人生には来てほしくない日と云うものが必ずある。それはテストの日だったり、月曜日だったり、多種多様だろう。しかし、それらはどうしようもなく避けられないものなのである。俺にとってその『来てほしくない日』とはまさに今日この日であるに違いない。
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「父さん、もうなのか?」
「あぁ、もう…ダメそうだ」
そういう父の姿は私の記憶の中の父とは大きく違った。健康そうな薄く日焼けした肌は青白くなり、豪快に笑っていた声はボソボソとしていて生気がなくなっていた。今も魔王としての呪いが父を蝕んでいる動かぬ証拠であろう。去年まであんなに元気だっというのに、
「最後は悪魔ではなく、せめて人として死にたい。」
父さんは白い死装束に身を包み、新聞紙を敷いた床に正座で座った。それらを見て俺も覚悟を決めた。
「父さん、最後に言い残すことはあるかい?」
「そうだなぁ、キャバレーの愛結ちゃんにこの手紙を…」
「わかった必ず届けるよ」
その手紙を確かに受け取った。
「次に〇〇風俗店の愛ちゃん」
また、手紙を出した。
「あ、あぁ、うん」
「次に……」
「多いわ!!何人の女侍らせてるねん!」
いくらなんでも女遊びが激し過ぎる。ほんとに弟つくってないんだろうな?心配になってきたわ。
「安心しろ守。避妊はした」
「バーローそこじゃないんだよ、流石に俺でも少し文句があるぞ」
「悪いな、でも俺らしい最期だろう?」
にかっとした笑みを浮かべる親父を見てさっきまで燃えたぎっていた怒りはとたんに消火されてしまっていた。
「そうだな、あんたらしいよ。じゃあな親父、あんたは俺の誇りだ」
「そうか、それを聞けて満足だ。」
そしてーー
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坊さんが念仏を唱えている。葬式の相手は勿論親父だ。あの後、親父の遺言に従って女どもに遺書を渡した。ついでに葬儀に参加しますか?とは聞いたが『自分なんかがあの人の葬儀に参加して良いわけがない』といって断られてしまった。なんだかんだ慕われていたらしい。葬式をあげるに至って西園寺家の当主に喪主を勤めてもらい、参列者には源吾や第八課の皆様などに来てもらった。大掛かりな葬式になってしまったが、あの世でそれを聞いた親父が笑ってそうだなと、ぼんやり思った。
「肉親が死んで色々大変だろうが…よいか?」
「大丈夫です。」
西園寺家当主が声をかけてきた。親父は満足して死んでいった。なら、俺がいつまでもくよくよしている暇はない。
「……はぁ、お主らはやはり親子だの」
「えっ?な、なにを」
当然、当主が俺を抱き締めた。
「辛いときは辛いと言え、泣いても良いぞここにはワシとお主以外おらん」
そんなこと言われて……あれ?なんで目から汗が……
「うっうっ、ううっ」
当主に少し肩を借りて感情を吐き出して咽びないた。しばらくすると落ち着いてきたので離れて目と鼻を拭った。
「お恥ずかしいところをお見せしました」
「良い良い、若い者が心をさらけ出さずなんとする。」
対悪師の名家当主なだけあって心が広い。
「それで、何のご用で?」
ただ俺を慰めるだけが目的ではないだろう。そうだったらそうで嬉しいけど、
「うむ。実はな魔界への部隊について話がある」
それは地獄への片道キップだった、それと同士に原作開始が近いことを確信する。
☆西園寺家当主
名前は西園寺輝。死が身近な対悪師には珍しい人格者。結構ミーハーで最近の好きなものはタピオカ。50代だが娘一人しか子供がいないのが悩み。なので守のことを実の息子のように思っている。守やルイスが悪魔であることを知らない。原作では故人