俺は生まれついた頃から孤独だった。周りの人間は全員俺とは違ったからだ。普通の奴より動けたし、体が強かった。なにより
# # #
ひぐらしがなくころだというのにその路地裏の空地には燃えるような夕陽が射し込んでおらず、まだ、春分の夕七つ時*1だというのに丑三つ時のように暗さだった。その場に居るのは二人いや、一人と一体だろう。片方は木刀をもった小学生ほどの人間。只人でありながら、血にまみれているがその魔獣相手に互角であった。対する魔獣はヘラジカのように大きな角をもった骸骨の頭部を持ち、全身は細く苔の生えた枝のような図体であった。この悪魔はドライアドという名の悪魔で召喚魔法を得意とする。事実、源吾の周りには殴り倒された狼型やカラス型の悪魔の死体が地面のシミと見間違うほどに転がっていた。それだけの悪魔を祓った源吾は汗と血液が混ざった体液を滴していてまさに満身創痍だった。
「はぁはぁ、少し飛ばし過ぎたな。」
相手のペースに乗せられたと反省する源吾だったが、その相手は目の前にまで来ていた。ニタニタと気色悪い笑みを浮かべて獲物を狩らんとしていた。もう、終わりだと目をつむった時……
「■■■■■■■■■■■―――!」
横から飛んできたナイフによってドライアドが悲鳴を上げて祓われた。
「っ!?」
驚いて首をナイフが飛んできた方に向けた。そこにいたのは自分と同じくらいの子供でドライアドの方を見て死んだかを冷たい目で観察していた。ドライアドの体が塵となっていくのを確認したあと、そいつはこちらの方を向いてきた。
「大丈夫?傷薬いる?」
「……は?」
なんとそいつはこちらの心配をしてきた。いままで経験したことのないことに硬直していると、そいつは持っていた傷薬を俺の傷に塗りだした。すっと痛みが消えていくのがわかる。
「これでよし、後は安静にしてね。」
「ありがとうよ、何で俺なんかな優しくするんだよ?」
「なんでって?そりゃ怪我してるは人がいるのだから当たり前じゃん?」
ポカンとした顔をして当たり前だと良いのける。
「ぷっ、あっはっはっは」
「??」
その間抜け面があまりにおかしくて笑いを堪えきれなかった。
「あんた名前は?俺は遠藤源吾だ」
「僕の名前は栗井守。よろしくね、源吾くん」
「応、よろしく!」
その日、俺は孤独じゃなくなった。
☆解説
・遠藤源吾の気持ち
いままで自分のことを理解してくれてなおかつ思いあってくれる奴なんていなかったから、初めての理解者である守にはクソデカ感情を持ってる
・悪魔の分類
危険度の他にも知能の低い(人間以下)魔獣と人型で知能がある魔人の二種がある。
・悪魔が人間を襲う基準
悪魔が人間を襲うのは、
魔獣=狩りのため、食事のためなので魔力の多い人間から襲う
魔人=快楽のため、欲望のためなど能動的に人を殺すので基準が個体によってバラバラ