VIPRPG×ざくざくアクターズ×ハルスベリヤ叙事詩2 もしもクロスオーバーだったら   作:泉 とも

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対策会議

 四日目の朝。ポテチ王国王城。

 

 来賓室にて首脳会議が開かれていた。

 

王様「みんなこっち向け」

 

 くるり。

 

王様「緊急対策会議」

一同『把握』

 

 そこには先日集まった各勢力のトップが集合していた。

 

王様「なんか巷でバケモノがうじゃうじゃ沸いて手が付けられんらしい。どうなってんのこれ?」

 

魔王「ああ、恍惚が言うにはもったいないお化けの類らしい」

 

アンデッドナイ「うちは出ませんでしたが……」

しーちゃん(ナイ軍は貧乏してて食うに困ってるからこの件とは無関係なんだな……)

 

アンパン「うちのダナエさんも同じ見解でした。そして彼女が言うには、そのもったいないお化けを知っている者がこの国に来たことで、広まってしまったそうです」

 

しーちゃん「アレって早い話が子ども向けの都市伝説だからね。内容も単純だから、出没し易い存在なんだ。まあピーターパンみたいなもので、基本的に知ってる子が忘れたり、大人になると出なくなるもんだけど」

 

王様「それがここに来て広まってしまったと」

 

魔王「つってもそんなの世界中にあるし、ローカル色出るでしょ。『ぼくのかんがえたさいきょうおのおばけ』みたいな奴が、今回の奴じゃないの」

 

アンパン「サガシリーズのモンスターみたいなものですね。レベル1のミミズと11のミミズは完全に別物ですし」

 

ナイ「つまり今回はレベル11のもったいないお化け、という訳ですか」

 

アンパン「ええ、アレは『ぽてと君』というらしく、ジャガイモをメインにしたもので、その力は魔人並みに強まっているそうなのです」

 

魔王「メジャーだしねえ。そりゃこの国なら強いはずだよ。ホームグラウンドみたいなもんだもの」

 

ナイ「観光シーズンだから食料廃棄物は普段より多いし、その内容も大半が芋製品ですからね」

 

しーちゃん「一応聞くけど、食べて解決ってできない?」

王様「うちの食料自給率を考えると不可能」

 

ナイ「うちも見切り品や傷物や廃棄予定品を貰ってますが、無くなったところは見たことがありませんからね」

 

 ポテチ王国は人口と食料自給率だけで食ってる所がある。

 

 国民もあまり教育を受けていないのだが、何故かツクールでksgを作れるくらいの頭はある。

 

魔王「倒せなくはないが奴は強力だ。根本的な対処が必要だろう」

 

王様「うむ。一応昨日アレックスを呼び出して、もしもの力で蹴散らしたようだが、それも焼け石に水。何か手は無いものか」

 

アンパン「そういえば皆さんはどうやってぽてと君を退けたんですか?」

 

魔王「うちと王国は人海戦術だな。必要な耐性も途中で分かってからは、幾らか楽になったが」

 

王様「兵士は畑から取れるしのう」

 

アンパン「ナイ軍は」

 

ナイ軍「うちも似たようなものです。把握シリーズをやったことがある所はどこもそうなのでは?」

 

しーちゃん「うちも兵士とゾンビで」

 

アンパン(もしかしてちゃんと戦ったのうちだけでは?)

 

王様「で、対処の話に戻るけど」

 

アンパン「ダナエさんがもしもの神々に力を借りる必要があると」

 

ナイ「ダークカナエール、信用できるのですか?彼女は確か……」

 

アンパン「安心してください。今の彼女は気のいい守衛のおばちゃんですよ」

 

ダナエ「年で言ったらご先祖様よね」

 

 ダナエは部屋に入るなり、テーブルの上に紫色の球体を放り投げた。

 

 カオスだった。

 

カオス「ほげっ」

 

魔王「あ、カオスだ」

王様「話の流れから察するに元凶かな?」

ダナエ「そっ。ちゃっちゃと話して頂戴」

 

 カオスは周りを見回すと、冷や汗をかいて、渋々話し始めた。

 

カオス「オレが世界樹の種を落としたんだが、どうやらそれをあのバケモノが食ったらしい。そのせいで異常な繁殖能力を備えてしまったようだ」

 

ナイ「説明を続けてください。殴るのは最後にしてあげますから」

 

カオス「うう……。奴は都市伝説だが、内容は植物系だ。草・ゴーストタイプって所だ。その草の部分が種の力を受けて強化されたんだと思う」

 

アンパン「それを倒せば、この大量のぽてと君は消えるんですか」

 

カオス「分からん。ただ増える勢いは弱まるだろう。元は魔界や冥界といった場所に、単体でしか存在できないような奴らしいからな」

 

王様「当座の目標が出来ただけめっけもんじゃの」

 

しーちゃん「見た目で区別とかつくの?金色だったり、模様がおかしかったり」

 

カオス「太ってる」

 

ナイ「はい?」

カオス「超太ってる。あついしぼうを持ってるくらい。コロコロのイモだよ。もどき並にデカい」

 

魔王「草・ゴーストでしぼう持ちとか普通に厄介だぞ」

 

アンパン「通りの良い属性が残ってるだけマシでしょう」

 

ナイ軍「ともあれ、今すべきはこの状況に歯止めをかけるべく、その太った芋のもったいないお化け、そうですね、種芋ぽてと君とでも呼びましょうか。その発見と撃破を目標にしましょう」

 

しーちゃん「各勢力からも人員を割くとして、他はどうなってるの?」

 

王様「中小勢力や冒険者たちにもおふれを出すよ。情報も逐次報告させる。その後は、ダナエさん」

 

ダナエ「何かしら」

 

王様「その後はどうしたらいいの?」

 

ダナエ「それなんだけどねえ、他の神々は軒並み昇天しちゃってて。最近急に凄い量の信仰心が溢れて、それに中てられたみたい」

 

魔王「カオスはなんで平気なの?」

 

カオス「俺は他の連中と違って色んな目に遭ってるし、信仰してる奴も少ないからな。比較的早く立ち直れたんだ。だが三大神はモロに信仰心を浴びて脳を焼かれちまった」

 

ダナエ「しかも肝心の知恵の神とレジェンドは旅行に出かけてていなかったわ」

 

しーちゃん「え?その二人が鍵なの?何か地味じゃない?」

 

ダナエ「ヘルプの書を持って書き込めるのはレジェンドだけだし、書き込むためのインクの製法を知ってるのは知恵の神だけよ」

 

魔王「ヘルプの書?」

ダナエ「簡単に言えば白紙の巻物よ」

アンパン「なるほど分かり易い」

 

 お前を消す方法を書き込み、読み上げればその通りになる。という設定。

 

王様「まあ今直ぐ全部できる訳じゃないし、まずは種芋討伐からだな」

 

ナイ軍「ではこの件に関しては、全面的に強力体制ということで」

 

魔王「うむ。観光客を守らねば商売上がったりだからな!」

 

しーちゃん「ところでさー」

 

しーちゃん「カオスはどこで種を落としたの?」

 

王様「そういやそうじゃ。そこが分かればだいぶ場所が絞れるはず」

 

カオス「うっそ、それは」

 

ダナエ「正直に言ったほうが身のためよ」

 

カオス「実は……ゴミ処理場にいたんだ。廃棄食料のほうの」

 

ナイ軍「あなた、まさか」

 

カオス「いやあそこってさ、食べかけとかゴミじゃなくて、新品そのもののポテチがドカドカ捨てられるだろ?もったいないし、金払うのも何だかなって、それで神の力を使ってちょっと綺麗にしてから、失敬してたんだよ、うん」

 

アンパン「い、いじきたない……」

 

魔王「しかしこの事態を鑑みると寓話的にも見えるな」

 

しーちゃん「食べ物を粗末にしてる人類が怪物に襲われる一方で、乞食の真似をしてる神様は何ともないと」

 

王様「原因はこいつだからひでえマッチポンプだけどね」

 

魔王「まだ消えてないし消えるかも分からんよ。王様」

 

カオス「悪かったよ。でもさ、これも天罰だと思って諦めてくれと。ほらこれ、お詫びに安価指定券※やるからさ」

 

 ※安価指定券↓

 

しーちゃん「イベント用アイテムktkr」

 

カオス「じゃあオレ帰るから。あとはお前らで頑張って」

ダナエ「帰るな。あんたも手伝うのよ」

カオス「え?でもオレ戦いはあんまり」

 

ダナエ「あんたニッチな属性山ほど持ってるでしょ。まぬけ属性正義属性とか。HPだけならボス級なんだし、肉壁くらいにはなるわ」

 

カオス「ええ……まあ、しょうがないか」

 

王様「改めて、話は決まったようだな。至急各員に連絡、街中のぽてと君を一掃しつつ、付近を捜索し種芋ぽてと君を見つけ、これを撃破するように!」

 

兵士・女兵士「は!」

 

 入り口にいた二人が出て行く。

 

 斯くして国中に突如として大量発生した『ぽてと君』問題に対処すべく、王国と他勢力は動き出した。

 

 トラブルと荒事に慣れていたためか、この対策とお触れは瞬く間に広がって行った。

 

 そして冒険者ギルドでは。

 

「大変なことになったな」

「隊長と休みを過ごすとろくなことがない」

 

「こっちの台詞なんだよなあ。金魚の仕入れのときといい、どうしてこうなるんだ」

 

「あ、二人ともおはよう。なんか大変なことになっちゃったねー」

 

 ジュリア・柚葉・こドラのいつもの三人が合流していた。

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