オベロンみたいな理解者系生徒を先生の傍に置きたかった話   作:星ノ瀬 竜牙

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1発ネタ、続かない。


オベロンみたいな理解者系生徒を先生の傍に置きたかった話

『プレナパテスの撃破、確認。先生これで──』

 

 終わる。そう、本当ならここで終わるはずだろう。打破すべき己は討ち果たし、生徒を救うためにここから先生(あなた)は動くはずだった。

 

 彼女(かれ)がいなければ。

 

「"いや、まだだよ"」

 

「──先生?」

 

「"そこにいるんでしょう、ティア"」

 

「──え?」

 

 誰かの困惑した声を他所に、先生が視線を向けた先でキラキラと光る煙に塗れて……少女が現れた。

 

「嘘──なんで──……?」

 

『ティア──……さん……?』

 

「あはは、さすがは先生。お見通しですね、それでこそ色彩を討ち取っただけは──……ああ、いえ、まだ討ち取られてはいないのですね」

 

 その煙から現れた少女は、美しく儚く可愛い……そういった感想を抱くには充分な容姿をしていた。()()()()()()()()()()()()()()()()、そんな可憐さすらあった。その長く美しい白い髪も、純白の翼も、黄金に輝く王冠のようなヘイローも、着込んでいる制服すら、彼女を童話のお姫様と思わせてしまうような、そんな美しさ。だというのに、不気味だった。今、この瞬間においてはそれが何よりも不気味で恐ろしかった。

 その少女、ティアと呼ばれた彼女が向ける視線の先には……未だに動こうとしているプレナパテスと呼ばれた異形……並行世界の先生と、並行世界の砂狼 シロコが居た。

 

「……はあ、本当に残念です。先生のことですから、こうなるのではないかと思ってはいましたが……本当に殺さず生かしてしまうとは」

 

「"ティア"」

 

 先生の少し怒ったような表情を見て、少女は肩を竦め……そのまま深々と頭を下げる。

 

「ああ、失礼しました。貴方を不快にさせるつもりはなかったのです、それだけは誤解なきように。……さて、なぜ、私がここにいるか……言っていませんでしたね。皆さんの疑問は尤もです、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()でしょう? ええ、ええ、それは単純です」

 

 ───最初から死んでいませんから。

 

「は──?」

 

 そう告げる少女に困惑する生徒がいた。

 

「おや、あの時……私は死んだと思いました? ふふ……ふふふふ……だとしたら思い違いも甚だしい。死ぬわけないじゃないですか、だって──」

 

 ──ええ、だって。自ら手引きしたことなんですから。

 

「な───」

 

 その言葉に信じられないと、疑う生徒がいた。

 

「ああ、それともなんですか? 私はそれほどか弱く思えていましたか? だとしたら大成功ですね、そう思わせることこそが目的でしたから」

 

「"ティア、これ以上みんなを困らせるのはやめて"」

 

「───ふふ、珍しい、貴方の怒る顔を見れるとは。……ふむ……やはりベアトリーチェとの対決までは生きておくべきでしたね。そしたら貴方が怒る姿をもっと前に見れて、貴方のことで他の皆さんにマウントのひとつぐらい取れたでしょうから」

 

「──まあ、もうどうでもいいことですけど」

 

 す、っと少女の纏う気配が変わった。先程までの儚げな雰囲気が失せ……何処かおぞましいものを纏っている。

 

「──貴女は、何者……なの……?」

 

「何者、何者ですか。ふむふむ……これは難しい。私を定義付ける記号自体は存在しますが……何者か、と言われたら……そうですね……」

 

 ──お前達の敵だよ。

 

「ッ──!?」

 

「"……!"」

 

 その言葉と共に、彼女の周りを虫がまとわりついていく。何処にいたのかすら分からない、黒い蟲の群れ。それが彼女の身体を這い、喰らい、覆っていく。

 

 息を呑む。誰しもが、そのおぞましい光景から目が離せない。

 

「は、はは……ハハハハハハ!! ()()が何者かだって!? あー! 傑作だ! これ以上ない傑作だ!!! ここまで来て分からない? オレが誰か!?」

 

 人が変わったように、少女は嘲笑う。ゲラゲラゲラと、心の底からバカにしたように。

 否、本当に人が変わっているのだろう。既にそこにいた少女が、童話のお姫様などとは思えない姿だった。

 

 長かった白い髪は、バッサリと噛み切られ、黒く染まり……黄金に輝いていた王冠のヘイローは、食いちぎられたように欠け、青く染まっている。

 純白を思わせた翼は、焼けたように落ち……生え変わるように蟲のような透けた翼が現れている。そして、青く澄んでいた瞳は赤く、蛇のような鋭いモノに変色し……制服はあらゆる箇所が食いちぎられて、ボロボロだ。

 その惨めとも、おぞましいとも思える姿に変貌した少女は口を三日月のように歪めて嘲笑う。

 

「そうだね、聖園に倣うわけじゃあないけど。……あえてこう言おうか、妃童(きわらべ) ティア。最低最悪の裏切り者、終末論(エスカトロジー)、この楽園(キヴォトス)を滅ぼす意思そのものだよ」

 

 少女は名乗り、笑っていた。

 

『……終末論……? まさか、神名十文字(デカグラマトン)は──』

 

「ああ、アレ? アレはオレの差し金だけど。流石は『全知』、オレの名乗りだけでそこまでたどり着くのは素直に尊敬しちゃうなぁ」

 

 ミレニアムの天才は伊達じゃないね。と笑って褒め讃える。

 そう、神名十文字を『神』と定義付けさせ、証明したのは他ならぬ彼女だった。

 ただの機械を問答のもと、神へと導いた。世界を滅ぼす余興のために。

 

「まあ、忘れ去られた神(きみたち)のことだからね。神を打倒するぐらいは予想してたさ。役に立ってないとは思ってたけど……こうして面倒な相手を全部押さえつけて消耗させる端末を作るぐらいには役に立ってくれたし結果はオーライ!」

 

「へぇ……じゃあ、おじさんたちを消耗させるまでが役割だったんだ?」

 

「ああ、そうだよ? 小鳥遊 ホシノ。色彩によって産み出された理解者(ビナー)はお気に召したかい?」

 

「うーん、むしろいけ好かなかったかな?」

 

「ハハハハ! それなら結構! 大いに役立ったみたいだね!」

 

 君は1番厄介だったから必死で抑え込まなきゃいけなかったんだよね! と、彼女は笑う。

 そう、実際に小鳥遊 ホシノはここに来るまでに消耗していたし……ここに来ても、プレナパテスとの戦いで疲弊している。幾ら彼女の実力が高いといっても、この状況下で圧倒できる程の余力は既にない。

 

「──……てぃ、あ……わた、しは……まだ……!」

 

「……へえ、驚いた。まだ立ち上がれるんだキミ。そこまで突き動かされると怖いを通り越して気持ち悪いね。執念深すぎない?」

 

 雑談に勤しんでいたところで、もう1人の砂狼シロコ……死の神(アヌビス)となった少女が立ち上がっていた。そのやり取りから察するに、旧知の仲ではあるようだが──

 

「ああ、でももういいよ。邪魔だし、死んでくれない?」

 

「ぇ──……?」

 

「"シロコ!?"」

 

 ざしゅ、と彼女が何処からともなく取り出した黒い鎌で身体を斬り裂かれていた。

 

「な……なんで……!? あっちの私は、あなたのこと──!」

 

「ああ、だって興味無いし。ていうか、そもそも? オレのすべきことを乗っ取ってまで邪魔しようとしてきただけだし。いやー、めちゃくちゃ腹立ったんだよね正直。他所からやってきて、好き勝手暴れるとか迷惑でしょ普通に」

 

「────」

 

「それに、お前だよオマエ。身体は既に死んでる癖に立ち上がろうとしてるプレナパテス(オマエ)。お前さぁ……なんでこっちの世界に勝手に来たわけ? 自分なら何とかできる、してくれると思った? それだけの理由でこっちに押し付けるのやめてくれない? すっごい迷惑なんだけど」

 

 そう言いながら、少女はプレナパテスすら斬り捨てた。本当に、心の底から軽蔑するように。

 そして彼女は斬り捨てた2つに手をかざし、黒い穴の中に放り込む。

 

「──さて、これで文字通り邪魔者は居なくなったね、先生?」

 

「"──ティア"」

 

「うわ、こっわ。先生そういう顔もするんだ。けど……うん、そっちの方がよっぽどいい、取り繕ってるだけの『大人』の顔よりよっぽど人間らしいよ、先生?」

 

 先生の怒った表情に対して、ニコニコと清々しそうに彼女は笑う。

 

「"どうして、プレナパテスを"」

 

「……ああ、それ聞いちゃう? まあ、いいよ。先生には特別だ。教えてあげる。そもそも……なんで世界を滅ぼす概念ともいえる存在が、ここへ来れたと思ってる? 普通はありえないでしょ。所詮は剪定事象。その展開は不要だって切り捨てられた物語に過ぎないのに、なんでわざわざ此処に来れたと思う?」

 

「"それは……"」

 

「理由は単純だよ、この世界が滅びたいと思ってるからさ」

 

 さも当然のように、少女は口にした。この世界は滅びるべきなのだ、と。

 

「そう、滅びたがってるんだよ、この世界は。じゃなきゃ、自ら『色彩』を呼び寄せたりしないでしょ。アレはいわば終末装置だ。世界を終わらせる力そのもの。しかも、わざわざこの世界のではなく並行世界……間違えた歴史から呼び寄せてるんだぜ? よっぽど滅びたくないとそんなことしないでしょ」

 

「"…………"」

 

「ああ、でも勘違いしないで。世界にも意識はあるんだ。滅びたがってるのは一面にすぎない。もちろん、生きたいという意思も存在するんだよ。たまたま今回は滅びたいという意識が強かっただけ。……けど最終的には生きたいという意思が勝ったと言えるかな」

 

「"どういう……"」

 

「あー、誰だっけゴルコン……いや、デカル……ああ、そうだ、フランシス! アイツが言ってただろ? 『先生』は主人公だった、ってさ! 

 あれ、文字通りの意味だから。『先生』はこの世界の寵愛を受けている。ああ、生きたいという意思の方から、だけどね」

 

 あなたは主人公だったんだ。と予想外の方向から彼女から告げられて困惑する。

 もちろん、ゲマトリアのことを知っていることとか、聞きたいことはある。だけど、それ以上に……彼女の言葉を無視できない。

 

「いや、だって……不思議に思わなかったのか? どうして小鳥遊 ホシノが無事にここにいるのか、どうして名もなき女王は世界を滅ぼす兵器とならなかったのか、どうして魔女は堕ちるところまで堕ちなかったのか、どうしてベアトリーチェに勝てたのか、そして──どうして、あのミサイルと、鉛弾で死ななかったのか、シャーレを乗っ取られても五体満足のままでいられたのか」

 

 そう、ここまでの旅路、道程。その全てがあまりにも都合が良すぎた。先生にとって、あなたにとって。まるで、そうあるべきなのだと、そうでなくてはいけないのだと言うように。先生にとって都合が良く事が運んでいた。

 

「"……!"」

 

「答えは簡単、ご都合主義ってヤツだよ。言い換えれば主人公補正と言ってもいい。世界からの寵愛を受けた末に、先生が織り成した奇跡の数々、それらは全て先生が主人公だったからさ。主人公だから、勝つのは当たり前、助けられるのは当たり前、生き残るのは当たり前。そういうものだからね、主人公って」

 

 ほら、主役が死んだら面白みなんてないだろう? と少女は笑う。

 世界が先生を主人公と示した。提示したのだ。であれば、この世界(キヴォトス)はそうやって事が進む。だから奇跡は起きる、都合よく。アリウスの少女たちを救えたように、エデン条約の妨害で死者が出なかったように。ゴルコンダとデカルコマニーが告げた「こうなるとは思っていなかった」という言葉の意味を今ならば理解できるだろう。

 そう、全ては先生(あなた)のために用意された物語なのだ。

 

「大人のカードもいわばその延長線上だ。そもそも時間や人生の前借りなんてできると思ってる? 普通無理でしょ。つまりそういうこと。先生が主人公だからそういうデタラメもできるのさ。その点はあのプレナパテスとかいうヤツも一緒だった。あっちは1回死んでるから補正切れかけだけどね」

 

 死に体のくせに、わざわざこっちに来て先生に全部押し付けようとしてたんだから笑っちゃうよねー、終わってるんだからそのままくたばっとけば良かったのに。と少女はゲラゲラと嘲笑う。

 

「……そうそう、プレナパテスを排除した意味だっけ。それは先生から主人公補正を剥がすためってところかな。プレナパテスと先生は同一存在だ、つまりこの世界から見れば同じ存在が同じ場所で同時に存在している状態になる、本来はかなり差異があるけど……世界からすると、その辺の認識は曖昧だからね。同一存在の片方を排除したら、もう片方も主人公でもヒロインでもなくなるわけだ。だって世界は勝手に死んだと認識するわけだし」

 

「まあ、ちょっと誤算だったのは大人のカードは未だに健在なところか。

 神秘と恐怖と色彩が一度に集結してしまったせいで、デタラメなことはここでは未だに可能みたいだし……まあうん、そこはここまでたどり着くための必要経費だったと考えておくよ」

 

 いまこの場所はなんでもありの空間なのだ、と彼女は告げる。神々と終末装置と世界の意思が全て此処に集っていたんだから当然だろうけどね。とも付け足していた。

 

「さて、じゃあ改めて自己紹介しようか。オレは世界の代弁者。滅びたいと願う意識の集合体にして『色彩』を操る『恐怖』の王にして……先生(お前)の敵対者。そうだね、名乗る名なんてないんだが……先人に倣って、ヴォーティガーンとでも名乗ろうか」

 

「"ヴォーティガーン……"」

 

 先生は連想する。その名は竜の名だ。アーサー王伝説に出てくる、ブリテンを終わらせようとした王の名でもある。彼女がその名を名乗るということは、文字通りこのキヴォトスという世界を終わらせるつもりなのだろう。

 

「まあ尤も、ヴォーティガーンというには竜には程遠い……蛇に過ぎないんだけどね! オレは蟲であり蛇だからな。楽園で誑かし、追放するきっかけを作るのは蛇だ。そして、楽園に実る果実や木を腐らせるのは蟲だ。ならその2つを成そうとするオレは、蛇であり蟲だとそう言う他ないだろう?」

 

 彼女の言葉に、待った。を掛けるのは、否定するのは他でもない先生だった。

 

「"違うよ"」

 

「へえ、何が違うって?」

 

「"ティアは蛇でも蟲でも、ましてやヴォーティガーンでもないよ"」

 

 そう、だって知っているから。先生は、彼女のことをよく知っている。

 

「"だって───"」

 

 時々おっちょこちょいで、金銭管理が下手っぴで、時々ユウカに一緒に怒られたり……借金を作る苦しみを、アビドスのみんなと分かちあったりするだけの、私が頼りにしている──

 

「"シャーレの部長だから"」

 

 そう彼女の目を見据えて告げる先生に、思わず笑みが零れる。

 

「はは……ハハハハハハ! 相変わらずだな先生! その甘さが今からアンタを殺すかもしれないのに!」

 

 先生の言葉に少し絶句しながらも、心底可笑しそうに笑う。笑ってしまう。そこまで絶大な信頼を得ていたことにも、そこまで甘い人だったことにも。

 

「"ティア"」

 

「……なんだよ、これから始まるってのに」

 

「"これが終わったら、おしおきだから"」

 

 その言葉は、彼女を不快にさせるには充分だっただろう。だって、それは自分が勝つ、という宣言に他ならない。本気で殺そうとしに来る相手に対して、そんな軽口を言うのだから、余裕の現れでしかないと、彼女は捉えることしか出来ないだろう。

 

「─── オマエホントブレないな、先生。いいよ、勝てる気ならそのままで。

 その余裕がどこまで持つのか、見物だけどね!」

 

 黒い少女は、鎌を手に取り……先生へとその刃を向けた──

 

 

 ───

 

 電車の中のような、夕暮れの……黄昏の空が見える中で、黒い少女が座っている。ああ、そうか、コレは夢か。なら聞かないと、彼女に……聞かなきゃいけないことがいっぱいあるんだから。

 

「ああ、うん。本音? そうだね、先生には隠してなかったし隠すつもりもなかった。オレはこの世界が嫌いだよ。ずっとね。透き通ってる世界? 冗談じゃない、これの何処が透き通ってるんだよ。いつもギリギリでしか存在できない癖に、神様だっていうなら1人で何とかしてみせろって話なわけで。ただの人間でしかないアンタに全ての責任を押し付けるような世界を好きになれると思った? 聖人君子じゃないよ、オレ」

 

「ああ、責任だとかそういう建前要らないから。え、本音? うわ、マジじゃん。なんでそこまで覚悟ガンギマリできるわけ? ホントに人間?」

 

「──まあいいや、そこは諦める。アンタがそういう人だって知ってたつもりだったけどいざ実際に理解するとホントに重症だね。救いようのないアホだ」

 

「え、オレに言われたくない? はははは、言えてるー」

 

「ああ、アレ? うん、無事だけど。ははは、確かにイラついたよ? そこは本当。自分の世界の後始末をこっちの自分に押し付けるとかどういう神経してるの? とは思ったさ。けどまあ……アイツらだって利用された側なんだ、そこは汲んであげなきゃね。聖人君子じゃないけど、悪逆非道ってわけでもないし、オレ。努力には相応の報いがいると思うけど?」

 

「───ああ、だからあとはアンタの好きにするといい。あちらの自分を生かすも殺すもアンタ次第だし、あのバカ狼を殺すかどうかもね。まあ、アンタのことだ、どうせ……」

 

「ほら、やっぱり。そうするつもりだと思った。ああ、いいよ。アンタにだけは特別だ。それぐらいならオレでもできるからね」

 

「これからどうするのかって? ははは、さあね。決まってたとしてもアンタに教えるわけないけど! そもそも敵対してた相手に教える義務なくない?」

 

「失言だったか。そうだよな、アンタはそういうヤツだった。だって鉛弾喰らった上で殺しに来た相手すら許しちゃうような大バカだもんな! マジでどういう神経してんの? いや、オレにとってはどうでもいいけどさ」

 

「ああ、分かってるだろ先生。これは夢だよ。夏の夜の夢。全ては一夜の狂騒だ。目覚めたら忘れるだけの、泡沫の夢さ。ま、オレのことなんて忘れて生きればいいんじゃない? そっちの方が幸せでしょ?」

 

「──はぁ? 忘れる気ないの? なんで? ああ、いや。言わなくていいや。アンタのことだ、どうせ『先生』が『生徒』を忘れるなんてしちゃいけないとか思ってんだろ? ……ほら、当たりだ。オレの前で嘘を付けると思わないでよ先生?」

 

「じゃああえて聞くけど、ここまでの日々がどうだったか? だって?」

 

「ん……まあクソだよクソ、最悪の日々だったさ。シャーレでの生活は! 

 ……ああ、本当に最悪だった! だからその恨みも込めて惨たらしく最後は死んでくれよ先生? その時にその面見るのが今からすごく楽しみだからさ!」

 

「おい、なんでそこでニヤニヤ笑う? やめろ、そのニヤニヤ笑うの。気持ち悪いなぁ! うんうん分かってるみたいな面すんのもやめてくれない? あーもう! 死ね! 死んどけバーカ!! マジで惨たらしく死んでしまえ!!」

 

「──はぁ……ほんと、何処までお人好しなんだか……アンタは」

 

「じゃあね、先生。まあアンタの精神性とか、シャーレとかは死ぬほど嫌いだけど。アンタのこと自体は嫌いじゃなかったぜ」

 

「──ええ、本当に。貴方と出会えたことは、(オレ)にとって……唯一意義があることと言っても、差し支えありませんでしたから」

 

 駅で途中下車をする直前、黒い少女はそう言って……あの日のように、お姫様のように微笑んでいた。




妃童(きわらべ) ティア

何処かの奈落の虫的な妖精王モドキな少女。
元トリニティ生徒でありティーパーティー候補だった。(本人が辞退した)

嘘を見抜ける眼を持っている。
そのせいでトリニティのことは今も死ぬほど嫌い。

ゲヘナの方がよっぽどマシだよ? 治安はクソ悪いけどどいつもこいつも本音と本心で生きてるからね、アッチ!! とは本人の談。

一人称は 私/オレ

生まれた時は別に普通の何処にでもいる神秘を持った少女であった。
無意識下で「色彩」、そして無名の司祭と接触し「反転」、「恐怖」側に立つ。そこで己の役割が世界を滅ぼすことだと理解し準備をし続けていた。

ティアとして生きていた頃はシャーレの部長として先生の助手を勤めていた……が、エデン条約編にて、先生を助けるという体で巡航ミサイルに立ち向かい表向きには死んだことにした。

ゲマトリアとも通じており、カイザーコーポレーションに色々と手引きしたりなど暗躍も多々。
ちなみにこの世界ではミカにアリウスと仲良くすればいいじゃん、と唆したのはコイツ。
ミカはオーロラみたいな扱い受けた感じ。可哀想。


従来の容姿は白い長髪に青い瞳、黄金の王冠型ヘイローといわばオベロンの女の子版。
反転した時の姿は黒い短髪、赤い眼、青い欠けた王冠型ヘイローとオベロン・ヴォーディガーンに近いが女の子風になっている。
目が赤いのはモチーフとなった存在によるもの。


妃童 ティア

童話 の お姫様(妖精妃) ティターニア から。


モチーフはFGOにおけるオベロン。
そして聖書におけるアダムとイブを誑かした蛇。
蛇要素は反転した姿だけ。


余談だが、この後先生との戦いでは清々しいほど負けており、その後行方を眩ませる。
他にも色彩の力も使えるため、この力を利用してプレナパテスを蘇生するだけでなく「そもそもこれオレの力だし、アンタが持ってても宝の持ち腐れだろ」と色彩の力をぶんどった。そのため現在、プレナパテスは本来の先生の姿に戻っており、キヴォトスにて治療を受けている。
クロコからも色彩と恐怖の力を(斬りつけた時に)奪っており、今の彼女は容姿が本来のシロコより大人びただけの少女に過ぎなくなっている。

つまりこいつはしれっとプレナパテス生存ルートやってのけた。

ちなみにプラナに関しては一切干渉していない
「機械のこととか分かんないんだよね、オレ」とのこと。
(なお、プラナ本人はプレナパテスの意向で、こちらの先生のシッテムの箱に移動、原作通りとなる)

以上、やっつけ1発ネタでした。

プロローグとかエデン条約編とかの本編での活躍シーン

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