「…。全員聞いてくれ。榊遊矢と黒咲隼の活躍により、港を解放した。そこから我々は突入可能だ」
「くそ…遊矢の奴、Dホイールがあるからって真っ先に活躍しやがって…!!」
零児からの通信を聞いた沢渡は悔しがりながら右こぶしを左手のひらにぶつける。
だが、まだ門が開いたばかりで、まだまだこの先にはデュエル戦士やプロフェッサー、そして彼が作ったAIもある。
まだまだ活躍のチャンスはあると気持ちを切り替え、武者震いを覚える自分に言い聞かせる。
港に船が到着すると、ランサーズとヴァプラ隊が一斉に飛び出していき、アカデミアへと突入していく。
侵入者の報告が既に伝達されているようで、赤と黄のデュエル戦士たちがやってきて、ヴァプラ隊員がランサーズを行かせるため、率先して相手となって道を作っていく。
「雑魚にはかまうな!あくまでも我々の目的はプロフェッサーだ」
「おい、司令官。バナナはどこへ行った?」
突入してからユーゴの姿を見ていない。
遊矢と黒咲は突入後は遊撃を行うことになり、途中で合流する形になる。
2人はそれぞれセレナと瑠璃の救出を行うことになっている。
「彼はリンという少女の救出に向かった。合流の目的はそもそも、それだったからな」
「ちっ…甘えな」
「彼は訓練を受けていない。それに、今は彼らをバラバラに配置していたほうがいい」
今は侑斗とヒイロの助力によって、遊矢とユーゴが一緒にいても暴走を起こすことがなく、そしてブレスレッドの力が抑えられている。
だが、それもいつまでもつかわからず、アカデミアにはユーリがいる。
毒をもって毒を制す形にはなるが、おそらく彼を倒すことができるのはこの2人だろう。
「なら俺も単独行動させろって話だぜ…っと、来たか…」
突入を続ける中で、2人のオベリスクフォースが現れ、デュエルディスクからアンカーを発射する。
すかさず前に出た翔太はそれらすべてを受け止める。
「先に行け、俺は…準備運動をする」
デュエルディスクを展開した翔太は睨むように2人を見る。
ここへ向かう途中、港でデニスの遺体を見た。
おそらく、エドと同じくBAT-DIEによって殺されたのだろう。
そのことで翔太は言いようもない怒りを腹に抱えていた。
「地獄を見せてやるよ…人形どもが!!」
「ここか…瑠璃!!」
西の塔にたどり着き、マシンブルーファルコンを降りた黒咲が扉まで走ろうとする。
だが、突然何かの気配を感じた黒咲は足を止める。
「…見事ね。気配を消したつもりでいたけれど、見破るなんて」
黒咲に気づかれたことを察したのか、女性の声が聞こえてくる。
そして、瑠璃がいるであろう部屋への扉の前に現れたのは紫の制服姿で、備え付けられているフードで目元を隠した女性だった。
かすかにだが、フードから露出している薄紫の髪も見える。
「私はディアナ、ここの番人。エクシーズ次元のデュエリストがここまでこれたなんて…正直侮っていたわ」
「それは俺1人の力ではない。剣崎さんやランサーズが協力してくれたからだ。そして…何よりもここに瑠璃がいるというなら、進むだけだ!」
「黒咲瑠璃…あなたの妹ね。返すわけにはいかない理由がある以上、残念だけれど…引き下がることはできないわ」
「引かぬというなら…!」
両者が同時にデュエルディスクを展開する。
目の前の相手、ディアナは見たことのない制服姿で、ジェルマンでもオベリスクフォースでもない。
だが、ただの相手ではないことを本能で感じていた。
「「デュエル!!」」
ディアナ
手札5
ライフ4000
黒咲
手札5
ライフ4000
「私の先攻。私は手札から《マスマティシャン》を召喚」
マスマティシャン レベル3 攻撃1500
「《マスマティシャン》は召喚に成功したとき、デッキからレベル4以下のモンスター1体を墓地へ送ることができる。私は《月光黄鼬》を墓地へ送る」
「月光…。セレナが使っていたカテゴリーか…」
「ええ。当然の話よ。彼女にデュエルを教えたのは私。つまり、私は彼女の師匠にあたるといってもいいわね」
最も、与えられたのはあくまでデュエルの力量を上げることだけ。
監視についてはバレットにその役目が与えられていた。
だから、脱走したセレナを連れ戻す役割は与えられなかった。
「私は墓地へ送った《月光黄鼬》の効果を発動。このカードが効果によって墓地へ送られたとき、デッキからムーンライト魔法・罠カード1枚を手札に加える。私は《月光輪廻舞踊》を手札に加える。そして、私はカードを2枚伏せ、ターンエンド」
ディアナ
手札5→3(手札、伏せカードのうち1枚《月光輪廻舞踊》)
ライフ4000
場 マスマティシャン レベル4 攻撃1500
伏せカード2
黒咲
手札5
ライフ4000
場 なし
「俺の…ターン!!」
黒咲
手札5→6
「俺は手札から《レイダーズ・ウィング》を召喚」
レイダーズ・ウィング レベル4 攻撃0
「そして、俺のフィールドに闇属性モンスターが存在する場合、手札から《RR-ストラングル・レイニアス》を特殊召喚」
《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》に似た色彩をした装甲をしていて、紫の稲妻を帯びた杭が搭載されたパイルバンカーを下半身部分に装着されている鳥が現れる。
RR-ストラングル・レイニアス レベル4 攻撃1600
「さらに俺は手札から永続魔法《RR-ネスト》を発動。俺のフィールドにRRが2体以上存在するとき、デッキ・墓地からRR1体を手札に加えることができる。俺は《RR-ファジー・レイニアス》を手札に加える。そして、俺のフィールドにRRが存在する場合、《ファジー・レイニアス》は手札から特殊召喚できる」
RR-ファジー・レイニアス レベル4 攻撃500
「そして、俺は《レイダーズ・ウィング》と《ファジー・レイニアス》でオーバーレイ!!冥府の猛禽よ、闇の眼力で真実をあばき、鋭き鉤爪で栄光をもぎ取れ!エクシーズ召喚!飛来せよ!ランク4!《RR-フォース・ストリクス》!」
RR-フォース・ストリクス ランク4 守備2000
「《フォース・ストリクス》の効果。1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、デッキからレベル4の闇属性・鳥獣族モンスター1体を手札に加える。俺はデッキから《RR-シンキング・レイニアス》を手札に加える」
取り除かれたオーバーレイユニット
・RR-ファジー・レイニアス
「墓地へ送られた《ファジー・レイニアス》の効果。デッキから《ファジー・レイニアス》を手札に加える。そして、俺は手札から《RUM-スキップ・フォース》を発動。俺のフィールドのRR1体をランクが2つ高いRRへとランクアップさせる。俺は《フォース・ストリクス》でオーバーレイネットワークを再構築!誇り高きハヤブサよ。英雄の血潮に染まる翼翻し 革命の道を突き進め!ランクアップエクシーズチェンジ!現れろ!ランク6!《RR-レヴォリューション・ファルコン》!」
RR-レヴォリューション・ファルコン ランク6 攻撃2000
「1ターン目からランク6のエクシーズモンスターをエクシーズ召喚してきたか…!」
「さらに俺は《ストラングル・レイニアス》の効果を発動。俺のフィールドに闇属性エクシーズモンスターをオーバーレイユニットとしているエクシーズモンスターが存在する場合、俺の墓地に存在するレベル4以下のRR1体を特殊召喚できる。俺は再び《ファジー・レイニアス》を特殊召喚」
RR-ファジー・レイニアス レベル4 攻撃500
「そして俺はレベル4の《ファジー・レイニアス》と《ストラングル・レイニアス》でオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろ、ランク4!《RR-フォース・ストリクス》!」
RR-フォース・ストリクス ランク4 守備2000
「《フォース・ストリクス》の効果。オーバーレイユニットを1つ取り除き、オーバーレイユニットを1つ取り除き、デッキから《バニシング・レイニアス》を手札に加える」
取り除かれたオーバーレイユニット
・RR-ストラングル・レイニアス
(だが、奴のフィールドにセットされているカードは…)
前のターンにサーチしたカードである《月光輪廻舞踊》が伏せている可能性が高い。
セレナとは訓練でデュエルをしたことがあり、その時にそのカードでひどい目にあった記憶がある。
「(あのカードは自分フィールドのモンスターが破壊されたとき、デッキからムーンライトモンスターを2体まで手札に加える効果がある。融合素材を集められては厄介だ)俺は手札から速攻魔法《サイクロン》を発動!フィールド上の魔法・罠カードを1枚破壊する。俺が破壊するのは左側の伏せカードだ!」
《サイクロン》から発動した竜巻が左側の伏せカードを襲い掛かり、吹き飛ばしていく。
破壊された伏せカード
・融合解除
「ちっ…!」
「外れね。さあ、どうするのかしら?《マスマティシャン》を攻撃する…?」
「ああ…当然だ!《レヴォリューション・ファルコン》の効果。オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールドのモンスター1体を破壊し、破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える!《マスマティシャン》を破壊しろ!」
オーバーレイユニットを宿した《RR-レヴォリューション・ファルコン》が上空を舞い、爆弾をディアナのフィールドに落としていく。
次々と落ちる爆弾の炎に包まれた《マスマティシャン》が消滅し、爆発の余波がディアナを襲う。
「く…!」
ディアナ
ライフ4000→3250
取り除かれたオーバーレイユニット
・レイダーズ・ウィング
「だが、私は罠カード《月光輪廻舞踏》を発動。私のモンスターが破壊されたとき、デッキからムーンライトモンスターを2体まで手札に加える。私は《月光虎》と《月光狼》を手札に加える」
「だが、《マスマティシャン》の効果でドローされるよりもいい!バトルだ!《レヴォリューション・ファルコン》でダイレクトアタック!」
空になったコンテナを強制排除した《RR-レヴォリューション・ファルコン》が今度は大型の爆弾をディアナに向けて発射する。
爆弾を受けたディアナは左腕で身を守るだけで、動く気配はなかった。
ディアナ
ライフ3250→1250
「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」
ディアナ
手札3→5(うち2枚《月光虎》《月光狼》)
ライフ1250
場 なし
黒咲
手札6→2(《RR-ファジー・レイニアス》《RR-シンキング・レイニアス》)
ライフ4000
場 RR-レヴォリューション・ファルコン(オーバーレイユニット1) ランク6 攻撃2000
RR-フォース・ストリクス(オーバーレイユニット1) ランク4 守備2000
RR-ネスト(永続魔法カード)
伏せカード1
「私の…ターン」
ディアナ
手札5→6
「私はスケール1の《月光狼》とスケール5の《月光虎》でペンデュラムスケールをセッティング」
「ペンデュラムモンスター…セレナのデッキを解析したか!」
「その通りだ。これで私はレベル2から4までのモンスターを同時に召喚可能。現れろ、《月光蒼猫》、《月光紅狐》」
月光蒼猫 レベル4 攻撃1600
月光紅狐 レベル4 攻撃1800
「そして、私は《月光虎》のペンデュラム効果を発動。1ターンに1度、墓地のムーンライト1体を特殊召喚できる。甦れ、《月光黄鼬》を特殊召喚」
月光黄鼬 レベル4 攻撃800
「モンスターを特殊召喚したところで、《レヴォリューション・ファルコン》に対しては無意味だ!《レヴォリューション・ファルコン》は特殊召喚された相手モンスターとの戦闘を行うとき、その相手モンスターの攻撃力と守備力を0にする!」
セレナとのデュエルでは《RR-レヴォリューション・ファルコン》による猛攻でけりをつけることが多かった。
だが、相手はセレナの師匠だったデュエリスト。
それを突破してくる可能性もあり得る。
「私は手札から魔法カード《融合》を発動。私が融合素材とするのは《月光蒼狐》と《月光黄鼬》!蒼き闇を徘徊する猫よ、黄の幻影を魅せる鼬よ、今一つとなりて、新たな力を呼び覚ませ。融合召喚!現れろ、レベル7!《月光舞猫師》!」
2体のムーンライトが一つとなり、姿を見せたのは《月光舞猫姫》と似た容姿をしているようだが、服装が白い巫女福のようなものとなっていて、仮面ついてもフルフェイスのライオンの仮面になっている。
フィールドに降りると、背中にさしている大剣を抜き、剣舞を披露した。
月光舞猫師 レベル7 攻撃2300
「このカードはフィールド上のモンスターしか融合素材とすることができないモンスター。だが、その代わりに手にした効果がある。私のフィールドのほかのムーンライト1体をリリースすることで、このカードは相手フィールドのすべてのモンスターに1回ずつ攻撃できる。そして、戦闘を行う相手モンスターの効果はターン終了時まで無効となる」
「ちぃ…!!」
《月光紅狐》がフィールドから消え、手にしている大剣に炎が宿る。
「さらに私は手札から永続魔法《月光剣舞》を発動。このカードが存在する限り、私は融合モンスター以外のモンスターで攻撃できない。しかし、ムーンライト融合モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊したとき、このカードの上に剣舞カウンターが1つ乗る。そして、バトルよ。革命の炎など無粋よ。消えなさい」
《月光舞猫師》が剣舞をしつつ、刃から炎を飛ばす。
発射された炎を受けた2体のRRエクシーズモンスターは爆発し、その余波が黒咲を襲う。
「く…!」
黒咲
ライフ4000→3700
「《月光剣舞》の効果で、カウンターが2つ乗る」
月光剣舞(永続魔法カード) 剣舞カウンター0→2
「バトルフェイズ終了時、《月光舞猫師》の効果を発動。戦闘で相手モンスターを破壊したバトルフェイズ終了時、このカードの攻撃力は500アップする」
月光舞猫師 レベル7 攻撃2300→2800
「そして、《月光剣舞》の剣舞カウンターを2つ取り除くことで、効果を発動。私の墓地に存在する《融合》と融合素材としたモンスター1体を手札に加える。私は《月光黄鼬》を手札に加える。そして、手札に加えた《月光黄鼬》を召喚」
月光黄鼬 レベル4 攻撃800
「そして…手札から再び《融合》を発動!私が融合素材とするのは《月光黄鼬》と《月光舞猫師》、黄の幻影を魅せる鼬よ、舞姫を導く師よ、今一つとなりて、新たな力を呼び覚ませ。融合召喚!現れろ、レベル8!《月光舞豹師》!」
再びフィールドに現れたばかりの《月光黄鼬》とともに《月光舞猫姫》がフィールドから消えていく。
そして、再び現れたのは先ほどの融合モンスターと似た衣装と武器を装備した《月光舞豹姫》というべきモンスターだった。
月光舞豹師 レベル8 攻撃2700
「また新たなムーンライト融合モンスターか…!!」
「そう。そして、私のフィールドに存在するモンスターがこのカードのみで、私のペンデュラムゾーンにムーンライトペンデュラムカードが2枚存在する場合、相手フィールドのモンスターの効果はすべて無効となる」
「何…!?」
「躍り手は2人もいらない、ということよ」
《月光舞豹師》が大剣を手に剣舞を披露する。
その剣舞とともに空気中の水分が凍り付いていき、次第に黒咲の周囲が雪と氷で包まれていく。
「そして、《月光黄鼬》の効果。デッキから《月光教導》を手札に加える。そして、魔法カード《月光教導》を発動。私のフィールドに存在するモンスターがムーンライト融合モンスター1体のみで、手札に存在するカードがこのカードのみの時に発動でき、デッキからカードを2枚ドローする。そして、カードを1枚伏せ、ターンエンド」
ディアナ
手札6→1
ライフ1250
場 月光舞豹師 レベル8 攻撃2700
月光剣舞(永続魔法)
伏せカード1
月光狼(青) ペンデュラムスケール1
月光虎(赤) ペンデュラムスケール5
黒咲
手札2(《RR-ファジー・レイニアス》《RR-シンキング・レイニアス》)
ライフ3700
場 RR-ネスト(永続魔法カード)
伏せカード1
「ちぃ…!」
モンスター効果を封じ込められたことで、黒咲は純粋な攻撃力のみで《月光舞豹師》を倒さなければならなくなった。
おそらくは、《月光舞豹姫》と同じく、カード効果で破壊できないモンスターだろう。
純粋な攻撃力が低い傾向のある黒咲のデッキにとって、このカードは脅威だ。
しかし、高ランクのエクシーズモンスターを召喚することができれば、攻撃力ではまだ望みがある。
「俺の…ターン!!」
黒咲
手札2→3
ドローしたカードを見た黒咲はすかさずそのカードを発動しようとした。
「《ソウル・シェイブ・フォース》!そのカードは発動させないわ」
「何…?」
「罠カード《マインドクラッシュ》を発動。カード名を1つ宣言し、宣言したカードが手札に存在する場合、相手はそのカードをすべて捨てる。しかし、そのカードが相手の手札に存在しない場合、私は手札を1枚捨てる。私が宣言するのは《RUM-ソウル・シェイブ・フォース》よ」
「ぐぅ…!」
発動しようと手にしていた《RUM-ソウル・シェイブ・フォース》をやむなくディアナに見せた黒咲はそれをおとなしく墓地へ捨てる。
「申告してもらう必要はないわね。残り2枚のカードはわかりきっているから…」
《RUM-ソウル・シェイブ・フォース》を発動し、ライフ半分を代償に《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》をエクシーズ召喚するつもりでいた。
このピンポイントのタイミングで《マインドクラッシュ》を使われたことには黒咲も動揺は隠せない。
「さあ…どうしたのかしら?まだデュエルは続いている。それに、あなたのライフは3700で、私のライフは1250。あなたがまだまだ有利な状況でしょう?」
「…。俺は、モンスターをセット。ターンエンドだ」
ディアナ
手札1
ライフ1250
場 月光舞豹師 レベル8 攻撃2700
月光剣舞(永続魔法)
月光狼(青) ペンデュラムスケール1
月光虎(赤) ペンデュラムスケール5
黒咲
手札3→1(手札、または裏守備モンスターのうち1枚《RR-ファジー・レイニアス》《RR-シンキング・レイニアス》)
ライフ3700
場 裏守備モンスター1
RR-ネスト(永続魔法カード)
伏せカード1
「私のターン、ドロー」
ディアナ
手札1→2
「私は《月光虎》の効果を発動。その効果で私は墓地の《月光舞猫師》を特殊召喚」
月光舞猫師 レベル7 攻撃2300
「バトル。《月光舞猫師》で裏守備モンスターを攻撃」
大剣を手にした《月光舞猫師》が舞いながら剣を振るい、裏守備モンスターを粉々にする。
裏守備モンスター
RR-ファジー・レイニアス レベル4 守備1500
「破壊された《ファジー・レイニアス》の効果…。デッキからもう1体の《ファジー・レイニアス》を手札に加える」
「けれど、これであなたのフィールドはがら空きね。《月光剣舞》の効果により、このカードの上に剣舞カウンターが1つ乗る」
月光剣舞(永続魔法カード) 剣舞カウンター0→1
「《月光舞豹師》でダイレクトアタック」
《月光舞豹師》が大きく跳躍し、頭上から黒咲に大剣を振り下ろす。
頭上から受けた一撃をどうにか両腕で守りながら受けたが、腕に強烈な痛みが襲い掛かる。
斬られることはなかったが、感覚がなくなるほどの一撃に手札が落ちてしまった。
「ぐうう…!!」
黒咲
ライフ3700→1000
「大幅にライフが減ったわね…」
「ああ…だが、これでこのカードを発動できる…!俺は罠カード《RR-カウンター》を発動!俺が直接攻撃によってダメージを受けたとき、墓地からRRエクシーズモンスター1体を効果を無効にして特殊召喚し、このカードを装備する!甦れ、《レヴォリューション・ファルコン》!!」
RR-レヴォリューション・ファルコン ランク6 攻撃2000
「さらに、装備モンスターの攻撃力は俺は受けた戦闘ダメージの数値分アップする!!」
RR-レヴォリューション・ファルコン ランク6 攻撃2000→4700
「なるほど…そんな伏兵を用意していたのね」
「そうだ。次のターン、《レヴォリューション・ファルコン》で《月光舞豹師》を攻撃すれば、俺の勝利が決まる」
だが、そんな簡単に勝利できるとは黒咲本人も思っていない。
まだ彼女の手札は2枚残っている。
「けれど、私にはまだこのカードがある…。私は手札から《融合》を発動。私が融合素材とするのはフィールドの《月光舞猫師》と《月光舞豹師》。舞姫を導く師よ、月明かりの舞の伝授者よ、今一つとなりて、新たな力を呼び覚ませ。融合召喚!現れろ、レベル10!《月光舞白獅子師》!」
2体のムーンライト融合モンスターが1つとなり、呼び覚まされたのは白獅子の名前があるように、純白の肉体と巫女服姿の《月光舞獅子姫》となり、これまで剣舞で使われていた大剣を二刀流にしていた。
月光舞白獅子師 レベル10 攻撃3000
「このカードの融合召喚に成功したとき、このカードの攻撃力は墓地に存在するムーンライト融合モンスター1体につき、1000アップする」
月光舞白獅子師 レベル10 攻撃3000→5000
「そして、私たちのフィールドに存在するこのカードよりも攻撃力の低いすべてのモンスターの効果は無効になる。さらに私は手札から装備魔法《月光舞殺》を《月光舞白獅子師》に装備し、ターンエンド。それと同時に、《月光舞白獅子師》に装備した《月光舞殺》の効果。このカードはレベル9以上のムーンライト融合モンスターにのみ装備でき、1ターンに1度、相手が魔法・罠カードを発動したとき、その発動を無効にし、破壊する。そして、装備モンスターは1ターンに1度、戦闘およびカード効果では破壊されない。私はこれで、ターンエンド」
ディアナ
手札2→0
ライフ1250
場 月光舞白獅子師(《月光舞殺》装備) レベル10 攻撃5000
月光剣舞(剣舞カウンター1)(永続魔法)
月光舞殺(装備魔法)
月光狼(青) ペンデュラムスケール1
月光虎(赤) ペンデュラムスケール5
黒咲
手札1→2(《RR-ファジー・レイニアス》《RR-シンキング・レイニアス》)
ライフ1000
場 RR-レヴォリューション・ファルコン(《RR-カウンター》装備) ランク6 攻撃4700
RR-ネスト(永続魔法カード)
RR-カウンター(通常罠)
「黒咲隼…一つ言っておくわ。《月光舞白獅子師》が存在する限り、あなたがエクストラデッキからモンスターを特殊召喚したとき、そのモンスターの攻撃力を500ダウンさせ、あなたに500のダメージを与える。そして、《月光舞殺》の効果でこのターン、私は1度だけあなたが魔法・罠カードを発動したとき、それを無効にする」
黒咲の残りライフは1000。
よって、黒咲がこのターン、エクストラデッキから特殊召喚できるのは1度だけになる。
しかも、RUMも実質発動不能という状態だ。
そして攻撃力5000以下のモンスターの効果は無効になるため、《RR-ライズ・ファルコン》による勝ち筋はない。
「瑠璃…!」
ようやく瑠璃まであと一歩のところまで来たところで現れた巨大な壁。
エクシーズ次元でブーンに敗れた時のことを思い出す。
だが、これを乗り越えて勝利することで、ようやく念願をかなえることができる。
黒咲にはサレンダーするという選択肢は存在しない。
「(RUMが使えなくとも…!!)俺の…ターン!!!!」
黒咲
手札2→3
ドローしたカードを見た瞬間、黒咲の脳裏を電気が走ったように感覚が襲う。
デュエリストとしての本能に従うように、黒咲はカードを手に取る。
「俺のフィールドにRRが存在するとき、《ファジー・レイニアス》は特殊召喚できる!」
RR-ファジー・レイニアス レベル4 攻撃500
「そして、俺のフィールドにエクシーズモンスターが存在する場合、《RR-シンキング・レイニアス》は特殊召喚できる!」
RR-シンキング・レイニアス レベル4 攻撃100
「そして、《RR-ネスト》の効果発動!俺はデッキから《RR-バニシング・レイニアス》を手札に加える。そして、《バニシング・レイニアス》を召喚!」
RR-バニシング・レイニアス レベル4 攻撃1300
「そして、俺は手札の《RR-リベンジング・フェニックス》の効果発動!!俺のフィールドにRRエクシーズモンスター1体を含めたRRが2体以上存在する場合、このカードを手札から墓地へ送ることで、そのエクシーズモンスター1体以外のすべての俺のモンスターを墓地へ送る!」
黒咲の背後から炎をまとっているものの、ヒヨコ程度の大きさしかない鳥が飛び出し、その鳴き声に従うようにせっかく召喚された3体のRRが炎となって、黒咲のデッキに吸収されていく。
「そして、この効果で墓地へ送ったモンスターの数だけデッキの上からカードを墓地へ送り、その中にRUMが存在した場合、その中の1枚の効果を《リベンジング・フェニックス》の効果として使用できる!だが…墓地へ送ったカードの中にRUMが存在しない場合、俺はライフを2000失う!!」
「馬鹿な…!?デッキの操作もせずにそのようなカードを…?自滅するつもりなの!?」
「いいや…このカードで貴様に勝ち、瑠璃を取り戻す!デッキよ…俺に答えろ!!」
燃え上がる黒咲のデッキとともに、黒咲の右手にも炎が宿る。
炎の宿る手で1枚目のカードを引く。
「1枚目は《RR-コール》!!」
RUMではなく、そのカードは燃え尽きていく。
そして、そのまま2枚目を引く。
「くっ…《ラプターズ・ガスト》か!!」
そのカードも燃え尽き、最後の3枚目に黒咲の目が行く。
「わかっているわね。この状況を覆すにはRUMを…なおかつ、攻撃力5000以上のエクシーズモンスターを出せるようなものでないといけないわ。これがあなたの最後のエクシーズ召喚か、自爆…かもしれないわね」
確かに、何も作戦もなく《RR-リベンジング・フェニックス》の効果を使うのは自爆行為でしかない。
これまでは運任せといえるカードを使ってこなかった黒咲とは真逆を行くモンスターだ。
そんなカードを使わなければならなくなるほど追い詰められたというべきか、それとも最後の切り札か。
それはこのカードをデッキに入れた黒咲にしかわからないことだ。
「…!!3枚目!!!!」
燃え上がる手で最後の1枚をドローする。
ドローした瞬間、そのカードは激しく燃え上がった。
「俺が引いたカードは…《RUM-ファントム・フォース》!!」
「何!?」
燃え上がる《RUM-ファントム・フォース》の炎を取り込んだ《RR-リベンジング・フェニックス》が巨大な炎をなって《RR-レヴォリューション・ファルコン》に宿り、上空に生まれた炎のオーバーレイネットワークに飛び込んでいく。
「《ファントム・フォース》は墓地の闇属性モンスターを任意の数だけ除外し、俺のフィールドの闇属性エクシーズモンスターを除外したモンスターの数だけランクが高いRR、エクシーズ・ドラゴン、幻影騎士団へとランクアップさせる。俺は墓地の《ファジー・レイニアス》と《シンキング・レイニアス》を除外し、《レヴォリューション・ファルコン》でオーバーレイ!!勇猛果敢なるハヤブサよ。怒りの炎を巻き上げ、大地をも焼き尽くす閃光となれ!ランクアップ・エクシーズチェンジ!飛翔しろ!ランク8、《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》!」
灼熱のオーバーレイネットワークの中から舞い降りるのは同じく炎で身を包んだ《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》」
黒咲の思いにこたえるべく、身を焦がし続ける。
RR-サテライト・キャノン・ファルコン ランク8 攻撃3000
「《月光白獅子舞師》の効果!《サテライト・キャノン・ファルコン》の攻撃りょきは500下がり、あなたに500のダメージを与える!!」
2本の大剣で剣舞を披露する《月光白獅子舞師》から放たれる剣閃が黒咲と《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》を襲う。
剣閃は《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》の炎を吹き飛ばし、黒咲の頬をかすめる。
RR-サテライト・キャノン・ファルコン ランク8 攻撃3000→2500
黒咲
ライフ1000→500
「そして、《サテライト・キャノン・ファルコン》の効果は無効になっている。もう打つ手はないわ!!」
「いいや、まだだ!!まだ炎は燃え尽きていない!!俺は墓地の《リベンジング・フェニックス》の効果を発動!!墓地のこのカードとRRエクシーズモンスター2体を除外することで、俺のフィールドのRRエクシーズモンスター1体の攻撃力をターン終了時まで、そのモンスターの元々の攻撃力分アップさせる!!」
「何!?」
上空から燃え上がる2体の《RR-フォース・ストリクス》が舞い降り、《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》に憑依する。
消えたはずの炎が再び燃え上がり、《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》が咆哮する。
RR-サテライト・キャノン・ファルコン ランク8 攻撃2500→5500
「攻撃力5500…!?」
「これで貴様の舞姫の呪縛から解放される!《サテライト・キャノン・ファルコン》の効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を俺の墓地のRR1体につき、800ダウンさせる!俺の墓地に存在するモンスターは7体!よって、攻撃力を5600ダウンさせる!!」
オーバーレイユニットを宿した《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》の炎が蒼くなり、青いビームを7発連続で発射する。
7発のビームから身を守ろうと、大剣を盾にするがその圧倒的な火力を受けきれるはずがなく、剣は砕け散り、体を焼き尽くされて地面に倒れる。
取り除かれたオーバーレイユニット
・RR-レヴォリューション・ファルコン
「見事よ…黒咲隼」
自らの敗北を認めたディアナがデュエルディスクを下ろし、じっと黒咲を見る。
倒れていた《月光舞白獅子師》も立ち上がり、手元に残った柄を投げ捨てた。
「この一撃、身をもって受けるわ。けれど…気を付けることね。あなたの望む結末がこの先にあるとは限らないのだから…」
「いいや、結末は…一つだけだ!やれ!!《サテライト・キャノン・ファルコン》!!!」
身に宿った蒼い炎を正面に集中させ、膨大な熱量の球体を生み出した《RR-サテライト・キャノン・ファルコン》は迷うことなくそれを発射する。
圧倒的な熱量の炎は《月光舞白獅子師》を一瞬で消滅させ、ディアナの姿もまた炎の中に消えていった。
ディアナ
ライフ1250→0
月光舞猫師(ムーンライト・キャット・トレーナー)
レベル7 攻撃2300 守備2100 融合 闇属性 獣戦士族
自分フィールドの「ムーンライト」モンスター×2
(1):このカードは戦闘では破壊されない。
(2):1ターンに1度、自分メインフェイズ1にこのカード以外の自分フィールドの「ムーンライト」モンスター1体をリリースして発動できる。このターン、このカードは全ての相手モンスターに1回ずつ攻撃できる。その時、戦闘を行う相手モンスターの効果はターン終了時まで無効化される。
(3):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したバトルフェイズ終了時に発動する。このカードの攻撃力は500アップする。
月光教導(ムーンライト・トレーニング)
通常魔法カード
(1):自分フィールドに存在するモンスターが「ムーンライト」融合モンスター1体のみで、手札に存在するカードがこのカードのみの場合に発動できる。自分はデッキからカードを2枚ドローする。
RR-カウンター
通常罠カード
(1):相手の直接攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けたときに発動できる。自分の墓地に存在する「RR」Xモンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化される。その後、発動したこのカードを装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。装備モンスターの攻撃力がその時自分が受けた戦闘ダメージの数値分、アップする。
月光舞豹師(ムーンライト・パンサー・トレーナー)
レベル8 攻撃2700 守備2600 融合 闇属性 獣戦士族
自分フィールド上の「月光舞猫師」+自分フィールド上の「ムーンライト」モンスター1体
このカードは上記のカードを融合素材とした融合召喚でのみ、EXデッキから特殊召喚できる。
(1):このカードは相手の効果では破壊されない。
(2):1ターンに1度、自分メインフェイズ1に発動できる。このターン、このカードはすべての相手モンスターに1回ずつ攻撃できる。
(3):自分フィールドに存在するモンスターがこのカードのみで、自分Pゾーンに「ムーンライト」カードが2枚存在する場合、相手フィールドに存在するすべてのモンスターの効果は無効化させる。
月光舞殺(ムーンライト・アサシンダンス)
装備魔法カード
レベル9以上の「ムーンライト」融合モンスターのみ装備可能。
(1):1ターンに1度、相手が魔法・罠カードを発動したときに発動できる。その発動を無効にし、破壊する。
(2):装備モンスターは1ターンに1度、戦闘・効果では破壊されない。
月光舞白獅子師(ムーンライト・ホワイトライオ・トレーナー)
レベル10 攻撃3000 守備3000 融合 闇属性 獣戦士族
自分フィールド上の名前の異なる「ムーンライト」融合モンスター2体
このカードは上記のカードを融合素材とした融合召喚でのみ、EXデッキから特殊召喚できる。
(1):このカードの融合召喚に成功したときに発動する。このカードの攻撃力は自分の墓地に存在する「ムーンライト」融合モンスターの数×1000アップする。
(2):このカードが存在する限り、フィールド上に存在するこのカードの攻撃力以下の攻撃力を持つ、このカード以外のモンスターの効果は無効化される。
(3):相手がEXデッキからモンスターの特殊召喚に成功したときに発動する。その相手モンスターの攻撃力が500ダウンし、相手に500ダメージを与える。
RR-リベンジング・フェニックス
レベル1 攻撃0 守備0 効果 闇属性 鳥獣族
(1):自分フィールドに「RR」Xモンスター1体を含めた「RR」モンスターが2体以上存在する場合、手札に存在するこのカードを墓地へ送ることで発動できる。自分フィールドに存在するXモンスター以外の「RR」モンスターをすべて墓地へ送る。その後、この効果で墓地へ送ったカードの数だけデッキの上からカードを墓地へ送る。墓地へ送ったカードの中に「RUM」魔法カードが存在する場合、そのうちの1枚を選択する。このカードの効果はそのカードの効果と同じになる。墓地へ送ったカードの中に「RUM」魔法カードが存在しない場合、自分は2000LPを失う。
(2):自分の墓地からこのカードと「RR」Xモンスター2体を除外し、自分フィールドの「RR」Xモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時までそのモンスターの元々の攻撃力分アップする。