雀荘荒らしの咲   作:ロクナナエイト

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アンケート実施中です。
決勝戦後の展開について、どの部分を重点的に書いて欲しいか、
お答え頂けたら幸いです。
次の話を投稿した時点で打ち切ろうと思います。



決勝戦を見守る者達

 

「姫様、いよいよ大将戦が始まりましたよ。」

「zzz・・んぅ?あれ?今何時ですか?」

「シロ!カンドラさんが映ったよ!」

「zzz・・だるい・・あの人なら大丈夫でしょ・・zzz」

「シロ!ウェイクアップ!!!」

 

 一方その頃・・咲達が決勝戦に挑む少し前、2回戦で敗退してしまった宮守と永水の2チームは、個人戦が開始される2日前までみんなで鹿児島に来て夏の海を満喫しましょう!という6仙女の姫こと神代小蒔の提案で、鹿児島の海を満喫していた。そんな彼女達も5位決定戦当日に東京に舞い戻り、咲達清澄高校を応援するべく駆け付けていた。無論、当初は適当なホテルを再度予約して泊まる予定でいた2校だったが、天江衣の提案で龍門渕家の息が掛かったホテルを無料で利用させてもらっている。その好意に若干申し訳ないと思う2校だったが・・

 

「構わん・・・ここにいるみんな、咲の事を心から思っているからな。それに、この後は咲達のインターハイ優勝を記念しての打ち上げパーティーを開く予定だからな。纏めて案内出来た方がコッチも負担が少なくて済む。」

 

 という、この後に開かれる優勝パーティーの話題が出た事で、天江に対する申し訳無さなど何処かへ吹っ飛び、咲を全力で応援しなければ!という熱い使命感で一杯になったのだった。

 

 

 

「「「「よろしくお願いします!」」」」

 

 

 ビーーーーーーーー!!!

 

 

 4人の挨拶と同時に試合開始のブザー音がけたたましく鳴り響く。その最後の響きが完全に空に消えたのをいち早く感じ取った淡が一番に座り、次いでネリー、続いて穏乃、最後に咲の順番で座った。そしてそのまま手牌を手に取り並べていく・・とここで、

 

「はっ!カンドラ様ともあろう者が、随分と動きがトロいんじゃない?やっぱりサキ・・アンタは弱い!少なくともテルの方がアンタよりも間違いなく強いよ!」

 

 開始早々、着席のスピードが遅かった事を指摘して安い挑発を仕掛けてきた淡。加えて咲が気にしていると思われてる姉の照の話題まで話す事で露骨に煽る!・・がしかし!

 

「ネリーちゃん、穏乃さん。今日はお互い全力で楽しみましょう!手加減は無しですよ!」

 

 淡の挑発は全く咲に届かない。それも当然で、沢山の雀荘荒らしを経験していた咲は、追い詰められた金持ちからもっとヤバい脅しや文句を聞かされてきたのだ。お前の家族全員の個人情報を知っているだの、お前の大事な女の名前は光だ!だの・・それらの殺意が混じった脅迫に比べたら、淡の挑発など無いものに等しいのだ。

 そして咲に挨拶された二人は、

 

「っ!うん、今日は全力でいくよ咲!この試合で私は!貴女を追い抜いて見せる!」

「は、はい!よ、よろ、よろしくお願いぃっ!しゅます!(・・嚙んじゃった、恥ずかしい///)」

 

 こちらも淡の事など頭から抜け落ちて、咲に話しかけられた事で心を一杯にしてしまっていた。もちろん、それを見た淡は、

 

(ムッキーーーーッ!!!絶対負かす!覚悟しろ!)

 

 分かり易く激昂した。そして能力とオーラをいつでも発動出来るようにするべく、手牌を注視する事で集中力を高めていった。

 そんな風に淡を適当にあしらいつつ、咲は現在の状況を改めて把握するべく、互いの点棒を雀卓の表示から見比べた。

 

 

   清澄高校  118400 東

   阿知賀女子  97700 南

   白糸台高校  80900 西

   臨海女子  103000 北

 

(・・今までの試合を一から見ていたから分かってはいたけど、やっぱり清澄のみんなは強いよ。この3校相手に私抜きで1位を勝ち取るなんて。)

 

 同じ清澄のチームメイトという贔屓を抜きにしての純粋な評価だった。そしてそう思っていたのは咲だけでは無かった。・・この大将戦をリアルタイムで解説していた、元世界2位の小鍛冶健夜も同じ思いであった。

 

「さぁ!さっそく各校の選手が手牌を並べ替えていきますが・・解説のすこやん!ここまでの試合を振り返っていかがでしょうか!?大将戦で現時点でこの点差となっていますが・・私から見ると、正直あまり大きく点差が開いていないように思われますが、すこやんから見てどうでしょうか!?」

「そうですね・・やはり各校、決勝戦まで勝ち残って来たというだけあって、みんな強者揃いでした。そんな強者達がチームの大将として選んだ4人がここに集っている訳であって、全員が各校の切り札なのは言うまでも無いのですが・・清澄の大将、宮永咲ことカンドラ。彼女の存在が頭一つ抜けてますね。」

「ほほぅ・・それはいつものカンドラ贔屓とは違って、ガチの指摘ですか?」

「はい、ガチです。もちろん他の選手、例えばネリー選手などはアジアの大会で何度か優勝した事も広く知られているので、相手からしたら相当なプレッシャーになると思います。白糸台の淡選手も、あのチャンピオンこと宮永照選手が選んだ大将ですから。そういう意味では同じくプレッシャーになり得ます。まぁそれでも咲ちゃ・・咲選手のカンドラとしての知名度には遠く及びません。」

「なるほど、つまり対戦相手が有名であればあるほど、自身にとってのプレッシャーになる!ということですか!?」

「はい。ですので現時点で最も精神的に追い込まれているのは、阿知賀女子の大将・・高鴨穏乃さんだと思います。」

 

 

 

 小鍛冶の指摘は正しかった。今この場で最も精神的に押されているのは穏乃である。そもそも彼女がこのインターハイに出場した理由も、かつての旧友と再び麻雀を通して繋がりたいという何とも優しい願いからであり、それではこの生き残りバトルを制すには些か覚悟が足りなかった。それでも生き残ってこれたのは、彼女の生来の天然な性格が自身のマイペース差に拍車をかけ続けてきたからである。しかし今、彼女は咲・・もといカンドラのペースに飲まれつつある。

 

(あ、あのカンドラさんに激励されちゃった!すごい!今までに無いくらい心臓がバクバクしてる!)

 

 雑誌に載るような有名人との同卓、しかも自分が憧れた存在とあっては流石の穏乃も普段通りとはいかない。手は小刻みに震え、一挙手一投足が緊張してぎこちない動きになってしまう。今はまだ配牌を整理する段階故に淡やネリーは気が付かないが、このまま試合が進めば間違いなく気づかれる。そしてその隙を二人は容赦なく突いてくるだろう!・・・が、しかし。

 

(うーん、初心<うぶ>だね。可愛いからいつまでも見ていたいけど、今決勝戦のラストだからね。これが個人戦とかだったなら思いっきり弄んだだろうけど・・今はもうちょっとリラックスして戦って欲しいなーって。)

 

 穏乃が緊張している事を即座に見抜いた咲がすかさず白のオーラを注入して平常心まで落ち着かせに入る。緊張して手牌の整理すらおぼつかない穏乃は当然抵抗などしない為、効果はすぐに表れた。

 

「はぁ、はぁ、・・はぁ・・・ふぅ・・・・・(あれ?何か急に落ち着いた?不思議・・まるでいつも走り回ってるあの山の中にいるみたい・・・)」

 

 落ち着き、思考がクリアになっていった穏乃。それからは早かった。注意力が戻った彼女は手牌をほぼ無意識で素早く並べ替え、そこからどの役が一番早く作れるかを連想する。

 その様子を見て、これで彼女は大丈夫だろう、と安心した咲は自身の手牌に改めて目を落とす。

 

(・・平和の2向聴。でもこんなのアガったって何の意味も無い。ならここは”お姉ちゃんの忠犬”の動きを詳しく調べるとしようか。)

 

 今後の予定を組んだ咲はさっそく淡を挑発するべく、黒のオーラで触手を作ったかと思うと、軽く淡の頭をペシッと叩いた。

 

(・・・ギロリ!)

 

 口の代わりに目で怒りを伝える淡。このまま挑発に乗るかと思われた・・が!?しかし淡、ここでまさかの大人の対応を見せる!

 

「・・・フンッ!」

 

 その一言で気持ちを切り替えて手配に目を落とす。咲の挑発は失敗に終わった。

 

(おや?思ったよりも冷静だね。前に雀荘前で見た時や控え室に乗り込んできた時は、衣ちゃんよりも大人しいけど結局まだ子供。程度の認識だったけど・・これは考えを改める必要がありそうだね。)

 

 計画の練り直しが必要だと思いつつ、親番の咲は手牌を一つとって河へと捨てた。

 東一局の開始である。

 

 

 東一局

 

 

 咲が第一打を打ってから3巡が経過した。全員が静かに聴牌に向けて進んでいた。そんな中、ネリーは1人・・機を窺っていた。

 

(どうする?さっきの咲の白糸台への挑発から考えて、咲はアイツの実力を知りたがっている。そして肝心の白糸台の方は出来るだけ気力を温存したいのか・・全く意識を外へ向けていない。自分の手牌に集中している。そして阿知賀の方は・・すごく自然体だね。でも咲のオーラが僅かに肩にこびり付いている。咲が落ち着かせたのか・・・じゃあ阿知賀は咲が利用する予定だと、なら!)

 

 ここでネリー、幸運の能力を僅かに開放する事で自摸運を上昇させる。そして次巡、見事聴牌する事に成功。役はタンヤオ・三色同順・ドラ1の満貫、自模れば4000,2000。ロンでも8000点を狙える中々悪くない役だった。

 

(よし!ここでネリーの特訓の成果を見せてやる!)

「リーチ!」

 

 ネリー、まさかのリーチ宣言!これには実況の恒子もたまらず唸る!

 

「おおっとネリー選手!ここでまさかのリーチ宣言!?序盤から攻めてますねぇ!」

「そうですね、でもリーチをする事で当然他家は警戒せざるを得ないので、これはアガる事よりも牽制の意味合いが強いのかもしれません。」

 

 割と一般人の考えに合わせた解説をした小鍛冶。しかし彼女はネリーが何をやりたいのか、その意図を全て見切っていた。

 

(本当はオーラを使って力を見せつけたいんだろうね。自分がどこまでやれるのか、誰を敵に回すのか。ここで自分の立ち位置を咲ちゃんにしっかりと伝える気なんだね。)

 

 そう、ネリーは咲に伝えたいのだ。何故咲は3回戦でネリーにあんな表情を送ったのか、その意味がやっと分かったと!

 

(ネリーちゃん・・・ふふ、じゃあ見せてもらおうかな。)

 

 ネリーの嬉しそうな顔を見て何かを察した咲。咲は山から取った牌を指の腹で撫でる事で確認し、そのまま自摸切りした。当然ネリーは・・・動かない!狙いは咲では無くその次!阿知賀の大将穏乃!

 

(いくよ咲!これが私の新しい・・オーラと能力の融合技!フェイタルカムイ!)

 

 クワッと目を開き穏乃を凝視するネリー。すると突然、ネリーの背後に泥を被った巨人のような存在がゆっくりと立ち上がった!巨人は穏乃目掛けて大きく腕を振り上げた!

 もしかしてそのままダイレクトアタックをするつもりなのか!?そう危惧した咲だったが、実際はそんな事にはならず。振り上げた腕からまぁまぁの量の泥が穏乃の身体に付着するだけだった。

 当然それがはっきり見える咲は露骨に怪訝な顔をした。淡の方ははっきりとは見えないが、何か嫌なものが飛び散った感じがして顔をしかめた。そして当の本人である穏乃は、そういった事にあまり敏感では無い為何も気づかなかった。

 

(よし、掛かった!後は回収するだけ!)

(ん?今何か・・まぁいいや、さてさて今度の自摸は・・何だ西か、もう場に2枚切れてるよ。)

 

 気づかない穏乃はそのまま自模る・・が、あいにく引いたのは西。彼女の手牌は既に一盃口の2向聴。とてもじゃ無いが西の席は無い。

 

(これはそのまま自摸切りかなー。)

 

 そう思いそのまま自摸切りにしようとした・・その時!

 

(今だフェイタルカムイ!奴から運を奪え!)

 

 ネリーが後ろの巨人に指示を出す。出された巨人は命令通り、穏乃から泥を回収しようと手を天に掲げた。途端に泥は穏乃から綺麗に剥がれ落ち、そのまま地面を伝って巨人の脚元から腕へと触手のようにウネウネしながら戻って行った。そして戻った泥から、何か光り輝く黄金の液体が巨人の手の平に集まり出し、それを巨人が主人であるネリーの手へと優しく掛けてあげた。

 この一連の流れを見ていた咲は、驚愕で目を見開いていた。まさかネリーがここまで成長しているとは思いもしなかったのだ。

 

(い、今のは・・まさか、相手の運を自分の物にした・・の!?)

 

 その疑問に答えるかのように時は進みだす。いらない西をそのまま自摸切りしよとした穏乃の手が思わず止まる。

 

(・・なんだろう、今は決勝戦の最後の戦い、大将戦の最中・・なのに、私の直感が言っている。この西は取っておくと絶対良い事があるって!うん、だからこれは捨てない!そのまま抱えておこう!)

 

 ここでなんと穏乃!捨てようとした西を手牌に戻し、代わりに八筒を捨てた!そしてそれを待っていたかのようにネリーが高らかに宣言した!

 

「ロン!」

 

 綺麗に打ち取った。役はタンヤオ・三色同順・ドラ1に加えてリーチ・一発も乗り、12000の跳満まで伸びた。

 自分の身に何が起こったのか理解が追い付かずに唖然とする穏乃。よく分からないが、取り合えず警戒しておこうと用心深くなった淡。

 そして彼女の成長を頭で理解し、思わず笑みが零れる咲。そんな咲の笑顔を見てネリーは・・・

 

「・・ふふ、やっとネリーだけに見せてくれる・・特別な笑顔を作ってくれたね、咲。」

 

 今までに見た事が無い咲の笑顔を、他でもない自分が引き出せた事実に・・鳥肌が止まらないのであった。

 

 

つづく

 

 

 

 

決勝戦はどんな展開を望みますか?

  • 能力を使った麻雀対決をがっつり書いて
  • 麻雀対決はあっさりでいい
  • 麻雀はいいから能力で直接戦って欲しい
  • 麻雀シーン少な目、キャラ同士の会話多めで
  • 試合中の回想シーン中に会話を多めで
  • 特になし、作者のお好きにどうぞ
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