雀荘荒らしの咲   作:ロクナナエイト

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これまでの経緯

 

「光ちゃんを助けに戻ろうとした私は出来るだけ急いでリビングまで進みました。幸いにもリビングまでの道のりはまだ火の手がそこまで進んでいなかったので、何とか自力で辿り着く事が出来ました。」

「うん・・でも肝心の私と咲の間には天井から崩れてきた瓦礫の山が道を塞いでいて、どうしようもなかったんだ。」

 

 二人の視点から進む過去の振り返り、黙って聞いていた一同は咲がカンドラになった一つの要因としか思っていなかった。しかしこの部分こそ照が最も知りたがっていた真実、何故咲がカンドラになったのか?この疑問の答えに一番近い部分なんじゃないかなと思案した照は、今日一番の真剣な眼差しで聞いていた。

 

「周りがどんどん炎に包まれる中、元々私の足が動かない事もあったから・・私は死を覚悟してた。だからあの時咲に逃げるように言った。最後に咲の顔を見れて良かったって思いながら。」

「そんな優しい光ちゃんの身体の上に我が家を支えていた大きな柱が倒れてきて、光ちゃんは下敷きになった!その後に耳に届いたのは大好きな光ちゃんの苦しむ声!痛い!苦しい!って光ちゃんは呻いた!・・その声が私を変えた!光ちゃんを守りたいという強い想いが私のオーラを覚醒させた!覚醒した私は怒りに任せて瓦礫を吹っ飛ばし!柱を持ち上げて粉々に叩き潰した!そして光ちゃんを抱えてカッコよく脱出し、最後はめでたくハッピーエンド!!!・・・になるはずでした。」

 

 途中からテンションアゲアゲだった咲だったが急にしょぼくれた。それこそ誰が見ても分かるくらい落ち込んでいる。

 

「光ちゃんを助けた後に色々あって緊張の糸が切れた私はそのまま気絶、次に起きたのは病院のベットの上でした。」

「咲はこんなに軽く言ってるけど、あの時は本当に怖かったんだからね。咲が炎から動かない光を抱えて出て来た思ったら今度は咲が倒れて動かなくなっちゃうし・・・二人共私の前からいなくなっちゃうんじゃないかって。」

「照・・あの時はごめんね。もう大丈夫だからね!」

「いや、そんな優しくする必要ないって光ちゃん。光ちゃんも知ってるでしょ?お姉ちゃん昔から変なところで怖がりなんだよ。あの時だってお医者様がただ気絶しただけだってわざわざ安心させてくれたのに、それを信じないでずーーーっと私の傍にいたんだよ?」

「それは咲の方が薄情なのよ!普通の姉妹だったらああするのが当たり前!」

「いや、気持ちは嬉しいけどお医者様が心配ないって言ってんだからさ。それにあの時はお母さんやお父さんが火事の事で警察やら葬式やらでてんやわんやだったんだから、そっちを手伝ってあげれば良かったじゃん・・・長女として。」

「いやだから・・」

「はいはい二人共ストップ!話が脱線してるよ、軌道修正して。全く、私が仲裁に入らないと収まらないのも変わらないね。この数年二人が殺し合わなかったのが不思議なくらいだよ。」

 

 能力者特有のブラックジョークを挟みつつ話の流れを元に戻す光。そんな彼女の変わらない姿に懐かしさを覚えた二人だった。

 

「・・そうですね、話を戻します。で、病院で起きた時には既に手遅れだったんです。」

「手遅れ?・・もしかして光の事?」

「そう。目覚めた私は真っ先に光ちゃんの元へ行こうとした。けれど光ちゃんはやけどの手術をするために別の大きな病院へ移った後だった。仕方がないから光ちゃんから連絡してくるのを待って、それから1週間後。光ちゃんのお母さんから今回の火事の件から絶縁するとの連絡を最後に音信不通になり、私達と光ちゃんは離れ離れになってしまった。」

「それからの咲の落ち込み様は酷いものだった。でも私はそんな元気の無い咲に一回も勝てなかった。そしてそれが原因で喧嘩して、結局仲直り出来ずに別居する事になった。」

「そうだね、でも別に私はアレを喧嘩したとは思ってないよ。まぁ、休みの日に一日中耳元で怒鳴られてこっちも怒鳴り返しちゃったりしたけど。だから仲直りも何もないよ、お姉ちゃん。」

 

 それを聞いて思わず笑いが込み上げて来てしまう虎姫のメンバー。無論白糸台で怒鳴った事など一度も無いが、長く付き合ってきた彼女達は想像できてしまうのだ、照が怒鳴る姿を。

 

「それで、最終的に一人になった私は色々考えた結果探偵さんに光ちゃんの居場所を突き止めてもらおうと考えました。」

「あ、本当にそうだったんだ。衣ちゃんから色々やったって聞いてたけど、まさか自分のお金だけで探偵を動かそうとしてたなんて・・・嬉しい///」

「探偵?・・・じゃあ、依頼料のために雀荘荒らしを?」

「もちろんそれもあったけど、それは一旦置いておいて。探偵に依頼する為に依頼料をどうやって稼ごうか悩んでいた私の前にある女性が現れたんです。その人の名は・・・」

「わっわた、私の事ですね咲ちゃん。」

 

 緊張のあまり噛みながら登場したのは皆さんご存じ小鍛冶健夜。彼女の視線は咲の母親である宮永愛へ向けられていた。

 

「こんばんは小鍛冶さん。えーでは!皆さんに改めてご紹介します!元世界ランク2位にして私の麻雀の師匠!そして伝説となったカンドラの出発点と言っても過言では無い存在!それがこちら!小鍛冶健夜プロです!」

 

 パチパチパチと咲が拍手で出迎える。それにつられて照も光も拍手する。最後にそれを見た一同が拍手する事で場の視線は全て小鍛冶に集中する事になった。そんな彼女が最初にとった行動が・・

 

「あ、愛さん!どうもこんにちは!さ、咲ちゃんの師匠をやらせてもらっているこ、小鍛冶健夜です!」

「どうもこんばんは小鍛冶さん。こちらこそ咲がいつもお世話になっているわ。・・・それで咲、何で小鍛冶さんを呼んだの?」

「いや、本人が横にいた方が説得力が出るかなって。」

 

 そう言うと咲は小鍛冶の横に並び立つ。並んだ咲を見て小鍛冶も内心ホッとし緊張も幾分かほぐれた。それを僅かなオーラの変化から確認した咲も内心ホッとして続けた。

 

「小鍛冶さんに出会った私は色々あってこの人の能力と実力を信じる事にし、麻雀協会へ私を売り込むようにお願いしました。そして麻雀協会も丁度若くて優秀な人材を欲しがっていた。ある役割を背負って貰いたくて・・」

「そして咲はその役割を負って、TVで言っていた全国の雀荘を視察するっていう仕事をやる事になった。あの日私達と東京の雀荘で出会ったのは協会の仕事をこなしていたからだった・・」

「それは違うよお姉ちゃん。」

 

 思わずえっ?と声が漏れる。顔を上げれば咲が得意げな顔をしながら、みんなに向けて答え合わせを始めた。

 

「確かにTVではそう説明していました。協会は全国の雀荘を巡ってその雀荘に通う顧客層の違いや民度、過疎度などを纏めてプロファイリングしてくれる十代のモニターを求めていた。そんな時に都合よく小鍛冶さんが一人の少女を連れて来て、この子が瑞原はやりさんの代わりをやってくれます、と言って紹介されたのが宮永咲だった。そして宮永咲は全国を巡って活動していく内に裏の世界から恐れられる存在カンドラとして名を馳せるようになり、こうして表舞台に出る頃には既に伝説になっていた・・・というのがTVの内容のほとんどです。ですよね小鍛冶さん?」

「うんそうだね。・・でも事実は逆だった。」

「逆・・まぁそうですね。まず最初の相違点としてTVでは小鍛冶さんが私を何年も前から弟子として鍛えていたと言っていましたが、それは先程の話から分かる通り違います。むしろ私が小鍛冶さんの弟子に正式になったのは麻雀協会に挨拶に行った後ですので、確かに順番が逆ですね。」

 

 その指摘に、ああそういう事か!と頷く半数の雀士達。もう半数は単純に頭の回転が早かったり事実を以前から知っていたりした為、一回頷くだけであった。

 

「次の相違点として私が瑞原さんの代わりに働いたという話ですが、これは最後の相違点と一緒に話した方が早いので簡潔に言いますが・・だいたいあっています。」

 

 今度は一同ふーんといった感じで終わった。というより早く最後の事実を知って答え合わせをしたくてしょうがないのだ。

 

「では・・最後の大きな相違点。の前にお姉ちゃん、ちょっといい?」

「えっ!?いきなり何よ!?」

 

 このタイミングでまさかの中断!?一同困惑。

 

「今までの話の流れから、私が探偵に依頼料を払う為お金を求めて麻雀協会に近づいたのは分かるよね?」

「・・?ええ、分かるわ。」

「じゃあさ、この仕事でどれだけ私が儲けたと思う?」

「え?・・少なくとも依頼料くらいは稼げたんじゃないの?」

「うん・・・で?」

「で?・・って何?」

「で、私がその程度で止まると思う?」

「・・・はい?」

「私が光ちゃんの居場所を知った程度で止まると本気で思ってる?光ちゃんはあの火事の後も、いやそれだけじゃない!小学生の頃に事故に会ってからずっと足が動かないんだよ!」

「え?・・・いやでも・・あの事故は誰も、私も咲も光も誰も悪くないし。それに光だって大丈夫だって、足が動かなくても生きてるだけマシだから心配しないでって言って・・」

「・・お姉ちゃん、それ本気で言ってる?」

「・・・だって本人が大丈夫だって言「歯ぁ食いしばって。」

 

 言い終わった時には既に黒のオーラが拳の形を作り、照の顔を殴りつける寸前だった。しかしその拳は当たらない、何故なら・・

 

「咲、照の言ってる事は私が昔に言った事だよ、純然たる事実だから。だから咲も・・ね?我慢できるよね?」

 

 光がギリギリのところで口を開いて咲の注意を引いたからだ。彼女が止めようとしなければ、会話に集中していた照はそのまま吹っ飛ばされていた事だろう。その事実を理解した照は無意識に一歩下がった後・・

 

「ごめん咲、光。無神経だった。」

「照は悪くないよ。悪いのは我慢が出来ない咲だよ。」

「・・ごめんお姉ちゃん、私が子供だったよ。」

 

 珍しく自身の非を認めて謝る咲。咲にちゃんと謝られるなんて何年ぶりだろうか?そんな疑問を抱きつつ会話に戻る。

 

「えっと、つまり。まず咲は依頼料を稼いで探偵に光の居場所を探らせた。それから少しして光の現状を知った。その後色々考えた結果もっとお金を稼ぐ事にした・・って事?」

「少し違う。私は探偵に依頼しようと考えた時には、既にもっとお金が必要だって思って本気でこの汚れ仕事に取り組んでいたよ。」

「・・ダメ、私にはもう分からない。答えを教えて。」

 

 昔からどうもそりが合わなかった二人、その間を取り持ってくれたのが光。そんな光を失って1年経た頃、照は妹の考えを追うのをやめて妹自体を追い抜こうとした。妹がどんな考えを持ち実行しようが、それが気に入らないと感じたら自分が実力で止めれば良いと本気で思っていた。そうすれば妹には軽く嫌われるかもしれないが、いきなり目の前からいなくなるような事にはならないだろうと信じての事だった。だがそれは失敗し照は実力で妹に負けた。ならば口だけでも負けないようにと咲に対して口喧嘩を挑むようになった。何でもいいから兎に角自分が咲より格上だと分からせたかったのだ。そうすれば頭の良い咲は強い存在の言う事を素直に従うはず!と。・・その結果がこれである。照はもう咲に敵わない、口でも、能力でも、麻雀でも・・想いすらも。

 

「(昔から思ってたけど、お姉ちゃんって相手の想いとかを読み取るのが下手だよね。そこを改善しない限り私には追い付けないよ。)話を戻します。協会がついた最後にして最大の嘘。それは・・私が協会の指示で全国の雀荘を巡っていた!それこそが大きな間違いなんです!」

 

 会場内に木霊する咲の放った真実。それから沈黙が続き、丁度木霊が消えた頃になって会場内がざわざわし始める。

 

「・・ん?姫様今のどういう意味か分かりますか?」

「え、初音ちゃんも分からないんですか?か、霞ちゃんは!?」

「わ、私も・・頭が混乱して何が何だか?」

 

「ど、どういう意味なんですか菫先輩!?」

「・・まさか?いや、でも・・そうか、そう言う事か。」

 

「え?つまりどういう事なんでしょうかネリーさん?」

「ああ、そう言う事。改めて思うわ・・やっぱり咲は本物だって。」

「サキが協会の指示じゃなく自分の意思で雀荘を巡っていた・・・その違いって何?」

 

「ご安心下さい皆さん、分かり易く解説します。その為には・・透華さん!」

「は、はい!?」

「(透華さんは確か、私が光ちゃんの為に多額のお金を必要としていた事しか知らないんだったっけ。)今の答えを聞いてどのような疑問が浮かびましたか?」

「え!?えっと・・協会の指示じゃなく自分の意思で雀荘を巡った、との事ですが。具体的な違いは・・」

「はい、まずその疑問が真っ先に上がると思います。ではその答えとして、少し前までの私はどうしても大量の額のお金が必要でした。それこそ億単位の。」

「お、億単位ですの!?」

「はい、しかし当時の私はそんな当てもあるはずなく途方に暮れていました。そんな時に小鍛冶さんに出会って麻雀協会という組織の存在を知り、現代社会は能力者達が裏で権力を握る事で自分達の意のままに動かしているという事を知りました。」

 

 さらっと爆弾発言をした咲。一気に会場内のざわつき度が跳ね上がったが、すかさず小鍛冶がフォローに入る。

 

「ち、違うでしょ咲ちゃん!?私達みたいに組織に所属する能力者はあくまで監視役!野良の能力者が暴走して平和な社会を壊そうとした際のストッパー!今実際に社会を動かしているのは人類の9割5分を占める無能力者!最初にそう説明したでしょ!?」

「つまり、今のこの社会は能力者達に圧力を掛けられて出来上がった・・いわゆる囲われた自由ってヤツですよね?それってホントに普通の人が社会を動かしてるって言えるんですか?普通の人が能力者に媚びを売ってるようにしか聞こえませんけど?」

「そ、それはかもしれないけど・・・」

「・・でもまぁ実際、そうやって監視を続けないとヤバい事になるのは事実ですしね。そうですよね六仙女の皆さん?」

 

 まさか呼ばれるとは思わなかった永水高校メンバー。全員何だろうと訝し気に咲を見つめる。

 

「そちらにいる六仙女の皆さんは古来より日本から魔を退けてきた本職の能力者達です。今私達がこうして麻雀に興じていられるのも、こういった方達が影から守って来てくれたおかげなんです。」

「え?そうなのですの?では永水の皆さんが神様の力を借りているというのは?」

「もちろん本当ですよ透華さん。能力者の中には神様と契約してその力を行使するタイプがいますが、六仙女の皆さんはその中でもエリート中のエリートなんですから!とっても強いんですよ!」

 

 唐突な褒め殺しに顔を赤らめる五人。彼女達の照れ顔を見て満足気な咲は話を戻す。

 

「話を戻します。その事実を知った私は麻雀協会の後ろ盾を得れば自由に大金を稼げるのではないか?という発想に至りました。彼らの力を借りれば、未成年の私が法の目を搔い潜ってこっそり大金を稼ぐことも出来る・・と。」

 

 その発言にこの場の誰もが息を飲む・・学生一同はとんでもない社会の闇を知ってしまった!という衝撃で。大人達は、大勢にそこまで教えてしまったら後で協会の連中からうるさく言われてしまう!という事後処理の可能性への緊張で。

 

「そこで私は麻雀協会に取り引きを持ちかけました。契約内容は、私が全国の雀荘を荒らして大金を稼ぐのを許す事。そして稼いだ金を全て協会に寄付する代わりに、私の代理人としてある買い物をして欲しい事。この二つでした。それに対して協会側は、どんな方法でもいいからとにかく麻雀界を盛り上げろ!昨今の麻雀ブームは下火になりつつある!だからそれを逆転させる程の変化をもたらせ!お前の一生を懸けて!・・・契約は成立し協会は私の為に代理人となって金を払い、あるものを買いました。私は将来のプロ雀士入りを約束し、麻雀界を盛り上げる為に必要以上に雀荘を荒らしまくりました。」

「そんな・・じゃあ咲、貴女は協会の指示じゃなく自分の意思で雀荘を荒らして周っていたって言うの?嘘・・行った先の雀荘で悪い大人に騙されたり・・・最悪殺されてたかもしれないのに!?」

「そうだよお姉ちゃん。雀荘を荒らしに行ったのは協会じゃなく私の意思。確かに危険な方法だったけど、おかげで私はひとまずの大金を手に入れる事が出来た。麻雀界もちょっとずつだけど盛り上がっていった。そして私はカンドラという名前で噂されるまでに有名になった!」

 

 そう言うと突然バッと大きく手を広げてアッハッハッハ!と嗤い始めた咲。それを見た学生達の反応は様々だった。

 

「最初の方は本当に大変だったよ!瑞原さん達が白やグレーの雀荘を担当している分、私が周ったのは全国でも黒い噂が絶えない所ばかりだったからね!平気で人を殴るヤツ、笑って他人を騙すヤツ、当たり前のように子供を喰い物にするヤツ・・見るのも不快だったよ。でも!そんな腐った連中を私は一人残らずぶっ倒して警察に突き出していった!そいつらが貯め込んでいた金を徴収して協会に献上する事で協会内での地位も上がった!ついでにその雀荘がクリーンになった事で利用客の民度も来る頻度も上がってみんながハッピーになった!・・それでもたまに心に傷を負った子が残っちゃう事はあったけどね。そんな子は大抵の場合協会がアフターケアに走るんだけど、何人かは私の下で働きたいって言ってきたりするからさ・・受け入れ続けて今では結構な大所帯になってるよ。」

 

 その代表として荒川の方を見る。彼女は今この時も咲へ敬愛の目を向けて慕い続けている。

 

「咲さん・・・で、では!?TVで言っていた、違法性のある賭け麻雀は絶対にしていないというのも!?」

「もちろん嘘ですよ?どいつもこいつも何の能力も使えない癖に人の上に立ってパワハラするだけの屑ばかりだったものですから、少しお灸をすえる為に金銭的に痛い目に合ってもらいました。」

「そ、そんな・・あの優しかった咲さんが、まさか法に背いていただなんて・・」

「ふふ、大丈夫ですよ透華さん。私が賭け麻雀をした相手はもっと巨大な闇を抱えた本物の悪党連中です、良い人には手を出していません。だいたい賭け麻雀に1千万単位の額を平気で出してくるヤツが良い人な訳ないでしょう?ほとんどは悪党連中の下っ端か中堅、もしくは中小企業の次長か社長さんですよ。あ!でも五回くらい大企業の社長さんが相手になってくれた事もありましたね。」

「ん?もしかして咲ちゃん、その中に女性っていたりした?」

「え?いましたけど・・もしかして小鍛冶さんのお知り合いですか?」

「・・・いや、確認は後でいいか。ごめんね話を遮って!続けて!」

「・・これで皆さんもう分かったでしょう?TVで言っていた事の半分以上は嘘です。私は自分から雀荘を荒らし、知名度を上げる事で麻雀界の発展に貢献した。協会も発展の為ならどんな手段でも使う倫理観の無いマッドサイエンティストみたいな人達ばかりです。でもそんな悪魔達と私が手を組んだおかげで日本全国の雀荘はかつてない程の綺麗な経営が出来るようになり、麻雀界も私の顔出しによって新たなブームを巻き起こしました。このブームの流れはこれから約10年かけて緩やかに停滞していく予定ですが、その過程で多くの新たな雀士達が生まれ続ける事になり・・10年後には世界の麻雀競技人口は5億人を超えるまでに至るというのが協会の見解です。」

 

 話の大事な部分を全て話し終えた咲はフーーッと力を抜く。そうやって精神を落ち着け、改めて会場を見渡した。当然ながら反応は様々だ。社会の闇に恐怖するもの、善悪のさじ加減に色々思うところがあるとでも言いたげな顔をするもの、これから先に待っている未来に期待で顔が破顔するもの。

 まだまだ皆の動揺は終わらないと悟った咲は話しすぎで喉が渇いた為、黒服からスポーツ飲料を貰って喉を潤した。飲みながら咲は思う。

 

(さて、あとは稼いだお金を何に使ったか・・・光ちゃんが見てるんだ、言わなきゃ駄目だよね。)

 

 

つづく

 

 

 

 

 




次回、今度こそ全てが語られます。

決勝戦はどんな展開を望みますか?

  • 能力を使った麻雀対決をがっつり書いて
  • 麻雀対決はあっさりでいい
  • 麻雀はいいから能力で直接戦って欲しい
  • 麻雀シーン少な目、キャラ同士の会話多めで
  • 試合中の回想シーン中に会話を多めで
  • 特になし、作者のお好きにどうぞ
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