やっと夏休みも終わり、繁忙期も落ち着いてきたので投稿を再開します。
久しぶりの投稿ですので、変なところがあるかもしれません。
気づいたら後で直しておきます。
南1局
清澄高校 170000 東
阿知賀女子 79200 南
白糸台高校 59100 西
臨海女子 91700 北
(さて・・・誰から仕掛けてくるのか・・)
大将戦南1局・・・この時、咲は冷静そのものであった。先程淡に挑発された事など既に時の彼方へと葬り、ただ目の前の戦士たちとの戦いを純粋に楽しむ・・まるで3人で雀卓を囲み合っていたあの頃と同じような心境に至っていた。
その一方で3人の方はというと・・
(・・・淡、分かっていると思うけど。)
(ええ、私は最後まで黙って見ている役って訳ね。)
(いえ、淡さんはもし私達2人の作戦が上手くいかなかった場合の最終手段です。決して戦力外という訳では無いのであしからずに。)
(・・・そう、わざわざ気遣ってくれてどうも。)
(まさか、少なくとも私は本気で当てにしているんですよ。)
(ネリーだってそうよ。というより貴女にはまだ役割があるわ、だからその時までは我慢して。)
(・・・分かった。アンタらのその言葉・・信じる事にするから。)
(ふふ・・・ネリーさん!まずは私から行かせてください!)
(了解!アンタが失敗したら、その時はネリーが動く!)
(それでも駄目だったら・・・アタシが咲を潰す!)
互いの今の限界を把握する事で、最善の手がなんなのか・・どうせれば咲を倒す事が出来るのかの、おおよその答えを導き出せていた。
まず、ここまでの戦いで、3人とももう気力にあまり余裕が無いというのが本音であった。いや、余裕が無いというよりも自信が無いというのが正確か。とにかく3人共、1人では咲を倒せない事を理解していた。それ故に3人は互いに協力する事を誓い合い、打倒咲を掲げる事で意思統一を成し遂げたのだ。もはや誰が1位に成るかなど眼中に無い。ただただ目の前の強敵を仲間と一緒に打ち倒したい!その思いが彼女達を一つにしたのだ。
そんな3人が案を出し合った結果、誰かが1人ずつ全力で咲にぶつかっていき・・気力が0になるまで攻撃し続ける作戦に行き付いた。無論3人は思った・・こんなものは作戦でも何でもないと。しかし、これが今出来る中で最高の計画である事も疑いようが無かった。
これまでの咲との戦いで、彼女があらゆる能力への対処法を確立している事が分かり・・攻撃も防御も隙が無い事がハッキリした今、そういった事まで事前に予測出来なかった3人は、もはや当たって砕ける他、道は無いと悟ったのだ。
最初に今最も無敵感に満ちている穏乃が、相棒の黒百合率いる山の神様達と一緒に場を支配して役満クラスをアガろうとする。当然咲もカンをして四槓子の役満まで手を伸ばそうと場を支配しにかかるだろう・・・
(まず間違いなく負ける・・・咲ちゃんが使うオーラは炎が主体、こっちの草花のオーラの支配とは相性が最悪。加えて能力者としての経験の差も歴然・・・だからこそ、咲ちゃんがまだ切り札を残している可能性もある。それらを考慮した上で、気力を上手く使っていかなければいけない。)
(向こうは既に雀卓の上をオーラで支配し、奴の彼岸花が咲き誇っている。しかも気力の消費に無駄が無い・・・こちらは場の支配を維持するだけでもまぁまぁな量の気力を常に消費し続けている、力の差は歴然か・・・さて、どう切り崩す?)
黒百合と相談しながら手牌を聴牌まで持っていこうとする穏乃。がしかし、
「カンッ!」
8巡目、咲がカンをする事で場の支配が更に強まる!加えて彼女の手牌から感じる強烈なプレッシャー!聴牌したのは確実だ!
(くっ、このままじゃジリ貧だ。ここは場の支配を強めて一気にアガりまで持っていく!)
咲のカンを見て焦った穏乃が、場の支配を強めて一気に勝負を決めに掛かる・・・が、
(来いっ!・・・・っ!?違う・・アガり牌じゃない!?)
(はぁ・・やっぱりまだ穏乃ちゃんは能力者同士の麻雀に慣れてないね。)
場の支配をかなり強める事で勝負に出た穏乃。しかしアガる事が出来ずにそのまま自摸切りとなった。
(まぁ場の支配がここまで拮抗している状況もなかなか無いからね、その判断も分からなくはないよ。でもこういう場合でそれは悪手だよ。ただでさえ4人のオーラが集中してパンパンなのに、そこに更にオーラを増やそうとしたところで大して支配は強くならないよ。なにせ場所が空いてないからね・・・あとね、)
そして咲の自摸番・・咲は静かに自模ると、自模った牌を確認せずに手牌の横に置いた。
(穏乃ちゃん・・と2人もか、3人とも気づいてないようだから、後で誰かに指摘してもらって欲しい点があってね・・・)
そしてそのまま牌を前に倒す、それに合わせて手配も全てバラララと音を立てて顔を見せる。
(3人が場を支配していると思っているその空間にはね・・・半分くらい私の白のオーラが混ざってるから。)
そして宣言する。それはさながら、東1局の再現のようであった。
(3人とも・・・どうあがいたって、私には絶対に勝てないよ。)
「自摸・・・清一色,ドラ1・・・倍満、8000ALLです。」
圧倒的な力の差、しかし穏乃は東1局の時のように絶望に染まる事は無かった。
(まだだ!まだ負けた訳じゃない!今度は最大限にオーラを開放して、それをそのまま咲ちゃんにぶつける!)
南1局 1本場
清澄高校 194000 東
阿知賀女子 71200 南
白糸台高校 51100 西
臨海女子 83700 北
(行くよ!黒百合!)
(承知した!この時に全てを掛ける!)
1本場が始まると同時に穏乃が気力を解放!霊力とオーラを全て使う事で直接咲の支配に穴を開けようと攻撃に入る!穏乃の足元を中心に雀卓の下から蔦が一気に成長していき、あっという間に卓上は健康的な緑一色となった!蔦はそのまま成長を続け、遂には彼岸花から完全に光を奪う程までの密度になった!これでもう咲がカンを自由にする事は出来ないはずである!
(やった!これで完全に咲ちゃんの場の支配は封じた!後はこのまま流れに乗って聴牌へ。)
分かり易く笑顔になった穏乃は、流れに乗って緑一色の1向聴までたった4巡で辿り着いた。その様子に他の2人も思わず笑顔が漏れる。
(おお、思ったよりも頑張るじゃん。・・阿知賀の大将高鴨穏乃、一応覚えておく事にするよ。)
(準決勝で戦った時も思ったけど、やっぱコイツの場の支配って滅茶苦茶強いわ。しかもコイツの支配、あの時から数段強くなってるし・・・でもこれってたぶんサキが休憩中に何かやったからだよね?何考えてるのよサキは?自分の敵を強くするなんてさ・・・まぁ、今は頼もしい事この上ないからOKか。)
このまま咲の力を封じて、自分が一位に返り咲く事も夢じゃない!・・・そう思った矢先、
「・・・カン。」
トンッ・・・まるで蛇口から水が一滴バケツに落ちた時のような、軽くて響く音を出しながら、咲が4索を暗槓した。
「・・え?」
遅れて穏乃が反応する・・・そこから更に遅れて黒百合が自身の危機を告げる。
(・・・すまない穏乃、我らを引っ込めてはくれないか。)
黒百合のSOSに反射的に顔を卓上に向ければそこには・・・彼らが無惨に炎に焼かれている光景が広がっていた。皆必死になって炎に抗おうと霧を出しては頑張っているが・・如何せん炎の勢いが強すぎる。炎は既に雀卓の下、穏乃の足先まで到達しかかっていた。
(そんな・・な、何で?た・・確かに、少しの間・・聴牌を優先する為に意識をそっちに持っていきはしたけど・・・そ、それだけでこんな・・)
目の前の現実に圧倒され、しばらく放心状態が続いていた穏乃だったが、
(ちょっと穏乃!?何ぼさっとしてんの!さっさと神様連中を仕舞いなさい!このままじゃサキに焼き殺されるわよ!)
淡の咄嗟の助言で現実に返り、急いで神様達を身体に戻して救出する事に成功した。・・・しかし、その代価は・・・
「うっ!?うぐぅぅ・・・(あ、熱い!?まるで今まさに私自身が炎の中で焼け続けているようなっ!?)」
思わず左肩を抱いて俯く。痛い、あまりにも痛すぎる。何故急に!?燃えたのは黒百合達のはずじゃないの!?幸いな事に、思った疑問に黒百合はすぐ答えてくれた。
(すまない穏乃、お前に烈火の痛みを背負わせてしまう事になって・・・)
(黒百合!?喋れるの!?)
(ああ、だがしばらくは回復に専念させてくれ。このままでは我らの存在そのものが消滅してしまう。)
(っ!もちろん!・・でも何で?何で私まで痛いの?)
(・・それは我らとお前の繋がりが深からだ。知っての通り我らは矮小な神々の集合体、それも集まったところで大した奇跡も起こせん欠陥品。故に我らが他の名立たる神々と同じ土俵に立つには、依り代との深い融合が求められた。それ故・・)
(つまり、私が痛いのはみんなに頼った代償って事?)
(・・・・・すまない。・・・我らが弱いばかりに・・・)
頭に響く黒百合の声、それが微かに震えているようにも聞こえた。
(・・・いいんだよ、元々私一人じゃここまで来れなかったんだから・・・)
(すまない・・・これから我らは回復に努める。それと同時に痛みも徐々にだが引いていくはずだ。だが・・ここまで築いてきた場の支配は・・・もうじき消える。)
(っ!?・・・そっか・・ここまでか。)
(・・我もそろそろ眠りに着く。最後まで共に戦えない事は残念だが、それでも忘れるなよ・・お前はもう、あの山で我らに泣きついてきた頃のお前ではない。共に戦う仲間がいる、それを・・・)
(うん、分かってる!最後まで全力を尽くすよ!)
(ふふ、ああ!・・・おやすみ・・・・我らが愛しの巫女よ・・・)
最後に愛を伝えて僅かな眠りについた神様達。その変化をゆっくりと内で感じながら、外から場の支配がゆっくり溶けていく変化も感じ取り・・弱い自分への怒り、孤独から脱却していた喜び、心が静かになった悲しみ・・・それらをじっくりと噛みしめながら、1人静かに涙を流した。
そんな彼女をどこか冷めた目で見ながら、聞こえもしないアドバイスを心の内で呟く咲。
(駄目だよ穏乃ちゃん、穏乃ちゃんに付いているその神様達はそこまで強力な神様じゃないんだから、小蒔ちゃんと同じようなやり方をしちゃ駄目。なにより6仙女のみんなみたいにキチンとした訓練を積んでいない穏乃ちゃんじゃ、とても私には太刀打ち出来ないよ。だから・・・来年のインターハイで、待ってるね。)
それを最後に咲はこの場この時において、穏乃への関心を全て捨て去った。無論まだ見えているし覚えてもいるが、この試合で彼女にこれ以上注意を払う必要はもう何処にも無い・・・とどのつまり、咲にとって穏乃はもう居ても居なくても同じ存在だと、取るに足らない存在に成り下がってしまったのだ。
(で、次は・・・あぁ、ネリーちゃんが相手になってくれるんだ。)
一瞬つまらなそうな顔をした後、今度はネリーの方を見て笑顔になる。見られた本人はやる気に燃えていた。
(咲・・貴女は、貴女はこのネリー・ヴィルサラーゼが倒して見せる!)
オーラに乗って届くネリーの宣言、その返答として・・・
「・・・カン。」
手牌を暗槓し、そのまま嶺上開花で自摸アガった。
「自摸,嶺上開花,清一色・・・1本場で8100ALLです。」
倒せるものならやってみろ・・・そう言いたげに、咲は流し目でネリーを挑発するのであった。
南1局 2本場
清澄高校 218300 東
阿知賀女子 63100 南
白糸台高校 43000 西
臨海女子 75600 北
つづく
決勝戦はどんな展開を望みますか?
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能力を使った麻雀対決をがっつり書いて
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麻雀対決はあっさりでいい
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麻雀はいいから能力で直接戦って欲しい
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麻雀シーン少な目、キャラ同士の会話多めで
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試合中の回想シーン中に会話を多めで
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特になし、作者のお好きにどうぞ