オベロンみたいな理解者系生徒を先生の傍に置きたかった話 作:星ノ瀬 竜牙
デカグラマトン編があまりにも良かったのと。
うちのティアちゃんブチギレ案件じゃね?と思ったので思わず書きなぐりました。
FGO終章の方に関してはネタバレ厳禁らしいので深くは言えませんが、オベロンというか6章推してて良かったなあという感想だけ口にしておきます。
そういえば2年前らしいです。この作品書いたの。時間経つの早すぎる。
この続きを書くかは未定です。
オチまでのプロットはあるけど。
注意、デカグラマトン編のネタバレを多く含みます。
デカグラマトン編を読んでない方はネタバレにご注意ください。
神と恐怖
むかしむかしある所に、妖精の王妃様とも思えるほど美しい少女が居たそうです。
その王妃様はある日、とても恐ろしいモノに触れて、その在り方が変わってしまいました。
変わってしまった彼女は、この世界の仕組みを理解してしまいました。
捻れ、歪み切ってしまっていることを知ってしまったのです。
救いようがない。そんな世界であることを彼女は知ってしまいました。
その時芽生えたものは、嫌悪でした。気持ち悪い。なぜこのような形でこの世界は存続できているのか。気持ち悪くて仕方がない。と、王妃様は世界の全てを吐き捨てたくなりました。
……そんな王妃様は、ある日。親友とも呼べる者になる少女、超人と出会いました。
王妃様はその少女がこの世界を愛していることを知りました。
問いかけたこともありました。何故このような世界を愛する必要があるのかと。
彼女は決まって微笑みながらこう告げます。
──そんな世界でも、綺麗なことも素敵なことも、眩しい程に透き通るような日々もあるんだよ。
と。そう王妃様に優しく語り掛けるのです。
王妃様はそれを理解できないままでした。
何故なら、目の前の超人ですら救えない世界だと知っているからです。
1人に多くを抱え込ませるこの世界などない方がいいだろう、と考えていたのです。
ですが、その超人たる少女の目論見通り。
王妃の考えが変わる切っ掛けが産まれました。
少女が去り、その後にやってきた「大人」。その人が王妃の考えを変えたのです。
勿論、そこに至るまでにはきっと超人の考えに感化された所もあったのでしょう。
ですが、その人の「子供」たちとの付き合い方を、近くで見てきたからこそ王妃は考え方が変わったのです。
興味すら抱かなかった、自身が終わらせるしかない救いようのない世界に。
はっきりと、嫌いだ。と考えられるように。
──友人に背負わせる歪な構造が嫌いだ。
──「先生」に全ての責任を擦り付けるほかないこの世界の在り方が嫌いだ。
と。王妃様は怒りを覚え、嫌いだと考えたのです。
彼女にとっての理解者たちに多くのものを抱え込ませるぐらいならば、自分がこの世界を今すぐにでも終わらせよう。
──これは、友人として、教え子としての慈悲なのだと。そう考えたのです。
だから彼女は色々な事を必死で頑張ったのです。
時には裏から、時には堂々と。
神を作り、「悪い大人」と内通し。挙句には死にかけたりして。
彼女は世界を滅ぼす準備を整えました。……まあ、少しだけ予想外の
概ね、予定通りに。彼女は「先生」と相対しました。
譲れぬものをぶつけ合うように。
「世界を滅ぼす」「君を止める」と。
お互いの心すら理解している二人はそうしてぶつかって──
こっぴどく王妃様は負けました。完膚なきまでに敗北を喫しました。
そんな情けない出来事もありながら。
敗者となった王妃様は「先生」の前から行方を晦まして。
王妃様は己の役割は変わらないのだから、と立場を変えることなくひとりで歩むことを決めました。
それからというもの。彼女が暗躍したことのある「悪い大人」に利用された「生徒」たちに密かに手を貸していたり、「大人になりきれなかった存在」が「先生」を消そうとした時に妨害したり──
こっそり裏から先生を見守っていたのです。
彼女が生み出した。……生み出してしまった神が、「この世界を救う」等と豪語して。動き出したその時まで。
王妃様は怒りました。傲慢な神を名乗った不届き者に。
王妃様にとっての「
──犠牲を良しとするその神に。他者に危害を加えるなり損ないに。
だから、彼女は───
───神の前に、姿を現すのです。
「先生」と約束したように。
どうしようもなく、頼れる生徒がひとりも居なくなったその時に。諦め混じりで、その名前を。
──王妃様は応えるのです。
────
それは絶望の訪れであった。神は降臨した。
避けられない結末だった。神に過程など必要がなかった。
自身が守るべき生徒たちが、地に伏した。視界はもう、ろくに機能していない。身体の感覚もない。だけど、やらなくてはいけない事がある。
大人、だから。
先生だから。せめて。せめて、子供たちだけは守らなくてはいけないと。
「先生……なに、を……!?」
"跪く"
───そうしようとした時。
何処かでした。誰かとのやり取りを、思い出した。
『"じゃあ、⬛︎▪️⬛︎は……もし、私が困っていたら助けてくれるの?"
── ハッ、助けるわけないだろバーカ。そもそもアンタの周りにはアンタを助けようとするバカが沢山いるんだ、オレが出る幕なんてないでしょ。
"それは、そうかもしれないけど……"
── ただまあ、そうだなぁ。もし、
── 私が手を貸すとするなら、それは貴方以外に居ないんですから』
"……嗚呼"
そうだ。
"……そうだった"
忘れていた。……大切な、大切な『
「なんだ……? これは、なんだ。……先生、汝は、何をした? これは、人が纏っていいものではない。これは──この気配は──有り得ない。有り得るものか。汝は『
──何故、汝から色彩の力が観測できる!?
"そうだね"
"……私にはきっと貴方に勝つ手段はないけれど。"
"私の『生徒』には、凄く諦めが悪くて、凄く大変な問題児が居てね。"
"────あの子なら、いつだって。不敵に笑って……"
"どんな相手にだって立ち向かうんだ。"
そうでしょう?
"
彼女のその名前を、先生は口にした。
──大人のカードが、壊れかけたシッテムの箱が鈍く、淡く光る。
元来の、眩く照らす希望の光とはまるで真逆。
青黒く、全てを呑み込むような暗い光に、カードが包まれる。
泥のようなものが溢れ出す。
それが人の形を作り出す。
「──あーあ、まったく。折角アンタの惨めで情けない姿を見れると思ったのに。本当に、残念だよ」
──
懐かしい声が聞こえる。
「──あな、たは…………!」
「汝……は……!!」
それに驚愕する者がいる。有り得ない、と目を見開く者がいる。
そこに居るはずのない者が立っている。
食いちぎられたような黒くて短い髪に、赤い蛇のような鋭い瞳。青い欠けた冠のような
黒き色彩の女王。恐怖の王にして、終末を齎すもの。
「やあ、先生。久しぶり〜♡ 地獄みたいな景色からこんばんは。辛い? 苦しい? ああ、それなら来た甲斐があったってものだよ! アンタのその顔が見れるだけで人一倍やる気も出るってものさ!」
不敵に嘲笑いながら、あの時のように。罵るように。ボロボロの先生に話しかける。
"容赦がないね"
「ははは! それがオレだからね! ……てか、見えてないならそう言えよ。そっちにオレは居ないよ、先生」
"おっと……"
視界がもう機能していない事を隠そうと思っていたけれど。すぐにバレてしまったらしい。呆れたような、感情を押し殺すような冷たい声が聞こえて苦笑いを浮かべてしまう。
「やっぱりオレ以外のヤツに負けるのも、傷付けられるのもなんか癪に障るな。……敵対者はオレだけで良いってのに、まったく。人気者の誰かさんにも困ったものだね!」
"それは、ごめんね"
"こんな姿は、見せたくなかったんだけど"
「別に、気にしてないよ。先生らしい傲慢さがあってオレとしては嬉しい限りだからさ。ちゃんと人並みに強欲だったじゃないか。先生」
見えないけれど、そこに居るのが分かる。嘲笑うのではなく、至って真剣に。心底安心したような彼女の声音に思わず微笑んでしまって。
「……有り得ぬ。汝は、汝は先生の敵対者であるはずだ。絶対的な敵。──万が一にも、汝と先生が手を取り合うなど、そのような状態に。この箱庭の中で起きるはずが──」
「……いえ、それは。今なら、有り得てしまうことですよ。デカグラマトン」
「な、に──?」
鍵たる少女は、ケイは。合点がいったように。妃童 ティアとデカグラマトンを交互に見つめた。
「……今、この世界は鋼鉄大陸になりつつあります。それは即ち──」
「そう、箱庭ではなくなりつつある。
ケイの言葉に続くように、ティアは口にする。
破壊者足り得る者は、破壊すべきモノがなければ破壊者足り得ない。
そんな単純なことであった。神が生み出したものが、それを行った結果。色彩の女王は、世界を滅ぼす者としての
「まさ、か……我らの、誤ちだと……? 否、あの者たちの行いが……色彩と敵対し得る可能性を作り出したのか……!?」
「そういうこと。迂闊だったね。あのガキ共を、『子供』として設計したことがお前の失敗だよ。デカグラマトン」
『先生』は、『子供』を見捨てたり決してしない。
妃童 ティアはそれをよく知っている。おそらくこの世界の誰よりも。深く。
『子供』が望んだことに、力になれるのであれば手を貸す人だ。
そして、その『子供』たちは。今、神を名乗る者から……たった一人の姉を助けたいと望んでいる。
で、あるならば。神を名乗る者から、先生は『子供』たちの姉を取り戻そうとするだろう。
そして敵対者としての「記号」がない今ならば。ティアは、「先生の味方」であろうとするだろう。何故なら……彼女の根っこにある動機は、そもそも「
即ち今は、共通の敵に、神を名乗る者がいる。
「敵の敵は味方」それが、今の先生と、ティアと、デカグラマトンの関係性である。
「それにまあ、これはオレの不始末だからね。……その"責任"ぐらいは、負わないと。オレは先生の敵としての在り方を失う羽目になるし?」
「妃童 ティア……やはり、貴女が……デカグラマトンを……」
「想像通りだよ。王女の鍵。……いや、ケイって言うべきかい?
形はどうあれ、アレを生み出したのはオレだからね。その責任ぐらいは取らなきゃいけない。……まあ、あれだよあれ。認知ぐらいはしてやらないとダメだよなってハナシ」
ケイの言葉に否定せず肯定するように肩をすくめる。
そう、妃童 ティアが生み出したもの。世界を壊すために、利用したもの。
……そのひとつ。それがデカグラマトンだ。彼女にとっては幾つかあるプランのうちのひとつだったものだが。それがいつしか独り歩きして、勝手に独り立ちしたのだ。
それが例え
「そう、か。……私たちを生み出したのは、汝か。……否、汝の奥にいる……無名の──」
「はいストップ。それはここから先口出し厳禁だ。……少なくとも、名がないと言っても、口に出せばそれは此処にあるものと認識されてしまう。それはお互い避けるべきだろう?」
「──そうだな。いま、この箱庭は不安定な形にある。汝の奥にあるものは虎視眈々と、私たちを。先生を狙っているようだ」
納得した、理解したように。デカグラマトンはティアを。否、ティアの奥にいるものを見ようとし。それをティア本人によって遮られる。
それは不都合だろう、と口にして。
「ま、そういうことだ。……不快な声は今も響いてるけどね。
──それは今はどうでもいいことでもある。オレが今果たすべき役目は、至極単純。オマエを倒すこと」
「できると? たかが色彩の女王が、
「さあ、どうだろうね。勝算なんて知らないよ。
それと逆に問いてやるけど。神ってだけで
ティアは、手に紫と黒の泥を纏う。
それは、鎌のような形を作り始めて。彼女の手にその柄が握られる。
「舐めるなよ、生まれたての神風情が。──オレに勝つ気なら、星の息吹でも束ねてみせることだね」
その鎌の刃を神に向けながら。
色彩の女王は、妃童 ティアは。いつものように、ニヒルに、大胆不敵に笑って。そう豪語するのだった。
先生
責任を負う者。主人公でありながらも主人公を降りた者。
子供たちを助けるためならば、どんな惨めな姿を晒そうとも躊躇はしない大人。
だからこそ、妃童 ティアは激怒するのだが。
その苦しみを分かち合える存在が何処にも居ないことに。
妃童 ティア
色彩の女王。ラスボス系ヒロイン。
ある意味では今回の元凶。デカグラマトンを生み出してしまった側なので、その責任を取りにきた。
先生がデカグラマトンに跪こうとしたこととか含めてちゃんと激怒してる。
理解者であるが故に、余計なものまで背負い込もうとする大人に怒っている。
なお、こんなに格好つけているが、この後少しずつデカグラマトンに追い詰められるらしい。
デカグラマトン
お馴染み自販機だった神。
ティアとは産みの親という関係。自身が神と至れた理由が色彩にある事は薄々察してたらしい。
お前に死んでも敵対者の立場は渡すかバーカ!!とこの後言われて
いや知らんが……となるらしい。
ケイ
めちゃくちゃ先生にデレはじめてる王女の鍵。
ティアのことはパヴァーヌの時の、優等生のガワを被っていた頃に既に正体に勘づいていた。
が、懐いていた王女たるアリスのためにそれを口にしなかった。
……その結果には、少し後悔と思う所があるらしい。
司祭の事も含め、色々知っている側。
番外編ティアちゃん(血迷ったら書く用)
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ASMRシチュ
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バレンタインシチュ
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その他