遊戯王ARC-V 戦士の鼓動   作:ナタタク

140 / 145
第130話 降臨するもの

「ダメだ、レーダーはもう使えない!!とにかく奴から離れるんだ!!」

「嘘だろう!?まだアカデミアに残っている奴もいるんだぞ!?見捨てるのか!!」

「だからって、ここにいる皆を巻き添えにするのかよ!?」

遊矢とユーリのデュエルが終わり、ほんのわずかに時間が流れた。

その間に次元戦争は急速にその状況を変化させ、もはや敵も味方もそこには存在しない。

突如として現れた、島一つたやすく飲み込むであろうほどの巨大なドラゴン。

それはブレス一つで建物の多くをガレキに変え、飲み込んだ者はもはや骨のひとかけらも残らない。

ヴァプラ隊のメンバーの一部が犠牲になることを覚悟にそのドラゴンに戦いを挑み、ひきつけてくれたおかげでこの戦艦は可能な限りの人々を乗せ、出港することができた。

「みんな…ごめん…!」

あのドラゴンと戦っているであろう仲間たちを見捨てる結果となり、彼らが戦い、散っているであろう島を侑斗は目に焼き付ける。

このことが起こることは永瀬教授の話で分かっていたことなのに、止めることができなかった。

だが、この時間稼ぎも長くは続かず、あのドラゴンはいずれこの戦艦に狙いを定めるだろう。

次元統合が始まり、上空には肉眼で見えるほどのヒビがいくつも入り、七色が入り混じったいびつな色となっている。

そのヒビによって砕けた空間からはシンクロ次元やエクシーズ次元、スタンダード次元の光景が見え、そこからはその世界のものと思われる様々な物質がこの次元に引きずり込まれていく。

「こんな…無理やり次元が一つになったら、本当に世界が終わってしまう…!!」

ズァークとレイによって4つの分裂することとなった次元はそれぞれ安定し、その存在を維持し続けてきた。

だが、次元統合によって無理やり一つに統合されようとしている次元は衝突し、それぞれが存在を保てなくなり自壊する。

その自壊して発生するエネルギーは次元空間におけるビッグバンといえるものとなり、この4つの次元以外の別次元をも巻き込む惨事となりかねない。

「止める術は…ないのか…!」

「わからない、動き出してしまった以上は…」

「できるのは、時間稼ぎだけか…」

零児はスタンダード次元に残っている母親に思いをはせる。

最悪の事態に備え、既にスタンダード次元には可能な限り他の次元の人々を避難させている。

そして、本社地下に設置した装置であるニヴルヘイムが作動し、それが少なくともスタンダード次元を次元統合の影響から免れさせてくれている。

実際、砕けた空間から見えていたスタンダード次元の光景は白い霧のようなものに包まれつつあった。

「せめて、もう1度アカデミアに入ることができればいいけれど…もうそれもできないかもしれない…」

次元統合を引き起こしている装置とAIを止めれば、これ以上の被害を食い止めることはできるだろう。

だが、あのドラゴンはそれを阻止しようと動いている。

実際、ドラゴンの攻撃はのその装置のある場所に影響を与えないように動いていた。

 

「遊矢…この、大バカ者が…!」

戦艦内にある病室、そこには目を半開きの状態のままにし、口から唾を垂れ流しながらベッドの中にいる遊矢がいて、権現坂と柚子、遊勝と彼の車いすを押す明日香の姿があった。

柚子は涙を流して遊矢の手を握り、権現坂は悔しさのあまり拳を壁にたたきつける。

「遊矢…お願い、起きて…起きてくれないとあたし、あたし…」

 

遊矢がユーリを倒し、敗北したユーリは攻撃の余波を受けてその体を絨毯の上に転がす。

敗北し、体中が痛いはずのユーリは笑っているのに対して、勝者のはずの遊矢の表情は暗い。

「見事だ、我らの化け物を倒すとは。さすがはペンデュラム召喚を最初に行った男」

「約束通り、娘たちは返してやろう。そして、お前はズァークに戻るがいい」

「世界を破壊するのよ。そして、ゼロとなった世界から再び…」

「そんなこと…!?」

ズァークとなることを拒む遊矢だが、こうしてユーリとデュエルをし、勝利してしまった以上はもうこの重力に逆らうことはできない。

「ハハハハハ!!始まる、始まるんだよ!世界の終わりが!僕たちが一つになるときが!!みんな、みんなみんなみんなみんなみんなミンナミンナミンナ、壊レロ!!僕タチヲ奴隷ニシタ奴モ、次元モ、」

「「死ンデ、償エエエエエエエ!!」」

ユーリの口から別の何かの声が吐き出されていき、彼の目からは涙がこぼれる。

それに共鳴するかのように、遊矢も叫んでいた。

「我ら一つに…そして、世界を…!!」

「遊矢!!」

遊矢たちが一つとなろうとしているその瞬間、彼らを探していた柚子と遊勝がようやくたどり着く。

だが、遊矢とユーリは黒く禍々しいオーラに包まれていき、2人を見る遊矢の目は黄色く染まっていた。

「遅かったな…だが、歓迎しよう。貴様らが、我が復活の最初の立会人だ!!」

「遊矢…いや、ズァークか…!?」

「ダメ!!遊矢…!ズァークに負けないで、遊矢!!」

「もう、遅い!!貴様らの望み通り、我…ハ!?何を、する…やめろ!!」

ズァークになりつつあった遊矢に激しい頭痛が襲うとともに、目の色が元の赤へと戻っていく。

両手で頭を抱え、体を震わす。

「遊矢!!」

「来るな!!止まらない…止まらないんだ…!!」

かろうじてズァークから逃れようとする遊矢だが、もう彼の意思ではどうにもならないほどに統合が始まっている。

仮にユーゴがユーリとのデュエルを逃れていたなら、まだ救いはあったかもしれない。

だが、もはや時既に遅く、遊矢とユート、ユーリとユーゴが一つになっていくこの状況は止められない。

そして、4つの魂は勝者たる遊矢のもとに統合されつつある。

「邪魔をするな、たかが分身の分際でェェ!!」

「そうだ!俺もズァーク、お前の一部だ…だからこそ、できるんだ!!」

遊矢は懐に手を突っ込み、その中にある銃を手にする。

そして、銃口を自分のこめかみに押し付ける。

「遊矢!!」

「柚子…父さん、ごめん…!!もう、こうするしかないんだ!!みんなの…笑顔を守るためには!!」

ヒイロから受け取った銃。

これがズァーク復活を止める最後の手段。

それを止めようと飛び出す2人の姿を見た遊矢はわずかに笑みをうかべると、引き金を引いた。

柚子の中に、シンクロ次元で遊矢が左腕をレーザーで斬り落とされたときの衝撃がよみがえる。

だが、今目の前で起こっている光景はそれ以上の、柚子の中で考えられる最悪な光景。

銃から発生するかすかな火薬のにおいが鼻につき、遊矢の体が絨毯の上で横たわる。

同時に、遊矢とユーリを包んでいた黒いオーラが消えた。

「遊矢!!」

「遊矢、ぐぅ…!!」

倒れた遊矢に駆け寄る柚子と、言うことが聞かない体を必死に叱りながら遊矢の元へ歩く遊勝。

力を無くした遊矢の手から拳銃がこぼれ、倒れた遊矢の頭部には確かに銃弾で撃たれた痕があり、そこから血が流れている。

「いや…いや、いやあああああああああ!!!」

「遊、矢…クッ…親よりも、先に…」

遊矢を抱きしめ、大声で泣く柚子と杖が手から離れ、その場でひざを折る遊勝。

確かに遊矢が死ぬことで、ズァークが復活することは永遠になくなるだろう。

だが、彼らにとって榊遊矢という犠牲はあまりにも大きすぎる。

世界を救うという考えでは正しいが、エンターテイナーとしては間違っている。

だが、その彼の覚悟が最悪な事態を阻止すると信じていた。

「ク、ク、クククク…まさか、本当に自殺してでも我を拒絶しようとするとは…」

「え…??」

そんな甘い期待はユーリの言葉が嘲笑う。

ゆっくりと起き上がったユーリの目は先ほどの遊矢と同じく黄色く染まっていた。

「残念だが、器はこちらにさせてもらった。歯向かうのであれば貴様など不要!貴様はもはや我が分身ではない!!」

「う…そ…」

「ユーリ…いや、ズァーク…」

「先生、柚子!!」

二人を探していた明日香、そして彼女の応援となっている隊員2人が駆けつけ、彼らに映るのは黒いオーラを放つズァーク。

そして、黒いオーラは徐々に肥大化していき、それと接触した物質は容赦なく破壊されていく。

遊矢が止めていた、クリアウィングが宿っていたDホイールも接触すると同時に粉々に砕け散る。

「逃げるしかないわ…急いで!!」

遊矢の遺体は隊員が抱え、遊勝の体は明日香が支え、彼らはその場を後にする。

やがて肥大化したオーラはドラゴンの形となり、今アカデミアで暴れまわっている。

 

どうにか運び込まれ、こうして病室のベッドに横たわらせられた遊矢の遺体。

だが、ここに運び込まれてから彼の遺体にはいくつか違和感が発生する。

まずは遊矢が半開きの目の状態で、口がかすかに開いているが、そこからはかすかに声を出していること。

あ、あ、ああ、と言葉になっていないが、それでも声を出している。

そして、生存するギリギリというところで呼吸をしていて、心臓と脈も弱弱しくはあるが動いている。

何よりも一番の事態は銃弾を受けた傷がまるで最初からなかったかのように消えていることだ。

「ヒイロ・リオニス…遊矢が撃った銃を私のは君だ。何を仕掛けた…?」

病室に入ってきたヒイロに顔を向けることなく、遊勝が問いかける。

ヒイロのおかげで遊矢本人がズァークになることを脱したことについては感謝すべきかもしれない。

死んでいないかもしれないが、最愛の息子をこのような状態にしろと頼んだ覚えはない。

「レントゲンで奴の脳を確認した。あいつが撃った銃弾は確かに脳内にとどまっている。最も、銃弾そのものは特別製だがな」

「特別製…?」

「そうだ、あいつに渡した銃の弾丸、それは『欠片』を加工したものだ。そして、『欠片』が損傷した遊矢の脳を再生させている。そして…」

「これって…」

ヒイロが説明しようとするここからの事態を最初に目撃したのはそばにいる柚子だ。

遊矢のこめかみからすり抜けるかのように、『欠片』でできた銃弾がゆっくりと出てきて、ベッドの上に転がる。

「榊遊矢はズァークに取り込まれずに済んだ。だが、ここから目覚めるかは奴次第だ」

 

「少しは、落ち着いたか?」

艦内の食堂には柚子を除いたレイの分身たる3人がいて、凌牙がコーヒーを出す。

アカデミアから離れたこと、食堂には防音処理がされているためか、混乱が続く外とは不釣り合いな静寂がそこにはある。

3人とも、遊矢がデュエルを終えたと同時に解放され、口にしていた青酸カリは取り除かれた。

逆に言うと、ズァーク復活ができた時点でAIからはどうでもいい存在と認識されたのだろう。

「…そういえば、こうしてちゃんと顔を合わせるのって、初めて…よね」

沈黙に耐えきれず、最初にリンが口を開く。

アカデミアに拘束されてからはリンも瑠璃もセレナもあのカプセルの中から以外でお互いに顔を合わせたことがない。

カプセルではとても会話できる状態ではなく、こうして話せるのは初めてだ。

「不思議よね、病室にいる柚子も含めて、私たち…もともと一人の存在だったなんて…」

「そう…ね。…ユート達も…。…ごめんなさい、こんなこと言ってはいけないのは分かってる。けれど…どうして今あそこに寝ているのがユートじゃなくて、遊矢なんだろうって…」

おそらく、ズァークの中にはユートが存在する。

過程や今の状況がどうであれ、今眠っている遊矢はズァークになることがなかった点だけは幸運といえる。

こんな状況で、遊矢も死ぬ覚悟でそうしたことはわかっている分、そんな遊矢と彼とともにいる柚子に対して暗い感情を抱いてしまう自分に腹を立ててしまう。

「そんなの、わからねえよ。強い奴が生きて、弱い奴が死ぬほどこの世界は単純じゃねえ。それに、まだ全部が終わったわけじゃねえ。実際、お前たちはレイに統合されることなくここにいる。そして、ズァークは遊矢を取りこぼした。ほんのわずかだが、可能性がねえわけじゃねえ…」

ふと、凌牙の脳裏に故郷にいる仲間の一人の姿が浮かぶ。

彼はたとえどんなに絶望的な状況であっても、自分の理想を捨てることなく戦い続け、理想をかなえて見せた。

だから自分はここにいて、アストラル世界とバリアン世界が滅ぶことはなかった。

「かっとビング…か…」

 

「ようやく…ようやく集まったぜぇ…記憶のカードが。俺の始まりが…」

「ベクター…」

赤黒い空の下、中世のコロシアムのような建物の中に翔太とベクターがいて、ベクター本人は玉座に座り、上空には鎖でつながれた3人の遺体がある。

遊馬、ナッシュ、メラグ、いずれもベクターの思惑に反した憎むべき存在で、当然それらの遺体はベクターの妄想でしかない。

だが、こうすることができるだけの力を手に入れることができた。

「魂だけになった俺がドン・サウザンドの代替の肉体を手に入れ、ヌメロン・コードが砕けた余波で次元のはざまに飛ばされ、その果てでたどり着いたこの4つの次元。そこで感じたズァークって野郎の憎しみと力でシンクロ、融合、ペンデュラムを学び、ドン・サウザンドが配下として生み出そうとしていた四騎士にエクシーズを含めて、力を分け与えた。てめえがデュエルをするたびに感じたぜ…その力を。それが俺を高ぶらせ、力をみなぎらせてくれた…」

確かに、この次元へ飛んだ時に別の人間とぶつかり、さらにはその近くに『欠片』なんてものが存在したせいでその人間と融合したうえに全く別の人格である秋山翔太が生まれてしまったことは誤算だった。

だが、その誤算のおかげで遠回りにはなったものの、力を蓄える時間ができ、さらには復讐対象の一人である凌牙、ナッシュともう1度会うことができた。

エクシーズ次元でのデュエルでは不覚を取ったことは認めるが、すべての記憶のカードと戦い、四騎士に蓄えられた力をわがものとした今ならば、かつて神を自称した時以上の力を発揮することができる。

「あとは…邪魔者になっててめえと、呉島純次をぶっ殺して、肉体を完全に俺の物にする。そして…俺だけの次元を一から作り上げてやる」

「妄想はそこまでにしな…てめえは、器じゃねえんだよ…。ここでその妄想も終わらせてやる」

「やってみやがれ…人形が」

玉座から立ち上がったベクターが左腕にデュエルディスクを生み出すと当時に、鎖につながれた遺体と玉座が消滅する。

ベクターの周囲にカード状の光の結晶が集まると、それが次々とデュエルディスクのデッキスペースに吸い込まれていく。

「「デュエル!!」」

 

ベクター

手札5

ライフ4000

 

翔太

手札5

ライフ4000

 

「翔太君…」

激しい揺れが起こるプロフェッサーの部屋の中、伊織は眠ってしまった翔太の手を握る。

ズァーク復活の際、逃げるように零児たちには言われたが、なぜか伊織はここから動いてはいけない、そのように感じた。

次元統合による4つの次元の崩壊、それを止める切り札が翔太になる。

だが、今ここで翔太が離れてしまったら、その機械を永遠に失うことになる。

なぜそんなふうに思ったのかはわからないが、なぜか確信できた。

もうすでに議論する時間は残されておらず、どうにかカプセルから解放された3人のこともあって零児たちを行かせ、翔太の体を守るという理由で伊織もここに残っている。

ここの重要性を知っているのか、ズァークの攻撃は来ていないが、それでも激しい揺れと衝撃は立っていられなくなるほどの強さがあった。

 

「まーず、俺からいかせてもらうぜぇ?俺は手札からフィールド魔法《アンブラル・コロシアム》を発動!!」

発動と同時に、無人だった客席には次々と人の姿が現れ、同時にそこからベクターへの声援が響き渡る。

まるでフレンドシップカップの際の熱狂ともいえるが、現れた人間達に翔太は怪訝な表情を見せる。

「悪趣味だな…カード化されている人間の魂をここにとどめて、無理やり称賛させてるってか」

「ここは俺様のコロシアムだ。観客がいて当然、てめえはアウェーで当然。このコロシアムの発動処理として、俺はデッキからアンブラル1体を手札に加える。そして、俺は手札からスケール0の《アンブラル・ゲート》とスケール8の《アンブラル・ガーディアン》でペンデュラムスケールをセッティング!」

赤い水晶と岩石でできた門と同じ材質の甲冑と斧、大盾を装備した騎士がペンデュラムスケールを生み出し、上空には赤黒いペンデュラムのシルエットが生まれ、そのはざまで揺れ動く。

「揺れろ、俺様のペンデュラム!敵の首を切り落とし、その血で俺を喜ばせろ!!ペンデュラム召喚!現れな、俺様の下僕たち!!《アンブラル・シンクロン》、《アンブラル・マジシャン》、《アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ》!!」

黒い渦が出現するとともに現れたのは灰色の包帯で身を包み、赤い右目だけをあらわにした《ジャンク・シンクロン》というべき姿のモンスターと、同じ包帯姿で赤い水晶のついた杖を手にした魔道士で、その2体に挟まれる形で《アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ》も現れる。

 

アンブラル・シンクロン レベル3 攻撃1300(チューナー)

アンブラル・マジシャン レベル4 攻撃1500

アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ レベル1 攻撃0

 

「《ウィル・オ・ザ・ウィスプ》の効果!こいつの召喚・特殊召喚に成功した時、このカード以外のフィールド・墓地のアンブラル1体のレベルに変更できる。俺は《アンブラル・マジシャン》を選択する!」

 

アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ レベル1→4 攻撃0

 

「そして、《アンブラル・コロシアム》の効果発動。こいつは俺がペンデュラム召喚、エクシーズ召喚、融合召喚、シンクロ召喚を成功させた時、それ相応のプレゼントをしてくれるってわけだ」

(赤馬零児の《異形神の契約書》に似たモンか…)

「で、ペンデュラム召喚に成功した場合、俺はデッキからカードを2枚ドローし、手札1枚を墓地へ捨てることができる」

 

手札から墓地へ送られたカード

・アンブラル・アイ

 

「俺はレベル4の《アンブラル・マジシャン》、《ウィル・オ・ザ・ウィスプ》でオーバーレイ!!神の意思に反する者の名を刻み、裁きを下せ!!エクシーズ召喚!現れろ、《仮面審問官クラーマー》!!」

上空に生まれた銀河の中に消える2体のモンスター。

その命をオーバーレイユニットとして誕生したのは左手に真っ黒な書物、右手に天秤を持つ黒衣の僧侶。

黒いシルクハットからは前後をつき抜いたかのような黄色い角が生えており、帽子に隠れた顔からは赤い目を光らせる。

 

仮面審問官クラーマー ランク4 攻撃2500

 

「そして、エクシーズ召喚に成功したことで、《アンブラル・コロシアム》の効果を発動!俺はデッキからアンブラル魔法カード1枚を手札に加える。俺が手札に加えるのは《RUM-アンブラル・フォース》。そして、《クラーマー》の効果を発動。1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、俺はデッキからカードを1枚ドローし、ドローしたカードを公開する。さあーて、何が出るかな、何が出るかなー??」

オーバーレイユニットが書物に宿り、宙に浮いた書物がページを開くと、そこにベクターがドローしたカードが映し出された。

 

取り除かれたオーバーレユニット

・アンブラル・マジシャン

 

「俺様がドローしたカード…それは、《アンブラル・フュージョン》!!そして、相手はデッキから後悔したカードと同じ種類のカード1枚を墓地へ送らなければならない!その効果で相手がカードを墓地へ送れなかった場合、お前は1000のダメージを受ける。さあ、どのカードを墓地へ落すか決めな!!」

「ちっ…俺は、《魔装天啓》を墓地へ送る」

「さらに、オーバーレイユニットとして墓地へ送られた《アンブラル・マジシャン》の効果発動!こいつがアンブラルエクシーズモンスターの効果によって墓地へ送られたとき、墓地から特殊召喚できる!!」

 

アンブラル・マジシャン レベル4 攻撃1500

 

「さらに、墓地の《アンブラル・アイ》の効果!俺の墓地からアンブラルが特殊召喚されたとき、こいつを墓地から除外することで、デッキから新たなアンブラル1体を手札に加える。俺が手札に加えるのは《仮面剣闘士オーディン》!!」

三つ指の腕が地面から伸び、それに握られた赤い瞳が一瞬瞳を輝かせると、ベクターのデッキから彼が望んだカードが放出される。

そのカードをベクターが愉快そうな笑みをうかべ、翔太に見せる。

「ペンデュラムモンスター…おまけに、俺の《ペイルライダー》にそっくりじゃねえか」

「俺の、《ペイルライダー》だぁ?バーカいってんじゃねえよ、四騎士は俺のだ!!もっとも、もう用済みだけどよぉ。だから、紹介してやるぜ。俺の新たな四騎士をなぁ。俺は手札から《RUM-アンブラル・フォース》発動!俺のフィールドのアンブラルモンスター1体をランクが1つ高いアンブラルへとランクアップさせる。俺は《クラーマー》でオーバーレイ!!生者の名を刻みし書物を持つものよ、命を支配し、命に死をもたらせ!カオスエクシーズチェンジ!現れろ、《CX-仮面死天使アズラエル》!!」

《仮面審問官クラーマー》が上空に現れた紫のオーバーレイネットワークに飛び込んでいく。

衣が黒から白へと変わるものの、そこから浮かび上がる大量の目や耳、舌がすべてを塗りつぶしていく。

そして、銀の冠をかぶせられると再びフィールドに戻ってきた。

 

CX-仮面死天使アズラエル ランク5 攻撃2800

 

「さらに俺は手札から《アンブラル・フュージョン》を発動!こいつはアンブラル専用の融合魔法だ!!そして、《アンブラル・コロシアム》が存在する場合、デッキに存在するモンスター1体も融合素材にできる!!俺はデッキの《アンブラル・アンフォーム》とフィールドの《アンブラル・マジシャン》を融合!!2つの悪魔の影よ、今一つとなり、世界を闇で覆え!!融合召喚!!現れろ、《仮面騎士ジルドレ》!!」

2体の魔物が渦の中で溶け込み、中から血のような暗い赤色の鎧を身にまとった大剣の騎士がフィールドに出現する。

 

仮面騎士ジルドレ レベル8 攻撃3000

 

融合、エクシーズがフィールドに出現し、手札にはペンデュラムモンスター。

そして、チューナーがフィールドに残っているということはベクターがやることは一つ。

「俺は《アンブラル・コロシアム》の効果発動!アンブラルを融合召喚に成功した時、俺のフィールドに融合素材となったアンブラル1体と同じレベルと攻撃力を持つ《アンブラルトークン》1体を特殊召喚できる」

地面に黒い穴が出現し、その中から黒い液体が噴出してくる。

やがてそれが形を変え、《アンブラル・マジシャン》と似た姿へと変える。

 

アンブラルトークン レベル?→4 攻撃?→1500

 

「レベル4の《アンブラルトークン》にレベル3の《アンブラル・シンクロン》をチューニング。影が星空を食らうとき、見えざる矢が愚者を葬る。光無き闇へ落ちろ!!シンクロ召喚!現れろ、《仮面弓王レラジェ》!!」

急にその身を炎で包んだ《アンブラル・シンクロン》の体がチューニングリングへと変わり、その中に《アンブラルトークン》が消えていく。

黒い光が放たれると同時に出てきたのは赤いラインの入った黒い厚手のコートで、他の仮面の名を持つモンスターと同じく仮面で顔を隠した弓士が翔太に向けて弓を引く。

 

仮面弓王レラジェ レベル7 攻撃2400

 

「シンクロ召喚に成功したことで、《アンブラル・コロシアム》の効果発動!次の俺のターンのスタンバイフェイズ時まで、俺のフィールドのすべてのアンブラルの攻撃力を600アップ!」

 

仮面弓王レラジェ レベル7 攻撃2400→3000

仮面騎士ジルドレ レベル8 攻撃3000→3600

CX-仮面死天使アズラエル ランク5 攻撃2800→3400

 

「そして、墓地の《アンブラル・シンクロン》の効果発動!こいつを素材としてアンブラルシンクロモンスターのシンクロ召喚に成功した時、手札のアンブラル1体を特殊召喚できる。さあ、てめえも出ろ!!《仮面剣闘士オーディン》!!」

パカラ、パカラと馬の蹄の音が響き、コロシアムの扉が開かれる。

そこから現れたのは青白い馬に乗った、片目を眼帯で隠した骸骨の騎士で、右手には《魔装騎士ペイルライダー》と同じ光剣が握られていた。

 

仮面剣闘士オーディン レベル7 攻撃2500

 

「1ターンでてめえの四騎士が勢ぞろいかよ…!!」

「カッハッハッハッ!!ここまで順調に全部揃えることができて笑えるってモンだぜ!!これが、俺様の四騎士だぁ!!!」

天秤が揺れ、大剣を振るうと同時に空気が震える。

矢の殺気が翔太の胸や頭部に冷たい感覚を与え、青い馬の蹄が脳裏に響く。

「とまあ、これだけのことをしてしまったからー、俺様の手札0枚になっちゃったんだよねー。さーてさて、どうしますかねー…」

わざとらしく考えるふりをするベクターだが、明らかに視線は発動したペンデュラムゾーンのカードに向けられている。

「あ、ひらめいたー!というわけで俺は《アンブラル・ゲート》のペンデュラム効果を発動!!俺がRUMの効果でアンブラルのエクシーズ召喚に成功したターンに発動でき、このターンに発動したアンブラル魔法カードのカード名の数だけ、デッキからカードをドローする!俺様が発動したのは《RUM-アンブラル・フォース》、《アンブラル・フュージョン》、そして《アンブラル・コロシアム》!!よって、3枚ドロー!!ただーし、この効果を発動した次のターン、俺は通常のドローはできねえ上に、このターンの終わりまでデッキからカードを手札に加えることもできねえ!俺様はカードを1枚伏せ、ターンエンド!!」

 

ベクター

手札5→2

ライフ4000

場 仮面剣闘士オーディン レベル7 攻撃2500

  仮面弓王レラジェ(《アンブラル・コロシアム》の影響下) レベル7 攻撃3000

  仮面騎士ジルドレ(《アンブラル・コロシアム》の影響下) レベル8 攻撃3600

  CX-仮面死天使アズラエル(オーバーレイユニット2、《アンブラル・コロシアム》の影響下) ランク5 攻撃3400

  伏せカード1

  アンブラル・ゲート(青) ペンデュラムスケール0

  アンブラル・ガーディアン(赤) ペンデュラムスケール8

  アンブラル・コロシアム(フィールド魔法)

 

翔太

手札5

ライフ4000

 

「う、うぐ、うう…!!」

「翔太君!!」

うめき声を上げ始め、同時に痣が光り始めた翔太に伊織は彼の中で起こっている異変を感じた。

何もできず、想像することでしか彼に起こっている状況を把握できないことに歯がゆさを覚える中、ポンッという音とともに小さな煙が出る。

そして、その中からビャッコが飛び出す。

「ビャッコちゃん…?」

「キュイー!!」

 

「俺のターン!」

 

翔太

手札5→6

 

「お前が4つの召喚をしたっていうなら、俺もしてやるよ…。俺はスケール4の《魔装騎士ペイルライダー》をセッティング。そして、手札から速攻魔法《揺れる眼差し》を発動。ペンデュラムゾーンに存在するすべてのカードを破壊する」

発動されたばかりの《魔装騎士ペイルライダー》が消え去り、同時にベクターのペンデュラムゾーンの門と守り手も消え去る。

「ちっ…!」

「破壊されたカードは3枚。よって、お前に500のダメージを与える」

 

ベクター

ライフ4000→3500

 

「そして、俺はデッキから新たなペンデュラムモンスター、《魔装無頼リュウホウ》を手札に加える。そして、お前のフィールド魔法《アンブラル・コロシアム》を除外する」

「ちぃ…!」

《アンブラル・コロシアム》が消滅し、周囲に存在する観客たちもまた消えていく。

手傷を負わされただけでなく、あっさりとペンデュラムゾーンのカードもフィールド魔法も排除してきた翔太にベクターは舌打ちする。

「そして、俺は手札から永続魔法《魔装術書-エメラルド・タブレット》を発動。このカードは俺が魔装騎士の召喚に成功した時に効果を発動する。そして、俺はスケール3の《魔装無頼リュウホウ》とスケール10の《魔装覇王コウウ》でペンデュラムスケールをセッティング!」

酒の入った大きなひょうたんを左手に握り、右手の古代中国風の剣を手にした髭面の武人と、漆黒の馬にまたがり、重量のあるハルバードを軽々と右手だけで支える、《魔装無頼リュウホウ》とは対照的に若々しさの目立つ武人が現れ、ペンデュラムスケールが形成される。

ただ、やはりモチーフとなった2人が争い合った関係であるためなのか、にらみ合っているようにも見える。

「これで俺はレベル4から8までのモンスターを同時に召喚可能。来たれ、時の果てに眠りし英雄の魂。漆黒の魂と契約し、封印から解き放たん!ペンデュラム召喚!現れろ、《魔装騎士ペイルライダー》、《魔装近衛エモンフ》、《魔装術士スペンサー》」

五芒星が刻まれたシルクハットと仕込杖を手にし、顔を笑い顔の仮面で隠した燕尾服の男が《魔装騎士ペイルライダー》と《魔装近衛エモンフ》と共に現れ、ベクターに対して恭しく頭を下げた。

 

魔装騎士ペイルライダー レベル7 攻撃2500

魔装近衛エモンフ レベル5 攻撃1000

魔装術士スペンサー レベル3 攻撃1000(チューナー)

 

「そして、《エメラルド・タブレット》の効果を発動。俺が魔装騎士のペンデュラム召喚に成功した時、デッキから魔装ペンデュラムモンスター1体を手札に加える。俺が手札に加えるのは《魔装槍士タダカツ》。そして、《エモンフ》の効果。このカードをエクシーズ素材とする場合、他のエクシーズ素材は手札の魔装モンスター1体としなければならない、俺はレベル5の《エモンフ》に手札のレベル5の《タダカツ》でオーバーレイ!万物を測りし漆黒の騎士よ、むさぼりし者たちに飢餓をもたらせ!エクシーズ召喚!!現れろ、《魔装騎士ブラックライダー》!!」

 

魔装騎士ブラックライダー ランク5 攻撃2800

 

「《エメラルド・タブレット》の効果。俺が魔装騎士のエクシーズ召喚に成功した時、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力をターン終了時まで半分にする!」

「《ジルドレ》は相手のカード効果を受けねえ!半分にするなら、他のモンスターにするんだな」

「なら俺は《アズラエル》の攻撃力を半分にする!!」

 

CX-仮面死天使アズラエル ランク5 攻撃3400→1700

 

「そして、俺は《スペンサー》の効果を発動。俺のペンデュラムゾーンに存在する魔装モンスター1体を特殊召喚できる。俺は《リュウホウ》を特殊召喚する!」

《魔装術士スペンサー》がシルクハットを上空に向けて投げ、その中に《魔装無頼リュウホウ》が吸い込まれていく。

それから若干のタイムラグの後でシルクハットの中から《魔装無頼リュウホウ》が酒を飲みながら飛び出してくる。

 

魔装無頼リュウホウ レベル5 攻撃2100

 

「《魔装無頼リュウホウ》の効果。このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからレベル3以下の魔装モンスター1体を効果を無効にして特殊召喚できる。俺はレベル1の《魔装亀テンセキ》を特殊召喚する」

 

魔装亀テンセキ レベル1 攻撃0

 

「レベル1の《テンセキ》とレベル5の《リュウホウ》にレベル3の《スペンサー》をチューニング。勝利と支配をもたらす第2の騎士よ、終戦を告げるその矢で敗者を鎮めよ!シンクロ召喚!《魔装騎士ホワイトライダー》!!」

 

魔装騎士ホワイトライダー レベル9 攻撃3100

 

「魔装騎士のシンクロ召喚に成功したことで、《エメラルド・タブレット》の効果を発動!俺のフィールドに《魔装書トークン》1体を特殊召喚する」

古ぼけた書物がフィールドに置かれ、ページが開くと同時にその中から五芒星が顔面に刻まれた白い小人が現れる。

 

魔装書トークン レベル1 攻撃0

 

「そして、《魔装覇王コウウ》のペンデュラム効果。俺のフィールドに魔装モンスターが2体以上存在し、片方のペンデュラムゾーンにカードがない時、エクストラデッキに存在する魔装ペンデュラムモンスター1体をペンデュラムゾーンに置くことができる。俺は再び《リュウホウ》をペンデュラムゾーンに置く。そして、《リュウホウ》のペンデュラム効果発動。俺のフィールドに存在するモンスターを素材として、魔装モンスターの融合召喚を行うことができる。その時、俺のペンデュラムゾーンに存在するカードも素材にできる。俺は《魔装書トークン》、《リュウホウ》、《コウウ》を融合。書物より作られし命よ、覇王を打ち破りし無頼よ、刃で天下を治めし英雄よ、魔導の力によりて、今1つとならん。融合召喚!真紅の騎士、《魔装騎士レッドライダー》!!」

 

魔装騎士レッドライダー レベル8 攻撃3000

 

ベクターと同じように、翔太のフィールドに四騎士すべてが並び立ち、互いに互いの合わせ鏡となりうるモンスターに向けて武器を向ける。

己の存在をかけたこの戦いに並び立つ存在は決していない。

「《エメラルド・タブレット》の効果。魔装騎士の融合召喚に成功した時、俺はデッキからカードを1枚ドローする。そして、《レッドライダー》は俺のターンにモンスターの特殊召喚に成功したバトルフェイズ終了時まで、攻撃力が1000アップする」

 

魔装騎士レッドライダー レベル8 攻撃3000→4000

 

「なーるほど、なら俺は《アズラエル》の効果を発動!こいつがアンブラルエクシーズモンスターをエクシーズ素材としている場合、バトルフェイズ開始時にオーバーレイユニットを1つ取り除くことで、相手の攻撃対象は俺が決めることができる。さあ…まずはどのモンスターで戦闘を行うかを選びな!!」

《CX-仮面死天使アズラエル》の手から離れた天秤がフィールドの中央に置かれ、同時にそれぞれの四騎士を模した駒が左右の天秤に置かれていく。

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ

 

「あーでもでも、《レッドライダー》の攻撃力4000には俺様の四騎士、どれも勝てそーにないんスよねー。さーてさて、どう戦ってもらいましょーかー…あ、そうだぁ!!《レッドライダー》には《オーディン》と戦ってもらいましょー!!」

「何!?」

《魔装騎士レッドライダー》の大剣と《仮面剣闘士オーディン》の光剣がぶつかり合う。

《仮面剣闘士オーディン》の攻撃力は《魔装騎士レッドライダー》を下回り、おまけに光剣を持つ手が利き手の右手のみであるにもかかわらず、なぜか互角に刃をぶつけあう。

「へへへ、《オーディン》は自分よりも高い攻撃力を持つ相手モンスターと戦闘を行うとき、ダメージステップ終了時まで互いの攻撃力を入れ替えることができるのさあ!!」

 

仮面剣闘士オーディン レベル7 攻撃2500→4000(ダメージステップ終了時まで)

魔装騎士レッドライダー レベル8 攻撃4000→2500(ダメージステップ終了時まで)

 

「くっ!!」

「さあ、迎撃しろぉ!!《オーディン》!!」

《魔装騎士ペイルライダー》とは異なる意味での死神といえる《魔装剣闘士オーディン》の光剣が剛力を誇るはずの《魔装騎士レッドライダー》の胴体を両断する。

両断された騎士が爆発し、衝撃波が翔太を襲う。

「く、そぉ!!」

 

翔太

ライフ4000→2500

 

「《エメラルド・タブレット》の効果…。俺の魔装騎士が相手によってフィールドから離れた場合、このカードは破壊される…!!」

《魔装術書-エメタルド・タブレット》が消えるが、四騎士の召喚は既に成し遂げていることから既に役目は果たしているといえるだろう。

だが、残る3体の魔装騎士では今のベクターの四騎士を倒すことはできない。

「俺は手札から魔法カード《ペンデュラム・ホルト》を発動。俺のエクストラデッキにペンデュラムモンスターが3種類以上存在するとき、デッキからカードを2枚ドローできる。そして、俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド。同時に、《アンブラル・コロシアム》の効果は終わる」

「ここで俺は《アンブラル・ガーディアン》のペンデュラム効果を発動!このカードが相手によってフィールドから離れたターン終了時、デッキから新たなアンブラルをペンデュラムゾーンに置く。俺が置くのはスケール4の《アンブラル・マリオネット》!!」

青黒い人型のマリオネットが地面に落ちると、そのまま上空へと飛び、ペンデュラムスケールを生み出す。

 

 

ベクター

手札2

ライフ4000

場 仮面剣闘士オーディン レベル7 攻撃2500

  仮面弓王レラジェ レベル7 攻撃3000→2400

  仮面騎士ジルドレ レベル8 攻撃3600→3000

  CX-仮面死天使アズラエル(オーバーレイユニット1) ランク5 攻撃3400→2800

  アンブラル・マリオネット(青) ペンデュラムスケール4

  伏せカード1

 

翔太

手札6→0

ライフ2500

場 魔装騎士ペイルライダー レベル7 攻撃2500

  魔装騎士ブラックライダー(オーバーレイユニット2) ランク5 攻撃2800

  魔装騎士ホワイトライダー レベル9 攻撃3100

  伏せカード2

 

「キヒヒヒ…俺様のターン!!《アンブラル・ゲート》の効果の代償として、俺はこのドローフェイズにカードをドローできねえ。だが、俺様は手札から魔法カード《仮面舞踏会》を発動!俺のフィールドに存在するマスカレイドどもの種類の数だけ、俺様はデッキからカードをドローする!すなわち!!俺様はカードを4枚ドローだぁ!!」

「なら…俺もドローさせてもらうぜ。罠発動!《逆転の明札》。相手がドローフェイズ以外にデッキからカードをドローした時、もしくはデッキからカードを手札に加えたときに俺の手札が相手よりも少ない場合に発動でき、お前の手札の数だけ俺はデッキからカードをドローする」

これで翔太とベクターの手札は同じ5枚となる。

だが、どんなに手札を増やしたとしても、自分のターンがまわってこない限りあまり意味を持たない。

「ま…せっかくドローしたカードは無駄に終わるけどなぁ!!俺は手札から装備魔法《仮面魔槍》を《アズラエル》に装備!!」

天秤を手元に戻した《CX-仮面死天使アズラエル》の右手に《CNo.101S・H・Dark・Knight》の槍を模した赤黒い槍が出現する。

槍を手にしたと同時に、穂先が震え、右腕だけが甲冑で包まれる。

「こいつを装備したモンスターの攻撃力は1000アップし、装備モンスターが攻撃するとき、相手は魔法・罠カードを発動できねえ!」

 

CX-仮面死天使アズラエル ランク5 攻撃2800→3800

 

「そして、《アズラエル》のオーバーレイユニットになっている《クラーマー》の効果!こいつをオーバーレイユニットとしている《アズラエル》は相手フィールドのすべてのモンスターに1回ずつ攻撃できる!」

今の翔太のフィールドに残っている3体の騎士はいずれも攻撃力は《CX-仮面死天使アズラエル》を下回る。

この1体によってモンスターが全滅し、残りのベクターの騎士によるダイレクトアタックによってライフをすべて失うことになる。

《CX-仮面死天使アズラエル》の頭上に手にしている槍の幻影が次々と出現していく。

「バトルだ!《アズラエル》!!あいつのフィールドのすべてのモンスターを殺せぇ!!」

ベクターの命令と共に槍の雨が翔太のフィールドの3体の騎士に襲い掛かる。

貫かれた3体の騎士はなすすべもなくフィールドから消え、残った槍は容赦なく翔太を襲う。

「ぐおおおおお!!ふざけるなぁ!!俺は手札の《魔装剣姫バーイー》の効果発動!俺のフィールドの魔装騎士が攻撃対象となるとき、手札のこのカードを墓地へ送ることで、このターン、俺の魔装騎士たちは戦闘では破壊されず、俺への戦闘ダメージは半分になる!」

五芒星が刻まれた赤いマントで身を包み、タルワールと丸盾を手にした褐色の女性がフィールドに出現し、タルワールの剣先で円を作ると翔太たちを障壁が包み、彼女は姿を消す。

槍は障壁に阻まれるもやがて突破し、翔太を襲い、そのうちの1本が翔太の左腕をかすめる。

「く、うう!!」

 

翔太

ライフ2500→2150→1650→1000

 

「そして、戦闘を行った《ペイルライダー》の効果。戦った相手モンスターを破壊する!消えろ、《アズラエル》!!」

鎧にひびが入りながらも生き延びた《魔装騎士ペイルライダー》が刺さったまま残っている幻槍を手にし、それを《CX-魔装死天使アズラエル》に向けて投げる。

槍を受けた《CX-魔装死天使アズラエル》はなぜか笑みをうかべ、その後で消滅する。

「しぶてえ野郎だ…でもよぉ、俺にはまだ3体の騎士がいる。そして、《ジルドレ》は1ターンに2度攻撃できる。もうちょっとだけ、てめえのライフを削らせてもらう!!」

大剣を振るう《仮面騎士ジルドレ》と天秤から放つ波動でそれを受け止める《魔装騎士ブラックライダー》。

だが、攻撃の余波は翔太を襲い、翔太の命を削っていく。

 

翔太

ライフ1000→900→800

 

「さらに、《オーディン》で《ブラックライダー》を攻撃!!ダメージステップ開始と同時に《オーディン》の効果で、《オーディン》と《ブラックライダー》の攻撃力をダメージステップ終了時まで入れ替える!!」

《仮面剣士オーディン》の剣と《魔装騎士ブラックライダー》の天秤がぶつかり合い、その衝撃もまた翔太を襲った。

 

仮面剣士オーディン レベル7 攻撃2500→2800(ダメージステップ終了時まで)

魔装騎士ブラックライダー ランク5 攻撃2800→2500(ダメージステップ終了時まで)

 

翔太

ライフ800→650

 

「ヒヒヒ…ライフを失うたびに感じるだろ?お前という存在が消えていくのが…」

嘲り笑うベクターの言葉に対して、左腕の血をぬぐった右手首を見た翔太はそれを反論できない。

体が透明がかった状態になっており、それは翔太のデッキもフィールドに残っている騎士たちも同じだ。

「元々、てめえもてめえのカードもこの世界には存在しねえ、偶発的に生まれただけのイレギュラーだ。ライフが0になったところで、てめえは本来あるべき姿に戻るだけ。どこにも存在しねえ、『無』に還るだけだ!」

「ふ…ざけんなよ…そんなこと、決める資格はてめえには…ねえ…」

「それをいつまで言ってられるかな?バトルフェイズ終了と同時に、俺は手札から魔法カード《アンフェアー・ジャッジ》を発動。このターンのバトルフェイズ中に相手モンスターを戦闘で破壊できなかった時、俺のフィールドのモンスター1体の攻撃力よりも低い攻撃力または守備力を持つ相手フィールドのモンスターをすべて破壊する。俺は《ジルドレ》を選択。攻撃力3000よりも低い攻撃力または守備力のモンスターはすべて消し飛ぶ!!」

「だが、《ホワイトライダー》は魔装装備カード以外のカード効果を受けない!!」

再び動き出した《仮面騎士ジルドレ》が体験を横にふるうと同時に衝撃波が翔太のフィールドを襲い、それを受けた《魔装騎士ペイルライダー》と《魔装騎士ブラックライダー》が消滅する。

翔太はダメージを受けることがなかったものの、これでフィールドに残ったのは《魔装騎士ホワイトライダー》1体のみ。

「俺は罠カード《魔装光》を発動!俺のフィールドの魔装モンスターが相手によって破壊されたとき、手札の魔装モンスター1体を特殊召喚できる!俺は《魔装楯タカモリ》を特殊召喚」

 

魔装楯タカモリ レベル4 守備2000(チューナー)

 

「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

ベクター

手札2

ライフ4000

場 仮面剣闘士オーディン レベル7 攻撃2500

  仮面弓王レラジェ レベル7 攻撃2400

  仮面騎士ジルドレ レベル8 攻撃3000

  アンブラル・マリオネット(青) ペンデュラムスケール4

  伏せカード2

 

翔太

手札0→4

ライフ650

場 魔装騎士ホワイトライダー レベル9 攻撃3100

  魔装楯タカモリ レベル4 守備2000(チューナー)

 

「嘘…何、これ…」

翔太のライフが危機的状況になったことへの影響は現実にも出始め、伊織ももう翔太が危ないことを認識せざるを得ない状態となっていた。

翔太の体がまるでガラス人形になっていくかのように透明になっていて、体温も低下しつつある。

どうにかしたいと思う伊織だが、彼女にもどうすればいいのかわからない状態だ。

そんな中、翔太の手を見ていたビャッコが急に伊織の頭の上に乗る。

「え、ええ!?ビャッコちゃん、どうしたの!?」

「キュイ、キュー---!!」

頭に葉を乗せ、何かを唱えると伊織とビャッコが光に包まれ、光ごと翔太の痣の中に吸い込まれていった。

 

「はあ、はあ…俺の、ターン!!」

 

翔太

手札4→5

 

「俺は…《魔装妖ビャッコ》を召喚」

煙と共にポンと出現する《魔装妖ビャッコ》だが、いつもの精霊としてではなく明確にソリッドビジョンでの出現のせいなのか、ただ出現するだけで何も反応を見せる様子はない。

 

魔装妖ビャッコ レベル3 攻撃400

 

「レベル3の《ビャッコ》にレベル4の《タカモリ》をチューニング!可憐なる妖魔よ、その秘められし妖の力を解放せよ。シンクロ召喚!《魔装妖キュウビ》!!」

 

魔装妖キュウビ レベル7 攻撃2000

 

「そして、シンクロ素材となった《ビャッコ》の効果により、俺はデッキからカードを1枚ドローする。そして、俺は手札から魔法カード《狐竜への進化》を発動。俺のフィールドに《キュウビ》が存在するときに発動でき、そのモンスターはこのターン、相手フィールドに存在するすべてのモンスターに1回ずつ攻撃できる。こいつでてめえがやってきたことをやり返させてもらう!!」

発動と同時に、《魔装妖キュウビ》の姿が徐々に竜を模したものへと変わっていき、1つ1つの尻尾に狐を模した炎が宿る。

「俺のフィールドにはまだ《ホワイトライダー》が存在し、俺の攻撃の選択権を奪った《アズラエル》はもういない。てめえのフィールドを蹂躙してやる!まずは《ホワイトライダー》で《レライエ》を攻撃!」

竜と化した《魔装妖キュウビ》の尻尾から放たれた炎が光線へと変化し、上空で待機する中で《魔装騎士ホワイトライダー》の矢が《仮面弓士レライエ》を撃ちぬく。

胸部に大穴が空いた《仮面弓士レライエ》が消滅し、矢はベクターの背後に床に当たると同時にその場所にクレーターが出来上がった。

 

ベクター

ライフ4000→3300

 

「ちぃ…なら、俺様は墓地へ送られた《レライエ》の効果を発動!こいつが墓地へ送られたターン、俺が受ける戦闘ダメージは半分になる!!」

「だが、これで《レライエ》はいねえ…。次は《キュウビ》で《ジルドレ》を攻撃!!」

上空で待機していた光線が雨のように《仮面騎士ジルドレ》を襲う。

光線を受けて炎上する《仮面騎士ジルドレ》は灰と化した。

「こいつが戦闘を行うとき、ダメージステップ終了時まで戦う相手モンスターの攻撃力を0にし、効果も無効にする!」

 

魔装騎士ジルドレ レベル8 攻撃3000→0(ダメージステップ終了時まで)

 

ベクター

ライフ3300→2300

 

「続けて、《オーディン》にも攻撃だ!!《オーディン》の攻撃力を入れ替える効果も、こちらから攻撃したというなら、意味がねえだろ!!」

上空に残っている光線が《仮面剣士オーディン》を襲うが、《仮面剣士オーディン》は光線を光剣で何度も斬って抵抗する。

光線では無理だと判断したのか、《魔装妖キュウビ》が口から紫のブレスを放ち、ブレスの中で《オーディン》が消滅し、ブレスはそのままベクターを襲う。

「ぐおおおお!!でもよぉ、《オーディン》はペンデュラムモンスターだ。破壊されたとき、エクストラデッキに行く!!」

 

魔装剣士オーディン レベル7 攻撃2500→0(ダメージステップ終了時まで)

 

ベクター

ライフ2300→1300

 

「はあはあはあ…これで、てめえのモンスターは…全滅、だな…」

ベクターのフィールドからモンスターはいなくなり、翔太のフィールドに2体のモンスターが残る。

彼の残りの手札、そしていまだに発動していない2枚の伏せカードと《アンブラル・マリオネット》のペンデュラム効果。

警戒すべきものは多いが、それでもベクターを追い詰めることができた。

目の前にいるベクターもまた、翔太と同じように透明になりつつあるのだから。

「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」

ターン終了と同時に、《魔装妖キュウビ》は元の姿に戻った。

 

 

ベクター

手札2

ライフ1300

場 アンブラル・マリオネット(青) ペンデュラムスケール4

  伏せカード2

 

翔太

手札5→4

ライフ650

場 魔装騎士ホワイトライダー レベル9 攻撃3100

  魔装妖キュウビ レベル7 攻撃2000

  伏せカード1

 

「へ、へへ…まだだ。まだまだ勝負はこれから、だぜ…?」

大きなダメージを負いながらも、ニヤリと笑うベクターの目に同じく透明になりつつある翔太が映る。

自らが肉体と力を取り戻すためのコマでしかないはずの彼がここまでの力を発揮したのはベクターも想定外で、己の想定を外れた行動を繰り返してきた彼らと姿が重なる。

だが、そんな存在が自分の中から生まれたことが腹立たしい。

「ほぉ…ここで、オーディエンスが登場するみたいだぜ?」

「オーディエンスだと…?」

翔太の背後に翔太の痣と同じ形に裂け目が出現し、そこからビャッコと伊織が飛び出してくると同時に裂け目が消滅する。

「伊織!?何しに来た?!」

「翔太君!これって…それに、なんで透明に!?」

「…こいつとのデュエルが原因だ。このデュエルに負けたら…俺は消える」

「え…嘘…」

何か悪い冗談だと思いたかった伊織だが、翔太とベクターの今の状態と翔太の声色から、それが本気の言葉だということを感じてしまう。

「初めまして、永瀬伊織ちゃーん。俺様の人形が世話になったなあ」

「あなたのことは剣崎さんと凌牙さんから聞いてる。翔太君は人形じゃない!!」

「いいや、人形だね!記憶なんて最初からねえただのイレギュラー!だからよぉ…これから見せてやるぜ。そんなこいつが消える姿を!!俺様のターン!!」

 

ベクター

手札2→3

 

「永続罠《アンブラル・ゾーク・ロード》発動、永続罠《アンブラル・ダークネス・ロード》を発動」

2枚の永続罠が発動するとともに、ベクターの背後には筋肉質な黒い肉体に赤いマントのような大きな翼をもつ悪魔、そして黒いローブで身を包み、5枚の羽根を背中につけた、ヤギのドクロと人間の外骨格でできたような骸骨が現れる。

「《ゾーク・ロード》は俺の墓地にアンブラルモンスターが5種類以上存在するときに発動でき、《ダークネス・ロード》はアンブラル融合モンスターが存在する場合に発動できる。そして、アンブラルシンクロモンスターが墓地に存在する場合、手札から永続魔法《アンブラル・ゾーン・ロード》を発動できる」

続けて出現するのは仮面の人間が乗る、白いアンモナイトのような機械が出現する。

「まだだぜ…アンブラルエクシーズモンスターが存在することにより、手札から永続魔法《アンブラル・サウザンド・ロード》を発動」

発動と共に、ベクターの体に黒い瘴気が発生し、それが彼の体を包んでいく。

1枚1枚のロードが発動するとともに、どんどんベクターから感じるプレッシャーが強まっていき、翔太の体が震える。

「ベクター…てめえ、何を!?」

「へへへ…おめえに殺された四騎士たちが怒っているんだぜ。そして、俺は《アンブラル・マリオネット》のペンデュラム効果を発動!こいつは俺のペンデュラムゾーンに存在するとき、このカードを破壊することで、エクストラデッキに存在するアンブラルペンデュラムモンスターをペンデュラムゾーンに置くことができる。俺は《仮面剣士オーディン》を置く」

《アンブラル・マリオネット》がゴキゴキと関節部が嫌な音を鳴らすとともに、腹部と頭部にひびが入る。

それを始まりとして粉々に砕け散るとともに、《仮面剣士オーディン》が姿を現し、

発動していた4枚のロードがオレンジ、紫、白、黒の光の柱を生み出す。

「俺は、この5柱の光を供物とし、このカードを特殊召喚する!!現れろ、《仮面暗黒帝ベクター》!!」

5つの光の柱が黒い瘴気に包まれているベクターに吸収されていき、一つとなると同時に嵐のように瘴気が吹き飛んでいく。

その中から現れたのは6枚の巨大な黒い翼を宿した人型のドン・サウザンドというべき姿。

だが、髪は灰色となっており、右手甲に《CX-仮面死天使アズラエル》、左手甲に《仮面弓士レライエ》、右足脛部に《仮面騎士ジルドレ》、左足脛部に《仮面剣士オーディン》のレリーフが埋め込まれていた。

 

仮面暗黒帝ベクター レベル12 攻撃0

 

「こいつこそが…てめえがこれまで集めてくれた力の結晶だ…。だからよぉ、こいつでとどめを刺してやるぜ」

《仮面暗黒帝ベクター》のオッドアイが光り、同時に右手には赤い水晶でできた剣が出現する。

そして、ほんの一瞬姿を消したかに見えた刹那、その姿が翔太の目の前に現れる。

「バトルだ…それとよ、おめえが今発動しようと思っている伏せカード…こいつには無意味だぜ」

「翔太君!!」

ズブリ、と嫌な音が響くとともに翔太の腹部を剣が貫いた。

同時に翔太のライフが0となり、彼の体が急速に透明になっていく。

痛みに耐えながら、翔太の視線が伊織に向けられ、彼女に向けて左手を伸ばす。

まだ透明になり切っていない左手の痣から放たれた光が伊織の手へと飛び、光は1枚のカードへと変化する。

「この、カードって…」

「悪い…な…」

その言葉を最後に急速に全身が透明となった翔太の体が粉々に砕け散った。

そして、彼だった欠片はベクターに吸収されていった。

「う…そ…」

「ちっ…妙なことをしやがって。でも、まあいいぜ。こいつにはもう用はねえ。てめえが言っている秋山翔太って野郎は今…死んだ!!」

 

 

 

アンブラル・コロシアム

フィールド魔法

(1):このカードがフィールドに存在する限り、自分は「シャイニング」「アンブラル」以外のモンスターを召喚・特殊召喚できない。この効果は無効化されない。

(2):このカードの発動処理として、自分はデッキから「アンブラル」モンスター1体を手札に加える。

(3):自分フィールドに以下の種類の「アンブラル」モンスターが特殊召喚されたとき、それぞれの効果を1ターンに1度ずつ発動できる。

●融合:融合素材となった「アンブラル」モンスター1体と同じ攻撃力とレベルを持つ「アンブラルトークン」1体を特殊召喚する。

●S:次の自分スタンバイフェイズ時まで、自分フィールドの「アンブラル」モンスターの攻撃力が600アップする。

●X:自分はデッキから「アンブラル」魔法カード1枚を手札に加える。

●P:自分はデッキからカードを2枚ドローし、手札1枚を墓地へ捨てる。

 

アンブラルトークン

レベル? 攻撃? 守備0 トークン 闇属性 悪魔族

「アンブラル・コロシアム」の効果で特殊召喚される。

このカードのレベル・攻撃力は融合素材となった「アンブラル」モンスター1体の元々の数値と同じになる。

 

仮面審問官(マスカレイド・インクイジター)クラーマー

ランク4 攻撃2500 守備2000 エクシーズ 闇属性 魔法使い族

「アンブラル」レベル4モンスター×2

このカードはルール上、「アンブラル」モンスターとして扱う。

(1):1ターンに1度、X素材を1つ取り除くことで発動できる。自分はデッキからカードを1枚ドローし、ソローしたカードを公開する。その後、相手は公開したカードと同じ種類(モンスター・魔法・罠)のカードを1枚墓地へ送る。この効果で相手がカードを墓地へ送ることができなかった場合、相手は1000ダメージを受ける。

(2):このカードをX素材とした闇属性Xモンスターは以下の効果を得る。

●このカードは相手フィールドに存在するモンスターに対して1回ずつ攻撃できる。

 

アンブラル・マジシャン

レベル4 攻撃1500 守備0 効果 闇属性 悪魔族

このカード名の(2)の効果はデュエル中1度だけ発動できる。

(1):1ターンに1度、自分フィールドの「アンブラル」モンスター1体を対象に発動できる。ターン終了時まで、このカードのレベルを対象としたモンスターのレベルと同じにする。

(2):このカードが「アンブラル」Xモンスターの効果によって墓地へ送られたときに発動できる。墓地に存在するこのカードを表側攻撃表示で特殊召喚する。

 

アンブラル・アイ

レベル1 攻撃0 守備0 効果 闇属性 悪魔族

このカード名のカードの効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分の墓地に存在する「アンブラル」モンスターが特殊召喚されたとき、墓地に存在するこのカードを除外することで発動できる。自分はデッキから「アンブラル」モンスター1体を手札に加える。

 

RUM-アンブラル・フォース

通常魔法カード

(1):自分フィールドに存在する「アンブラル」Xモンスター1体を対象に発動できる。EXデッキからそのモンスターよりもランクが1つ高い「アンブラル」Xモンスター1体をそのカードの上に重ね、X召喚する。

 

アンブラル・フュージョン

通常魔法カード

(1):自分の手札・フィールドから「アンブラル」融合モンスターによって決められた「アンブラル」融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。その時、自分のデッキの「アンブラル」モンスター1体を墓地へ送り、融合素材とすることもできる。

 

アンブラル・シンクロン

レべル3 攻撃1300 守備0 チューナー 闇属性 悪魔族

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):このカードの召喚に成功した時、自分フィールドに他にモンスターが存在しない場合、自分の墓地に存在するレベル4以下の「アンブラル」モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを表側攻撃表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化され、攻撃力は0となる。

(2):このカードをS素材として「アンブラル」SモンスターのS召喚に成功した時、自分の手札に存在する「アンブラル」モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。

 

仮面騎士(マスカレイド・ナイト)ジルドレ

レベル8 攻撃3000 守備0 融合 闇属性 戦士族

「アンブラル」モンスター2体

このカードは「アンブラル・フュージョン」の効果でのみEXデッキから特殊召喚できる。

このカードはルール上、「アンブラル」モンスターとして扱う。

(1):このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。

(2):このカードがこのカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

アンブラル・ゲート

レベル1 攻撃0 守備0 闇属性 岩石族

【Pスケール:青0/赤0】

このカード名のカードのP効果はデュエル中1度だけ発動できる。

(1):自分が「RUM」の効果でによって「アンブラル」XモンスターのX召喚に成功したターン、自分の手札が0枚の場合に発動できる。このターンに発動した「アンブラル」魔法カードのカード名1つにつき1枚、自分はデッキからカードをドローする。この効果を発動した次の自分ドローフェイズ時、自分はカードをドローできない。また、発動後、ターン終了時まで自分はカードの効果でデッキのカードを手札に加えることができない。

【モンスター情報】

千の力を持つ神が手にした4つの門。主を失った門は今、暗黒に染まり、新たな主を招き入れる。

 

アンブラル・ガーディアン

レベル1 攻撃0 守備0 闇属性 悪魔族

【Pスケール:青8/赤8》

このカード名のカードのP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):Pゾーンに存在するこのカードが相手によってフィールドから離れたターン終了時に発動できる。デッキから「アンブラル」Pカード1枚を自分Pゾーンに置く。この効果でフィールドに置かれたカードは次の自分ターン終了時まで破壊されない。

【モンスター情報】

4つの門を守る役目を与えられるはずだった守り手。完成せず、放置された存在を暗黒は見逃さなかった。

 

 

魔装術書-エメラルド・タブレット

永続魔法カード

このカードは自分フィールドに1枚しか存在できない。

(1):自分が以下の種類の「魔装騎士」モンスターの特殊召喚に成功した時、それぞれの効果を1ターンに1度のみ使用できる。

●Pモンスター:デッキから「魔装」Pモンスター1体を手札に加える。

●Xモンスター:相手フィールドのモンスター1体の攻撃力をターン終了時まで半分にする。

●Sモンスター:自分フィールドに「魔装書トークン」1体を特殊召喚する。

●融合モンスター:自分はデッキからカードを1枚ドローする。

(2):自分フィールドに存在する「魔装騎士」モンスターが相手によってフィールドから離れたときに発動する。フィールド上に存在するこのカードは破壊される。

 

仮面舞踏会(マスカレイド・パーティー)

通常魔法カード

このカード名のカードは1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分フィールドに存在する「マスカレイド」モンスターの種類の数だけ、自分はデッキからカードをドローする。

 

魔装無頼リュウホウ

レベル5 攻撃2100 守備1000 地属性 戦士族

【Pスケール:青3/赤3】

このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードはもう片方の自分のPゾーンに置かれているPモンスターが「魔装」モンスター以外の場合、墓地へ送られる。

(2):自分メインフェイズに発動できる。「魔装」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを自分フィールドから墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。その際、自分のPゾーンに存在する融合素材モンスターも融合素材に使用できる。

(2):

【モンスター効果】

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、自分のデッキに存在するレベル3以下の「魔装」モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを自分フィールドに表側攻撃表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化される。

 

魔装覇王コウウ

レベル8 攻撃2800 守備2500 風属性 戦士族

【Pスケール:青10/赤10】

このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードはもう片方の自分のPゾーンに置かれているPモンスターが「魔装」モンスター以外の場合、墓地へ送られる。

(2):自分フィールドに「魔装」モンスターが2体以上存在し、もう片方の自分Pゾーンにカードがない場合に発動できる。EXデッキに存在する「魔装」Pモンスター1体をPゾーンに置く。

【モンスター効果】

(1):このカードは戦闘では破壊されない。

(2):このカードが戦闘を行うとき、自分フィールドに他にモンスターが存在しない場合に発動できる。相手フィールドのカードを1枚破壊する。

 

魔装剣姫バーイー

レベル6 攻撃2200 守備0 地属性 戦士族

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドに存在する「魔装騎士」モンスターが相手モンスターの攻撃対象となった時、手札に存在するこのカードを墓地へ捨てることで発動できる。このターン、自分フィールドに存在する「魔装騎士」モンスターは戦闘では破壊されず、戦闘で発生する自分へのダメージは半分になる。

(2):自分フィールドにモンスターが存在しないとき、墓地に存在するこのカードを除外することで発動できる。自分の墓地に存在する「魔装騎士」モンスター1体を自分フィールドに特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターは次の相手ターン終了時まで戦闘では破壊されない。

 

仮面魔槍(マスカレイド・マジック・スピア)

装備魔法カード

「マスカレイド」モンスターのみ装備可能。

(1):装備モンスターの攻撃力が1000アップする。

(2):装備モンスターが攻撃するとき、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。

 

アンフェアー・ジャッジ(アニメオリカ・調整)

通常魔法カード

(1):自分バトルフェイズ時に相手フィールドのモンスターを戦闘で破壊できなかった場合、そのターンのメインフェイズ2に自分フィールドのモンスター1体を対象に発動できる。相手フィールドに存在するそのモンスターの攻撃力の数値よりも低い攻撃力または守備力の数値を持つモンスターをすべて破壊する。

 

仮面弓士(マスカレイド・アーチャー)レライエ

レベル7 攻撃2400 守備0 シンクロ 闇属性 戦士族

「アンブラル」チューナー+チューナー以外の闇属性モンスター1体以上

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

このカードはルール上、「アンブラル」モンスターとしても扱う。

(1):このカードは相手のカード効果を受けない。

(2):このカードが墓地へ送られたときに発動できる。ターン終了時まで自分が受ける戦闘ダメージが半分になる。

 

狐竜への進化

通常魔法カード

(1):自分フィールドに「魔装妖キュウビ」が存在するメインフェイズ1に発動できる。このターン、そのモンスター1体は1度のバトルフェイズ中に相手フィールドに存在するモンスターすべてに1回ずつ攻撃できる。

 

仮面剣士(アンブラル・ソードマン)オーディン

レベル7 攻撃2500 守備2100 闇属性 戦士族

【Pスケール:青5・赤5】

(1):自分フィールド・墓地に存在する「アンブラル・ゾーク・ロード」「アンブラル・ダークネス・ロード」「アンブラル・ゾーン・ロード」「アンブラル・サウザンド・ロード」1枚ずつとPゾーンに存在するこのカードを除外することで発動できる。手札・デッキ・墓地から「仮面暗黒帝ベクター」を特殊召喚する。

【モンスター効果】

(1):このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時、相手モンスターの攻撃力がこのカードを上回っている場合に発動できる。ダメージステップ終了時までお互いのモンスターの攻撃力を入れ替える。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。