜しくな。今日は授業はないから、学院を見て回るなり他の生徒と交流するなり好きにしろ。明日の午前中は学院案内、午後からは実技講習に入る。では解散!」
アルフレッド先生は、そう言う。
シンとカケルが、異空間収納に教科書などを仕舞う中、マリアが話しかける。
マリア「シン、カケル、ちょっと良い?」
カケル「ん?どったん?」
マリア「シシリーの事で相談があるの。」
シン「何か困り事?」
マリア「うん。」
マリアは2人にそう話しかける。
マリアは、事情を2人に説明する。
マリア「実は…………シシリーに付き纏ってる男が居るの。」
シン「なっ!」
カケル「いつからだ?」
マリア「シンとカケルに初めて会った後位からかな…………。シシリーは何度も断ってるのに、そいつ、実家の権力を笠に着て脅しまで掛けて来てるの。」
シン(シシリーを脅すだと…………!?許せん!!)
マリアがそう言うと、シンは驚き、カケルは冷静にそう聞く。
カケルの質問にマリアがそう答えると、シンはそう思う。
カケル「権力を振り翳してねぇ…………。」
マリア「えぇ。でもシシリーが自分の思い通りにならないのが相当頭にキテるらしくて…………そろそろ無茶な手段に出て来そうなのよ。」
カケル「なるほどな。で、そいつはどこに居るんだ?」
マリア「その男って言うのが……………この学院に居るの。」
カケル「となると、新入生の中にいるのか。」
カケルとマリアはそう話す。
カケルは、マリアからの情報を冷静に分析する。
すると、シシリーが口を開く。
シシリー「ごめんねシン君、カケル君…………こんな話聞かせて…………。」
シン「何言ってんだ。寧ろ知らせてくれて良かったよ!」
カケル「困ってるのなら、力を貸すよ。」
シン「ああ!」
シシリー「(やっぱり……………シン君がそう言うと…………。)ごめんなさい…………。」
シン「ん?」
シシリーが謝る中、カケルとシンはそう言う。
それを聞いたシシリーは、小声で謝る。
それを見て、シンが首を傾げる中、怒鳴り声が響く。
カート「おいシシリー!!貴様、俺の婚約者でありながら他の男と話すとは何事だ!!!」
シシリーの後ろ側から聞こえてきた声の主は、カートだった。
シン「カート!?」
カケル「マリア。あいつが例の男なのか?」
マリア「そうよ!あいつよ!あいつがずっと付き纏って、勝手に自分の婚約者だって言い触らしてるの!」
シンが驚き、カケルはマリアにそう聞く。
怯えるシシリーがシンの後ろに隠れる。
それを見たカートがカッとした。
カート「こっちに来い!!」
シシリーを無理矢理連れて行こうとしたが、シンに腕を掴まれた。
カート「グアッ!!」
シン「懲りねえなお前も!」
カケル「自分が何をしてるのか分かってるのか?」
カート「無礼者めが……………!!いいか!!そこの女は俺の婚約者だ!!貴様なんぞに話をする権利はない!!引っ込んでろ!!」
シシリー「っ……………!!」
カートはシンに阻止され、シンが怒り気味に、カケルが呆れ気味にそう言うと、カートはそう叫ぶ。
すると、カケルは口を開く。
カケル「それは、両親の謁見はしたのか?」
カート「ああ!?」
カケル「だって、シシリーもカートも、貴族だろう?なら、挨拶は済ませたのか、気になったんだよな。」
カート「黙れ!貴様如きに話す必要性などない!」
カケル「………………。」
カケルがそう指摘すると、カートはそう叫び、カケルは呆れる。
シンは、シシリーに聞く。
シン「あんな事言ってるけど、どうなの?」
震えるシシリーに対し、シンが彼女の肩に手を置いて落ち着かせる。
シン「大丈夫だよ。何かあっても、俺が守ってやる。だから、思った事を言ってみな。」
シシリー「シン君……………。」
シンは、シシリーにそう言う。
すると、シシリーは深呼吸して、勇気を出してカートに刃向かう。
シシリー「あなたからの求婚をお断りしました!付き纏われるのも!!勝手に婚約者と言われるのは迷惑です!!」
シン(震える位怖かったのに…………よく言ったぞシシリー。)
カート「貴様……………この俺に逆らうと言うのか!!」
シシリー「逆らいます!!私はあなたの言いなりになるつもりはありません!!」
シシリーはそう叫び、シンはそう思う。
逆らったシシリーの両肩をガッと掴んだカートは、叫ぶ。
カート「何様のつもりだ……………!!貴様ら女は男の傍で愛嬌でも振り撒いてりゃいいんだ!!しかもこの俺の傍に侍らせてやろうと言うのに!!巫山戯るなバカ女が!!」
カケル「ふざけてるのはどっちだ?」
カートがそう叫ぶ中、カケルは怒気を滲ませた声を出す。
カート「あぁ!?貴様今何と言った!?」
カケル「シシリーにはシシリー自身の意思がある。それを抑えつけて自分の思い通りにしようとするな。それに、見る感じSクラスじゃない事を不満に思ってるみたいだな。」
カート「そ、そうだ!だいたい貴様如きがなぜこの俺を差し置いてSクラスにいるんだ!?何か不正をしたのか!?」
シン「なぜってそりゃあ……………実力だよ。」
カートがカケルを睨む中、カートはそう言うと、シンはそう答える。
するとカートは更に強く睨み付け、シンに向かってこう叫んだ。
カート「お前!ならばこの俺と決闘しろ!」
シン「えぇぇぇぇぇ!?いきなりなんで!?」
カート「実力だと?お前如きがこの俺より実力があるはずがない!お前がSクラスなのは何か不正をしたに違いない!いやそうに決まっている!仮にもしそうでないと言うのならこの俺の前で証明してみせろ!もっとも、この俺がお前如きに負けるはずないがな!」
シン「いやウソだろ!?」
カケル「…………………そう来たか。」
カートがそう叫び、シンがそう叫ぶと、カケルはそう言って、シンに話しかける。
カケル「シン、その決闘に付き合ってやれば?」
シン「はぁ!?何でだよ!?」
カケル「そうでもしないと多分更に面倒な事になるぞ。それに、早めに実力の差を知っておけば無闇矢鱈にやる事もないだろ。」
シン「たっ、確かに………………ハァ、分かったよ。」
カート「フッ、そうか。なら俺の力を見せつけてやる!」
カケル「それじゃあ、場所を移そう。」
カケルがそう言うと、シンは諦めたようにため息を吐きながら決闘を了承し、練習場へと移動するのだった。
****
そしてカケルたちは練習場へと移動した。
ちなみに先生には許可は貰ってある。
というよりその場で貰ったのだ。
生徒「カートがあの賢者の孫と決闘だってさ!」
生徒「あいつがねぇ……正直勝てるとは思わないがな。」
生徒「でも万が一あるかもよ?」
そして周囲には先生やSクラスメンバーだけでなく、他のクラスの生徒達もたくさんいた。
Aクラスの生徒であるカートが主席の上に賢者の孫であるシンに挑むことになったら一瞬で話題になる。
それを見ていたカケルは。
カケル(それにしても、カートの奴、あんまり信頼されてないんだな。まあ、あんな態度じゃあ、無理もないけど。)
そんな風に思っていた。
カケルは、口を開く。
カケル「………それじゃあ、カートとシンの2人で、あの的に魔法をぶつけてみろ。まずはカートからだ。」
カート「俺に命令するな!……………炎よ!我が力に答えよ!地獄の業火の如く燃え盛り、目の前にある標的を焼き尽くせ!」
シン(あっ、やっぱりやるんだそれ。)
周囲の人たちが見つめる中、カートは詠唱し、火の魔法を放つ。
カートの放った魔法は的の真ん中にしっかりと当たり、的の表面が結構焦げていた。
周囲「おぉ〜。」
カケル「へぇ…………………。」
カート「どうだ!?これが俺の実力だ!」
シン「なるほどね……………じゃあ。」
カケルがカートの魔法を分析し、カートが勝ち誇る中、シンも前に出て炎の魔法を放つ。
だがそれはカートとは違い無詠唱で、カートの火を遥かに超える火力で燃え盛る炎だった。
生徒「なっ!的に当たるどころか消しとんだぁ!?」
生徒「マジかよ……………。カートもすごいけど賢者の孫はそれ以上………いや宮廷魔導士以上じゃないか?」
生徒「そもそもどうやったら無詠唱であんな火力出せるのよ………。」
カケル「あいつ………。」
シンの魔法で的を消しとばし、それを見て、周囲の人たちは唖然となる。
カケルはシンの相変わらずの加減の無さに呆れたのか頭を振り、声が漏れるが、特にそれ以上文句を言う素振りは見られなかった。
シン「……………とまあ、こんなもんかな。」
カート「なぁっ……………!?こっ、こんな事はあり得ない!何か不正を行った筈だ!今のは無効だ!」
カケル「いや、シンは不正を行っていない。まだ分からないのか?」
カート「黙れ黙れ黙れぇ!…………まさかこの俺が負けただと…………こんなこと………認められるものか…………!」
カケル「おい、流石にそこまでに…………なっ!?」
まだ自分が負けたことを認められないのか狂ったかのようにそう呟き始める。
流石に心配になったカケルはカートを宥めようとすると突然カートからどす黒い色をした凄まじい量の悪意のオーラが現れる。
シン「な、なんだ!?」
???「カマ〜っ!」
カケル「えっ?………あっ!あれは!」
突然聴き慣れない声が聞こえ、その方向を見るとカートから出てきた悪意のオーラがいつの間にか外から見ていたカマキリを捕まえていた。
カケル「カマンティス!?まさか…………!?」
シン「カマンティス?」
マリア「あのでっかいカマキリの事?」
そう。そこに居たカマキリは、居なくなったケミーの内の一体、カマンティスだったのだ。
カマンティスはカートの強い悪意に飲まれ、カートと一体化してその姿を変える。
カート「グッ、ガァァァ!!」
その姿はまるで複数のカマキリの鎌を銀色の包帯で強引に固定したような頭部と両腕を持ち、オレンジ色の単眼を光らせていた。
カケル「カートが…………マルガム化した……………!?」
オーグ「マルガム…………?おい、カケル!リッツバーグに何が起こった!?それにリッツバーグと融合したあのカマキリの事を、何か知っているのか!?」
カケル「説明は後でします!生きてればですけどね………………。」
オーガ「な、なにをいって…………………。」
カート「ウォルフォードォォォォッ!!」
生徒「きゃあああ!!」
カケル「くっ、マズイ!」
オーグ「か、カケル!?」
カートはシンのことを叫びながら周囲に斬撃波を放ち、辺り一帯に深く大きな切り傷が刻まれる。
それを見て生徒達や教師達などはパニックになりながらその場から逃げ出していく。
そんなカートの変わり果ててしまった姿を見てオーグがカケルにそう問い詰める中、カケルはそう言って前に出てガッチャードライバーを取り出し、腰に装着する。
マリア「何あれ?」
シシリー「魔導具でしょうか……………?」
オーグ「何をする気だ……………?」
シン「まさかカケル………………!」
カケル(本当なら、見られない所で変身したかったけど、やむを得ないか!)
マリア、シシリー、オーグ、シンの四人がそれぞれそう言う中、カケルはホッパー1とスチームライナーのカードを取り出し、そのままガッチャードライバーに装填する。
『HOPPER1!』
『STEAMLINER!』
2枚のカードを装填すると、その2枚のカードがカケルの背後に現れて、カケルは変身ポーズを取る。
カケル「変身!」
そう言って、ガッチャードライバーのレバーを操作する。
すると、真ん中に顔が浮かび上がる。
『ガッチャンコ!』
その音声が流れると、カケルの周囲をホッパー1とスチームライナーが浮かび上がる。
ホッパー1「ホッパー!」
スチームライナー「スチーム!」
ホッパー1とスチームライナーは、2枚のカードが合わさった場所から現れたフラスコの入り口へと向かっていく。
フラスコの中には、カケルが居るように見える中、二体はカケルと組み合わさる。
すると、ホッパー1とスチームライナーは、カケルに合わさり、だんだんとカケルの姿が変わっていく。
『スチームホッパー!』
カケルは、仮面ライダーガッチャード・スチームホッパーに変身した。
オーグ「カケル……………!?」
マリア「ええっ!?」
シシリー「その姿は……………!?」
カート「なんだ!?貴様は………………!?」
カケル「俺は………仮面ライダーガッチャードだ!」
シンを除いた周囲の人たちが驚く中、カケルはそう言って、カートの方へと向かっていき、力の籠ったパンチでカートを吹き飛ばす。
カート「グワッ!?………お、おのれぇ…………。」
カケル「ホッパー1、スチームライナー、さぁ…………行くぜ!」
カートはすぐに立ち上がって戦闘態勢に入り、それを見てカケルもホッパー1とスチームライナーに声を掛けて気を引き締める。
そしてカケルとカート、この二人の戦いが始まったのだった。
???「ほぉ、………ケミーが現れたか。丁度いい、探す手間が省けたな。」
一方、マルガムによってパニックになっている魔法学院の訓練場の外、そこの人のあまりいないところに、レンチのようなデザインの大剣を背負った怪しい男が冷静に戦いの様子を見ていた。
???「それに奴も……………両方とも回収するか。」
暴れ回るマルガムとそれを食い止めようとするガッチャードを見て、男はそう呟きながらニヤリと笑みを浮かべていた。
今回はここまでです。
カートのシンに対する悪意が、カマンティスを取り込み、マンティスマルガムへと変異しました。
そして、オーグ達の前で、カケルがガッチャードに変身して、マンティスマルガムと応戦します。
そして、それを見つめる謎の人物。
その人物は、何者なのか。
次回、判明します。
次回は、シシリー達の制服に付与をする所まで行く予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
オリジナルのケミーについては、考え中です。
今後のガッチャードの展開次第ですね。
オリジナルの仮面ライダーも、リクエストが来たので出します。
その仮面ライダーは、レベルナンバー10のケミーを使って変身します。
仮面ライダーレジェンドの変身者は、誰にするか。
-
オリキャラ
-
オーグ
-
その他