遊戯王ARC-V 戦士の鼓動   作:ナタタク

128 / 145
第119話 迷いし道化師

「よし…遊矢が道を開いた。突入できるわ!」

「港の掌握は完了したか?」

確かに道は開けたが、まだそれは港にいるデュエル戦士が全滅したとは限らない。

そんな零児の警戒心が当たっていて、イージス艦のカメラでとらえた港の光景の中には、今にもデュエルを開始しようとしているデニスと黒咲の姿がある。

「デニス・マックフィールド…。やはり、彼もいるか」

 

デニス

手札5

ライフ4000

 

 

黒咲

手札5

ライフ4000

 

「僕の先攻だ。まずは…これだね。僕は手札から魔法カード《魔法族の里》を発動」

発動と共に、雪と氷とコンクリートに包まれていたはずのフィールドに次々と木が生えてくる。

それらの木々にはホタルのような淡い光がいくつも漏れ出ている。

その魔法カードの発動に黒咲は顔をしかめる。

(剣崎が言っていた…あいつともし、デュエルをするとき、気を付けるべきカードを!!)

その1枚がまさに《魔法族の里》で、デニスにとっては相性のいいカードで、黒咲には間違いなく刺さる。

「このカードは僕のフィールドにのみ魔法使い族モンスターが存在する場合、君は魔法カードを発動できなくなる。そして、僕の場合は自分フィールドに魔法使い族が存在しない場合、魔法カードを発動できない。最も、君のデッキには魔法使い族はいない。だから…僕のフィールドに魔法使い族モンスターがいる限り、君は魔法カードを発動できない。厄介なRUMもね」

「ほざいていろ…!ならば、貴様のフィールドの魔法使い族モンスターを全滅させるか、その永続魔法扱いとなっているカードを破壊するまでだ!」

「そうだね。それができたらいいけど、そうはいかない。僕は手札から《Emトリック・クラウン》を召喚」

 

Emトリック・クラウン レベル4 攻撃1100

 

「更に僕はもう1枚の永続魔法《古文書の結界》を発動。これが存在する限り、このカード以外のお互いのフィールドの永続魔法を戦闘・効果で破壊することができなくなるのさ」

「くっ…」

黒咲のデッキにはRUMだけでなく、ペンデュラムモンスターも存在し、しかも今はアクションデュエルだ。

実質、ペンデュラム召喚もアクション魔法も封じられたことになる。

「せっかくのリターンマッチなんだから…君に対しては是が非でも勝たせてもらうよ。僕にだって、プライドはある」

「ふん…のこのこ生き恥をさらして戻った貴様に、そんなプライドがあるとは思えんが」

いや、そもそもデュエル戦士に対してデュエリストのプライドを解くなど馬の耳に念仏だろう。

それがひとかけらでもあるというなら、こんなバカげた戦争などしない。

「好きに言えばいいさ。そういっていられるのも、今の間だけなんだから。このカードは僕のフィールドに魔法・罠カードが2枚以上表側表示で存在する場合、手札から特殊召喚できる。《Emセカンド・ディーラー》を特殊召喚」

虹色の縁をした片淵眼鏡をかけた、燕尾服で白髪のディーラーが手持ちのトランプをシャッフルしながらフィールドに現れる。

 

Emセカンド・ディーラー レベル4 攻撃1000

 

「そして、このカードの召喚・特殊召喚に成功したとき、デッキからEm1体を選択し、裏向きの状態で除外する。そして、次のターンのドローフェイズ時に通常のドローの代わりに僕はこの効果で除外したカード1枚を手札に加えることができる」

「セカンドディールか、貴様らしいな」

「…そうだね、僕もそう思うよ」

マジックの仕込みのテクニックとして認められているその技術は元々はギャンブルのイカサマのためのもの。

卑怯なことをしている自覚の有るデニスには黒咲の言葉を否定できない。

だが、それが敗北につながるわけではない。

「僕はレベル4の《セカンド・ディーラー》と《トリック・クラウン》でオーバーレイ!ショーマストゴーオン!!天空の奇術師よ 華やかに舞台を駆け巡れ!エクシーズ召喚!現れろ!ランク4!《Emトラピーズ・マジシャン》!」

 

Emトラピーズ・マジシャン ランク4 攻撃2500

 

「僕はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」

 

デニス

手札5→0

ライフ4000

場 Emトラピーズ・マジシャン(オーバーレイユニット2) ランク4 攻撃2500

  古文書の結界(永続魔法)

  魔法族の里(永続魔法扱い)

  伏せカード1

 

 

黒咲

手札5

ライフ4000

場 なし

 

「俺の…ターン!!」

 

黒咲

手札5→6

 

「俺は手札から《RR-バニシング・レイニアス》を召喚!」

 

RR-バニシング・レイニアス レベル4 攻撃1300

 

「そして、《バニシング・レイニアス》の効果。このカードの召喚・特殊召喚に成功したターンに1度だけ、手札のレベル4以下のRR1体を特殊召喚できる。俺はもう1枚の《バニシング・レイニアス》を特殊召喚!」

 

RR-バニシング・レイニアス レベル4 攻撃1300

 

「そして、ここから2体の《バニシング・レイニアス》を素材に《フォース・ストリクス》をエクシーズ召喚…するつもりなんだろう?じゃあ、こういう趣向はどうだい?罠カード《次元障壁》を発動!僕がこれから、儀式モンスター、融合モンスター、シンクロモンスター、エクシーズモンスター、ペンデュラムモンスターの中から1つ、種類を宣言する。宣言した種類のモンスターをこのターン、僕たちは特殊召喚することができず、しかも効果は無効化される。僕が宣言するのは当然…エクシーズモンスターだ」

「ちぃ…!!」

先攻1ターン目に続き、後攻でも黒咲のここからの動きを封じてきた。

おまけにデニスのフィールドには《Emトラピーズ・マジシャン》が存在する。

このモンスターはオーバーレイユニットを1つ取り除くことで、このカード以外のフィールド上のモンスターに2回攻撃の権利を与えることができる。

仮に攻撃力2100以上のモンスターの召喚に成功し、そのモンスターに効果を使われた場合、2体の一斉攻撃で黒咲のライフは尽きる。

今のデニスのデッキはとにかく黒咲の動きを封じる、アンチ黒咲デッキといえる。

「さあ、今の君は魔法カードを使うことも、エクシーズ召喚もすることはできない。どうするのかな…?」

「…俺は、カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」

 

デニス

手札0

ライフ4000

場 Emトラピーズ・マジシャン(オーバーレイユニット2) ランク4 攻撃2500

  古文書の結界(永続魔法)

  魔法族の里(永続魔法扱い)

 

 

黒咲

手札6→3

ライフ4000

場 RR-バニシング・レイニアス×2 レベル4 攻撃1300

  伏せカード1

 

「拍子抜けだね。たった2枚のカードで動きが封じられてしまうなんて。その程度で妹を助けられるのかな…?僕のターン、ドロー」

 

デニス

手札0→1

 

「おっと、これはラッキーだ」

ドローしたと同時に、木に引っかかっているアクションカードを見つけたデニスはそれをつかむ。

「僕はアクション魔法《エクストラ・ドロー》を発動!僕のフィールドに存在するモンスターがエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターだけの場合、デッキからカードを1枚ドローする!へえ…これはいい。僕は手札から《Emダブル・ジャグラー》を召喚」

 

Emダブル・ジャグラー レベル4 攻撃1200

 

「《ダブル・ジャグラー》の効果。このカードを除外して、僕のフィールドの魔法使い族エクシーズモンスター1体は1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できるようになる。更に、その対象にしたカードがEmの場合、僕はデッキからカードを1枚ドローする」

《Emダブル・ジャグラー》から受け取った2つのボールを取り込み、紫に染まる《Emトラピーズ・マジシャン》。

デニスが辛酸をなめたあのフレンドシップカップと同じ姿となった相棒に笑みを見せる。

「どうやら、《トラピーズ・マジシャン》もあの時のお返しがしたくてたまらないみたいだ。僕は手札から装備魔法《トラピーズ・ロッド》を《トラピーズ・マジシャン》に装備!このカードは魔法使い族エクシーズモンスターにのみ装備出来て、装備モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊したとき、デッキからカードを1枚ドローする」

《Emトラピーズ・マジシャン》の手に自分の身長と同じくらいの長さで、両端に黄色い球体がついた杖が出現する。

それを握った瞬間、2つの球体が杖から離れて《Emトラピーズ・マジシャン》の周囲を旋回する。

「さあ、バトルだ!《トラピーズ・マジシャン》で《バニシング・レイニアス》を攻撃!!」

《Emトラピーズ・マジシャン》の周囲に浮かんでいる球体の1つが杖の動きに従って旋回し、その後で《RR-バニシング・レイニアス》に向けて飛んでいく。

球体は《RR-バニシング・レイニアス》の胴体を貫き、爆散させると同時に黒咲を襲う。

「ぐっ…!!」

球体を受けた黒咲は吹き飛ばされるが、どうにか転倒することなく、両足と右手で着地する。

 

黒咲

ライフ4000→2800

 

「そして、《トラピーズ・ロッド》の効果によって、僕はデッキからカードを1枚ドローする。そして、2回目の攻撃だ!《トラピーズ・マジシャン》!」

黒咲を攻撃した球体が再び《トラピーズ・ロッド》の力によって制御されて浮かび、今度は真上から《RR-バニシング・レイニアス》に向けて落下してくる。

頭にそれが直撃して消滅し、地面にぶつかると同時に砕けた氷のつぶれが黒咲を襲う。

「ぐうう…!!」

 

黒咲

ライフ2800→1600

 

「更に僕は《トラピーズ・ロッド》の効果でドローだ。さすがに魔法カードなしでは厳しいかな…?」

「罠発動!《ショック・ドロー》!俺がこのターン、受けたダメージの合計1000ごとに1枚、デッキからカードをドローする…」

 

黒咲

手札3→5

 

「ふうん、罠カードか。《魔法族の里》の効果の範囲外だけど…その2枚のカードで何ができるんだろうね…?僕はこれで、ターンエンドだ」

 

デニス

手札1→2

ライフ4000

場 Emトラピーズ・マジシャン(オーバーレイユニット2 《Emダブル・ジャグラー》の影響下 《トラピーズ・ロッド》装備) ランク4 攻撃2500

  トラピーズ・ロッド(装備魔法)

  古文書の結界(永続魔法)

  魔法族の里(永続魔法扱い)

 

 

黒咲

手札5

ライフ1600

場 なし

 

フィールドからカードがなくなり、ライフも大幅に削られた。

アクションカードにも、RUMにも頼れない黒咲はまさに絶体絶命。

(だが…それがどうした!?)

エクシーズ次元での修羅場と比べれば、大したことはないと強がる。

瑠璃を救うため、アカデミアに来た以上はこの程度の機器は覚悟の上。

「俺の…ターン!!」

 

黒咲

手札5→6

 

「俺は手札から《RR-トリビュート・レイニアス》を召喚!」

 

RR-トリビュート・レイニアス レベル4 攻撃1800

 

「このカードの召喚・特殊召喚に成功したターンのメインフェイズ時、俺はデッキからRRカード1枚を墓地へ送る」

 

デッキから墓地へ送ったカード

・RR-ミミクリー・レイニアス

 

「墓地へ送られた《ミミクリー・レイニアス》の効果。墓地のこのカードを除外することで、デッキからRRカード1枚を手札に加える。俺は《ファジー・レイニアス》を手札に加える。そして、《ファジー・レイニアス》は俺のフィールドに《ファジー・レイニアス》以外のRRが存在する場合、手札から特殊召喚できる」

 

RR-ファジー・レイニアス レベル4 攻撃500

 

「いくぞ!俺はレベル4の《トリビュート・レイニアス》と《ファジー・レイニアス》でオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろ、ランク4!《零鳥獣シルフィーネ》!」

黒咲のこれまで使ったRRとは大きく異なり、青い氷のような色をした細い女性的な体つきで、青い装甲でできた翼をつけた鳥人がオーバーレイネットワークの中から飛び降りる。

 

零鳥獣シルフィーネ ランク4 攻撃2000

 

「《シルフィーネ》?《フォース・ストリクス》じゃない??」

「そうだ。だが、この効果で貴様の守りを突破する!《シルフィーネ》の効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールドに表側表示で存在するすべてのカードの効果を次の俺のターンのスタンバイフェイズ時まで無効にする!そして、《シルフィーネ》の攻撃力はその効果を受けたカード1枚につき300アップする!」

オーバーレイユニットを宿した《零鳥獣シルフィーネ》が両翼から吹雪をデニス達に向けて放つ。

吹雪を受けた魔力の木が氷漬けになり、《Emトラピーズ・マジシャン》は寒さで体を震わせ、鼻水を垂れ流し始めていた。

「くうう、寒い!《魔法族の里》と《古文書の結界》の効果もなくなっちゃうよぉ!!」

 

零鳥獣シルフィーネ ランク4 攻撃2000→3200

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・RR-ファジー・レイニアス

 

「そして、《ファジー・レイニアス》の効果。このカードが墓地へ送られた時、デッキから《ファジー・レイニアス》を1枚手札に加えることができる。更に俺は魔法カード《オーバーレイ・コンバート》を発動!俺のフィールドのモンスター1体のオーバーレイユニットを1つ取り除き、そのモンスターと同じランクのエクシーズモンスター1体をエクシーズ召喚扱いで特殊召喚する。俺は《シルフィーネ》のオーバーレイユニットを取り除き、エクストラデッキから《RR-ブレード・バーナー・ファルコン》を特殊召喚する!」

 

RR-ブレード・バーナー・ファルコン ランク4 攻撃1000

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・RR-トリビュート・レイニアス

 

「まだだ!更に手札から速攻魔法《RUM-ファントム・フォース》を発動!俺の墓地の闇属性モンスターを任意の数除外し、俺のフィールドの闇属性エクシーズモンスター1体を除外したモンスターの数だけランクの高い幻影騎士団、RR、エクシーズ・ドラゴンにランクアップさせる!俺は4体のRRを除外し、《ブレード・バーナー・ファルコン》でオーバーレイ!勇猛果敢なるハヤブサよ。怒りの炎を巻き上げ、大地をも焼き尽くす閃光となれ!ランクアップ・エクシーズチェンジ!飛翔しろ!ランク8、《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》!」

 

RR-サテライト・キャノン・ファルコン ランク8 攻撃3000

 

墓地から除外されたカード

・RR-バニシング・レイニアス×2

・RR-トリビュート・レイニアス

・RR-ファジー・レイニアス

 

「Wow!僕の《魔法族の里》の効果を無効にして、その上で一気に2体もエクシーズモンスターをフィールドに出すなんて…それにしても、よりによってそのうちの1体が《サテライト・キャノン・ファルコン》だなんてね…」

フレンドシップカップでフィニッシャーとなった《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》はデニスにとっては苦いモンスターだ。

そのモンスターを再び召喚してきた彼が意地悪だと思ってしまう。

「《サテライト・キャノン・ファルコン》の効果!このカードがRRを素材としてエクシーズ召喚に成功した場合、相手フィールドの魔法・罠カードをすべて破壊する!俺を縛っていたすべてのカードがこれで消えてなくなる!!」

《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》の両翼に備わっている砲台から次々とビームが発射され、氷漬けになっている樹木を焼き払っていく。

ヴァイキングの大地となっていたはずのフィールドが炎に包まれていく中、デニスの口角が釣りあがる。

「これで、《魔法族の里》は《古文書の結界》諸共消えてなくなった…。そして、《トラピーズ・マジシャン》の愛用アイテム、《トラピーズ・ロッド》もフィールドから消えた…」

「バトルだ!《サテライト・キャノン・ファルコン》で《Emトラピーズ・マジシャン》を攻撃!」

マイクロウェーブを受信した《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》が今回は出力を抑えた状態で両翼からビームを連射する。

次々と飛んでくるビームを空中ブランコをしながら回避していた《Emトラピーズ・マジシャン》だったが、あまりの弾幕に耐えることができずに命中し、消滅する。

「《トラピーズ・マジシャン》!!でも、《トラピーズ・マジシャン》の効果で、このカードの攻撃力以下のいかなるダメージも僕には通らない!そして、《トラピーズ・マジシャン》が戦闘か相手の効果によって破壊された時、デッキからEm1体を特殊召喚できる!僕は《ストリング・フィギュア》を特殊召喚!」

緑色のブロッコリーが左右に分かれたかのような髪形をしている青ベースの派手な衣装姿のピエロがデニスを守るように飛び出てくる。

 

Emストリング・フィギュア レベル1 守備0

 

「更に《トラピーズ・マジシャン》と一緒に墓地へ送られた《トリック・クラウン》の効果も発動!このカードが墓地へ送られた時、墓地のEm1体を攻撃力・守備力を0にして特殊召喚できる。もう1度頼むよ、《トラピーズ・マジシャン》!!」

 

Emトラピーズ・マジシャン ランク4 守備2000→0

 

「そして、僕は1000のダメージを受ける…!」

 

デニス

ライフ4000→3000

 

「はは…《ストリング・マジシャン》は戦闘では破壊されず、戦闘で発生する僕へのダメージも0になる…!」

「ならばもう1度貴様のピエロを破壊するだけだ!《シルフィーネ》で《トラピーズ・マジシャン》を攻撃!!」

《零鳥獣シルフィーネ》が再び両翼から吹雪を放ち、氷漬けとなった《Emトラピーズ・マジシャン》は粉々に砕け散る。

「く…《トラピーズ・マジシャン》の効果は1ターンに何度でも使える!今度は《Emハットトリッカー》を特殊召喚する!」

 

Emハットトリッカー レベル4 守備1100

 

「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド」

 

デニス

手札2

ライフ3000

場 Emハットトリッカー レベル4 守備1100

  Emストリング・フィギュア レベル1 守備0

 

 

黒咲

手札6→2(うち1枚《RR-ファジー・レイニアス》)

ライフ1600

場 RR-サテライト・キャノン・ファルコン(オーバーレイユニット1) ランク8 攻撃3000

  零鳥獣シルフィーネ ランク4 攻撃3200

  伏せカード2

 

「ふふふ…やるね。黒咲。まさか《魔法族の里》も《トラピーズ・マジシャン》も、根こそぎ撃破していくなんてね」

おまけに自らの象徴ともいえる《Emトラピーズ・マジシャン》を2度も戦闘破壊した。

こちらの作戦もあったとはいえ、これほどまでに痛めつけてきたのは彼が初めてだ。

「デニス、サレンダーしろ。そして、受けるべき罰を受けろ」

「それはできない…。もう、僕も君たちも引き返せないところまで来たんだから。それに…サレンダーするのは君の方だよ…?僕のターン、この瞬間…僕は《セカンド・ディーラー》の効果を発動!通常のドローを放棄するかわりに、裏向きで除外していたカードを手札に加える!」

ドローの動きと同時に、除外されていたはずのカードがデニスの手札に加わる。

 

デニス

手札2→3

 

「ここで僕は《ストリング・フィギュア》の効果を発動!このカードを含む、僕のフィールドのモンスターを素材に魔法使い族融合モンスターの融合召喚を行うことができる!僕が素材とするのは《ストリング・フィギュア》と《ハットトリッカー》だ!戦場を奏でる玩具よ、奇術の帽子と一つとなり、戦場を狩る魔女となれ!融合召喚!現れろ、レベル7!《Emトラピーズ・フォース・ウィッチ》!!」

《Emトラピーズ・マジシャン》の時と同じように、空中ブランコを演じながら女性のピエロがフィールドに現れる。

明るい色だった《Emトラピーズ・マジシャン》とは対照的に黒や暗い緑をベースとした服装をしていて、融合モンスターであることから彼の象徴とは対照的な印象を抱く。

 

Emトラピーズ・フォース・ウィッチ レベル7 攻撃2400

 

「《トラピーズ・フォース・ウィッチ》…貴様の真のエースカードか…!」

「僕の本当のエースは《トラピーズ・マジシャン》だよ。勘違いしないでほしいな…。本当なら、もっとあそこで楽しい時間を過ごせるはずだったのに…」

「人のせいか…?見苦しい蝙蝠だな、貴様は」

「ああ…そうだね。だったら、その見苦しい蝙蝠に食い殺される気持ちを味わってもらおうか!僕は墓地の《トラピーズ・ロッド》の効果発動!僕のフィールドに《トラピーズ・フォース・ウィッチ》が存在する場合、墓地のこのカードを除外することで、墓地から《トラピーズ・マジシャン》を効果を無効にして特殊召喚できる!」

 

Emトラピーズ・マジシャン ランク4 攻撃2500

 

 

「さてっと…気になるのは君のフィールドにセットされている2枚のカードだ…」

素良のデュエルデータの中には、デニスとのデュエルでは使われていなかったRUMも存在し、その中には先ほど使った《RUM-マジカル・フォース》と同じく、戦闘破壊が引き金となるRUMも存在する。

そして、黒咲のエクストラデッキにはまだまだ強力なRRが存在する。

「(ランク9とかランク10のエクシーズモンスターなんてものが存在するなら、もしかしたら《サテライト・キャノン・ファルコン》以上に厄介な効果を持っているモンスターに違いない。今のうちにその芽はつんでおかないとね)僕は手札から魔法カード《カード・バインドチェーン》を発動!ライフを1000支払う代わりに、君のフィールドにセットされている魔法・罠カード2枚を発動不能にする!この効果の発動に対して、僕たちはカード効果を発動できない!!」

「何!?」

《カード・バインドチェーン》のソリッドビジョン出現と同時に鎖が黒咲のフィールドの伏せカードを固定する。

これで、《RUM-ラプターズ・フォース》や《RUM-デス・ダブル・フォース》といった厄介なRUMとその先にいるRRエクシーズモンスター達の出現を封じ込めた。

 

デニス

ライフ3000→2000

 

「これで一安心っと…バトルだ!《トラピーズ・マジシャン》で《シルフィーネ》を攻撃!」

「馬鹿な!?《シルフィーネ》の攻撃力は3200!《トラピーズ・マジシャン》では…」

「更に僕は《トラピーズ・フォース・ウィッチ》の効果発動!僕のEmが相手モンスターと戦闘を行う時、その相手モンスターの攻撃力を600ダウンさせることができる!」

《Emトラピーズ・フォース・ウィッチ》が《零鳥獣シルフィーネ》に向けて投げキッスをし、ピンクのエフェクトが飛んでいく。

それを受けた《零鳥獣シルフィーネ》が若干体勢を崩すが、すぐに持ち直し、こちらに攻撃してくる《Emトラピーズ・マジシャン》を翼で真っ二つに切り裂いた。

 

デニス

ライフ2000→1900

 

零鳥獣シルフィーネ ランク4 攻撃3200→2600

 

「ダメージ覚悟で、更にEmをデッキから特殊召喚するつもりか!?」

「いいや、間違っているよ…黒咲。この瞬間、僕は手札から《RUM-マジカル・フォース》を発動!」

「何!?貴様がRUMだと…!?」

「ああ…僕と君とのデュエルデータを元に、アカデミアで作ったプロトタイプさ…。最も、エクシーズを馬鹿にする奴らが多いから、僕しか使っていないけどね…」

あのデュエルで学んだ黒咲とエクシーズ召喚の強さ。

黒咲を倒すためにはさらなる力の必要性を感じたデニスはデータを提供すると同時に、RUMを求めた。

融合召喚とエクシーズ召喚の両方の力を使って、黒咲を超えるために。

その願いが叶い、このカードを手に入れることができた。

誇り高きデュエル戦士が外道に堕ちた、などと馬鹿にされもしたが、今はそんなものは関係ない。

「このカードはこのターン、戦闘で破壊された僕の魔法使い族エクシーズモンスター1体を特殊召喚し、そのモンスターよりもランクが1つ高い魔法使い族エクシーズモンスター1体を特殊召喚し、このカードをオーバーレイユニットにする。僕は《トラピーズ・マジシャン》を復活させ…オーバーレイ!!Show must go on!!天空の奇術師よ、もっと華やかに…もっと戦慄に…さらなる大舞台へと駆け巡れ!ランクアップ・エクシーズチェンジ!現れろ、ランク5!《Emトラピーズ・ハイ・マジシャン》!!」

復活した《Emトラピーズ・マジシャン》がオーバーレイネットワークへと飛び込んでいき、その中でとんがり帽子がシルクハットへと変わり、衣装もピエロから中世の貴族のようなものへと変わっていく。

そして、黒い仮面を身に着けると両手から魔力を放って重力を操作し、ゆっくりとフィールドへと降りてきた。

 

Emトラピーズ・ハイ・マジシャン ランク5 攻撃2700

 

「そして、戦闘破壊された《トラピーズ・マジシャン》の効果も使う。デッキから《Emダメージ・ジャグラー》を特殊召喚」

 

Emダメージ・ジャグラー レベル4 攻撃1500

 

先ほどのターンと打って変わり、今度は黒咲が危機的な状況に追い込まれた。

《Emトラピーズ・ハイ・マジシャン》の効果は分からないが、攻撃力2700で、おまけに《Emトラピーズ・フォース・ウィッチ》の効果が加わる。

《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》の効果を使用するとしても、《Emトラピーズ・フォース・ウィッチ》にはEm達を相手のカード効果の対象にできなくする効果を持っている。

相手ターンでも発動できる《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》の効果も、これではターゲットすら存在しないも同じだ。

「これで、君のフィールドのモンスターを全滅させることができる上に、君のライフも0になる。どうする…?今ならサレンダーして…妹に会わせてあげてもいいよ」

「…」

「怖いなぁ。彼女と…あとはリン、セレナ、そして柚子は計画の要。それを殺すわけがないじゃないか。それに、アークエリアプロジェクトが完遂したなら、また一緒に暮らせる。平和な世界で、昔のように…」

デニスにとって、これは黒咲には悪くない話に映るだろう。

確かに、アカデミアが原因でエクシーズ次元がボロボロになったことは否定できない。

そして、結果として瑠璃をさらったことも事実だ。

だが、アカデミアが生み出す未来なら、彼らのかつての平和な暮らしが約束される。

その計画もあと少しのところまで来ている。

だとしたら、そのほんのわずかの間の協力で平和な未来が約束される。

そんなうまい話だが、どんなにいい話でも、デニスの知る黒咲なら…。

「言いたいことはそれだけか?」

「何…?」

「貴様の御託などどうでもいい!アカデミアが俺たちの平和な世界を奪ったんだろう!?今度はその事実まで奪おうというのか!?」

黒咲にとっての平和な暮らしはあの時のエクシーズ次元にしかない。

たとえアカデミアが楽園を作ったとしても、それはただの虚像でしかない。

もう、平和なデュエルしか知らなかったエクシーズ次元の生活には戻れない。

「仮に楽園を作るというなら…作るのはその次元に生きる人々のものだ!誰が楽園を作ってくれと頼んだ!?押し付けもいいところだ!!」

「黒咲…ふっ、やっぱり、応じないって思ったよ。それだから君らしいけれどね」

「さあ、デュエルを続けろ!!」

「当然さ。なら…カードに変えた状態で会わせることにするよ!いけ、《トラピーズ・ハイ・マジシャン》!《サテライト・キャノン・ファルコン》を攻撃!!」

《Emトラピーズ・ハイ・マジシャン》の両手から魔力でできた玉が発射される。

「更に、《トラピーズ・フォース・ウィッチ》の効果!《サテライト・キャノン・ファルコン》の攻撃力は600ダウンだ!」

《Emトラピーズ・フォース・ウィッチ》の投げキッスのエフェクトが2つの球体の間に入る。

数珠のようにつながった3つは一直線にそのモンスターの胴体を貫き、爆散させた。

「ぐうううう!!」

 

RR-サテライト・キャノン・ファルコン ランク8 攻撃3000→2400

 

黒咲

ライフ1600→1300

 

「そして、《トラピーズ・フォース・ウィッチ》で《シルフィーネ》を攻撃!《トラピーズ・フォース・ウィッチ》の戦闘でも、この効果は発動するよ!」

《Emトラピーズ・ハイ・ウィッチ》が右手人差し指を銃身に見立て、ハートの光線を《零鳥獣シルフィーネ》に向けて発射する。

胸部を撃ち抜かれ、ハート型の大穴ができるとそのモンスターは爆散した。

 

零鳥獣シルフィーネ ランク4 攻撃2600→2000

 

黒咲

ライフ1300→900

 

「さあ、とどめだ…!《ダメージ・ジャグラー》でダイレクトアタック!!」

最後に残った《Emダメージ・ジャグラー》がジャグリングしている4つの玉をすべて黒咲に向けて投げつける。

この攻撃が決まれば、黒咲のライフは尽きる。

「終わりだ…黒咲」

「終わり…?そんなもの、誰が決められるものでもない!!」

駆けだした黒咲は氷の塊の中にあるアクションカードを見つける。

ふつうはモンスターに氷を溶かしてもらう必要があるが、モンスターが全滅している黒咲は右拳で殴り、一撃で氷を砕いてしまった。

「アクション魔法《奇跡》!モンスター1体はその戦闘では破壊されず、俺が受ける戦闘ダメージが半分になる!ぐおおおお!!」

《奇跡》が生み出すバリアーに守られた黒咲だが、それを突破した2つの球体を受け、吹き飛ばされた。

 

黒咲

ライフ900→150

 

「はあ、はあ、はあ…」

アクションカードのおかげで紙一重の差で生き延びることができた。

だが、3体のEmに守られている状況で、黒咲のフィールドにモンスターはいない。

「しぶとく生き延びたね…。でも、1ターン生き延びただけさ。僕はこれで、ターンエンド」

 

デニス

手札3→2

ライフ1900

場 Emトラピーズ・ハイ・マジシャン(オーバーレイユニット2) ランク5 攻撃2700

  Emトラピーズ・フォース・ウィッチ レベル7 攻撃2400

  Emダメージ・ジャグラー レベル4 攻撃1500

 

黒咲

手札2(うち1枚《RR-ファジー・レイニアス》)

ライフ150

場 伏せカード2(《カード・バインドチェーン》の影響下)

 

「俺の…ターン!!」

 

黒咲

手札2→3

 

「僕はここで《トラピーズ・ハイ・マジシャン》の効果発動!メインフェイズ時にオーバーレイユニットを1つ取り除くことで、このターン、このカードは3回まで破壊されない!」

オーバーレイユニットを両手で握った《Emトラピーズ・ハイ・マジシャン》はそれから取り込んだ力でバリアを展開する。

これで、《Emトラピーズ・ハイ・マジシャン》を戦闘破壊することは現実的でない状態になった。

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・Emトラピーズ・マジシャン

 

「俺は手札から《RUMソウル・シェイブ・フォース》を発動!ライフを半分支払い、墓地のRR1体を特殊召喚し、ランクの2つ高いエクシーズモンスターへとランクアップさせる!俺は《サテライト・キャノン・ファルコン》を特殊召喚し、オーバーレイ!!」

残り少ない黒咲のライフを代価に、再び舞い戻った《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》がオーバーレイネットワークへと飛び込んでいく。

「究極至高のハヤブサよ。数多なる朋友の遺志を継ぎ、勝利の天空へ飛び立て!ランクアップ・エクシーズチェンジ!現れろランク10!《RR-アルティメット・ファルコン》!」

これまでの暗い色や炎のような赤が色彩の中心となっていたこれまでのRRとは異なり、青と金の派手な色彩となり、背中には日輪のようなパーツがついた隼がオーバーレイネットワークの中から強い輝きを放ちながら現れる。

 

RR-アルティメット・ファルコン ランク10 攻撃3500

 

黒咲

ライフ150→75

 

「《アルティメット・ファルコン》はほかのカード効果を受けない!そして、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、このターン、相手フィールドのすべてのモンスターの攻撃力は1000下がり、相手はカード効果を発動できない!」

「これで、《トラピーズ・フォース・ウィッチ》の効果を封じるつもりだろうけれど、そうはさせないよ!僕は手札の《Emフェイク・ディーラー》の効果を発動!相手がモンスター効果を発動したとき、このカードを手札から墓地へ送ることで、このターン、僕のEm1体は相手のカード効果を受けない」

《Emセカンド・ディーラー》とは異なり、ルーレット用のボールを複数個握る白髪のディーラーが現れ、持っているボールを《Emトラピーズ・フォース・ウィッチ》に向けて投げる。

ボールは彼女の周囲で停止すると、バリアを展開する。

「更に、この効果を発動したターン、相手の攻撃対象は僕が決めることができる」

「それが…《セカンド・ディーラー》の効果で手札に加えたカードか…」

「その通りさ。それに、《トラピーズ・ハイ・マジシャン》の効果はまだ生きている。戦闘ダメージは避けられないけど、生き延びれるさ」

《RR-アルティメット・ファルコン》の背中の飾りにオーバーレイユニットが宿ると同時に黄金のビームが連続発射されてフィールドに降り注ぐ。

バリアに守られた《Emトラピーズ・フォース・ウィッチ》は守られたものの、それ以外のEmはビームを受けて弱体化する。

 

Emトラピーズ・ハイ・マジシャン ランク5 攻撃2700→1700

Emダメージ・ジャグラー レベル4 攻撃1500→500

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・RR-サテライト・キャノン・ファルコン

 

「そして、墓地に存在する《フェイク・ディーラー》は僕のフィールドにEmエクシーズモンスターが存在する場合、墓地から除外することで相手に1000ダメージを与える。そして、《アルティメット・ファルコン》はほかのカード効果を受けない以上、RUMで更にランクアップすることもできない!これで君の負けだ!!」

「いいや…まだデュエルは終わっていない!バトルだ!《アルティメット・ファルコン》で攻撃!!」

「悪あがきだよ…!《トラピーズ・ハイ・マジシャン》でその攻撃を受ける!!」

《RR-アルティメット・ファルコン》が口を開き、大出力のビームを発射する。

バリアを展開した《Emトラピーズ・ハイ・マジシャン》はそれを正面から受け止め、無傷のまま持ちこたえるが、その攻撃の余波はデニスに及ぶ。

「う。ううううう!!でも…しのぎ切れる!これで攻撃できるモンスターがいない以上、もう君の勝利は…」

 

デニス

ライフ1900→100

 

「いいや!《アルティメット・ファルコン》の攻撃を止められなかった時点で、貴様の敗北は決まった!メインフェイズ2に、俺は手札から《RR-ラダー・ストリクス》を召喚!」

《RR-アルティメット・ファルコン》の頭上に青いフクロウと飛行機が組み合わさったかのようなモンスターが現れる。

 

RR-ラダー・ストリクス レベル4 攻撃0

 

「このカードが召喚された時、もしくはRRの効果で特殊召喚された時、相手に600ダメージを与える…」

「何!?」

「終わりだ…デニス!!」

《RR-ラダー・ストリクス》が飛び立ち、デニスに向かって突っ込んでいく。

3体のEm達はそれを止めようと動き出すが、《RR-アルティメット・ファルコン》の効果で傷ついている状態、もしくはバリアに力を送り込んだことへの疲労で動くことができず、残る《Emトラピーズ・フォース・ウィッチ》もあと少しといったところで間に合わない。

「うわあああああああ!!!」

あと少しで、本当に勝つまで少しのところまで来たのに。

また、そこで黒咲に敗れるのか?

その現実に絶叫するデニスの腹部に《RR-ラダー・ストリクス》が突撃し、それを受けたデニスの体は吹き飛ばされて、港の床を転げまわった。

 

デニス

ライフ100→0

 

古文書の結界(漫画オリカ・調整)

永続魔法カード

(1):このカード名のカードはフィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。

(2):このカードが魔法・罠ゾーンに存在する限り、お互いのフィールドに存在するこのカード名のカード以外の永続魔法カードは戦闘・効果では破壊されない。

 

Emセカンド・ディーラー

レベル4 攻撃1000 守備1000 効果 闇属性 魔法使い族

このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しか行えず、(2)の効果はデュエル中1度だけ発動できる。

(1):自分フィールドの魔法・罠ゾーンにカードが2枚以上表側表示で存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2):このカードの召喚・特殊召喚に成功したとき、自分のデッキに存在する「Em」モンスター1体を対象に発動する。そのカードを裏向きの状態でゲームから除外する。この効果を発動した次の自分ドローフェイズ時、通常のドローの代わりにこの効果で除外したカード1枚を手札に加えることができる。

 

エクストラ・ドロー

アクション魔法カード

(1):自分フィールドに存在するモンスターがEXデッキから特殊召喚されたモンスターのみの場合に発動できる。自分はデッキからカードを1枚ドローする。

 

Emストリング・フィギュア(アニメオリカ・調整)

レベル1 攻撃0 守備0 効果 闇属性 魔法使い族

(1):このカードは戦闘では破壊されず、このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

(2):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、攻撃対象をこのカードに移し替える。

(3):EXデッキに存在する魔法使い族融合モンスター1体を対象に発動できる。そのカードによって決められた、このカードを含む融合素材モンスターを自分フィールドから墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

トラピーズ・ロッド

装備魔法カード

「Emトラピーズ・マジシャン」にのみ装備可能。

このカード名の(1)の効果は1ターンに2度しか使用できず、(2)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):装備モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊したときに発動する。自分はデッキからカードを1枚ドローする。

(2):自分フィールドに「Emトラピーズ・フォース・ウィッチ」が存在する場合、墓地に存在するこのカードを除外することで発動できる。自分の墓地に存在する「Emトラピーズ・マジシャン」1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化される。この効果はこのカードが墓地へ送られたターン、発動できない。また、この効果を発動したターン、自分は「Em」以外のモンスターを召喚・特殊召喚できない。

 

RUM-マジカル・フォース(アニメオリカ・調整)

速攻魔法カード

このカード名のカードは1ターンに1度しか発動できない。

(1):このターンに戦闘で破壊され自分の墓地へ送られた魔法使い族Xモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして特殊召喚し、そのモンスターよりランクが1つ高い魔法使い族Xモンスター1体を、対象のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚し、このカードを下に重ねてX素材とする。

 

Emトラピーズ・フォース・ウィッチ(アニメオリカ)

レベル7 攻撃2400 守備1800 融合 闇属性 魔法使い族

「Em」モンスター×2

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの「Em」モンスターは効果では破壊されず、相手の効果の対象にならない。

(2):自分フィールドにこのカード以外の「Em」モンスターが存在する限り、相手はこのカードを攻撃対象にできない。

(3):自分フィールドの「Em」モンスターが相手モンスターと戦闘を行う場合、その相手モンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターの攻撃力は600ダウンする。

 

Emトラピーズ・ハイ・マジシャン(アニメオリカ)

ランク5 攻撃2700 守備2200 エクシーズ 光属性 魔法使い族

魔法使い族レベル5モンスター×2

(1):自分・相手のメインフェイズに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。このターン、このカードは3回まで戦闘・効果では破壊されない。

(2):このカードがランク4以下の魔法使い族Xモンスターを素材としてX召喚に成功したターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。このターン、このカードは1度のバトルフェイズ中に3回まで攻撃できる(直接攻撃は1回まで)。

 

Emフェイク・ディーラー

レベル4 攻撃1600 守備1200 効果 闇属性 魔法使い族

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):相手フィールドに存在するモンスターが効果を発動したとき、自分フィールドに「Em」モンスターが存在する場合、手札に存在するこのカードを墓地へ送ることで発動できる。自分フィールドの「Em」モンスター1体はこのターン、相手のカード効果を受けない。そして、この効果を発動したターンのバトルフェイズ中に相手モンスターが攻撃するとき、攻撃対象を自分が決める。

(2):自分フィールドに「Em」Xモンスターが存在するとき、自分の墓地に存在するこのカードを除外することで発動できる。相手に1000ダメージを与える。この効果はこのカードが墓地へ送られたターン、発動できない。

 

「はあ、はあ、はあ…」

「はあ…君の、勝ちだよ。黒咲…」

大の字になって倒れたデニスは立ち上がるそぶりを見せず、体の痛みに耐えながら黒咲が彼に近づく。

「どうした…?フレンドシップカップの時のように、ためらうのかい…?ためらったら…また、君の邪魔をするかもしれないよ…?」

今の黒咲からは殺気が感じられず、デュエルディスクを操作する動きも見せない。

あの時はカード化しようとしていたのに。

「…瑠璃の居場所を教えろ。それだけでいい」

「僕が…いうと思うかい…?」

「教えろ…二度は言わん…」

その場に座り、再び問いかけてくる。

そんなに聞きたいなら、拷問でも何でもすればいいのに、今の黒咲は問いかけるか黙るかしかしてこない。

戦場のど真ん中で何をやっているのか、呆れて笑ってしまう。

黒咲に、そして馬鹿な自分に。

「…瑠璃は、ここの西にある塔に幽閉されている。東には…もう1人、アカデミアが捕まえた子が幽閉されているよ。でも…気を付けなよ。どちらにも…見張りがいる…」

「…そうか」

それだけ答えると、再び立ち上がった黒咲はマシンブルーファルコンに乗り、エンジンをかける。

場所さえ分かれば、あとは飛べばいい。

そのエネルギーも十分残っている。

発進しようとアクセルを踏みかけた黒咲はその足を止める。

「…なぜ、教えた?」

「君が…教えろと、言ったからじゃないか…。いや、そうじゃないな…。なんでだろうな、僕にも、もう、分からないよ…」

ただ、あの楽しかったエクシーズ次元での日々に戻りたいと思ったからなのか。

そんなことをしても、もう戻れないと分かっているのに。

やっぱり、黒咲の言う通り、自分はただの卑怯な蝙蝠でしかない。

デニスの答えらしからぬ答えを聞いた黒咲は振り返ることなくマシンブルーファルコンを飛ばし、立ち去っていく。

動かないデニスの耳に船が近づく音が聞こえてくる。

もうすぐ、ランサーズがやってきて、アカデミアをつぶしに来る。

きっと、ここに来たら、自分のことを捕まえるだろうが、もう遅い。

強い心臓の高鳴りと共に、痛みを覚えたデニスは脂汗を書きながら胸を抑える。

「はは…2度目の裏切りは許さない、か…」

これもきっと、デュエル戦士にもランサーズにも、エンターテイナーにもなれなかった己への罰。

蝙蝠にふさわしい末路が待っている。

痛みで意識が薄れていく中、だんだんと靄に包まれた頭の中が逆にクリアになっていくように感じた。

(ああ…そうだ。そうだった…。僕たちは、理想郷とかエンターテイナーとか…何かにすがらないと、やっていけなかったんだ…)

ふと、脳裏に勝鬨に勝利したであろう遊矢の姿が映る。

どうしてこんなタイミングで遊矢を思い出すのか。

でも、もうそんなことはデニスにとってどうでもよかった。

(遊矢…君は僕たちのようになるなよ。君だけは…本物の、エンターテイナーに…)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。