遊戯王ARC-V 戦士の鼓動   作:ナタタク

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第115話 深海より目覚めるドラゴン

「遊矢…ご飯、持ってきたわよ」

コンコンと遊矢の部屋をノックした柚子だが、返事は聞こえない。

ファウスト島を出てから3日、島で手に入れた海路図を基に、アカデミアが仕掛けているであろう機雷やレーダーから逃れるべく、現在は迂回している。

船長からの情報によれば、あと4日でアカデミアに到着できるとのことだ。

ファウスト島からは目と鼻の先であり、まっすぐ進みたいところだが、何が何でも勝たなければならないことから、少しでも危険を避けることが賢明なのかもしれない。

柚子は置きっぱなしになっているトレーに目を向ける。

朝持ってきたものだが、冷めていて、手を付けた痕跡もない。

「遊矢…ちゃんと、食べてね」

今の柚子にはできることは、そうして声をかけることくらいだった。

 

(小僧、食わぬのか?)

自室のベッドに横たわり、起きる気配を見せない遊矢にオッドアイズが声をかけるが、反応を見せない。

遊矢の脳裏に浮かぶのはエドと永瀬博士の死に顔、そして悲しむ柚子の顔。

次元戦争を止めるために、笑顔を取り戻すために戦っているにもかかわらず、悲しみが増える一方だ。

(マスター…その、元気出してよ。マスターはボクに、あの人に笑顔を…)

(やめておけ、小娘。今のあの男には言葉は届かん)

(オッドアイズ、けど…けど、ほうっておけないよ!今のままじゃ、マスターは…)

(ああ、そうだ。これこそが、この絶望こそが時計の針を進める。だが、それを止めるのは俺でも貴様でもない)

(じゃあ、誰が…?柚子さんが?)

(いや…この甘い小僧に必要なのは荒療治、といったところか)

 

ヒイロの自室には零児と翔太、伊織、侑斗、ウィンダが集まり、ヒイロがノートパソコンを操作し続ける。

ノートパソコンに刺さっているUSBメモリは伊織が永瀬博士から託されたカードケースの中にカードと一緒に入っていたものだ。

「これで…よし。あの博士から受け取ったデータの解析は終わった。これで、自由に閲覧できる」

「お父さんが伝えたかったことが、全部見れるの…?」

「そうだ。時間がかかってしまったがな」

「いえ、それでもあなたがいなければ解析しきれなかった。感謝します、ヒイロ・リオニス」

零児の感謝の言葉をよそに、ヒイロは仲間の一人である遊星のことを頭に浮かべる。

彼にかかれば、一日でこのデータの解析を終わらせることができただろう。

「アークエリアプロジェクト、プロフェッサーの代理人であるAI、世界の分断の引き金を引いたレイとズァーク…そのすべてがこれから分かってくるか…」

「で、アークエリアプロジェクトがそのレイって女をよみがえらせることで、その4人が…なるほどな、そういうことかよ」

データの中にある4人の少女の写真データを見た翔太が顔をしかめる。

アカデミアがそれにこだわる理由をようやく理解できたが、人身御供になる彼女たちのことを哀れに思わずにはいられない。

「プロフェッサーが作ろうとしている理想郷はまさに自分のためだけのもの、欠片で記憶を取り戻してから、今のこの世界を現実ととらえることができなくなったのかもしれない。悲しい話だけど」

だからこそ、次元戦争を引き起こし、大勢の人の命を代償にするような計画を起こすことができ、そしてBAT-DIEのようなものまで作れてしまう。

命を軽んじるそんな彼を許すことはできないが、憐れまずにはいられない。

「そして、ズァークか…。世界の破壊者の遺伝子は引き裂かれてもなお、残った…。…侑斗、ウィンダ、手を貸してくれ。ほかの奴らは全員部屋を出ろ」

「手を貸すのはいいですけど、何を…?」

「2つ、やることがある。1つはこれからやる。もう1つは…それが終わってからだ。すぐに出てくれ」

「おい、何をしようとしているんだ?俺がいちゃ、邪魔なのかよ?」

「保険はかけないといけないからな。特に、ベクターを宿している時限爆弾のお前に、手の内を明かすわけにはいかないだろう?」

「ちっ…!」

そんなことを言われたら、納得するしかないが、スパイのように思われることには納得いかず、舌打ちをし、大股で歩いて部屋を出ていく。

「あ、待ってよ、翔太君!」

「ふう…あとは2人にお任せする」

追いかけるように部屋を出た伊織に続き、零児も2人に頭を下げてから部屋を後にする。

ウィンダがドアに鍵をかけ、翔太は部屋にある棚からケースを出す。

「すぐに1つ目に取り掛かるぞ。こいつを使って、物を作る」

「これは…!?これを、加工するんですか!?それに、これは…」

ケースの中にある原材料と設計図を一通り見た侑斗は驚くしかなく、それで何をしようというのかというヒイロの意図を読むことができなかった。

一番先に思い浮かんでしまうのは、これで遊矢にあまりにも残酷な決断をさせてしまうことだ。

「使うようなことがなければいい。だが、ああなってしまったらあいつには覚悟を決めてもらう。世界のためにな」

「ひどいことを考えますね…シンクロ次元の時といい、あなたは…」

「そうだな、そんな考えを浮かぶような人間は…俺一人で十分だ。このことは榊遊勝にも話す」

 

食事の時間が過ぎ、誰もいない食堂で伊織は机の上に乗っているビャッコを撫でる。

「キュー、キュイー…」

「励ましてくれているの?ありがとう、ビャッコちゃん」

優しく笑った伊織は形見のデッキケースの中にあったカードを手に取る。

これらのカードはきっと、伊織との再会を夢見て、その時のために用意してくれていたのだろう。

「伊織」

「あ、翔太君。ありがとう」

手にしていたカードをテーブルに置き、お茶を受け取った伊織はさっそくそれを飲み始める。

「おい…大丈夫か?」

「え?大丈夫だよ、ほらいつも通りで、カードも手に入ったから思いっきりパワーアップさせて…」

「はぁ…。で、空回りか?まぁ、俺が言う義理じゃあないが、無理すんなよ。お前の無理ははっきり言って、笑えないからな」

ため息交じりの言葉に、笑顔を作っていた伊織の表情が固まる。

次第に体を震わせ、顔を下に向ける。

「やっと、あえて…あんな体になっていたから、もう難しいってことは…そんなことは分かってた。けど…」

伊織の脳裏には本当の父親である彼の思い出はほんのわずかの時間のものでしかない。

そして、一番強烈に残る記憶が彼の死になってしまった。

「けど…本当はお父さんとほんの少しでもいいから、普通に暮らしたかった…。周りのみんなと同じように、普通に笑いあいたかった…」

ポロポロと涙をこぼし、我慢していた感情を吐き出していく。

そんな伊織の顔を翔太は自分の胸に押し付ける。

「これで、周りは気づかねえだろ…?」

「翔太君…う、うう…」

声を押し殺し涙を流す伊織に翔太は何も言うことはなかった。

しばらく涙を流して、流して、流しつくした伊織はようやく翔太から離れる。

「ごめんね、翔太君。けど…元気が出た。翔太君も翔太君で大変なのに」

「当たり前だ、弱音はこれくらいにしろよな」

(秋山翔太、榊遊矢、ユーゴ、1730に船内デュエルリングへ向かえ。繰り返す、秋山翔太、榊遊矢、ユーゴ、1730船内デュエルリングへ…)

「デュエルリングへ呼び出し…?何だよ、時間まで指定して」

普通ならば、緊急での呼び出しの時に放送されるはずだが、放送でわざわざ時間まで指定してくるのは異例の話だ。

不可解な命令に疑問を抱きながらも、翔太は時計を確認する。

まだそれまでに時間があり、おまけにデュエルリングということはデュエルをする可能性も考えられた。

 

「永瀬博士…プロフェッサー…そして、アークエリアプロジェクト…なるほど…」

船内の病床に横たわる遊勝はヒイロから伝えられた一つ一つの言葉を自分の中でかみ砕いていき、飲み込んでいく。

ようやく親友の暴走の理由を知ることができたが、知ってしまったがために余計に彼への説得が困難だということ、それにそもそもその説得が可能かどうかすらわからなくなった。

そして、遊矢もまたそのプロジェクトの中にいて、彼の身に起こるであろう可能性とそれへの処置方法を聞き、彼の視線はヒイロではなく天井に向けられる。

「ヒイロ・リオニス、こんなことを直接話すということは、少なくとも誠意を見せようとしているのだろう。そのことは分かる。だが…あまりにも卑怯だな」

秘密裏にそうしてくれていて、そのことを後から気づくことができたのであれば、父親としてヒイロを許すことができず、エンターテイナーとしてはあるまじきことではあるかもしれないが、彼を憎んだだろう。

それが彼のためであり、世界のためであることを理解できたとしても。

だが、正面からそのようなことを言われたのであれば、どんなに憎んだとしても、心の片隅に彼を許さなければならないという感情が生まれてしまう。

その葛藤をどう始末すればいいのか、そのような悩みをヒイロが与えてしまう。

「詫びるつもりはない。俺を卑怯者だと思うならそれでいい。あとは…あんたの息子、榊遊矢本人の問題なのだからな」

「遊矢…ユート、ユーゴ、そして…融合次元にいる遊矢に似た少年」

「ユーリ…奴は侑斗が顔を合わせている。実際にデュエルをしたこともある」

その時は決着がつかなかったものの、その時の状況はウィンダから教えてもらっている。

彼のエースモンスターといえる《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》とテーマである捕食植物。

あの侑斗ですら苦戦した相手で、おそらくはアカデミアにとってはジョーカーともいえるカードだろう。

オベリスクフォースすら恐れる彼を倒さなければ、おそらくはプロフェッサーのもとにたどり着くことすらできないかもしれない。

「毒には毒を持って制する…。奴がジョーカーであるなら、俺たちもジョーカーをぶつけるだけだ」

「戦わせるというのか…遊矢に、危険すぎる!」

「分かっている。そして、今の榊遊矢に戦わせるわけにはいかない。だから…見極める。あいつの可能性を」

「可能性…か、ひどい父親だな、俺は。息子をこのような苦難の道へ歩かせることになるとは…」

 

「離してくれよ、翔太。俺は…疲れていて」

「知っている。いいからおとなしくしてろ」

約束の時間になり、遊矢の腕をつかみ、ひっぱりながら翔太が指定されたデュエルリングへと足を踏み入れる。

アクションデュエルやライディングデュエルといったあらゆるデュエルが可能になるように、階層1つを丸々デュエル専用にしており、中央には4人分のスペースが用意され、その周囲にはサーキットもある。

翔太の視線にはすでに青コーナーのスペースに入っているヒイロと侑斗の姿、そして侑斗の背後で精霊の姿になっているウィンダの姿が映る。

そして、赤コーナーにはすでにユーゴが待機していた。

「待っていたよ、翔太君、遊矢君」

「おっせーぞ!お前ら!!」

「こいつの場合、来たがってすらいなかったがな」

翔太のにらむような視線を遊矢は横目に逸らす。

実際、翔太は遊矢が自力で来ないだろうと踏んでおり、無理やり部屋を蹴り開けて、無理やり彼を連れて来ていた。

不機嫌になる遊矢だが、翔太にとってはどうでもいいことだ。

「永瀬博士の遺したデータの解析が終わった。そして、その中でとても重要なデータを見つけた。榊遊矢、お前とユート、ユーゴ…そしてこの融合次元にいるもう1人のお前に似た少年、ユーリについてのことだ」

「俺たちのこと…?」

(ああ、そうだ…。あの時、シンクロ次元で確かに俺たちは感じたはずだ)

偶然にも4人がそろい、そこで遊矢達は何か大きな重力に引っ張られるような感触を味わった。

そして、1つになることを願った。

あの時柚子が来て、ブレスレッドを発動していなければどうなっていたかはわかったものではない。

「お前たちには恐ろしい秘密が隠されている。そのすべてを俺たちは知った。そして、榊遊矢。特にお前はそのことを知ったその瞬間、覚悟を決めなければならない」

「おい、だったら俺はいらないだろう?」

遊矢達4人の問題だというなら、自分には関係のないことのようにおもえてしまう。

特に自らにはベクターという存在がはらんでいる以上、それにかかわる余裕はない。

「君にも、僕から伝えることがある。だから、君にも来てもらったんだ。でも、その前に…」

「榊遊矢、ユーゴ…お前たちにそれを知ってもなお、突き進む覚悟があるのか、デュエルで見極めさせてもらう」

「ちっ…勝手な野郎だ。ほらよ!」

翔太に投げられる形で席へ入れさせられた遊矢は出ようとするが、その前にすでに侑斗とウィンダが出ており、3人がいる状態でデュエルリングが起動して、それぞれを乗せた席が上へと上がっていく。

「ああ、エリクの時といい、なんだよ!そのまどろっこしいのは!俺はそーゆーのが一番嫌いだぜ!!」

既にこういうシチュエーションはユーゴにはおなかがいっぱいな展開だ。

ヒイロという人間についてはよくわからないうえに、どこか上から目線な様子が気に食わない。

「その…ヒイロさん、俺…今はデュエルをする気分じゃ…」

「なんだ?」

「いろいろあって、疲れてるんだ。今は…アカデミアとの決戦に」

「ふん、そんなぶれた覚悟でアカデミアに勝てるほど、笑顔を取り戻せるほどお前の手にしたいものは安っぽいものか?」

「なんだと…!?」

カチンとくるもののあるヒイロの言葉に反論しようとする遊矢だが、目を合わせた瞬間に黙り込んでしまう。

彼の目から来るプレッシャーをオッドアイを通してダイレクトに感じてしまっていた。

「お前のこれからしようとすること、そして取り戻そうとしている物はとてつもなく巨大なものだ。それをつかむ覚悟があるなら、何があろうと叩き潰して前へ進め」

「俺は…くぅ!!」

遊矢はデッキをセットし、同時に中央のフィールドゾーンが虹色の光を発する。

シンクロ次元で手に入れたモーメントを利用したリアルソリッドビジョンシステムが起動した合図だ。

「来い…!!」

「俺は気が立っているんだ!さっさと終わらせてやる!!」

「「デュエル!!」」

 

ヒイロ

手札5

ライフ8000

 

ユーゴ&遊矢

手札

ユーゴ5

遊矢5

ライフ4000

 

「遊矢…」

伊織から話を聞いてデュエルリングに来た柚子はデュエルを始める遊矢の、傷ついている姿を客席から見ることしかできなかった。

「先攻は俺だ。俺は手札からフィールド魔法《幻獣界》を発動」

発動と同時に周囲に岩山のソリッドビジョンが出現し、目の前は草花に彩られたのどかな空間へと変わっていく。

一見のどかな自然の中だが、周囲に浮かぶ淡い光の玉たちがここが現実の者でないことを教えてくれていた。

「なんだよ、このフィールドは…!?」

「え…オッドアイズ!?」

フィールド魔法の力の影響なのか、遊矢とユーゴの目の前にはそれぞれが持つドラゴンの幻影が現れ、それがはっきりと見えていた。

「気持ちのいいフィールドですね。心が穏やかになる…そうですよね?オッドアイズ、ダーク・リベリオン」

「ふん…」

「しかし…私たちの姿をはっきりと映すとは。一体このカードは…」

「お前たちがそれぞれのドラゴンとつながっているように、俺はカードの精霊とつながっている」

「クリクリー!!」

ヒイロの頭上に彼の精霊であるプチクリボー、コロが姿を現す。

彼は興味津々にオッドアイズたちの姿を眺めていた。

「何…これ??もしかして、これが伊織が言っていた、カードの精霊で…」

精霊を見ることのできない柚子もまた、遊矢達の精霊がはっきりと見ることができた。

「このフィールドは俺の精霊たちが生まれた場所。…最も、俺以上に精霊とつながりのある奴はほかにもいるが」

侑斗もそうで、元の世界で子供と共に帰りを待っている女性もそうだ。

2人と比べると、カードの精霊とつながっているという言葉を口にするのはおこがましいのかもしれない。

「デュエルを続けるぞ。このフィールド魔法の発動処理として、俺はデッキから《幻獣の子コロ》を手札に加える。そして、《幻獣の子コロ》を召喚」

「クリクリー!!」

両腕に緑色の水晶が埋め込まれたブレスレットをつけたコロがヒイロの頭から飛び降りてフィールドに降り立つ。

 

幻獣の子コロ レベル1 攻撃0(チューナー)

 

「このカードはシンクロ素材とする場合、他のシンクロ素材は手札の幻獣を選択できる。俺は手札のレベル6の《幻獣盾ウォールゴーレム》とレベル1の《コロ》をチューニング」

両腕で水晶の盾をつけた岩石のゴーレムがコロの生み出すチューニングリングの中へと飛び込んでいく。

「シンクロ召喚。現れろ、《幻獣猿人ゼーマン》」

 

幻獣猿人ゼーマン レベル7 攻撃2500

 

「そして、《幻獣界》の効果。俺のフィールドの幻獣の攻撃力・守備力は300アップする」

 

幻獣猿人ゼーマン レベル7 攻撃2500→2800 守備1800→2100

 

「久しぶりだな、ヒイロ・リオニスよ。しばらく見ぬうちに、年を取ったようだな」

「お前は変わらないな、ゼーマン。俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

ヒイロ

手札5→1

ライフ8000

場 幻獣猿人ゼーマン(《幻獣界》の影響下) レベル7 攻撃2800

  伏せカード1

  幻獣界(フィールド魔法)

 

ユーゴ&遊矢

手札

ユーゴ5

遊矢5

ライフ4000

 

「1ターン目から攻撃力2800のモンスター、それに…」

「そんなシンクロモンスター、見たことがねえ。何者なんだよ、こいつは…??」

どうやらそのカードも精霊のようで、ヒイロと話し合っている。

困惑しているユーゴ達に気付いたのか、ヒイロは視線を彼らに向ける。

「どうした?デュエルを進めろ」

「う、うるせえ!まずは俺がお前のそのシンクロモンスターを倒してやるよ!俺のターン、ドロー!!」

 

ユーゴ

手札5→6

 

「俺のフィールドにモンスターが存在しない場合、《SRベイゴマックス》は手札から特殊召喚できる!」

 

SRベイゴマックス レベル3 攻撃1200

 

「《ベイゴマックス》の効果発動!このカードの召喚・特殊召喚に成功したとき、デッキからこいつ以外のスピードロイド1体を手札に加えることができる。俺は《赤目のダイス》を手札に加え、そのまま召喚!」

 

SR赤目のダイス レベル1 攻撃0(チューナー)

 

「《赤目のダイス》の効果発動!こいつ以外のスピードロイド1体のレベルを1から6の好きな数値に変更できる。俺は《ベイゴマックス》のレベルを6に変更!」

 

SRベイゴマックス レベル3→6 攻撃1200

 

「行くぜ!俺はレベル6の《ベイゴマックス》にレベル1の《赤目のダイス》をチューニング!!その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て!シンクロ召喚!現れろ、レベル7!《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》!」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン レベル7 攻撃2500

 

「《クリアウィング》の攻撃力は2500。攻撃力2800になった《ゼーマン》を倒すことはできない」

「そんなのは分かっている!俺は手札から装備魔法《カッチン・ボール》を《クリアウィング》に装備!こいつはクリアウィング、そしてスピードロイドシンクロモンスター専用の装備カードだ!」

2つの透明の球体型エネルギーが《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》を中心に旋回する。

現状、攻撃力が高い《幻獣猿人ゼーマン》を倒すための手段がこれだ。

「《カッチン・ボール》の効果発動!1ターンに1度、装備モンスターのレベル×100のダメージを相手に与え、その後で装備モンスターの攻撃力を500アップさせる!」

2つの球体がぶつかり合うと同時に発生したエネルギーがヒイロを襲う。

「…」

 

ヒイロ

ライフ8000→7300

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン レベル7 攻撃2500→3000

 

「バトルだ!《クリアウィング》で《ゼーマン》を攻撃!旋風のヘルダイブスラッシャー!!」

「はあああああ!!」

ドリルのように回転を始めた《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》で《幻獣猿人ゼーマン》めがけて突撃する。

「《ゼーマン》の効果発動。1ターンに1度、モンスター1体の攻撃を無効にする」

「無駄だぜ!《クリアウィング》の効果は1ターンに1度、こいつ以外のフィールド上のレベル5以上のモンスターが効果を発動したとき、その発動を無効にし、破壊する!ダイクロイック・ミラー!!」

回転を止めない《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》のプリズム状の羽根から次々とビームが発射され、バリアを展開する《幻獣猿人ゼーマン》を襲う。

だが、そのビームはバリアを破壊することはできたが、《幻獣猿人ゼーマン》本体には傷一つ付けることができなかった。

「何!?」

「《ゼーマン》のシンクロ素材となった《ウォールゴーレム》の効果だ。こいつをシンクロ素材としたシンクロモンスターは1ターンに1度、破壊されない」

「破壊されないなら、そのまま戦闘破壊してやるぜ!!そのままぶち抜け、《クリアウィング》!!」

バリアがないことで、攻撃を邪魔するものがなくなった《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》がそのまま突撃する。

胴体を貫かれた《幻獣猿人ゼーマン》は消滅し、攻撃の余波がヒイロを襲う。

「…」

 

ヒイロ

ライフ7300→7100

 

「へ…どうだ!?せっかくシンクロ召喚した《ゼーマン》を倒して、おまけにダメージも与えてやったぜ!」

「先制することは有効だ。だが、相手の全容を見ずに勝ち誇った瞬間、そいつは敗北する」

「何!?」

「破壊された《ゼーマン》の効果。こいつは戦闘で破壊され墓地へ送られた時、デッキから新たな幻獣を手札に加える。俺は《幻獣王ロックリザード》を手札に加える。更に、《幻獣界》の効果。自分フィールドの幻獣シンクロモンスターが相手によって破壊された時、エクストラデッキからそのモンスターと同じレベルのシンクロモンスター1体をシンクロ召喚扱いで特殊召喚できる。《ゼーマン》のレベルは7。よって、俺はエクストラデッキからレベル7の《ローズオーディン》をシンクロ召喚」

真上に緑色の魔法陣が出現し、その中から《幻獣ローズオーディン》が姿を現す。

 

幻獣ローズオーディン レベル7 攻撃2800→3300

 

「ちっ…!俺はカードを1枚伏せて、、ターンエンドだ!!」

 

ヒイロ

手札1→2(うち1枚《幻獣王ロックリザード》)

ライフ7100

場 幻獣ローズオーディン(《幻獣界》の影響下) レベル7 攻撃3300

  伏せカード1

  幻獣界(フィールド魔法)

 

ユーゴ&遊矢

手札

ユーゴ6→2

遊矢5

ライフ4000

場 クリアウィング・シンクロ・ドラゴン(《カッチン・ボール》装備) レベル7 攻撃3000

  カッチン・ボール(装備魔法)

  伏せカード1

 

「俺のターン、ドロー」

 

ヒイロ

手札2→3

 

「バトル。《幻獣ローズオーディン》で《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》を攻撃。ローズブレード!」

バラを模した美しい彫刻が施された剣を手にした《幻獣ローズオーディン》が《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》を切り裂く。

切り裂かれた《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》が消滅する。

「くそ…!けど、ダメージは少しだ。これくらいなら…」

 

ユーゴ&遊矢

ライフ4000→3700

 

「俺は《ローズオーディン》の効果を発動。このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送ったとき、墓地から幻獣1体を攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する。俺は墓地から再び《幻獣猿人ゼーマン》を呼び戻す」

 

幻獣猿人ゼーマン レベル7 守備1800→0→300

 

「くそぉ!せっかく倒したってのに、厄介なモンスターを…!」

「それで済むと思うな…。俺は手札の《幻獣ジャックフロスト》の効果発動。墓地から幻獣の特殊召喚に成功したとき、このカードは手札から特殊召喚できる」

ヒイロのフィールドに氷の粒が集まっていき、次第にその姿を羽根が氷でできた水色の妖精へと変えていく。

 

幻獣ジャックフロスト レベル1 攻撃200(チューナー)

 

「そして、そのモンスターとこのカードのみを素材としてシンクロ召喚を行う!俺はレベル7の《ゼーマン》にレベル1の《ジャックフロスト》をチューニング」

「バトルフェイズ中にシンクロ召喚だと!?」

「深海に眠りし破邪の水龍よ!敵の技を無にし、激流の如く邪悪を薙ぎ払え!シンクロ召喚!出でよ!《マリンフォース・ドラゴン》!!」

《幻獣猿人ゼーマン》が《幻獣ジャックフロスト》が生み出したチューニングリングをくぐり、その姿をヒイロのエースモンスターたる《マリンフォース・ドラゴン》へと変貌させる。

「ようやく、ボクの出番!!」

 

マリンフォース・ドラゴン レベル8 攻撃2600

 

「そして、シンクロ素材となった《ジャックフロスト》の効果。このカードをシンクロ素材とした次の相手バトルフェイズ中、お前たちは攻撃できない」

「攻撃まで封じてくるのかよ!くそぉ!」

《幻獣ジャックフロスト》の幻影が現れると同時に、遊矢とユーゴのフィールドを寒波が襲う。

氷で閉ざされたそのフィールドはモンスターが動くのをためらうほどの低温となっていた。

「《マリンフォース・ドラゴン》でダイレクトアタック。マリン・ブラスト」

《マリンフォース・ドラゴン》の口から放たれる大量の水が《幻獣ジャックフロスト》の冷気によって氷の塊となって2人を襲う。

「うわああああ!!」

「ああああ!」

 

遊矢&ユーゴ

ライフ3700→1100

 

「くっそ!ここまでやるのかよ…!」

「けど…これで、このカードを発動できる。俺は手札から罠カード《ビック・リボーン》を発動!このカードは俺のフィールドにカードがない場合、手札からでも発動できる!そして、直接攻撃によってダメージを受けたとき、そのダメージ以下の攻撃力を持つモンスター1体を墓地から特殊召喚できる。俺はユーゴの墓地の《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》を呼び戻す!!」

「遊矢…」

再びフィールドに舞い戻った《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》が咆哮し、《マリンフォース・ドラゴン》と対峙する。

(やはり、あの《マリンフォース・ドラゴン》というモンスター、只者ではありませんね)

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン レベル7 攻撃2500

 

「再び《クリアウィング》を呼び戻したか…。だが、《マリンフォース・ドラゴン》はカード効果で破壊することはできない。そして、俺は手札から魔法カード《シンクロ・クリード》を発動。フィールド上に存在するシンクロモンスターが3体以上の場合、デッキからカードを2枚ドローする。そして、カードを1枚伏せてターンエンド」

 

ヒイロ

手札3(うち1枚《幻獣王ロックリザード》)

ライフ7100

場 幻獣ローズオーディン(《幻獣界》の影響下) レベル7 攻撃3300

  マリンフォース・ドラゴン レベル8 攻撃2600

  伏せカード2

  幻獣界(フィールド魔法)

 

ユーゴ&遊矢

手札

ユーゴ2

遊矢5→4

ライフ1100

場 クリアウィング・シンクロ・ドラゴン レベル7 攻撃2500

  伏せカード1

 

「さあ、次はお前のターンだ。榊遊矢。お前の力を見せてみろ」

(俺の…力…)

遊矢の脳裏に浮かぶのはシンクロ次元、そしてエクシーズ次元での戦い。

ジャックやセルゲイ、エドといった数多くの強敵とデュエルを繰り広げてきた。

運よく勝利してきたが、それでも本当の目的であるみんなの笑顔を取り戻すことはできていない。

そんな自分の力が小さく見えてしまい、それが自らを委縮させる。

「何やってんだよ、遊矢!あのふざけた野郎に好き勝手言われてたまるかよ!」

「俺は…」

ここで踏み出せないようでは、余計に道が見えなくなる。

そのことは分かっているが、顔を上げるとすぐにヒイロからの鋭いプレッシャーを感じてしまう。

「どうした…?おびえるだけか?今のお前は…」

「俺は…俺の、ターン…」

 

遊矢

手札4→5

 

「俺は手札1枚を捨てて…手札から《ペンデュラム・アライズ》を発動…。デッキから《竜脈の魔術師》と《竜穴の魔術師》を手札に加える…」

 

手札から墓地へ捨てられたカード

・EMチアモール

 

「俺は…スケール1の《竜脈の魔術師》とスケール8の《竜穴の魔術師》で…ペンデュラムスケールをセッティング。これで、俺はレベル2から7までの…」

「くだらないな。今のお前に克己の力はない。ペンデュラム召喚を使う資格はない」

「何…?」

ヒイロの言葉で、翔太の脳裏にある言葉がよみがえる。

シンクロ次元でセルゲイと戦っていたときに突然知ることになった言葉。

(進化の青、調和の紫、開拓の白、秩序の黒、克己の緑…)

「俺は永続罠《波紋消滅》を発動。発動後、3回目の俺のスタンバイフェイズ時まで、俺たちはペンデュラム召喚を行えず、ペンデュラム効果も無効となる」

「何!?」

2つに青い光の柱が灰色へと変わり、2体のペンデュラムモンスターもまた、石化してしまった。

それに合わせるかのように、遊矢のペンデュラムゾーンに置いてあるカードも石になったかのように灰色に染まってしまった。

「今のお前にはそれがお似合いだ。立ち止まる道を選ぼうとするお前にはな…」

「そんな…俺…」

「そもそも、お前の行為は偽善だ。笑顔を取り戻して、次元戦争を止める…?そのために戦う、守る者のために戦うというのがそもそもの矛盾だ。デュエルは戦い。必ずと言っていいほど勝敗がつく。その本質はたとえ、お前がデュエルで笑顔をもたらそうとしても、結局は変わらない」

「それは…」

「そもそも、次元戦争を根本的にどう止める?勝者と敗者が決まるまで、終わらない。笑顔に戦争を止める力はない。これまで、お前は一度でもそれを成し遂げることができたか?」

ヒイロの質問に対して、遊矢は何も答えることができない。

シンクロ次元でも、エクシーズ次元でも、結局は勝利することでしか事件を収束させることができなかった。

そして、シンクロ次元ではフランス革命のような泥沼が起こる可能性があり、エクシーズ次元でも、アカデミアに対する人々の憎しみは根深い。

「だったら…だったら俺は間違っているのか…??俺の願いも…」

「それを決めるのはお前だ。それとも、俺に教えを乞うほど、お前の答えは他人任せなのか?さあ、デュエルを続けろ」

「…俺は手札から魔法カード《ペンデュラム・エクシーズ》を発動。俺のペンデュラムゾーンのカード2枚のみを素材に、エクシーズ召喚を行う。その時、ペンデュラムカード1体のレベルをもう1体と同じにできる。俺は…《竜脈の魔術師》のレベルを《竜穴の魔術師》と同じ7にする」

光が消え、なおも石になったままの2体の魔術師の体が淡く光る。

そして、その2体は上空のオーバーレイネットワークの中へ消え、そこから《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》が進化した新たなドラゴンが舞い降りる。

「レベル7の2体の魔術師でオーバーレイ…!!闇の帳を切り裂きしは、新たな力を得た反逆の牙!エクシーズ召喚…《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》」

 

ダーク・アンセリオン・ドラゴン ランク7 攻撃3000

 

「反逆の牙…今のお前にそんなものは存在しない」

「俺は《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》の効果を発動!!オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を半分奪う!!デビルズ・ドロップ!!」

《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》が放つ稲妻が《幻獣ローズオーディン》を拘束し、その力を吸収していく。

 

幻獣ローズオーディン レベル7 攻撃3300→1650

ダーク・アンセリオン・ドラゴン ランク7 攻撃3000→4650

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・龍脈の魔術師

 

「これで、ヒイロさんのフィールドの2体のモンスターは倒せる…けれど…」

柚子の目には圧倒的な攻撃力を手にした《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》を前にしても平然とするヒイロと、焦りを深める遊矢が映る。

状況としては、ヒイロが不利にもかかわらず、とてもそうには見えない。

「バトルだ!《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》で《マリンフォース・ドラゴン》を…」

「忘れたか?《ジャックフロスト》の効果でお前たちはこのターン、攻撃できない」

「あ…!!」

発動されていたその効果をすっかり失念していた遊矢にはもう、このターンどうすることもできなかった。

「俺は…カードを1枚伏せて、ターンエンド…」

 

ヒイロ

手札3(うち1枚《幻獣王ロックリザード》)

ライフ7100

場 幻獣ローズオーディン(《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》《幻獣界》の影響下) レベル7 攻撃1650

  マリンフォース・ドラゴン レベル8 攻撃2600

  波紋消滅(永続罠)

  伏せカード1

  幻獣界(フィールド魔法)

 

ユーゴ&遊矢

手札

ユーゴ2

遊矢5→1

ライフ1100

場 クリアウィング・シンクロ・ドラゴン レベル7 攻撃2500

  ダーク・アンセリオン・ドラゴン(オーバーレイユニット1) ランク7 攻撃4650

  伏せカード2

 

「俺のターン、ドロー」

 

ヒイロ

手札3→4

 

「俺は《ローズオーディン》をリリースし、手札から魔法カード《幻獣の紋章》を発動。リリースしたモンスターのレベルの合計が同じになるように、墓地の幻獣チューナーとチューナー以外のモンスターを1体ずつ特殊召喚する。俺は《コロ》と《ウォールゴーレム》を呼び戻す」

 

幻獣の子コロ レベル1 攻撃0(チューナー)

幻獣盾ウォールゴーレム レベル6 守備2000

 

「レベル6の《ウォールゴーレム》にレベル1の《コロ》をチューニング。力を借りるぞ、エンシェント・フェアリー」

(いいでしょう…ヒイロ・リオニス)

「新しい…精霊?」

遊矢の目にはヒイロの背後に現れた新たな精霊の姿、《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》が映る。

一体どれだけの精霊とヒイロが共にいるのか、分からなくなるくらい。

彼女の出現と共に、彼の背後からは数多くの精霊の気配が感じられた。

「古の時代より、大地に豊穣をもたらす妖精の王よ、破壊と創造の力をここに示せ。シンクロ召喚。現れろ、《妖精竜エンシェント》」

《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》の腹部にシグナーのような紋章が宿り、モンスターとしてヒイロのフィールドに舞い降りる。

 

妖精竜エンシェント レベル7 攻撃2100

 

「新しいシンクロモンスター…!?でもなぁ、今の俺たちのフィールドには攻撃力4650の《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》がいる!それに、そもそも攻撃力が…」

「俺はフィールド魔法《幻獣界》を墓地へ送り、手札から新たなフィールド魔法《幻獣空》を発動」

発動と同時にフィールドから大地が消え、真っ白な雲が広がる快晴の空へと変わっていく。

「発動と同時に、《妖精竜エンシェント》の効果発動。俺のターンに俺がフィールド魔法を発動したとき、デッキからカードを1枚ドローする」

「なら、俺は《クリアウィング》の効果を発動!1ターンに1度、レベル5以上の相手モンスターの効果の発動を無効にし、破壊する!そして、そのモンスターの元々の攻撃力をターン終了時まで《クリアウィング》に…」

「破壊は無理だな。《幻獣空》が存在する限り、俺のフィールドのシンクロモンスターは1ターンに1度、戦闘及びカード効果では破壊されない」

「何!?」

《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》から放たれるプリズム状の光は《妖精竜エンシェント》に到達することなく消滅する。

ドローを阻止することはできたが、破壊に失敗したことで《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》は攻撃力を上げることができなかった。

「そして、《エンシェント》の効果発動。1ターンに1度、フィールド魔法が存在する場合、フィールドに表側攻撃表示で存在するモンスター1体を破壊できる。スピリット・ベリアル」

《妖精竜エンシェント》の目が淡く光るとともに、周囲の雲が《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》を包んでいく。

そして、その雲が一瞬で雷雲へと変化して雷をゼロ距離から叩き込んだ。

「くそ…《クリアウィング》が破壊されちまった!!」

「そして、《マリンフォース・ドラゴン》の効果。1ターンに1度、フィールド上のカード1枚を手札に戻す。マリン・パニッシュ」

《マリンフォース・ドラゴン》が翼をはためかすと同時にフィールドに雨が降り始める。

雨は次第に豪雨へと変わり、その雨を浴びた《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》が姿を消そうとする。

「くっ…!!俺は《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》の効果を発動!《マリンフォース》の攻撃力を半分にする!!」

《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》がせめてもの一撃として、口から稲妻を放つ。

それを受けた《マリンフォース・ドラゴン》はよろけたものの、それでもフィールドに残り続け、《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》が姿を消す。

 

マリンフォース・ドラゴン レベル8 攻撃2600→1300

 

「傷跡をつけたか…。だが、お前たちのライフをすべて削るには十分だ」

遊矢とユーゴの残りライフは1100。

《妖精竜エンシェント》か《マリンフォース・ドラゴン》のどちらかの直接攻撃が決まれば、2人の敗北が決まる。

「お前たちには不可能であるなら、この戦争の幕引きは俺がやる。安心して、負けろ。《妖精竜エンシェント》でダイレクトアタック。フェアリー・テイル・ウィップ!」

《妖精竜エンシェント》が自らの尾で2人を薙ぎ払おうとする。

「遊矢!!」

「そ、速攻魔法《イリュージョン・バルーン》を発動!!俺のフィールドのモンスターが破壊されたターン、デッキの上から5枚をめくり、その中のEM1体を特殊召喚できる!」

遊矢は即座に5枚のカードをめくり、その中にある1枚を手に取る。

「俺が…特殊召喚するモンスターは《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》!!」

 

EMオッドアイズ・ディゾルヴァー レベル8 守備2600

 

「守備力2600の《ディゾルヴァー》なら…!!」

「甘いな。俺は罠カード《シンクロ・ストライク》を発動。俺のシンクロモンスター1体の攻撃力をターン終了時まで、シンクロ素材としたモンスターの数×500アップさせる」

 

妖精竜エンシェント レベル7 攻撃2100→3100

 

「ぐう…」

「やれ、《エンシェント》」

《妖精竜エンシェント》の尾の一撃を受け、吹き飛ばされた《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》が消滅し、遊矢のエクストラデッキへ送られる。

「《マリンフォース・ドラゴン》でダイレクトアタック。マリン・ブラスト」

続けて、《マリンフォース・ドラゴン》の口から放たれる激流が2人を飲み込もうとする。

「負ける…!?」

「ぼさっとしてんじゃねーぞ、遊矢!!俺は罠カード《ダイスロール・バトル》を発動!!俺の墓地のスピードロイド1体と手札のスピードロイドチューナーを除外して、シンクロ召喚を行う!俺は墓地の《SRベイゴマックス》と手札の《SR三つ目のダイス》でチューニング!十文字の姿もつ魔剣よ。その力ですべての敵を切り裂け!シンクロ召喚!現れろ、レベル6!《HSR魔剣ダーマ》!」

2体のスピードロイドが2つのサイコロとなって転がり、それが波紋となってその中から《HSR魔剣ダーマ》を呼び覚ます。

 

HSR魔剣ダーマ レベル6 攻撃2200

 

「壁を出したか、なら俺は《マリンフォース・ドラゴン》の攻撃を…」

「攻撃は続けてもらうぜ!てめーがシンクロモンスターをエースにしてくれているおかげだ!」

「何?」

「俺は墓地の《ダイスロール・バトル》を除外して、効果を発動!俺とお前のシンクロモンスターで強制バトルだ!!いけ、《魔剣ダーマ》!!

《HSR魔剣ダーマ》が放つ剣のようなビームが水流もろとも《マリンフォース・ドラゴン》を切り裂き、消滅させた。

(すまない…アクア)

 

ヒイロ

ライフ7100→6200

 

「よし…!てめえの自慢の《マリンフォース・ドラゴン》は倒してやったぜ!それに、《エンシェント》の攻撃力は2100に戻る!!」

「ユーゴ…」

「俺は…諦めねえ!リンを取り戻して、一緒にシンクロ次元へ帰るまで、立ち止まれねえんだ!!」

ユーゴには次元戦争もアカデミアによる侵略も関係なかった。

ただ、あるのはリンと共に帰ること、ただそれだけだ。

それを邪魔するものがあれば、何であろうと叩きのめして進む。

「…。俺はこれで、ターンエンドだ」

 

ヒイロ

手札4→3(うち1枚《幻獣王ロックリザード》)

ライフ6200

場 妖精竜エンシェント レベル7 攻撃3100→2100

  波紋消滅(永続罠)

  幻獣空(フィールド魔法)

 

ユーゴ&遊矢

手札

ユーゴ2

遊矢1

ライフ1100

場 HSR魔剣ダーマ レベル6 攻撃2200

 

(《魔剣ダーマ》の攻撃力なら、《エンシェント》を倒せる。だが…)

ヒイロのフィールド魔法《幻獣空》はシンクロモンスターを1ターンに1度だけ、破壊から守る効果を持つ。

そして、《妖精竜エンシェント》にはフィールド魔法発動中、1ターンに1度、フィールド上の攻撃表示モンスター1体を破壊できる効果を持つ。

(今の俺たちのライフは1100…このまま持ちこたえられるとは思えねえ…だがよぉ!!)

ユーゴの指がデッキトップにかかり、にらむようにヒイロを見る。

「ぶち抜いてやる…!俺が!!俺のターン!!」

 

ユーゴ

手札2→3

 

「来たぜ…てめえにほえ面をかかせるカードがよぉ…!」

「何?」

「俺は手札から《SRアクマグネ》を召喚!」

悪魔のようなとがったデザインのU字磁石を2つ左右につけ、口元がプラスネジになっている小型のモンスターが出現すると同時に、左右の磁石に引き寄せられるかのように《妖精竜エンシェント》が引っ張られていく。

 

SRアクマグネ レベル1 攻撃0(チューナー)

 

「そのモンスターは…」

「こいつは召喚・特殊召喚に成功したとき、このカードと相手モンスター1体を素材に風属性シンクロモンスターのシンクロ召喚を行える!俺はレベル7の《妖精竜エンシェント》にレベル1の《アクマグネ》をチューニング!!神聖なる光蓄えし翼煌めかせ、その輝きで敵を討て!シンクロ召喚!いでよ!レベル8!《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》!」

(この姿にしたのであれば、つまらない敗北は許しませんよ?)

「ちっ…まだあの事を根に持ってるのかよ…」

明日香とのデュエルの敗北のことが頭をよぎる。

だが、ほんのわずかな時間ではあるが遊勝塾で特訓もしている。

そして、あの時のことを反省している以上は負けるつもりはさらさらなかった。

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン レベル8 攻撃3000

 

「これで、てめえのフィールドはがら空きだぜ!」

「モンスターを奪う…。いい作戦だな」

「感心するのはまだ早いぜ!俺は手札から装備魔法《団結の力》を《クリスタルウィング》に装備!こいつは俺のフィールドのモンスターの数×800、装備モンスターの攻撃力をアップさせる!」

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン レベル8 攻撃3000→4600

 

「攻撃力…4600…」

「これで、2体のダイレクトアタックが決まれば俺の勝ちだ!バトル!!俺は《クリスタルウィング》でダイレクトアタック!!烈風のクリスタロス・エッジ」

水晶の欠片のような輝きを周囲にまき散らしながら《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》がヒイロめがけて突撃する。

だが、彼の前に透明なバリアが展開され、阻まれてしまう。

「何!?」

「俺は墓地の《幻獣の紋章》を除外し、効果を発動。俺のフィールドにモンスターが存在しない状態でダイレクトアタックを受けるとき、その攻撃を無効にする。そして、デッキから幻獣カード1枚を手札に加える。俺が手札に加えるのは《幻獣霊ボディレスファントム》」

「ちっ…けどよぉ、2度目の攻撃は防げねえ!《魔剣ダーマ》でダイレクトアタック!!」

《HSR魔剣ダーマ》がヒイロめがけて突撃し、ヒイロはそれを避けることなく、正面から受ける。

表情一つ変えず、攻撃を終えた相手モンスターを見送るだけの余裕まで見せていた。

 

ヒイロ

ライフ6200→4000

 

「へっ…俺はこれでターンエンドだ!どうだよ、これでも俺を認めねえってか!!」

 

ヒイロ

手札3→4(うち2枚《幻獣王ロックリザード》《幻獣霊ボディレスファントム》)

ライフ4000

場 波紋消滅(永続罠)

  幻獣空(フィールド魔法)

 

ユーゴ&遊矢

手札

ユーゴ3→2

遊矢1

ライフ1100

場 HSR魔剣ダーマ レベル6 攻撃2200

  クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン レベル8 攻撃3000

 

「ふっ…確かに俺のフィールドにモンスターはいない。それに、お前の《クリスタルウィング》のモンスター効果無効の能力はフィールドだけにとどまらず、レベル5以上のモンスターで戦闘したとしても、攻撃力が跳ね上がる…。嫌な相手だ」

「ああ、そうだぜ!こいつを倒さねえ限り、負けるのはてめえだ!」

「お前は悪くはないな、あとは…あいつか。俺のターン」

 

ヒイロ

手札4→5

 

「俺は手札から魔法カード《逆境の宝札》を発動。相手フィールドに特殊召喚させたモンスターが存在し、俺のフィールドにモンスターが存在しない場合、デッキからカードを2枚ドローする。そして、俺は手札から速攻魔法《トラップ・ブースター》を発動。手札の《幻獣霊ボディレスファントム》を墓地へ送り、手札の罠カード1枚を発動する。俺は手札の罠カード《パニック・ウェーブ》を発動」

「何!?そのカードは…」

「俺のフィールドのカード1枚を破壊し、ターン終了時まで表側表示で存在するモンスター、永続罠、永続魔法の効果を無効にする。俺が破壊するのは《幻獣空》」

空の光景が消えるとともに波紋が3人のフィールドを包み、それを受けた《HSR魔剣ダーマ》と《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》が力を失う。

「そして、破壊された《幻獣空》の効果。このカードが破壊され墓地へ送られた時、デッキから新たな幻獣フィールド魔法1枚を手札に加えることができる。俺が手札に加えるのは《幻獣海》。そして、俺は《幻獣海》を発動」

「空の次は海かよ…けど」

「《パニック・ウェーブ》の影響を受けるのは、発動時にフィールドにあったカードだけだ」

先ほどまでの空とは違う、光の刺さない深い海のフィールドへと変わる。

水底には何者かが築いたと思われる古代の遺跡の姿もあった。

「そして、墓地の《幻獣霊ボディレスファントム》の効果。フィールド魔法を発動しているとき、1度だけこのカードは墓地から特殊召喚できる」

十字架が刻まれた白い布の中に隠れた黒い影がフィールドに現れる。

その影の口の部分だけがなぜか実体化しており、何かをしゃべっているようだったが、言葉になっていない。

 

幻獣霊ボディレスファントム レベル3 攻撃0

 

「そして、《ボディレスファントム》をリリース。《幻獣王ロックリザード》をアドバンス召喚。このカードは幻獣1体のリリースでアドバンス召喚することができる」

 

幻獣王ロックリザード レベル7 攻撃2200

 

「レベル7のモンスターを…。でもよぉ、攻撃力2200じゃあ俺の《クリスタルウィング》は倒せねえよ!」

「そうだな。確かに《ロックリザード》1体では倒せない。《パニック・ウェーブ》の効果で力を奪ったとしても。バトルだ。《ロックリザード》で《クリスタルウウィング》を攻撃」

「何!?」

ヒイロの命令を受けた《幻獣王ロックリザード》が《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》に向けて岩石の爪で斬りかかる。

《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》は接近する前に口から水晶の輝きを持つブレスで焼き尽くし、消滅させる。

「《幻獣王ロックリザード》はペンデュラムモンスター。エクストラデッキへ行く。そして、《幻獣海》の効果。幻獣の戦闘で発生する俺へのダメージは0になる」

「だったら、なんで攻撃したんだよ?!」

「《幻獣海》の効果。幻獣の攻撃を受けた相手モンスターの攻撃力は攻撃モンスターの攻撃力分ダウンする」

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン レベル8 攻撃3000→800

 

「そして、俺は手札の《転生幻獣リバースカラドリウス》の効果発動。俺の幻獣が破壊された時、手札から特殊召喚できる」

頭にウロボロスを模した冠をつけた白鳥が現れる。

 

転生幻獣リバースカラドリウス レベル3 攻撃400(チューナー)

 

「そして、俺の墓地に存在する幻獣1体を効果を無効にして特殊召喚できる。蘇れ、《幻獣猿人ゼーマン》」

冠を光らせた《転生幻獣リバースカラドリウス》がヒイロの墓地からカードを1枚とり、それをモンスターゾーンに置く。

同時に《幻獣猿人ゼーマン》が現れ、ヤレヤレと言わんばかりに目を閉じて冠を直す。

「ヒイロよ、久々の出番は喜ばしい限り。だが…働かせすぎではないかね?」

 

幻獣猿人ゼーマン レベル7 攻撃2500

 

「安心しろ。もうすぐ終わる。《ゼーマン》で《クリスタルウィング》を攻撃」

《幻獣猿人ゼーマン》が杖から黒い電撃を放ち、それが《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》を襲う。

「この攻撃を受けたら、あいつらのライフが尽きる…!!」

「うわああああ!!俺は手札の《SRポケサーキッド》の効果発動!俺の風属性シンクロモンスターが攻撃を受けるとき、こいつを手部だから墓地へ捨てることで、戦闘ダメージを半分にする!!」

胴体部分が赤いF1カーのようなラジコンになっている小さな子供のような人型モンスターが現れると、黒い電撃に向けて突っ込んでいく。

電撃をある程度受けると消滅し、その余波が《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》を襲い、破壊していく。

「くううう!!」

 

遊矢&ユーゴ

ライフ1100→250

 

「はあはあ…しのいだぜ、その攻撃!そして、この効果を発動した次の俺のスタンバイフェイズ時に、デッキからカードを1枚ドローする。まぁ、ドローするのは遊矢だけど…な」

「ユーゴ…俺…」

ユーゴのおかげで、あと1ターンとはいえ時間稼ぎができた。

しかし、今の遊矢にはこの状況を逆転できるかどうかの自信はない。

手札は1枚で、ヒイロのフィールドには戦闘ダメージを0にする《幻獣海》と攻撃力2500の《幻獣猿人ゼーマン》がいる。

圧倒的にヒイロが有利な状況に変わりはない。

「いつまで腑抜けた顔してやがる!!俺はてめえのことはよく知らねえ…けどなぁ、俺に似た顔の奴が、弱気になってんのを見ると、むかっ腹が立つぜ!!」

もう、これ以上動くことのできないユーゴにできるのはここまで。

あとは遊矢が決めてくれることを信じたいが、今の遊矢の状態では負けることは目に見えていた。

「俺はこれで、ターンエンドだ。同時に、《リバースカラドリウス》の効果。自らの効果で特殊召喚されたこのカードはターン終了時にエクストラデッキへ眠る」

 

ヒイロ

手札5→1

ライフ4000

場 幻獣猿人ゼーマン(《転生幻獣リバースカラドリウス》の影響下) レベル7 攻撃2500

  波紋消滅(永続罠)

  幻獣海(フィールド魔法)

 

ユーゴ&遊矢

手札

ユーゴ2→1

遊矢1

ライフ250

場 HSR魔剣ダーマ レベル6 攻撃2200

 

「さあ、榊遊矢。お前のターンだ。今、お前は実感しているはずだ。己の無力さを…」

「俺は…無力…」

「そうだ、お前には力はない。そして、間違っていた。破壊だけしか生まない力を、お前が笑顔のために使おうとした時点でな。お前がペンデュラム召喚を…力を使う目的は何だ?」

「俺…は…」

デュエルで人々を笑顔にすることができないというのなら、何のためにデュエルをするのか。

エンターテイナーという前提が音を立てて崩れていくのを感じる。

目的が見えなくなり、視界が黒く染まっていく。

「俺に勝てない、目的も失ったというなら、今すぐサレンダーしろ。安心しろ。ただ、お前がこの舞台から降りるだけだからな。後のことは気にする必要はない」

遊矢の視線がデッキに向けられる。

ただ、その上に手を置くだけで元の暮らしが戻ってくる。

父親の帰りを待ちながら、エンタメデュエルを求め続けるだけの日々。

母親がいて、遊勝塾があって、みんながいるあの日常が戻ってくる。

その穏やかな誘惑が遊矢の心を襲い、右手が伸びていく。

「遊矢!!てめえ!!」

「決めるのは彼だ。お前は俺が止めたとしても、行くだろうからな」

「俺は…」

右手がデッキに届こうとした瞬間、スパァンと痛快な音が両耳に響き、同時に頭を鋭い痛みが襲う。

両手で頭を抱え、背後を見るとそこには柚子の姿があった。

「柚子…??」

「久しぶりだな、ハリセン。にしても…」

外から見ていた翔太は柚子の客席からの動きに呆れてしまう。

デュエルリングの足場を登り、遊矢がサレンダーするギリギリのところでハリセンで止めたのだから。

傾いた足場に立って、席には入れるスペースもないために左手で手すりにつかまってバランスをとっている状態だ。

「あ、危ないだろ柚子…早く戻って…」

「遊矢!!!」

それだけでは我慢できないのか、今度はハリセンを手放した柚子の右手のひらが遊矢の頬にさく裂する。

痛み以上に、なんでこんなことをするのかわからない遊矢の呆けた目には涙ぐむ柚子の顔が映っていた。

「遊矢…あなたは一人でなんか戦っていない!お父さんやアユミちゃん、フトシ君、タツヤ君…それだけじゃない、スタンダード次元にシンクロ次元、エクシーズ次元…あなたはそこにいる戦えない人達の代わりに、戦ってる!あたしはずっと見てた!どんなに苦しかったのか、助けたいと思っていた人を助けられなくて、それで苦しんで…泣いていたのも、全部見てる!!」

遊矢の戦いをずっと見てきたからわかる。

自分を守るために左腕を失って、悲しみを背負いながらも戦い続けて。

心がもうパンクしてしまいそうになっていることは分かっている。

「遊矢…あなたの夢は何?」

「夢…夢は…」

「あなたの夢はエンターテインメイトデュエリスト!みんなを笑顔にするデュエリストのはず!ほかのみんなが…世界中のみんなが否定しても!あたしは絶対に言う!榊遊矢はみんなを笑顔にする人だって!!」

「柚子…」

「力がどうとかなんて、あたしにはわからない。でも、あなたの目指したいものは分かる!だから…キャ!!」

遊矢に必死に言葉をかけるのに夢中になってしまった柚子は足を滑らせ、同時に手を離してしまう。

落ちてしまう柚子を翔太が両手で受け止める。

「ったく、無茶なところはそっくりだな。おい、遊矢!そういうことだ。いい加減に目を覚ませ!」

「柚子…翔太…。俺は…!」

遊矢は手袋で隠れた義手を見つめる。

そして、思いっきり自分の頬をそれで殴った。

生身とは違う、強烈な痛みが頬を襲い、ヒリヒリ痛むのを耐えながら遊矢はヒイロに体を向ける。

「目つきが変わったな…。だが、《波紋消滅》の効果でペンデュラム効果もペンデュラム召喚も封じられているぞ」

「分かってる!けど…ペンデュラム召喚がなくても、戦える。あなたを…倒せるはずだ!俺のターン、ドロー!更に、ユーゴが発動してくれた《ポケサーキッド》の効果で更に1枚ドローだ!!」

 

遊矢

手札1→3

 

「俺は…手札から魔法カード《運命の振り子》を発動。俺のペンデュラムゾーンにカードがない時、デッキからペンデュラムモンスター1体を表側表示でエクストラデッキに置く。そして…俺はデッキからカードを1枚ドローする」

《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》をエクストラデッキに置き、視線がデッキトップに向けられる。

(今の手札じゃ、ペンデュラム召喚なんてできない。その先…あの人に勝つためには)

ペンデュラム召喚はできないが、だからといって負けたわけではない。

《ペンデュラム・エクシーズ》を使って、《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》のエクシーズ召喚に成功したように、やり方はある。

「(確かに、あの人の言う通りかもしれない。けれど…だからといって、あきらめたくない。笑顔にすることも、戦争を終わらせることも!!)ドロー!!」

勢いよくカードを引き、ドローしたばかりのカードを見る。

「…俺は、スケール1の《星読みの魔術師》とスケール8の《EMオッドアイズ・ユニコーン》でペンデュラムスケールをセッティング」

「無駄だ。ペンデュラム効果もペンデュラム召喚も、《波紋消滅》によって消え去る」

再び現れた光の柱も灰色となり、それを生み出すペンデュラムモンスターもまた、石と化す。

だが、遊矢の中に揺れているペンデュラムはまだ止まっていない。

「まだだ!俺のモンスターたち、俺に力を貸せ!!」

「うん…?」

遊矢の言葉に呼応するかのように、石化したペンデュラムモンスターが淡く光を放ち始め、同時に灰色に染まった光が青を取り戻していく。

そして、ペンデュラムのソリッドビジョンが出現し、それはゆっくりと揺れながらひび割れていく。

「運命の狭間に止まった振り子が新次元に新たな時を刻む!オーバースケールペンデュラム召喚!!」

「ペンデュラム召喚…だと?」

「そうだ!このカードは俺のペンデュラムゾーンにペンデュラムカードが2枚存在し、俺のエクストラデッキにオッドアイズが表側表示で存在する場合、手札から特殊召喚できるペンデュラムモンスターだ!!現れろ、《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》!!」

ペンデュラムが砕け散り、そこから真っ白に染まり、虹色の輝きを放つ翼を左右につけた《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》が飛び立つ。

 

オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン レベル8 攻撃3000

 

「バトルだ!《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》で《幻獣猿人ゼーマン》を攻撃!!そして、《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》の効果発動!相手モンスターを攻撃するダメージ計算時、戦う相手モンスターの攻撃力を俺のエクストラデッキに表側表示で存在するペンデュラムモンスターの数×1000ダウンする!今の俺のエクストラデッキに存在するペンデュラムモンスターは2体!!よって、《ゼーマン》の攻撃力は2000ダウン!!」

 

幻獣猿人ゼーマン レベル7 攻撃2500→500

 

「いけ!ファンタスティック・フォース!!」

《オッドアイズ・ファンラズマ・ドラゴン》が口から虹色の螺旋のブレスを放つ。

虹色の光の中でモンスターは消滅し、ヒイロもそれに飲み込まれる。

「くっ…」

 

ヒイロ

ライフ4000→2000

 

「《幻獣猿人ゼーマン》の効果。デッキから《幻獣妖精バリアカーバンクル》を手札に加える」

「これでトドメだ!!《魔剣ダーマ》でダイレクトアタック!!」

あとはこの一撃が決まれば勝てる。

《HSR魔剣ダーマ》がヒイロに向けてビームを放つ。

「俺は手札の《幻獣妖精バリアカーバンクル》の効果を発動。相手の直接攻撃宣言時、このカードを手札から特殊召喚し、その攻撃力をターン終了時まで0にする!」

額に淡い純粋なルビーを宿し、羽根飾りを頭につけた白い子猫が現れ、そのルビーの光がビームを消滅させた。

 

幻獣妖精バリアカーバンクル レベル2 守備1200

HSR魔剣ダーマ レベル6 攻撃2200→0

 

「くっそお!後一撃が届かねえのかよ!!」

「けれど、もうモンスターは《バリアカーバンクル》1体。次のターンで勝てる!」

ヒイロの手札は1枚のみで、次のターンで《波紋消滅》の効果も切れる。

そうなれば、《EMオッドアイズ・ユニコーン》の効果も使えるようになる。

圧倒的に遊矢達に勢いが傾く。

「俺はこれで、ターンエンド!」

 

ヒイロ

手札1

ライフ2000

場 幻獣妖精バリアカーバンクル レベル2 守備1200(チューナー)

  波紋消滅(永続罠)

  幻獣海(フィールド魔法)

 

ユーゴ&遊矢

手札

ユーゴ1

遊矢3→0

ライフ250

場 HSR魔剣ダーマ レベル6 攻撃2200

  オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン レベル8 攻撃3000

 

「俺のターン、3回目のスタンバイフェイズとなったことで、《波紋消滅》の効果は消える」

 

ヒイロ

手札1→2

 

「榊遊矢、ユーゴ…お前のデュエル、悪くなかった。だが…俺の勝ちだ」

「何!?」

「俺は手札から魔法カード《ミラクルシンクロフュージョン》を発動。俺のフィールド・墓地から融合素材モンスターを除外し、シンクロモンスターを融合素材として要求する融合モンスター1体を融合召喚する。俺は墓地の《マリンフォース・ドラゴン》と《幻獣猿人ゼーマン》を融合」

「融合…だって!?このタイミングで!!」

「伝説と神話の力を束ねし水竜よ、世界を震わし新たな可能性を照らし出せ!融合召喚!!《幻獣剣神オーシャン》!!」

「行くよ、マスター!!」

剣士へと姿を変えたアクアは何十年もヒイロと共に生きてきたにもかかわらず、相変わらずの子供っぽい言動と笑顔を見せた。

 

幻獣剣神オーシャン レベル10 攻撃3600

 

「攻撃力…3600…!?」

「バトル。《オーシャン》で《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》を攻撃」

「いくよ!はああああ!!」

アクアが持つ剣が青い光を放ち、それを振り下ろすと同時に《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》が両断させる。

そこから青い光が広がっていき、遊矢達を包んでいった。

 

遊矢&ユーゴ

ライフ250→0

 

 

 

 

 

幻獣界

フィールド魔法

(1):このカードの発動時の効果処理として、デッキから「幻獣」モンスター1体を手札に加える。

(2):自分フィールドに存在する「幻獣」モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。

(3):1ターンに1度、自分フィールドの「幻獣」Sモンスターが相手によって破壊された時に発動できる。EXデッキからそのモンスターと同じレベルのSモンスター1体をS召喚扱いとして特殊召喚する。

 

幻獣の子コロ

レベル1 攻撃0 守備0 チューナー 地属性 獣族

(1):このカードを「幻獣」または「マリンフォース」SモンスターのS素材とする場合に発動できる。自分の手札に存在する「幻獣」モンスター1体をS素材として使用することができる。この効果はこのカードが(2)の効果で特殊召喚されている場合、発動できない。

(2):自分フィールドにモンスターが存在しない状態で自分がダメージを受けるとき、墓地にこのカードが存在する場合に発動できる。このカードを墓地から特殊召喚し、ターン終了時まで自分が受けるダメージを0にする。この効果で特殊召喚されたこのカードはフィールドから離れたとき除外される。

 

幻獣盾ウォールゴーレム

レベル6 攻撃0 守備2000 地属性 岩石族

【Pスケール:青5/赤5】

(1):1ターンに1度、自分フィールドの「幻獣」モンスターが相手モンスターと戦闘を行うときに発動できる。そのモンスターはその戦闘では破壊されず、自分が受ける戦闘ダメージは半分になる。

【モンスター効果】

(1):このカードをS素材としたSモンスターは1ターンに1度、戦闘・効果では破壊されない。

 

幻獣ジャックフロスト

レベル1 攻撃200 守備200 チューナー 水属性 水族

このカードの(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しか行えない。

(1):自分フィールドに「幻獣」モンスターが墓地から特殊召喚された時に発動できる。手札に存在するこのカードを特殊召喚する。

(2):このカードの効果でこのカードが特殊召喚に成功したとき、そのモンスターとこのカードのみをS素材としてS召喚を行う。

(3):このカードをS素材としてSモンスターのS召喚に成功した場合に発動する。次の相手バトルフェイズ中、相手は攻撃宣言を行えない。

 

ビック・リボーン

通常罠カード

(1):相手の直接攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けたときに発動できる。そのダメージ以下の数値の攻撃力を持つモンスターを自分の墓地から特殊召喚する。

(2):自分フィールドにカードがない場合、このカードは手札から発動できる。

 

波紋消滅

永続罠カード

このカードは発動後、3回目の自分スタンバイフェイズ時に墓地へ送られる。

(1):お互いのプレイヤーはペンデュラム召喚を行えず、Pゾーンに存在するPカードの効果を発動できない。

 

幻獣の紋章

通常魔法カード

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドに存在する「幻獣」Sモンスター1体をリリースすることで発動する。自分の墓地に存在する「幻獣」チューナー1体とチューナー以外の「幻獣」モンスター1体をレベルの合計がそのモンスターと同じになるように選択し、自分フィールドに特殊召喚する。この効果を発動したターン、自分は「幻獣」以外のモンスターを手札・墓地から特殊召喚できない。

(2):自分フィールドにモンスターが存在しない状態で相手の直接攻撃宣言時、墓地に存在するこのカードを除外することで発動できる。その攻撃を無効にする。その後、デッキから「幻獣」カード1枚を手札に加える。この効果を発動したターン、自分はデッキからカードを手札に加えることができない。

 

幻獣空

フィールド魔法カード

(1):自分フィールドのSモンスターは1ターンに1度、戦闘及び効果では破壊されない。

(2):このカードが破壊され墓地へ送られた時に発動できる。デッキから「幻獣」フィールド魔法カード1枚を手札に加える。

 

幻獣霊ボディレスファントム

レベル3 攻撃0 守備0 闇属性 アンデット族

【Pスケール:青3/赤3】

(1):1ターンに1度、自分フィールドに「幻獣」Sモンスターが特殊召喚された時に発動できる。そのモンスターのS素材となった「幻獣」モンスター1体を自分フィールドに表側守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化される。

【モンスター効果】

このカード名のカードのモンスター効果はデュエル中1度しか発動できない。

(1):フィールド魔法が存在する自分メインフェイズ時に発動できる。自分の墓地・EXデッキに表側表示で存在するこのカードを自分フィールドに表側守備表示で特殊召喚する。

 

幻獣海

フィールド魔法カード

(1):自分フィールドの「幻獣」モンスターの戦闘で発生する自分へのダメージは0となる。

(2):自分フィールドの「幻獣」モンスターが相手モンスターを攻撃したダメージステップ終了時に発動する。その相手モンスターの攻撃力を戦闘を行った自分のモンスターの攻撃力分ダウンさせる。

 

SRポケサーキッド

レベル3 攻撃1000 守備1000 効果 風属性 機械族

(1):自分フィールドの風属性Sモンスターが相手モンスターの攻撃対象となったとき、手札に存在するこのカードを墓地へ捨てることで発動できる。その戦闘で発生する自分へのダメージを半分にする。この効果を発動した次の自分スタンバイフェイズ時、自分はデッキからカードを1枚ドローする。

 

転生幻獣リバースカラドリウス

レベル3 攻撃400 守備300  光属性 鳥獣族

【Pスケール:青7/赤7】

このカード名の(1)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドの「幻獣」モンスターが戦闘・効果によって破壊され墓地へ送られたときに発動できる。Pゾーンに存在するこのカードを破壊することで、墓地に存在するそのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化される。

【チューナー:効果】

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分フィールドの「幻獣」モンスターが戦闘・効果によって破壊された時に発動できる。手札に存在するこのカードを自分フィールドに表側攻撃表示で特殊召喚する。その後、自分の墓地に存在する「幻獣」モンスター1体を自分フィールドに特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化される。この効果で特殊召喚されたこのカードは自分ターン終了時、表側表示でEXデッキに置く。

 

運命の振り子

通常魔法カード

(1):自分のPゾーンにカードがない場合にのみ発動できる。自分のデッキに存在するPカード1枚をEXデッキに表側表示で置く。その後、デッキからカードを1枚ドローする。

 

幻獣妖精バリアカーバンクル

レベル2 攻撃0 守備1200 光属性 獣族

【Pスケール;青8/赤8】

(1):1ターンに1度、自分フィールドに表側攻撃表示で存在する「幻獣」モンスターが相手モンスターの攻撃対象となったときに発動できる。その自分モンスターを守備表示に変更する。その後、ターン終了時までそのモンスターの守備力は1000アップする。

【チューナー:効果】

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):相手の直接攻撃宣言時に発動できる。手札のこのカードを自分フィールドに特殊召喚する。その後、攻撃モンスターの攻撃力をターン終了時まで0にする。

 

 

「目は…覚めたか?」

デュエルが終わると同時に、ヒイロから2人に問いかけられる。

「目が覚めたって…どういう意味だよ?」

(ユーゴ、彼はあなたと遊矢君にデュエルを挑んだのは、2人の頭を冷やさせる為だったんですよ)

「んだよ、そのためだけに俺ら2人まとめて相手をしたってのかよ」

口数が少なく、クールに見える彼だが、そんなことのためにこんなデュエルをしてきたことに思わず呆れてしまう。

ヒイロのそばには元の姿に戻ったアクアの姿があった。

「一直線に走るだけが戦いじゃない。勝ちたいなら、相手を知り、己を知ることだ。そして、己のできることで、相手の最も嫌がることをしろ。そして…」

ヒイロの視線が遊矢に向けられる。

そして、懐から1枚のカードを出すと、それを彼に向けて投げた。

「これは…?」

「お前の力の使い方は矛盾している。だが、たとえ矛盾をはらんだとしても、その願いに向けて突き進む意思があれば、お前は何かをなせるだろう。良くも悪くも、だろうが」

「ヒイロさん…」

遊矢は投げ渡されたカード、《超融合》のカードを見る。

遊矢の目にはそのカードから、恐ろしいほどの何かが組み込まれているように感じられた。

「これをどう使うかはお前次第だ。特別に貸してやる。そのカードと、親父さんのカードで、探してみろ。本当のお前のデュエルをな。それから、お前たちにその秘密というものを話してやる前に…」

ヒイロの視線が今度は翔太に向けられ、視線に気づいた翔太がにらむ。

「この流れで、今度は俺かよ?で、対戦相手ってのは…あんたか?」

「いや。お前の相手は剣崎侑斗だ。彼とデュエルをしてもらう」

デュエルリングを元に戻し、ヒイロと交代するように侑斗が席に入る。

「今度は君を確かめないといけない。君が本当にベクターに勝てるかどうかを…」

エクシーズ次元で初めてベクターが表面化し、彼のデュエルを見たことではっきりわかったことは、バリアン世界で凌牙が倒した時と比較するとさらにパワーアップしていることだ。

今、翔太の中で眠りについている中でもそれが続いている可能性は高い。

おそらくは、翔太自身がベクターに引導を渡さなければならないだろう。

その時、彼が負けてしまうようなことがあってはならなかった。

「俺が…あいつに負けるほどヤワだとでも?」

「それは分からない。けれど、少なくとも僕と互角に戦えないようなら、きっと勝てないよ」

侑斗は腰に下げているカードケースからではなく、懐からデッキを出し、リングにセットする。

遊矢とユーゴが下りてくるのを待った翔太は入れ替わるように乗り込む。

「なぁ、遊矢。その《超融合》ってカードは何だよ?融合次元が使っているカードなのか?」

「いや、俺が今までデュエルをしたアカデミアが使っている様子はなかった。けど…きっと、これは融合次元のものじゃない」

「…?なんで、そう言い切れるんだよ?」

「きっと、これは…ヒイロさんの言葉を借りるなら、精霊の世界で作られたカードだ…」

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