神様に色々な世界に飛ばされて歴史を変えてきた俺だが、最愛の人ができ、最後の異世界転移を神様に告げられた時、一つだけ納得いかない事が有ったので文句を言ったら、それを叶えて貰った話。+上条美琴物語(笑) 作:仏のマスター
おまけ話の投降に関しては変わらず不定期です(笑;)
ドン、ドカァン!!!!
「キャッ!?」
白井さんが師匠の応援に行ったあと、更に大きな爆発音が響き渡り、それは私がいるところまで爆風が飛んでくるくらいだった。
言われた通り避難誘導をしていた私も尻餅をついてしまい、火の手があがった林道を黙って見ているしかできなかった。
「白井さん……師匠…………」
二人の事が心配になったが、私の体はまるで腰が抜けたように動かず、ジリジリと焼けていく木々を眺めているしかできなかった。
「大丈夫か!?」
肩を掴まれ振り返ると、アンチスキルのお姉さんだった。
「私は大丈夫です! けど師匠達が爆破犯を追って中に」
「一般人が居るのか!?」
「いえ、二人はジャッジメントです」
「オーケー。鉄装、うちらで先行して乗り込むじゃんよ!」
「は、はい!」
アンチスキルの数名が林道の中へ入っていった。私は念の為と医療班のお姉さんに治療を受ける事に……とはいっても特に怪我は無く、直ぐに治療は終わり、何か私にもできる事はないかと思ったけど、アンチスキルが到着した今、私にできる事は殆ど無かった。
「私の能力がもっと強かったら……二人についていけたのかな…………」
そんな事を考えていたら、林道から白井さんと師匠が戻ってきて…………
「……えっ?」
「医療班はどちらですの!? 重症者一名、至急手当てを!!」
「こちらです!」
白井さんに肩を担がれた師匠はボロボロで……頭から血を流していた。それに意識も無いように見えた。
私は急いで二人の所へ走った。
「白井さん!」
「……佐天さん」
「師匠は大丈夫なの!?」
「……かなりの重症ですわ。私を爆発から庇って……また、助けられてしまったですの」
白井さんはかなり落ち込んだ雰囲気で、掛ける言葉が出てこなかった。師匠は治療班の人達に応急手当てを受けているみたいだけど、意識はまだ戻ってないみたいだった。
「……佐天さん。お兄さまの病院までの付き添いをお願いしても?」
「それはいいけど、白井さんは?」
「私にはまだジャッジメントとしてやる事が残っておりますので」
白井さんはそう言って、消火活動の続く林道の方に視線を向けていた。
「……分かった」
「お願いしますの」
「……知らない天井だ」
目を覚ますと知らない天井、知らないお部屋、知らないベットの上で俺は目覚めた。
とりあえず現状把握をしようと身体を起こそうとしたら、激しい全身の痛みが襲い、俺は起き上がる事ができなかった。仕方なく首だけを振って自身と周りを確認すると……腕に刺された点滴、それにこれはナースコールかな? 他に人が居ないとこを見ると個室らしい。
どうしてこうなった? まさかまた初春さんのアレをラッキースケベして出血多量で病院に!? いや、流石にそれは……ボンヤリとした頭で何とか記憶を取り戻そうとしていたら病室の扉が開いて…………
「――あっ」
「あっ……初春さん?」
花の入った花瓶を胸に抱えた初春さんが部屋の中へと入ってきた。
「良かった……もしこのまま目を覚まさなかったとしたら私……私」
「――えっ!? ちょ、初春さん!?」
胸に抱えた花瓶を強く抱きしめ、震えながら初春さんが……泣いて? そんな初春さんを泣かせない為にこの世界に来たのに、俺が泣かせるとか絶対アウトだろぉぉぉぉぉ!?
次回「サイレントマジョリティー」