これは私が体験した不思議な出来事の話
私は結束バンドのベース担当の山田リョウ、そして今目の前で何故か溶けているのが私の恋人の後藤ひとりことぼっち…なんで溶けてるのかは数分前の出来事なんだけど…私が誕生日に風邪を引いてしまって看て貰った時に「完治した時にプレゼントを渡しますね!」と言っていたぼっち…そしていざ完治したのが今日なんだけど…忘れてきたみたいで後悔の念で溶けているらしい、正直私は診てもらったことが嬉しかったからそこまで気にしてないんだけどね
り「ぼっち、そこまで落ち込まなくていいから…」
ぼ「わ、私は…好きな人の誕生日プレゼントを忘れる愚か者です…あばばば…」
り「……ぼっち、それなら今日は私の話し相手になって明日渡してほしいな?」
ぼ「あばばば…へ?…い、いいんですか?」
り「もう誕生日が過ぎてる主役の言葉は聞けない?」
ぼ「い、いえ!今日はリョウ先輩を沢山楽しませます!」
り「ふっ…ぼっちの行動なら何時でも楽しいよ?」
ぼ「えへへ…そうですかね…えへへ…」
り「うん、ぼっちと話してて飽きた事なんて一度もないしね」
ぼ「えへへ…うぇへへへ…♪」
これは本当の事なんだけどここまで喜んでくれるなら言って良かったかな…それにしてもぼっちはどんなプレゼントを用意してくれたんだろう…明日が楽しみだな…
そしてその日はぼっちと会話を楽しんで眠ることにした。帰りにも「あ、明日は期待しててください!」って言ってたし…今から楽しみ…そんなことを考えているうちに私はいつの間にか意識を手放し夢の中に入っていた
り「……この時計…なんだろう…?」
り「砂時計…だよね?周りには私の名前以外書いてないし…わっ!?」
り「っ…な、なにかダメな気がする…戻さないと…」
気がつくと変な空間に私は立っていた。周りは暗い空間で目の前の砂時計?みたいなものしか見えない…仕方がないから触っていたら急に砂時計が一回転してしまった
回した瞬間…私の体の奥から「戻せ触るな」という信号が出て急いで元の位置まで回転させた…あれはなんだったんだろう?
り「……ここは…夢の中だよね…なのに意識はハッキリしてるし…正夢?」
「ここは夢と現実の狭間ですよ」
り「だ、誰!?……え?」
「初めまして?私の名前は…」
り「虹夏、天使のコスプレして何してるの」
「なっ!?ち、ちがっ…コホン…私の名前はニジカエル!虹夏なんて知りません!」
り「2時に帰るの?私もついて行っていい?」
「ヌゥゥゥ!!話聞かねぇ!こいつ!」
だって目の前の女の子は金髪にサイドテールで三角のアホ毛…虹夏にしか見えない…強いて言うなら白い羽と天使のリング?があることくらいかな…まぁ、何となくだけど虹夏じゃないって言うのは分かるし話を進めてあげようかな
り「それで?ここが夢と現実の狭間ってどういうこと?」
「急に話を戻したな…コホン…えーと…リョウはね?本来この世界に来るはずがないんだけど…何故か入り込んだんだよね」
り「……なんで?」
「い、いやー…手違いというかー…なんというかーあはは」
り「…もしかして虹夏の手違い?」
「だーかーらー!ニジカエルだって!……まぁ、私の手違いなんだけどぉ…」
り「ふーん…じゃあ私はすぐに帰れるんだね」
「まぁね…見たところ何も触ってないみたいだし問題は無いと思うよ」
り「えっ…」
何も触ってない?つまり何か触ったら大変なことになるんじゃ…珍しく思考が回るせいで何やら嫌な汗までかき始めてきた…
虹夏も察してくれたのか徐々に顔が青ざめていった
「………もしかして、あの砂時計触っちゃったとか?」
り「……うん」
「バカー!?あれは時間の砂時計なんだよ!?1回回したら変な事になっちゃうんだから!?」
り「じ、時間の砂時計?」
「……ち……い…て…!?」
り「ごめん…なんだか意識が…」
「……!…!」
ニジカエルが何か言ってるけど何か聞き取れない程の急な眠気が私を襲った…あれは時間の砂時計って所までは聞こえたけど…すぐに戻したし大丈夫だよね…意識が落ちる瞬間ニジカエルの泣きそうな顔が目に焼き付いてしまった
り「……んん…朝…変な夢見てた気がする」
り「あっそうだ…今日はぼっちにプレゼントを貰う日だよね。早く会いに行こう」
目が覚めた私は何か大切な事を忘れている気がしたけどそんなことより大切なぼっちのプレゼントが気になって急いでスターリーに向かうことにした。中にはいると既にぼっち達は準備室にいた
ぼ「あっおはようございます。リョウ先輩」
喜「おはようございます!」
虹「おはよー!なんだか慌ててるけど大丈夫?」
り「うん、それよりぼっち。今日は持ってきてくれた?」
ぼ「へ?な、何をですか…?」
り「プレゼントだけど…今日持ってくるって」
ぼ「プレゼント…?」
虹「ちょっとリョウ!また何かタカろうとしてるでしょ!」
喜「先輩!私が貢ぎますよ!」
り「2人ともうるさい。ぼっち…流石に2日連続は許さないからね? 」
ぼ「えっ…あっ…」
虹「リョウ…ぼっちちゃん困ってるからやめなよ」
喜「そ、そうですよ…流石にひとりちゃんが可愛そうです」
り「うっ…そうだね…ごめん…少し落ち着くよ」
確かにこれだと恐喝にしか見えないよね…少し焦りすぎてたみたい…ぼっちも縮こまってるし…あれ?でもなんだか違和感があるのは…気の所為…?
ぼ「す、すみません…なんのプレゼントでしょうか」
り「……誕生日プレゼント。昨日持ってくるの忘れたって言ってたから楽しみにしてた」
虹「リョウ、疲れてるの?まだ先でしょ?」
り「え?」
喜「先輩の誕生日って確か9月18日ですよね?今日は5月26日ですよ?」
り「!?」
急いで携帯を確認すると確かに日付は5月26日と表示していた。なんで…しかも私はホーム画面をぼっちとのツーショットにしていたはずなのに昔の画面に戻っていた
そして…私は徐々に夢の内容を思い出してきた
虹「リョウ…顔色悪いけど大丈夫…?」
り「……ぼっち、質問いい?」
やめた方がいい
ぼ「は、はい」
その質問の答えを聞いた時私は
り「ぼっちに恋人はいるの?…好きな人も」
私は
虹「ちょっとリョウ!?」
喜「先輩!抜けがけはダメですよ!」
ぼ「えっ…いませんよ?す、好きな人も居ませんし」
耐えられない
り「……………」
喜「せ、先輩?」
虹「リョウ…?」
分かってはいたけどここは過去の世界…しかも私が砂時計なんかを回したせいで戻ったぼっちと付き合う前の世界らしい。5月26日は落ち込んだ私を励ます為にぼっちが私を家に連れて行ってそこで初めて恋心を自覚した日、つまり…「この世界のぼっちは恋人でもなんでもない」
その事が分かった瞬間。私の目の前は真っ暗になった