VIPRPG×ざくざくアクターズ×ハルスベリヤ叙事詩2 もしもクロスオーバーだったら 作:泉 とも
「ひぃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
ぽてと君は冷たく恐ろしい叫び声をあげた!
ブライアン「踏ん張れ!声出せ!」
『うおおおおおおおおーーーーー!』
ブライアンたちは耐えた。防戦一方ながらも、魔人の超威力の魔法、即死や状態異常を耐え抜いた。
一方で柚葉は。
「斬!無念!復活!斬!無念!復活!斬!無念!復活!」
持ち前のスピードで斬りかかり、やられては装備の効果で復活を繰り返していた。
「へへ、なんだいねーちゃん、あんたも根性あるな」
「しかしこんな芸人みたいな戦法、いつか終わってしまう……」
柚は現状を分析し、整理した。
現在のパーティはこんな感じだった。
警備隊長ブライアン。発動中『三バカ陣』
※ブライアン兄弟がいる場合、またはブライアン、ファルコン、エンリュウの三人がいる場合、その三人のみ防御面が超強化される。
サポーター:ブライアンシスターズ。
庇う:発動すると後衛からでも防御に加わってダメージを減らしてくれる。その際に回数消費。8回。
アイテム係:後衛にいながらアイテムを使用してくれる。行動が遅いが全滅時に割り込んでくれる。行動時に回数消費。2回。
わちゃわちゃする:サポート回数回復。規定ターン数が過ぎるとサポート回数が自動的に回復する。
全て発動済。
ブライアン:分類:特技キャラ:特技:無し!
その代わり状態異常には滅法強い。TPが無駄になっていそうだが、上限が100以上あり溜まれば溜まるほど攻撃力が増していく。
ブライアンパンマン:分類:特技キャラ(魔法戦士):参謀
なんとリカバーが使える特技タイプ。攻撃力は低いが、TPが溜まると魔聖剣『セインサイアス』の力を解放し、全体を回復し耐性を付与する。参謀効果は防御時のTP10と受けたダメージ分が味方のTPとして溜まる。
ダークブライアン:分類:特技キャラ:運動長
『自己流暗黒剣』は他二人に比べて彼の設定の少なさを剣に乗せて相手に擦り付ける闇奥義である。食らった相手の攻撃と魔力を一段下げる。
(驚くほどに嚙み合っている。息がぴったり三兄弟。ハグレ王国に住むようになってからというもの、これほどの猛者がいるのかと経験は何度も有ったが、これは)
ダーブラ「おいお前、あのバケモノのことを知っているらしいな、教えろ!」
ぽてと君に滅茶苦茶に殴られながらも、ダーブラは必死に応戦した。
「奴は魔人ぽてと君。炎が弱点で、分身と分裂を繰り返す恐るべき魔物だ」
アンパン「分裂ですか、まだして来ませんが」
「奴は弱るとそれで勝負を決めに来る。あの魔眼の力を解放し、見た者を片っ端から超ダメージで薙ぎ払う!私が奴を倒したときは、仲間たちと13人がかりだった」
ブライアン「ケフカか何かかこいつは」
聞かされた情報からブライアンが顔をしかめる。脳裏に負けイベントの文字が浮かぶが、それを振り払って戦闘に集中し直す。
ブライアン「状態異常は効かんのか!」
「無理だ。混乱と睡眠とスタンと能力ダウンと即死をコンスタントに繰り出してぐぼっはあ!」
柚葉は髪の毛を掴まれて振り回された。そしてまた復活する。
アンパン「くっ、こんなときにせめてダモンくんとダー惚さんがいれば!」
「ぽ・て・とォォォォォォォォォォ!!」
ぽてと君のアバドンストーム!
『ぐわああああああああああああーーーーーー!』
耐えてはいたが、あまりにも火力不足。ブライアンと柚葉でまだ100万くらいしかダメージを与えられていない。
(奴の物理攻撃にどうにか反撃を返してはいるが、このペースでは……)
こドラはいない。過剰防衛カウンターを置くことができない。
ジュリアもいない。一度後退して体勢を整えることもできない。
(せめて後何人かいれば)
そう思う矢先、ぽてと君が攻撃態勢に移る。
柚葉が歯を食いしばり、次の復活を祈ったとき。
「えい!」
ぽてと君が背後から斬り付けられ。
「吹っ飛びなさい」
爆発に飲み込まれた。
アンパン「だくじゃぬさん!ダナエさん!」
ダークジャンヌとダークカナエールが駆け付けた!
だくじゃぬ「観光客の方々は避難させました。勝手なことをして申し訳ありません」
アンパン「とんでもない、欲をかいて失敗する所でしたよ。ありがとう」
ダナエ「またとんでもないのに目を付けられたわね。いいわ。私も手を貸してあげる」
アンパン「ダナエさん……!」
ダナエ「勘違いしないで。私は一人の女として、一人の男を助けたいだけよ」
(なんてアダルティな雰囲気!しかも片方が強力な魔法タイプ。これで少しは)
「ぽてと、たべて。おいしい……よ」
ダーブラ「チッ、やはりまだ生きていたのか!」
爆炎の中から飛び出したぽてと君が、その場で分身と分裂を繰り出す。
「ここからが本番だ。焦らず一体目を速攻で倒すんだ」
「なるほど。そりゃ分かり易い」
そしてまた一人、黒と灰色の服に身を包んだ女が声を上げた。
「チェッチカ勇士隊、筒構え、撃て!」
「ぽてっ!?ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ!」
別方向から夥しい数の銃による斉射を受けて、一体目が撃破された。
「あ、あなたは、それに」
「メディオラ儀杖兵。回復をお願いします!」
数人の尼僧たちが、柚葉たちを回復した。
「まさかここでSP召喚を使うことになるとは」
「皆さん、もう大丈夫ですよ!」
チェッチカとメディオラが参戦した。
8402プロの役者たちは撮影時に率いた部隊を、SPとして召喚する特殊な魔法のカードを持たされている。
チェッチカはレベル44コーヒージンギスカン勇士。※
※MP回復が1しかねえくせにMP自体は1000に到達するとかいうアホみたいな前衛。マジで100発の弾が撃てる。
メディオラはコーヒーテルシオ儀杖兵。※
いよいよ動けないが流れ弾の事故死はし難い回復要員。
ブライアン「へっなんだよ急に流れが来たじゃねえか」
ダーブラ「これでは奥の手の防御キャンセルや8逃げ会心撃を使う必要は無さそうだな」
アンパン「よーし、このまま押し切ってしまいましょう!」
『おう!』
そして数十分後。
「ぽ、ぽてと、おいしいよ。たべて……」
「ああ、そうしよう。お前を葬った祝に」
柚葉が最後の一太刀を加えると、ぽてと君は灰となって消えた。
本気を出したぽてと君により、結構被害が出たものの、柚葉たちは辛くも勝利を収めた。
ブライアン「やったか!?」
ダーブラ「おいばかやめろ」
アンパン「どうやら、本当に倒したようですね。ふう、建物の中が滅茶苦茶です。全く、どうしてこんなことになったのか」
「柚葉がアレを見たのは修羅の国という、冥界のような場所だ。それが何故この国にいるのか」
ダナエ「あれはもったいないお化けよ。知っている人がいて、条件さえ整えば、どこにでも現れることができる。あそこまで禍々しいのは私も初めて見るけど」
その言葉に周囲の目が柚葉に向けられる。
「……私の、せいか」
ダナエ「気の毒だけどね。普通は被害者が全滅することで、あの手の都市伝説みたいなのは、この世との接点を失うという弱点を持っているの。でも」
アンパン「戦って勝った、生き残った者がいることで、接点を持ってしまったと」
ブライアン「もったいないお化けって食べ物を粗末にするなって奴だよな」
「観光シーズンの農業国で、食品ロスするなってのは無理ですぜ」
勝利の余韻を浸ることもできず、一同の意気は消沈した。
今や全員がぽてと君のキャリアーとなってしまったことを意味する。
ダナエ「方法ならあるわ。ただそのためには、もしもの神々の力が要る」
「神様って本当にいるんですか」
メディオラが懐疑心に満ちた眼差しを向けたが、ダナエは苦笑して肩を竦めた。
ダナエ「いるわ。大したもんじゃないけどね」
「手段があるなら早くやろう。元はといえば私たちのせいなんだし」
だくじゃぬ「私たちって、他にもお友だちが」
問われて柚葉は頷くと、ちゃんとしてるホテルに仲間が二人いることを告げた。
ダナエ「ならその二人にも来てもらう必要があるわね。それから先は……」
――うわああああああああああああああ!!
リーザスたち「悲鳴が、外からだよ!」
一同は工場内から外に出ると、街のあちこちから火の手が上がっていた。
恐怖の表情を浮かべ、逃げ惑う人たち。そしてその中には。
ブライアン「おいおい、メタルクウラじゃねんだから……」
たった今倒したばかりのぽてと君が、大量現れ、犇めいてた。