ラスボス倒した転生者は黒幕になる   作:輩川祭り

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第5話

 

とあるビルの一室。そこで少年と言うべき年齢の男が一人で書類とにらめっこをしていた。それは父親から仕事を押しつけられた半人半魔の栗井守本人だった。彼は今、名家の当主及び公安第八課からの嫌がらせレベルに仕事を回されている。基本的に第八課はあまりフリーランスであるデビルハンターを信用していない。しかし、栗井やその父ルイスは別である。単騎で強大な悪魔と戦える人材は使えるだけ使うに限ると考えているらしく、下っ端などでは担当できないレッドクラス*1ばかり相手させられるのだ。そのせいで一体の悪魔を祓うのに時間が掛かるしさらに報告書まで書かされるしまつ、なんだかんだ言ってこれが一番嫌いだ。だが、そろそろ終わり……

 

「いや~大変そうだなぁ守~」

 

「親父…」

 

終わりそうだってときに来やがって、どうせ俺のこと煽りに来たんだろ!

 

「流石に頑張ってる息子を煽るほど腐ってねぇよ」

 

そっか。まぁ、流石にな、自分が経験したこと笑うような性格してないもんな。

 

「ん?俺がデビルハンターやってたころはお前ほど報告書書かされてなかったぞ?」

 

「は?」

 

「あ、やべ」

 

少しくらいキレても良いだろうと思っていると、

 

「じゃまするぜ~守」

 

リーゼント頭に前開きの学生服を着た男…源吾の奴がきた。運の良い奴め、命拾いしたな。

 

「よくきた、源吾。さっそくだが仕事の話に移ろう。ほら、父さんさっさと……」

 

「あぁ、(危っっぶね、助かった~)」

 

そそくさと父さんは下の階へと引っ込んでいった。余談だが、後日源吾は日本料亭に連れていってもらったそうな。

 

閑話休題

 

「それで今回はどんな強ぇやつと戦うんだ?」

 

「落ち着け、今回の仕事は魔人探しだ」

 

途端に源吾はげんなりした顔をする。あきらか嫌そうである。

 

「またかよ、もう頭使うのはいやだぜ」

 

「安心しろ、頭使うのはお前じゃなくて俺の方だ。それと既にヒントは揃ってるから後は待つだけだ」

 

すると、今度はパァと顔が明るくなる。単純なやつだな

 

「じゃあじゃあ、殺り合うだけでいいんだな!」

 

「うんうん、そうだね数時間後に現場に向かうよ」

 

手をブンブンするさまはヤンキーみたいなのに幼く見える。いってることに目を瞑ればだが……

 

# # #

 

第八課から回された資料によると、被害者は全員夜の6時以降に襲われている。そして、場所は違えど犯行現場はツーリングスポットに限定されていた。しかも、被害者全員ライダーときた。これは狩りにルールを持ってる魔人だろう。魔獣なら、癖や習慣などで説明出来るが魔人の場合、人という獲物を狩る時にゲーム感覚で自分ルールをつける奴がいる。こうゆうやつは大抵ろくでもない人格の持ち主のことが多い。今回もその例であろう。だからこそこうゆう輩を誘い出す時はそのルールを解き明かしてあえて、乗ってやるのが一番早い。よって、

 

イヤァッフゥゥゥゥゥゥ!

 

「俺でもこんなに飛ばさねぇぞぉぉ」

 

源吾にライダーになってもらってかっ飛ばすことである。なお、次はどのツーリングスポットに来るのかわからないため出てくるまで続かなければならず、被害出てる場所含めてツーリングスポットの名所をひたすら巡っているのである。その分のガソリン代は必要経費として落とされる。源吾のカーブが燃費悪くないからまだよかった。と

ニ穴しながら考えていると、後ろからすごい爆音が鳴り響きだした。どうやら、うまく釣れたらしい。

 

「………」

 

無言でこちらに近づいてきたライダー。明らかに雰囲気が違うこいつで間違いなさそうである。現に体当たりを仕掛けて来やがった。

 

「………」

 

前輪を持ち上げてこちらを引き潰そうとしてくる無言ライダー

 

「スカした顔しやがって!」

 

「ヘルメットで見えんやろ」

 

そう簡単にやられたら、デビルハンターなんてやってない。源吾が木刀で前輪を受け止る。前輪と木刀の間で火花が散っている。やがて諦めたのか無言ライダーは体重をかけるのをやめて体制を建て直そうとする。

 

今だ!前輪を地面につける前に俺の魔法で影から大鎌を取り出して首を狙う。無言ライダーの方が一手早かったようで鎌の間合いより外に行かれてしまった()()()()()

 

「……!?」

 

回避したはずの無言ライダーの首は切られていた。残念だったな。トリックだよ、『ロストエデン』のゲーム内にはやり込め要素として武器に魔法を3つまで付けられる『付呪』という要素がある。今回で言えば俺のもっている『鎌』に『切断の付呪』を込めている。『切断の付呪』はゲーム内では単体攻撃武器を全体攻撃的武器にする効果だったのだが、現実ではそれが武器の間合いを伸ばす能力に変わっている。よって、避けたと思っていた無言ライダーはまんまと俺の罠に引っ掛かったわけである。しかし、どういうわけか悪魔の気配が消えない。まさかだが…

 

『■■■■■■■■■■■―――!』

 

バイクだっものが突然前輪が横に割れて口のようになり雄叫びを上げている。どうやら、魔人ではなく、人並みの知能を持った魔獣だったやけだ。こっちもまんまと騙されたわけである。そのまま、源吾の方に噛みついてきたバイク獣。次の瞬間、今度は縦に真っ二つにされた。とうぜん源吾の木刀にも付呪を付けさせてある。同じものでは味気ないので別の奴を付けさせている。

 

「弱ぇなもっと骨のある奴はいねぇのか?」

 

「そいつ、骨ばっかだけどね」

 

塵になりながらも並走しているバイク獣。耳をすますと何か言っている。

 

『悪魔狩りよ…いずれ知るだろう…紅き竜の憤怒を…』

 

そういって、完全に塵となったバイク獣。最後の言葉が頭から離れない『紅き竜の憤怒』いや、まさかな。いくらなんでも時期が…来年じゃねえか。『ロストエデン』のラスボスが暴れ始めたの……

 

*1
魔王クラスを覗いた実力者




☆解説
・公安第八課
おおやけにされていない警察組織。所属者大半が対魔師であり、正式名称は『悪魔犯罪対策課』どこかに育成校がある。
・ルイスの書類仕事
彼の自由奔放ぶりのせいで報告書はてんでだめ。よって西園寺家の当主が使い魔でなんとか報告書を作っていた。守が出来る奴で当主はホクホク顔。
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