「そうか…カイトは…」
「そうだ。お前たちはアカデミアの特務部隊に利用されていた。だが、そいつは遊矢が倒した」
今まで自分たちのやってきたことが、ただアカデミアの利する行為でしかなかったことに気付き、クローバー校のレジスタンスたちは肩を落とす。
自分たちはこれまで、スペード校とたもとを分かつことになったとはいえ、自分たちの行動がエクシーズ次元の未来につながると信じて戦ってきた。
それを見事に否定され、挙句の果てには利用されたとなると、もはや自分たちはピエロに思えてしまう。
「カイトもレナードもいない…。俺たちはどうすれば…?」
「どうすれば?決まっているだろう。もう1度だけ、一緒に戦ってほしい。カイトもそれを望んでいるはずだ」
「だが、俺たちは…」
「悩む時間はもう俺たちには残されていない!お前たちのやったことについてはエクシーズ次元を復興させた後だ!」
おそらく、仲間を奪われたメンバーを中心に反発を招くかもしれない。
だが、それでもエクシーズ次元を解放するにはエクシーズ次元全体の力を結集させる必要がある。
そのためには、後回しにしなければならない問題は後回しにし、今やるべきことをやるだけだ。
「…分かった。少しでも償いになるのなら、可能な限り手を貸そう」
「驚いたわ。まさか、対立するレジスタンスをもう1度一つにしようだなんて」
「その声は…?」
入ってきた女性にデュエルリング中のデュエリストたちの視線が向く。
彼女は病院前での戦いの後、消息を絶っていたグロリアだった。
見覚えのないデュエリストで、警戒したレジスタンスたちはデュエルディスクを展開しようとする。
「待ってくれ、彼女は…」
「私は敵じゃないわ。今のところは、だけど…」
警戒を解くため、グロリアは装着していたデュエルディスクを外し、カードケースも含めて床に置く。
そして、両手をかざし、自分が無防備だということを証明した。
「あなたたちに話があって来たわ。準備がいいのなら、だけど」
「準備…?」
「そう、うまくいけば、あなたたちで本部へ奇襲できるかもしれない…永瀬伊織の救出もできるかもしれないわ」
「伊織の救出?もしかして、伊織は本部にいるの?」
「そうだ。今は牢獄に収監されているが、近いうちに融合次元へ送られる可能性が高い。急ぐ必要があるぞ」
「グロリア、どうしてそんな情報を…?」
グロリアが話している情報はおそらく、アカデミア内の機密情報だろう。
そんなことをアカデミアの敵であるランサーズの遊矢達に話していいはずがない。
だが、話したとなるとおそらくは覚悟を決めてのことだろう。
「…今も、分からない。アカデミアの正義を信じて、これまで戦ってきた。それを信じたいという気持ちがどこかで残っている。だから、あなたたちが証明して。あなたたちが正しいって…」
あまりにも人任せな願いだと自分でもおかしくて笑ってしまう。
それでも、自分なりにできる精一杯を今はしている。
あとはそれをどう受け止めてもらえるかだ。
「分かった…。教えてくれ、グロリア。どうしたら奇襲ができる?」
「ジェルマンは内部にレナードを送り込んだ。おそらく保険として、本部からデュエル戦士を転送するための受信機がこの中にあるはずよ。レジスタンス総出の陽動のおかげで、使われていないようだがな」
「場所は分かるのか?」
「それが問題だ。私にはこの施設のどこかにあるということしか…」
「あるよ。それ…体育館にある避難用シェルターの中」
「アレン…?」
サヤカと共にデュエルリングへやってきたアレンがうつむいた状態で、小さな声で答える。
カイトのことは彼も既に知っているようで、そのショックは大きいだろう。
今はサヤカの手を借りないと経っていられないくらい憔悴している。
「多分、だけど…。俺、前にこっそりシェルターの中を見に行ったことがあるんだ。それで、変な部屋を見つけて。気になってたから、覚えてた…」
それはシェルターの中にまだ残っている食料を運び出しに行った時のことだ。
その時に偶然、そのシェルターにはないはずのもう1つの部屋のドアの存在に気づき、扉を開けようとしたが、鍵がかかっていて空けることができなかった。
何度もシェルターの出入りをしているアレンはある程度シェルターの構造を知り尽くしていたため、その不可思議な部屋の存在が頭に残っていた。
「案内してくれるか…?アレン」
「うん…ついてきて」
「おとなしくしろ。また戻って襲われたら面倒だからな」
倒したデュエル戦士のデュエルディスクを取り上げ、結束バンドで彼の腕を封じる翔太は次の相手を探すために周囲を見渡す。
既に戦いが始まってから数時間経過しようとしていて、疲れを見せるレジスタンスのメンバーもいる。
今は此方が攻勢になっているものの、まだ相手の本丸にすらたどり着いていない。
このままではスタミナ切れでこちらが壊滅する可能性があり得る。
「早く本部への道を…ちっ、またお前かよ」
再び自分の目の前に現れた、大柄な隻眼の男に翔太はため息をつく。
スタンダード次元でもシンクロ次元でも一度は倒したはずなのに、懲りずにまた現れる。
彼には学習能力がないのかとため息をついてしまう。
「セレナは連れて帰ったんだろ?まだ足りないのか…?おっさん」
「セレナ様のことは関係ない。今の私はエクシーズ次元攻撃のために派遣された兵士の1人だ」
「気高きプロフェッサー様の理想実現のための捨て駒、だろ?」
挑発するような言動をする翔太だが、バレットはフッと軽く笑って受け流す。
伊達に年を重ねたつもりも、戦歴を積んできた覚えもない。
ただ、今自分の中には別の何かが芽生えているように感じられた。
それを生み出しているのは今、目の前にいる彼だ。
「さあ、俺たちは敵同士だ。やるべきことはわかっているだろう?」
「…なら、しゃべってねえでさっさと始めるぞ。てめえに付き合ってる暇はねえんだ」
「ほぉ?仲間のことを気にしているのか?私も時間をかけられる立場ではない。手短に済ませよう」
バレット
手札5
ライフ4000
翔太
手札5
ライフ4000
「先攻は私がもらう。私は手札から永続魔法《獣闘機融合装置》を発動。1ターンに1度、私の手札・フィールドのモンスターを素材に獣闘機モンスター1体を融合召喚できる。私は手札の《ダーク・センチネル》と《激昂のミノタウルス》を融合。怒りに燃える牛人よ、聖なる闇の番人と交じり合いて、新たな狂戦士となれ!融合召喚!現れ出でよ、《獣闘機タウルス・バーサーカー》」
口から上の大部分が機械となり、背中からは斧を持つサブアーム2本を装着した《激昂のミノタウルス》が現れるとともに、雄たけびを上げる。
獣闘機タウルス・バーサーカー レベル6 攻撃2100
「私はカードを1枚伏せ、ターンエンド」
バレット
手札5→1
ライフ4000
場 獣闘機タウルス・バーサーカー レベル6 攻撃2100
獣闘機融合装置(永続魔法)
伏せカード1
翔太
手札5
ライフ4000
場 なし
(新しい獣闘機…攻撃力の低いこいつを棒立ちか?)
これまでバレットが使ってきた獣闘機はいずれも攻撃力がそれほど高くないモンスターばかりだ。
効果は積み重なれば手間取るが、ここは速攻で片づけてしまえば問題はない。
あくまで、これまで彼が使った2枚のモンスターからつかんだ傾向で、全体像がつかめているわけではないが。
「俺のターン、ドロー」
翔太
手札5→6
「俺は手札から《魔装獣ユニコーン》を召喚」
魔装獣ユニコーン レベル4 攻撃1600
「そして、このカードは俺のフィールドに存在する魔装モンスター1体をリリースすることで、手札から特殊召喚できる。《魔装鳥フェニックス》を特殊召喚」
魔装鳥フェニックス レベル7 攻撃2300
「バトル。《フェニックス》で《タウルス・バーサーカー》を攻撃!」
《魔装鳥フェニックス》が上空から《獣闘機タウルス・バーサーカー》に向けて炎の玉を発射する。
炎を受けた狂戦士はあまりの熱で叫びをあげる。
「これで…!」
「無駄だ。《タウルス・バーサーカー》は狂戦士。故に窮地であろうと退かず、だ」
炎を受けたはずの《獣闘機タウルス・バーサーカー》は叫び声を上げながら持っているすべての斧を上空の《魔装鳥フェニックス》に向けて投げつける。
上空の《魔装鳥フェニックス》は1本目の斧は体をそらして回避し、2本目3本目を口から放つ炎で溶解させる。
しかし、避けたはずの斧がブーメランのように戻ってきて、不死鳥の背中に刺さる。
背後からの一撃を受けたそのモンスターは地表に転落した後で消滅する。
そして、その衝撃がバレットを襲う。
「ぐう…う!!《獣闘機タウルス・バーサーカー》と戦った相手モンスターはダメージステップ終了時に破壊される」
バレット
ライフ4000→3800
「ちっ…だが、《フェニックス》は不死鳥だ。こいつはカード効果で破壊されたターン終了時に、墓地から復活する」
「らしいな。だが、この程度で済ませるつもりはない。私は永続罠《刃の獣闘機勲章》を発動。1ターンに1度、私の獣戦機モンスターが相手モンスターを戦闘・効果で破壊したとき、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える」
「何…!?」
いくつもの刃が表面につけられた勲章が出現し、そこから発射される剣閃が翔太を襲う。
「くう…!!」
翔太
ライフ4000→1700
「くそ…そっちだったか」
翔太はバレットが遊矢を追い詰めたときに使っていた《紅鎖の獣闘機勲章》を思い出す。
そのカードはエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターを対象にし、そのモンスターの身動きを封じるだけでなく、更には召喚・特殊召喚と魔法・罠カードの発動を封じる強烈な効果を持っている。
彼が伏せていたカードがそれだと考えた翔太はエクストラデッキからの召喚ではなく、手札から特殊召喚したモンスターでどうにかしようと考えたが、誤算だった。
そして、当然のごとく別の効果も発動する。
「そして、《タウルス・バーサーカー》の効果。このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られたとき、墓地から融合素材となったモンスターを特殊召喚できる」
激昂のミノタウルス レベル4 攻撃1700
ダーク・センチネル レベル4 攻撃1500
獣闘機タウルス・バーサーカー
レベル6 攻撃2100 守備1800 融合 闇属性 機械族
レベル4以下の獣戦士族モンスター+レベル4以下の機械族モンスター
(1):このカードが相手モンスターと戦闘を行ったダメージステップ終了時に発動する。その相手モンスターを破壊する。
(2):このカードが戦闘で破壊された場合に発動できる。 このカードの融合素材としたモンスター一組を自分の墓地から特殊召喚する。
「これで…お前は次のターンに獣闘機を融合召喚できる…そういうことか」
おそらく、彼のエクストラデッキにはまだ《獣闘機タウルス・バーサーカー》がある。
ターン終了時に復活する《魔装鳥フェニックス》にもう1度攻撃し、その効果で撃破することで翔太のライフを一気に0にすることができるだろう。
堅実なデュエルをする男とセレナは称していて、彼と2度デュエルをした翔太もそれを体験したが、このやり方は想定外だった。
「どういう心境の変化だ?俺に手痛い一発を食らわせやがって」
「戦場は何が起こるかわからん。臨機応変さが問われる。それだけのことだ」
「面白くねえ奴だよ、てめーは。俺は手札から魔法カード《聖天使の施し》を発動。俺のフィールドにカードがない時、デッキからカードを2枚ドローし、手札1枚を墓地へ捨てる」
手札から墓地へ捨てたカード
・ロンギヌスの槍
「そして、カードを1枚伏せてターンエンド。そして、ターン終了と同時に《魔装鳥フェニックス》は復活する」
翔太のデュエルディスクから大きな炎が出現し、その炎に五芒星の光が宿る。
その光を中心に炎は次第に《魔装鳥フェニックス》へと変化していった。
バレット
手札1
ライフ3800
場 激昂のミノタウルス レベル4 攻撃1700
ダーク・センチネル レベル4 攻撃1500
獣闘機融合装置(永続魔法)
刃の獣戦機勲章(永続罠)
翔太
手札6→3
ライフ1700
場 魔装鳥フェニックス レベル7 攻撃2300
伏せカード1
「私のターン、ドロー」
バレット
手札1→2
「私は《獣闘機融合装置》の効果発動。フィールドの《ミノタウルス》と《ダーク・センチネル》を融合。融合召喚。現れ出でよ、《獣闘機タウルス・バーサーカー》」
獣闘機タウルス・バーサーカー レベル6 攻撃2100
「更に、私は手札から装備魔法《守護者の獣闘機勲章》を《タウルス・バーサーカー》に装備」
復活したばかりの《獣闘機タウルス・バーサーカー》の胸部にぶつかり合う2つの盾が刻まれた勲章が装着される。
「バトル。《タウルス・バーサーカー》で《フェニックス》を攻撃!」
「俺は伏せカードを…何!?」
伏せカードを発動しようとする翔太だが、その伏せカードが勲章から発射される緑色の光によって封じられる。
「無駄だ。《守護者の獣闘機勲章》を装備したモンスターの攻撃に対して、相手は魔法・罠カードを発動できない。これでその不死鳥を守る手段を封じた!」
《獣闘機タウルス・バーサーカー》がとびかかり、《魔装鳥フェニックス》を組み伏せる。
2体のモンスターは背後にあるビルにぶつかり、爆発とともに消滅する。
そして、その衝撃でビルが折れ、翔太に向かって落ちてくる。
「《刃の獣闘機勲章》の効果により、お前は《フェニックス》の元々の攻撃力2300のダメージを受ける。貴様はここまでだ!」
ビルが翔太を巻き込んで地面に落ち、その周辺が粉塵に包まれていく。
たとえデュエルを続けることができるとしても、ビルの倒壊に巻き込まれては助からない。
バレットは背を向け、立ち去ろうとする。
「待てよ…まだデュエルは終わってねえだろ…?」
「何…?」
翔太の声が聞こえ、バレットは思わず振り返る。
粉塵が風で吹き飛ばされると、そこには紫色の光のバリアで包まれた翔太と五芒星が刻まれた茶色い石板を手にし、白と青をベースとした古代ギリシャ風の服装をした白髪の老人の姿があった。
「俺は手札の《魔装学者ヘロドトス》の効果を発動した。こいつは俺が効果ダメージを受けるとき、手札から特殊召喚できる」
魔装学者ヘロドトス レベル3 守備1500(チューナー)
バレット
ライフ3800→3600
「そして、その効果ダメージを0にし、更にデッキから受けるはずだった効果ダメージ以下の攻撃力を持つ魔装モンスター1体を手札に加える。俺はデッキから《魔装亀テンセキ》を手札に加える」
「なるほど…その効果で己の身を守ったというのか…だが…」
バレットがそれ以上に気になるのは翔太を包む奇妙な紫色の光だ。
アカデミアがこれまで集めた情報では、カード化した人々を解放する能力があることは分かっているが、このような力を持っているとは聞いていない。
ヴァプラ隊の隊長である侑斗や彼の仲間であるヒイロ・リオニス、神代凌牙は特殊な力を持っていることから、おそらく彼らとつながりがあるかもしれない。
だが、その疑問は今のデュエルでは関係ないことだ。
「しかし、まだ私のバトルフェイズは終わっていない。《守護者の獣闘機勲章》の効果発動。このカードが装備モンスターが破壊されたことで墓地へ送られたとき、墓地から獣闘機モンスター1体をエクストラデッキに戻し、デッキからカードを1枚ドローできる。私は《タウルス・バーサーカー》をエクストラデッキに戻し、カードを1枚ドロー。そして、先ほど戦闘破壊された《タウルス・バーサーカー》の効果。墓地から《激昂するミノタウルス》と《ダーク・センチネル》を特殊召喚!」
激昂するミノタウルス レベル4 攻撃1700
ダーク・センチネル レベル4 攻撃1500
守護者の獣闘機勲章
装備魔法カード
「獣闘機」モンスターにのみ装備可能。
(1):このカードを装備したモンスターが攻撃するとき、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
(2):装備モンスターが破壊されたことによってこのカードが墓地へ送られたとき、自分の墓地に存在するそのカード以外の「獣闘機」融合モンスター1体を対象に発動できる。そのカードを自分のEXデッキに戻し、デッキからカードを1枚ドローする。
「《激昂するミノタウルス》で《ヘロドトス》を攻撃」
「俺は《魔装亀テンセキ》の効果発動。このカードを手札から墓地へ送り、このターン俺の魔装モンスターは戦闘では破壊されず、俺が受ける戦闘ダメージも0となる」
《魔装亀テンセキ》の甲羅が《激昂するミノタウルス》の斧を受け止める。
翔太の襲うはずだった余波もその甲羅が吸収してしまった。
《魔装亀テンセキ》が手札になければ、このまま貫通ダメージと《ダーク・センチネル》の攻撃で敗北していた。
「私はカードを2枚伏せ、ターンエンドだ…」
「ターン終了時に、墓地の《フェニックス》は蘇る」
バレット
手札2→0
ライフ3600
場 激昂のミノタウルス レベル4 攻撃1700
ダーク・センチネル レベル4 攻撃1500
獣闘機融合装置(永続魔法)
刃の獣戦機勲章(永続罠)
伏せカード2
翔太
手札3→2
ライフ1700
場 魔装鳥フェニックス レベル7 攻撃2300
魔装学者ヘロドトス レベル3 守備1500(チューナー)
伏せカード1
「俺のターン、ドロー」
翔太
手札2→3
「俺は手札から魔法カード《魔装門》を発動。相手フィールドに《魔装幻影トークン》2体を特殊召喚し、デッキから魔装カード1枚を手札に加える。俺はデッキから《魔装融合》を手札に加える」
魔装幻影トークン×2 レベル6 攻撃2000
「そして、俺は手札から魔法カード《魔装融合》を発動。その効果で、俺は魔装モンスター1体を融合召喚できる。俺は《フェニックス》、《ヘロドトス》、そして墓地の《ユニコーン》を融合!幾度となる蘇る不死鳥よ、歴史の語り部よ、騎士の馬よ、魔導の力によりて、今1つとならん。融合召喚!真紅の騎士、《魔装騎士レッドライダー》!!」
魔装騎士レッドライダー レベル8 攻撃3000
「このタイミングで《レッドライダー》を融合召喚したか…だが無駄なことだ。私は速攻魔法《先駆けの獣闘機勲章》を発動。相手がモンスターを召喚・特殊召喚した相手ターンに発動でき、私の手札・フィールドのモンスターを素材に獣闘機モンスターを融合召喚する。私は《激昂するミノタウルス》と《ダーク・センチネル》を融合。融合召喚。現れ出でよ、《獣闘機エレファント・ガードナー》」
人間と象を組み合わせたような体つきのモンスターが体の左半分を機械化させた状態で現れる。
獣闘機エレファント・ガードナー レベル6 守備2600
先駆けの獣闘機勲章
速攻魔法カード
このカード名のカードは1ターンに1度しか発動できない。
(1):相手がモンスターを召喚・特殊召喚に成功した相手ターンにのみ発動できる。自分の手札・フィールドから、「獣闘機」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
「そして、このカードは俺のフィールドに魔装騎士が存在するとき、手札から特殊召喚できる。《魔装槍士ロンギヌス》を特殊召喚」
魔装槍士ロンギヌス レベル3 守備0
「《レッドライダー》の効果。俺がモンスターの特殊召喚に成功した俺のターンのバトルフェイズの間、攻撃力を1000アップさせる」
魔装騎士レッドライダー レベル8 攻撃3000→4000(バトルフェイズ終了時まで)
「攻撃力4000…。だが、《エレファント・ガードナー》が存在する限り、お前は《エレファント・ガードナー》以外の俺のモンスターを攻撃対象とすることができない」
「バトル。《レッドライダー》で《エレファント・ガードナー》を攻撃!必殺真剣!」
《魔装騎士レッドライダー》が両手剣を振り回し、力任せに《獣闘機エレファント・ガードナー》を両断しようとするが、《獣闘機エレファント・ガードナー》は機械化した左手からビームシールドを展開する。
「《エレファント・ガードナー》の効果。このカードは獣闘機勲章が私の魔法・罠ゾーンに存在する場合、1ターンに1度、戦闘・効果では破壊されない」
「だが、ダメージは受けてもらう!《魔装槍士ロンギヌス》が存在する限り、魔装騎士が守備モンスターを攻撃したとき、貫通ダメージを与える」
攻撃の余波がバレットを襲い、彼は両腕で身を護るように受け止める。
バレット
ライフ3600→2200
「《レッドライダー》は相手モンスターを戦闘破壊したとき、続けてもう1度だけ相手モンスターを攻撃できる。それを利用して《魔装幻影トークン》を攻撃し、一気に終わらせるつもりのようだったが、残念だったな」
「いいや、これでデュエルは終わりだ…てめーの負けでな」
「何…?」
「俺は墓地の《ロンギヌスの槍》の効果発動!俺の魔装騎士が戦闘で相手モンスターを破壊できなかったとき、墓地のこのカードを除外することで、続けてもう1度だけ攻撃できる。その時、そのモンスターの攻撃力はダメージステップ終了時まで倍となる!」
《魔装槍士ロンギヌス》が握っている槍を天に掲げる。
すると、穂先から赤い光が発生し、その光を吸収した《魔装騎士レッドライダー》の力が高まる。
魔装騎士レッドライダー レベル8 攻撃4000→8000(ダメージステップ終了時まで)
「続けて攻撃しろ、《レッドライダー》!」
更に攻撃力を高めた《魔装騎士レッドライダー》が《獣闘機エレファント・ガードナー》を今度は縦に両断するために振り下ろそうとする。
「く…!罠発動!《魔法の筒》!その攻撃を無効にし、攻撃モンスターの攻撃力分のダメージをお前に与える!」
「カウンター罠《魔宮の賄賂》!相手の魔法・罠カードの発動を無効にし、破壊する!」
「な…!?」
逆転の一手のはずの《魔宮の賄賂》が消滅し、ビームシールドを展開する出力を失っている《獣闘機エレファント・ガードナー》の肉体が生身の部分と機械の部分が器用に両断された状態で破壊される。
「うわあああああ!!」
バレット
ライフ2200→0
魔装学者ヘロドトス
レベル3 攻撃1500 守備1500 闇属性 魔法使い族
【Pスケール:青4/赤4】
このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードはもう片方の自分のPゾーンに置かれているPモンスターが「魔装」モンスター以外の場合、墓地へ送られる。
(2):Pゾーンに存在するこのカードをリリースし、自分フィールドに存在するP召喚された「魔装」モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターはターン終了時までチューナーモンスターとしても扱う。
【チューナー】
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しか行えない。
このカードをS素材とする場合、「魔装」モンスターのS召喚にしか使用できない。
(1):自分が効果ダメージを受けるときに発動できる。手札のこのカードを特殊召喚し、その効果で受けるダメージを0にする。その後、そのダメージの数値以下の攻撃力を持つ「魔装」モンスター1体をデッキから手札に加える。
刃の獣闘機勲章
永続罠カード
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールド・墓地の「獣闘機」モンスターが相手モンスターを戦闘・効果によって破壊したときに発動できる。破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
(2):自分フィールドに存在する「獣闘機」カードが破壊されるときに発動できる。代わりにこのカードを破壊する。
獣闘機エレファント・ガードナー
レベル6 攻撃1000 守備2600 融合 闇属性 機械族
レベル4以下の獣戦士族モンスター+レベル4以下の機械族モンスター
(1):このカードがフィールドに存在する限り、相手は「獣闘機エレファント・ガードナー」以外を攻撃対象とすることができない。
(2):自分魔法・罠ゾーンに「獣闘機勲章」魔法・罠カードが存在する限り、このカードは1ターンに1度、戦闘・効果では破壊されない。
(3):このカードが戦闘で破壊された場合に発動できる。 このカードの融合素材としたモンスター一組を自分の墓地から特殊召喚する。
「はあはあ…」
倒れたバレットを見た翔太はゆっくりと彼の前へ歩を進める。
バレットは先ほどのダメージのせいか起き上がることができず、近づく翔太に目を向ける。
戦士として戦い、敗れた以上は覚悟はできている。
バレットは目を閉じ、カード化される覚悟を固める。
だが、近づいていた足音は素通りし、後ろへと響き始める。
「…なぜ、私をカードにしない?」
バレットの質問が聞こえた翔太は足を止める。
少しだけ静寂が流れた後で、翔太は振り返ることなくつぶやく。
「さあな…?俺にもわからねえよ。っていうより、カード化するほど暇じゃあねえんだ」
「仲間をすくうためか…?ならば、無意味だな。どんなに戦ったとしても、本部にたどり着くことすらできな…!?」
バチバチと翔太の左手の痣から紫色の光が発生する。
そこから感じる強い痛みから、何かがあることを感じ始めていた。
(なんだ…?奴の痣は?いったい何だというのだ…?)
「少しでも動けるんなら、さっさと帰れよ。レジスタンスにリンチされても知らねーぞ」
「いいのか…?ここで私をカード化しないことを後悔することになるぞ」
「…しねーよ」
やはり、前へ進むたびに痛みがどんどん強まる。
本当はこういう痛みは歓迎しないが、決定打となるなら話は別だ。
翔太の進む方向にはエクシーズ次元、ハートランドシティの象徴と言える遊園地、ハートランドがある。
ボロボロの入場ゲートをリアルソリッドビジョンで召喚した《魔装騎士ペイルライダー》のライフルで破壊し、翔太は中へ入った。