過去の自分がどんな事を書いたのか思い返す為にこの作品を読み直したのですが・・・正直言って、かなり言葉足らずでした。
ですのでここまで読んで頂いた皆様も、決勝戦を目前にして(このキャラ誰だっけ?)みたいな事を防止する為にも、是非とも読んで欲しいです。
ちなみに長いので何回かに分けます。
雀荘荒らしの咲 解説編1
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このお話だけの独自設定
・気力:精神力とも呼ばれているもの。基本寝たり、美味しい物を食べたり、テンションが上がった時などに身体の中から湧き上がるもの。普通の人はこの気力の存在を知ることなく一生を終える事になる。また気力はガソリンのように、あらゆる超常的な力を使う為の燃料として使われるのが基本となる。
・能力:気力を消費して発動するもの。俗にいう超能力と言われる類のものであり、大抵は血筋に依存する。
・オーラ:気力を消費して発動するもの。この世界では能力と同じものだと、能力者同士の間で思われがちだが実際は全然違う。その最たる部分が効果範囲である。基本的に能力は人一人を対象にして発動するのに対し、オーラは周りにいる人間に無差別に作用する。そしてオーラの最も恐ろしいところは凡人でも少しの才能と理想の自分像、そしてきっかけの感情の爆発があれば簡単に手に入れる事が出来る覚醒率にある。
・霊力:気力を変換したもの。基本的に霊力を使う場面は、自身の気力を超常の存在(鬼、霊、神など)に献上する時である。献上する際に霊力に変換し直すのは、超常の存在に美味しく気力を味わってもらう為であり、その見返りとして彼らは力を貸す・・というのが彼らと人間との取引のルールとなっている。
登場人物紹介(咲が出会った順)
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宮永咲 本作の主人公
元々は原作同様穏やかな人物であったが、例の火事をきっかけに自身の中に眠っていたオーラの資質が覚醒。元々持っていた嶺上開花の能力に加え、相手に安らぎを与える白のオーラと、相手に恐怖を与える黒のオーラ、そして対象を排除する為の赤のオーラを手に入れる。ちなみに点数調整は咲本人の純然たる麻雀の技術から来ているものであり、このお話の咲はその技術を試合中オーラを制御する事に使っている為、原作よりも点数調整する機会は少ない。
性格
覚醒してからは元の優しい性格は鳴りを潜め、代わりに自分と光以外の全てを見下す圧政者が爆誕。元々家族以外の人間とは距離を置いていた咲であったが、覚醒後は完全に外界と決別し、この世の全ては自分と光ちゃんの為にある!と信じて圧政の道を進むことを決意する・・・はずだったのだが、その道中で小鍛冶を始め様々な理不尽を受けている人達と出会う事で世界に対する認識が少しずつ変わっていき、今では自分の言う事を聞く人間ぐらいなら生かしてやっても良い。ぐらいまで態度が軟化している。
また、咲本人は自身の性格の突然の変化を自覚しており、自覚した際に咲は、(この変化はオーラに覚醒した結果で、オーラを自在にコントロールする為にはこういう他者を省みない性格が最も適していると脳が判断した結果、なのかな?)・・と結論づけているが、実際は違う。
咲の性格の変化にオーラの覚醒は全く関係なく、むしろ咲は”自分の頭を勝手にいいように弄られた被害者”であるのだが・・・当然咲はその事を知らない。
能力(決勝戦前までの時点)
・点数調整:原作と同じ
・嶺上開花:原作と同じ
・赤(炎)のオーラ:咲があの火事の中で光を守るために、光を害するもの全て滅ぼす為の力が欲しい!と心から願った結果、目の前に映る炎をトレースして発現した、咲の攻撃的な精神が反映されたオーラ。基本は黒のオーラを纏って鞭のような動きをしながら相手に叩きつける事に使われる。
このように文字にするだけなら簡単であるが、実はオーラを実体化させて攻撃に転用するなどの芸当が出来るのは、オーラ使いの中でも上位の存在だけである。これはオーラの性質である”広範囲の存在に作用する”という性質が原因である。
例として桃子のステルス能力があるが、これは桃子の影が薄くなるという能力を、”桃子は自分では認識できないという風に無意識に思い込むオーラ”を周囲の存在に注入する事でより堅固にしているのである。つまり、桃子のステルス能力だけなら凡人でもなんとか視認できはするのだが、ここにオーラによる意識操作まで加わってくると凡人では完全に見えないレベルになってしまうのである。
この例から分かる通りオーラというのは能力に強く引っ張られ、”能力を範囲攻撃にする為のオプションパーツ”として落ち着く事がほとんどである。なぜそうなるのか?それはそもそもの話、オーラの発現には自身の理想像が必要だが、能力者の場合その理想像に自分の能力が前提として組み込まれているからである。桃子の場合もそうで、生まれつき影が薄い桃子はどんなに自分が成長しても影が薄いのは治らないと諦めていた。そこに加治木がやってきて、「どんなにお前の姿が見えなくても、私が必ず見つけ出して見せる!」と告白、そして桃子は今の自分を受け入れ、逆にこの影の薄さを活用しよう!と前向きになった結果、自身の能力を増長させるタイプのオーラに落ち着いたという訳である。
だが咲は違う。咲は自身の理想像を嶺上開花に・・・生まれに囚われたく無いと強く願ったのである。生まれ持った才能なんかどうでもよく、それよりも生まれてから出会ったかけがえの無い存在、その人の為に自分は変わりたいと進んだ。その決意が炎となって形になったのが赤のオーラ・・その人を外界から守るための剣としたのである。
・黒(煙)のオーラ:赤のオーラの炎から発生する黒煙が本体のオーラ。見た目の通り気体としての性質が強いと思った咲が、このオーラを他者の体内に注入する事で相手を攻撃的にする事が出来るかもしれない!と思い込んだがゆえに完成したオーラである。
余談だが、咲があの火事で攻撃的になったのと、この黒のオーラは全く関係ない。咲が攻撃的になったのは、咲にとって命よりも大事な光を家に殺されそうになった怒りからである。
・白のオーラ:咲が元々持っていた優しさから生まれたオーラ。こちらも黒のオーラと同じく相手の体内に注入する事で効果を発動し注入された相手は段々と戦意を喪失していき、ある一定のラインを超えると途端に咲に対して親近感を抱くようになる。ちなみにこのオーラの象徴でもある翼だが、実は覚醒して最初の頃は生えていなかった。生え始めたのは咲が小鍛冶と出会う前、丁度姉の照に追い返された時に咲が自身の心を守るために無意識に白のオーラを成長させたのである。
以上の3つのオーラを咲は使いこなしているが、厳密には咲のオーラは一つである。何度も言うが、オーラとは成りたい理想像を現実に具現化する能力であり、その理想像は大抵は1つで咲も例に漏れない。しかし咲の場合、成りたい訳では無く光と共に在りたいのだ。光と自分を炎の壁で囲い、姿すらも黒煙で眩ませる。そして包まれた暗黒の中で二人だけで生きていたい。その為に自分が癒す・・・という歪んだ未来へ向かう事を暗に示しているのである。
・オーラの感受性:咲に限った話では無いが、オーラが使える人間は大なり小なり他人が無意識に垂れ流しているオーラから相手の思考を読む事が出来る。咲はこの感受性がまぁまぁ強い方ではあるが、そんな咲でさえ、試合中の相手の思考を読む事は出来ない。試合中は相手も本気で戦っている為、オーラを垂れ流すような余裕は無いからである。しかし、街中で悩み事をどうするべきか考えながら歩いている場合、咲なら余裕で悩み事の内容を知る事が出来るであろう。
・ホヤウカムイ(偽):ホヤウカムイから直々に授かった翼。翼に充填されている気力を消費する事で、場に在る支配や能力を一時的に封じる事が出来る。発動回数は、翼にオーラを満タンに入れていると仮定しても3回が限界であるが、和の気力を充填させた場合は6~7回発動させる事が出来る。
咲のお母さん 実は子供達の為に頑張っていた人。
咲母。その辺にいそうな温和なお母さん。でもちょっとミステリアスな感じを醸し出している美人さん。実は咲達3人がまだ幼い頃に何かしらの能力を覚醒させている事にいち早く気づいた人。気づいた後は3人に賭け麻雀を強要させ、その力の使い方を娘たち自身に考えさせる事で能力者としての自立を促していた。
本当は賭け麻雀などさせたくはなかったのだが、能力を持って生まれた人間が大なり小なり苦しむ事を誰よりも知っていた彼女は、自身を悪党として演じて見せ、娘たちに悪を倒す事の悦楽を味わわせる事で自然に善の道を歩むように誘導していた。
普段何を考えているのか分かりづらいと言われがちな彼女だが、本当は娘たちが善き能力者としての道を歩んでくれる為に自己犠牲すら厭わない、小悪党を演じる善人である。
咲からの評価 「お母さんの人柄?うーん、目的の為なら悪い事も厭わないけど、根っこは間違いなく善人・・・かな?」
宮永照 本作のもう一人の主人公になるはずだった姉
火事をきっかけに家族中が悪化、そんな中最愛の妹を言葉で傷つけてしまい妹からの信頼を失う。そのまま時は流れ、中学時代に親の仕事の事情で妹と別居。妹と離れて最初の頃は苦しんでいたが、徐々に思考が変化。先に妹を傷つけた私がこんな風に悩む権利は無い。と変な思考に囚われ、次第に妹を突き放すようになる。しかし本当は妹と仲良くしたい為現状をどうにかしたいとは考えてはいるが、勇気が沸かずに止まっている状態。母親からその力のほとんどを受け継いでいるが、本人に勇気や行動力が無い為咲からは軽んじられる傾向にある。反対に咲は母親の決断力や自己犠牲の精神を多く受け継いでおり、それが要因となって姉より先にオーラを覚醒させるに至った。ちなみに姉である照は未だにオーラを完全には覚醒できていない。その原因もはっきりしていて、照は単純にこれ以上の成長を望んでいないのである。咲と別れてから麻雀の腕が上がったのは身体の成長に伴って能力の出力も上がっていったからであり、同じように身体が成長している咲に今のままでは勝てないのは自明の理である。しかし本人はその事に気づいていない。
現在
完全に妹をいない者扱いしておきながら(もう私の方から咲には関わらない方が良い。でも何かあったらすぐに駆け付けるから。)といった後方お姉ちゃん面をする面倒くさいシスコンと化す。そんな折、咲らしき人物が雀荘を荒らしていると聞き急いで現場に急行!見事再会を果たすが、先に咲を傷つけた手前深く踏み込めずにいた照。結局現地解散してしまったが、インターハイの会場で再度を接触を図ろうと策を練らせてそれに乗っかる形で咲と邂逅。その時も結局真意を聞けず仕舞いでいたが、団体戦の決勝戦の後に再度接触を図ろうと画策している。
咲からの評価 「何がしたいのかよく分からないよ、あの人。本当に私のお姉ちゃん?」
とにかく咲からして見れば何がしたいのか分からない。自分を一方的に悪いと責めておきながら、途端に距離を取るようになったり。別居の際も、私と一緒にいるのがそんなに嫌なのか、と思った咲が気を利かせたつもりで父親と長野に残る事を決断。これで少しは落ち着いてくれると思ったのだが、そんな咲の想いも虚しく次に会った時には終始ガン無視を決め込んで長野に追い返すというコミュ障の極みみたいな行動をとってしまう。じゃあもう自分に興味を失ったのか、と思って何も相談せずに雀荘を荒らし回れば途端に怒り出して説教を始めた。・・・流石の咲もキレた。
原作と違い、このお話の咲は中学の時に照に会いに行ってはいるが、会った時に照にお願いした事は金の無心である。当時の咲はどうにかして生き別れた光と再会できないかと四苦八苦しており、探偵事務所に相談に行ったりもしていた。その時に仕事量として結構な額を請求されてしまい、流石に自分1人ではどうにもできないと思った咲が姉に相談しに東京まで来た、というのが事の経緯である。無論親に頼ろうかとも思ったが、流石にそんな事の為にお金を出してくれる程両親は優しくないと決めつけて、姉に一番に相談に行ったのだが・・・駅で会った瞬間に無言で、帰れ!みたいな顔をしながら手を動かしてジェスチャーする姉のコミュ障極まった姿を見た咲は、なんか色々な感情が溢れ出して(こんな情けない人に頼ったところでどうにもならない!)と思い、瞬間的に踵を返して駅の中へとダッシュした。
小鍛冶健夜 情けない大人
現日本最強と謳われる雀士。でも実際そんな事はないし、いつかは咲に抜かれる事を自覚している。生まれてこのかた麻雀以外の事に興味が沸かず、ただボケーッと生きてきた天才。何でもかんでもそつなくこなしていた彼女は人生に飽き飽きしていた。それは麻雀を始めてからも同じで、常に何処か満たされないでいた。その一番の原因は自身の中に存在する気力であった。
小鍛冶の特異性
小鍛冶は俗にいう変異体というやつであり通常の人間の何倍もの気力量を保持していた化け物であった。故にちょっとやそっとの事では精神的な疲労を感じず、それゆえ何かを成し遂げた後の達成感というものもほとんど無かった。しかし麻雀だけは別であった。麻雀で対局している最中だけは普段よりも疲れが溜まっている事に気づいた彼女は、その分勝った時に得られる達成感も多い事に気づいたのである。それを自覚してからは早かった。インターハイに出場した彼女は手当たり次第に気力をそのまま相手にぶつけた。当然弱い雀士はすぐに戦意を喪失したが、1人だけ戦意を喪失せずに向かってきた子がいた。・・・そしてその子の闘志に感化された小鍛冶は、その子の在り方に純粋に感動し憧れた。自分も格上に喰らいついていきたい!願わくば打ち取ってその首を晒したい!と・・・その憧れが小鍛冶のオーラを覚醒させたのである。
原作シノハユでは主人公に敗れており当然このお話でも敗れてはいるが、このお話の小鍛冶はその際に全力を出し切れていないと感じ、自分の全てを出させてくれる存在を求め続けた。しかし全力を出し切れていないというのは本人の勘違いであり、実際は全力を出していた。ただ負けても何も失わないという事実が小鍛冶の本能を刺激しなかっただけの話である。
とどのつまり、小鍛冶はアドレナリンがドバドバ出る勝負を麻雀で味わいたいだけのバトルジャンキーというのがこのお話の彼女である。
小鍛冶の渇き
結局20歳を過ぎても本能が刺激されるような真剣勝負をすることが出来ないまま、無為に時間だけが過ぎていく現状に飽き飽きした彼女は表舞台から姿を消す事を決意。実家に帰って山ほどある優勝賞金達を慎ましく使って余生を過ごそうと決め込んでいた。そんな折・・・彼女は運命に出会う。
咲に出会って小鍛冶は変わった。咲の目的を聞いた小鍛冶は咲が安全な手段でお金を稼げるように麻雀協会に打診。結果として咲の将来のプロ雀士入りを確定させてしまったが、見返りに咲が雀荘荒らしをしてお金を稼ぐことを黙認させてもらった。その後は自身の持て得る限りの人脈を使い、咲のオーラや能力を徹底的に磨き上げる事に注力していく。
咲を殺してしまったと勘違いしてショックを受けた際には、(私はもう二度と、麻雀で命のやり取りをしたい!なんて思う事は無いだろうな・・・)としょぼくれていたのだが、今回のインターハイが開催する頃には、(はぁーつまんない。誰かと本気で殺り合いたい。)とすっかり元に戻ってしまっていた。何故なのか?理由は簡単で、咲との修行を通じて小鍛冶自身も成長し、新しくなった自分の力を試したくてウズウズしているからである。しかしそんな小鍛冶の本気を受け止められる人間はなかなか見つからないのであった。
咲からの評価「頑張って大人の振りをする子供かな。私がちょっと甘やかしただけで何でも言う事を聞いてくれる・・実に都合の良い人だよ!・・・なんて、そんな気はサラサラ無いんだけどね。」
咲が駅の中をダッシュで駆け抜けた結果、何故か辿り着いた道に偶然いた大人。その後は色々あって咲に忠誠を誓うようになる。咲が雀荘荒らしを始めてからずっと、その人脈を使って咲を影から支えた一番の功労者。オーラの技術も非常に高い事から咲も頻繁に小鍛冶の元を訪れ鍛錬に勤しんでいる。
作中では咲がプロ雀士3人にボコボコにやられる場面があったが、実はあそこで咲の心情にかなりの変化があった。元々光至上主義であった咲だが、自分の他にも強い能力者がいるという事を実感して価値観が変化。(こういう強い能力者と仲良くなっておく事が、私の理想実現への近道かもしれない。)そう思った咲は隙あらば白のオーラを注入しまくる作戦を慣行。目の前の勝負の結果など眼中に無く、ただただ3人と仲良くなる事だけに注力した。しかしそれが結果的に目の前の勝負にも良い影響を及ぼし、最終的に小鍛冶の心を開くきっかけにもなった。
東横桃子&加治木ゆみ 純愛コンビ
傍から見てもカップルに見える程のイチャツキっぷり。そんな彼女達と咲が出会ったのは、咲が初めて雀荘荒らしを始めた頃の事であった。
まずは咲が雀荘荒らしという行為に慣れる為に、咲の住んでいる長野県の中からいくつかの怪しい雀荘をピックアップして紹介したのが小鍛冶であった。しかし流石の咲も初めての荒らし行為は緊張する。いざ雀荘前に来たは良いが、なかなか中に入れずにいた・・・そんな時に偶然出会ったのが、自身の能力に悩みながらフラフラと歩いていた桃子だった。
咲からの評価「・・・最高だね。お互いを愛し合う関係・・うん、最高。」
自身の影の薄さに悩んでいた桃子は、同時に愛しの加治木との関係性について悩んでいた。(このまま先輩の傍にいるのは迷惑なんじゃないっすかね・・・そうっすよ。私が周りから見えない所為で先輩まで頭のおかしい奴扱いされるのは間違ってるっす!)自身の所為で悪く言われる先輩。それでも私に愛を囁いてくれる先輩。そんな先輩の為に、私は手を引くっす。そんな桃子の悲壮な想いをオーラで感知した咲は急いで桃子に駆け寄って抱きしめた。当然いきなり抱きしめられた桃子は困惑したが、咲が白のオーラで即座に落ち着かせに入る。落ち着いた桃子は咲がとんでもない技術を持った能力者である事を察し、咲に頭を下げて能力のコントロールの仕方を請うた。それに咲は喜んで応じ、1ヵ月掛けて桃子に自身のオーラと能力を可能な限り抑える方法を教えた。
その見返りとして桃子は咲の活動に協力する事を約束し、それを知った加治木も(桃子が私の為に頑張っているんだ!能力の無い私だって何か役に立ちたい!)と咲の活動に協力した。結果咲の人生初の雀荘荒らしは桃子と加治木と一緒に3人で行う事となった。
あれから1年以上が経ち、今では一緒にいるのがすっかり当たり前になっていた3人。最初に会った時に自身の能力で悩んでいた桃子は、今や自分の意思で影の強弱を設定できるまでに成長していた。一方桃子のパートナーの加治木だが、こっちはいくら頑張っても能力らしい能力は発現しなかったが代わりに霊力やオーラといった超常の力を看破する事が出来る感知タイプの能力が使えるまでに成長。それに伴ってオーラも覚醒したのだが、当の本人は「こんなのは能力が使える内に入らない。だって桃子がステルスしてても見えるのは、桃子のパートナーなら出来て当然の事・・・だろ?」と惚気つつも能力に振り回される程のモノでは無かった為、桃子の苦しみが最後まで分からなかった負い目を感じての一歩引いた答えを出した。
ちなみに咲が何故二人に協力しようと思ったのか?それは二人の姿に自身と光を当てはめて考えてしまったからである。(もしこれが私と光ちゃんだったら?光ちゃんが能力を理由に別れを切り出す?そんなの嫌!耐えられない!)と元々優しかった咲が桃子と自身を同一視した結果、咲が反射的に動いてしまった結果である。
二人から咲への想い
実はこの二人、作中では決して見せていないが咲への愛が小鍛冶並みに深いと言っても過言では無い程咲に惚れこんでいる。その一番の要因として咲と二人が出会った際、この二人はまさに破局寸前だったのだ。桃子が加治木に釣り合っていないと悩んでいる様に、加治木も同様に桃子に自分が釣り合っていないと考えており、このまま別れを切り出そうと・・・互いの幸せの為に手を引こうと考えていたのである。そんな関係を修復して新たな力まで授けてくれた咲に二人が溺れるまで時間は掛からなかった。
咲の白いオーラを全人類で一番長く浴び続け、すっかり咲にご執心になってしまった二人。それでも二人が咲に想いを伝えなかったのは、咲自身が二人の関係を尊いものだと賞賛し、決して壊れないよう固く繋ぎ合わせてくれた張本人であるからに他ならない。それでももし、咲が何かの拍子で人生を諦めたいと思った時には、この二人は容赦なく咲を攫い、どこか誰もいない場所へと消えていく腹積もりである。
余談だが、この二人は咲と光が結婚するみたいな事になったら、4人で同じ家に同棲するか、それとも大きなマンションでも買ってそこに4人+αで住むのがベストだと進言する気でいる。それぐらい二人にとって咲は無くてはならない存在なのだ。
荒川憩 咲を圧政者から救世主に変えた存在
咲の崇拝者。咲に救われるまで誰にでも分け隔てなく接する優しい性格であったが、自身の身体を汚されそうになった恐怖から心を閉ざしてしまう。襲われて服を破かれそうになっている間(このまま自分は犯されてボロ雑巾みたいになって殺されるんだ)と人生を諦めていた憩だったが、そんな時に都合良く現れた咲が力で悪の全てをねじ伏せる姿を目撃し心酔。咲を神様の化身だと、神様から遣わされた使者だと思い込み即座に咲の手足となって働く事を決断。それ以降咲に都合の良い女として見られる為に頑張って咲にアピールを繰り返す。
咲からの評価「私が助けたんだから、あの子を導くのは私だよ?・・・それが最後まで責任を取るって事なんだよ。」
咲に初めて出来た信者。ただ咲の命令を忠実にこなすだけの番犬。そんな彼女を咲自身もすごく気に入っている。
ちなみに事件後も憩はオーラや能力を問題無く使っている。能力の方は生まれついての才能故に問題なく使える。例え本人が使いたくないと思っても一生ついて回るのが能力の最大の特徴なのだ。オーラの方に関しては弱体化するどころか、むしろ出力が向上している。これは憩が咲の言う事をただ盲目的に信じるだけでは無く、咲の理想を実現する為なら命すらも投げ出す本物の覚悟である事の証明でもあった。だから咲も憩を気に入っているのだ。
これがもしオーラが使えなくなったのだとしたら、それは憩の心が完全に死んだ事を意味し、ただ生きる為だけに偉い人の言う事を聞いて脳死で生きている弱者に成り下がった事に他ならない。憩がこっちのルートを辿った場合、咲は容赦なく彼女を精神病院にぶち込んでオサラバしただろう。
咲の心象の変化
この事件は咲の今までの独裁的な思考に大きな変化をもたらした。加治木や桃子、そして小鍛冶との出会いを経てだいぶ考えが丸くなっていた咲であったが、それでも光至上主義は揺るがなかった。しかし憩に出会う事で考えが大きく変化。光を中心にした排他的な考えから、光や自分と心から分かり合える人間は結構多いのかもしれないという可能性を、憩のオーラの成長を伴った忠誠心から見出したのである。この日を境に咲は積極的に人を救い、自分を守ってくれる存在を増やしていく事も視野に入れながら雀荘荒らしに精を出すのであった。