遊戯王ARC-V 戦士の鼓動   作:ナタタク

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第21話 狙われる者

「俺たちの邪魔をするな、伊織!!」

「はいはい。《E・HEROエアーマン》でダイレクトアタック!エアー・ストライク!!」

《E・HEROエアーマン》が右拳を前に出すと、それを軸に回転しながら相手のビークルモンスターである《サイコ・コマンダー》を貫いた。

「うぎゃあああ!!」

 

デュエリスト

ライフ1700→0

 

ライフを失ったデュエリストがその場で座り込む。

「よし…これで少しは…」

「翔太君、そろそろチェンジポイントだよ。ビークルモンスターの変更はどうするの?」

「俺たちはダメージを受けていない。このままでいい」

「はーい」

《魔装船ヴィマーナ》がチェンジポイントを通過する。

(これで本選通過した25組のうち12組が通過したぞーーー!!ここからコースにサプライズが起こるーーー!!)

MCが手元にある赤いスイッチを押す。

すると、第2コースの上空に雨雲と雷雲が発生する。

「ここまでソリッドビジョンで再現するのか??」

短時間でコースには豪雨と落雷が発生する。

「翔太君!!豪雨のせいで前がよく見えないよ!!」

「分かっている、黙ってろ」

鋭い水滴が何度も顔に当たり、翔太の視界を制限する。

レオコーポレーションのことだから、この点に関する安全対策は施されているだろうとは思うが、やりすぎではないかと思えてしまう。

「見つけたぜ…秋山翔太、永瀬伊織!!」

「…?」

聞きなれない声が2人の耳に届く。

背後から《ダーク・アームド・ドラゴン》に乗った《首領・ザルーグ》そっくりな男と《黒蠍―逃げ足のチック》そっくりな少年が追いかけてきている。

「さあ、本選出場のためにもまずはお前たちをコースアウトさせる!!」

「翔太君!振り切ってよ!!」

「無理を言うなよ、今の状況じゃあこれで精いっぱいだから、嫌でも必死な顔をしてるんだよ」

視界が制限されている以上、無理にスピードを上げるとコースから外れて自滅するのがオチだ。

そして次のチェンジポイントまでまだ距離がある。

「伊織、俺と操縦を代われ」

「えーーー!?ここで私が操縦するの??」

「俺があいつらをなんとかする。それに、素人であるお前なら意外な動きが取れるかもな」

「もう…どうなっても知らないよ!!」

翔太君だって素人のくせにと言いたくなったが、もう翔太が操縦をやめてデュエルの準備をしていたため、仕方なく操縦を代わる。

「いい覚悟だな、坊主」

「俺たちにはこのまま勝ち進まなきゃならない理由があるからな。お前ら雑魚にかまってられねえ」

「ふん…いってくれる。いくぞ、チック!!」

「はい、マグレの親父!!まずは俺のターンからだ!!」

 

チック

手札3→4

 

「俺はモンスターを裏守備表示で召喚!そして、カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

チック&マグレ

手札

マグレ5

チック4→1

ライフ4000

場 裏守備モンスター1

  伏せカード2

  ダーク・アームド・ドラゴン(ビークル)

 

翔太&伊織

手札

翔太5

伊織1

ライフ4000

場 E・HEROエアーマン レベル4 攻撃1800

  魔装船ヴィマーナ(ビークル)

 

「俺のターン!」

 

翔太

手札5→6

 

「俺は手札から《魔装獣ユニコーン》を召喚」

召喚された《魔装獣ユニコーン》が目を閉じ、己の勘だけを頼りに全力疾走する。

 

魔装獣ユニコーン レベル4 攻撃1600

 

「《ユニコーン》がこんなにすごい走りをしてるんなら…あれにビークルモンスターを変えればよかったーーー!」

「うるさい。俺は《エアーマン》で裏守備モンスターを攻撃。エアー・ストライク」

《E・HEROエアーマン》のドリルパンチが裏守備モンスターである《キラー・トマト》を貫く。

 

キラー・トマト レベル4 守備1100

 

「《キラー・トマト》の効果発動!このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の闇属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚できる!頼むぜ、俺たちのエースモンスター、《首領・ザルーグ》!!」

《首領・ザルーグ》は召喚されると自分の足で翔太たちを追いかけはじめる。

 

首領・ザルーグ レベル4 攻撃1400

 

「ならば俺は《ユニコーン》で《ザルーグ》を攻撃する」

《魔装獣ユニコーン》が反転し、《首領・ザルーグ》めがけて突撃する。

「させるか!罠発動《ドゥーブルパッセ》!!相手モンスターが俺の攻撃表示モンスターに攻撃するとき、攻撃対象モンスターの攻撃力分のダメージを相手に与えることで、その攻撃を俺へのダイレクトアタックにする」

「何!?」

攻撃対象となっている《首領・ザルーグ》がズボンポケットに入っている音爆弾を2つ投擲する。

音爆弾の強烈な音響によって《魔装獣ユニコーン》が動揺する間に、盗賊の首領は《魔装船ヴィマーナ》の下部へ向かい、そこから右翼の1つを銃で破壊する。

「ちっ…!」

ダメージにより《魔装船ヴィマーナ》が減速する。

「ふふふ…これで更にチェンジポイントが遠くなったな」

「だが、それはお前たちも同じだろ?」

《首領・ザルーグ》を逃した《魔装獣ユニコーン》がビークルモンスターである《ダーク・アームド・ドラゴン》に角で攻撃する。

「うわああ!!」

 

チック&マグレ

ライフ4000→2400

 

翔太&伊織

ライフ4000→2600

 

「更に…《ダーク・アームド・ドラゴン》のビークル効果発動!1ターンに1度俺が戦闘ダメージを受けたとき、俺のフィールド上に存在する闇属性モンスター1体の攻撃力をそのダメージ分アップさせる!!」

 

首領・ザルーグ レベル4 攻撃1400→3000

 

「ええーーー!!?攻撃力が一気に3000に???」

「それだけじゃないぜ!《ドゥーブルパッセ》の効果を受けた俺のモンスターは次のターン、ダイレクトアタックすることができる!」

「これで次のターン、攻撃力3000となった《首領・ザルーグ》でダイレクトアタックすれば、お前たちはおしまいだ」

「ちっ…《ダーク・アームド・ドラゴン》のビークル効果を知っていれば…」

翔太は《ダーク・アームド・ドラゴン》の効果が破壊効果だろうと予測していた。

これで分かったことはビークル効果は本来のモンスター効果とかみ合うわけではないということだ。

「だが、このまま終わるつもりはない!俺はレベル4の《ユニコーン》と《エアーマン》でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!現れろ、《ズババジェネラル》」

「何!?魔装モンスターではないだと…??」

(あの取り巻き共に今回だけは感謝しないとな)

青白い鎧と赤いマント、そして大剣という正統派の騎士とも言うべきモンスターが現れる。

このカードはあの時、遊勝塾とLDSの三本勝負(諸事情で4本勝負となったが)の原因を作った沢渡の取り巻きから没収したものの1枚だ。

とはいうものの、エクシーズの戦術を理解できていないであろう彼らには宝の持ち腐れになるかもしれなかったカードでもある。

 

ズババジェネラル ランク4 攻撃2000

 

「《ズババジェネラル》の効果発動。1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで手札の戦士族モンスター1体をこのモンスターに装備できる。俺は《魔装騎士ペイルライダー》を《ズババジェネラル》に装備する」

オーバーレイユニットのうちの1つが《魔装騎士ペイルライダー》の2本の光剣に変化する。

それを装備した《ズババジェネラル》の鎧の青白い部分が若干暗くなる。

「《ズババジェネラル》の攻撃力はこの効果で装備されたモンスターの攻撃力分アップする」

 

ズババジェネラル ランク4 攻撃2000→4500

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・魔装獣ユニコーン

 

(攻撃力の上げ幅は多いけど、ここではあのカードの方がいいな…)

翔太の脳裏に《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》が浮かぶ。

これは今朝聞いたことだが、前日は権現坂と遊矢が無事に初戦を通過した。

素良はLDS所属の黒咲の常に先を行く戦略で完敗した。

しかし、敗北したことが重要というわけではない。

そのデュエルで使用されたアクションフィールド、《未来都市ハートランド》で黒咲が動揺し、融合召喚を行った素良に怒りを見せるなど不審な点が多い。

更に黒咲は素良達融合召喚の勢力が自分たちの仲間を次々と倒したと言っていて、更には素良はそのデュエルの中でエクシーズ使いである彼を見下し、敗北寸前まで追いつめられたことで狂気的な面を見せた。

彼らの謎はデュエル内では留まらない。

その日の夜に素良が脱走、そのまま行方不明となってしまったという。

そして、公園で柚子が《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》を持つ遊矢が意識を失っているのを発見したという。

彼はいまだに意識を回復していない。

(遊矢…一体何があった?)

「おーい翔太くーん、早くターンを進めてよー!!」

「あ…ああ。俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

チック&マグレ

手札

マグレ5

チック1

ライフ2400

場 首領ザルーグ レベル4 攻撃3000

  伏せカード2

  ダーク・アームド・ドラゴン(ビークル)

 

翔太&伊織

手札

翔太6→3

伊織1

ライフ2600

場 ズババジェネラル(《魔装騎士ペイルライダー》装備 オーバーレイユニット1) ランク4 攻撃4500

  伏せカード1

  魔装船ヴィマーナ(ビークル)

 

「親父!次のターンは任せたぜ!」

「任せてもらおうか」

マグレがゆっくり立ち上がり、翔太の《ズババジェネラル》を見る。

(なるほど…奴のデッキは魔装モンスターだけだと思っていたが、タッグデュエルでの連携を考えたな)

(《ダーク・アームド・ドラゴン》は生物。しかも手綱なしで動くのか)

翔太の《魔装船ヴィマーナ》は機械で、タッグデュエルの場合は自動操縦ができなくなっているため自分で操縦しなければならない。

伏せカードなどでフィールドのカードが増えたために交代は難しい。

タッグビークルデュエルでは必ずしも次の自分たちのターンはパートナーに交代する必要がない。

《魔装船ヴィマーナ》に自動操縦装置がない分、今は翔太1人で戦うしかない。

「私のターン、ドロー」

 

マグレ

手札5→6

 

「私は手札から魔法カード《黒蠍団召集》を発動。私のフィールドに《所領・ザルーグ》が存在する時、手札の黒蠍団を可能な限り特殊召喚できる。さあ、出てこい野郎ども!!」

発動と同時に《所領・ザルーグ》が上空に信号弾を撃つ。

信号弾は一瞬青く光ると、次第に色が黒に変化し、形が蠍そっくりとなった。

そして信号弾を確認した4体のモンスターが客席やコースのそばにあるビル、そしてマンホールから飛び出してくる。

「黒蠍団一番の力持ち、《強力のゴーグ》!!」

右腕に黒蠍の入れ墨をつけ、モーニングスターのように棘のある両手槌を持つ茶色い袖なしジャケットと赤いズボンの大柄で色黒の禿男だ。

 

黒蠍-強力のゴーグ レベル5 攻撃1800

 

「黒蠍団の紅一点、《棘のミーネ》」

棘の鞭を装備し、《黒蠍-強力のゴーグ》と同じ刺青と服装で茶色い長髪の女性だ。

 

黒蠍-棘のミーネ レベル4 攻撃1000

 

「どんな罠も朝飯前、《罠はずしのクリフ》!」

鉄の短剣を装備した他の2体と同じファッションの眼鏡をかけた青年だ。

 

黒蠍―罠はずしのクリフ レベル3 攻撃1200

 

「お宝いただきゃ、あとはとんずら!《逃げ足のチック》!」

身の丈と同じ大きさの木槌を持つ、3体と同じファッションで金髪の小柄な少年だ。

 

黒蠍―逃げ足のチック レベル3 攻撃1000

 

「「我ら、黒蠍盗掘団!!」」

召喚された5体のモンスターがレース中にもかかわらず、《黒蠍団召集》のイラストと同じポーズをとる。

…とっている間に翔太たちに置いてけぼりにされてしまった。

「…伊織、LDSのソリッドビジョンは一体どうなってんだ?」

「うーん、あんまり分からないよ」

そんなことを言っている間に5体が全力疾走で追いかけてくる。

あまりに全力だったのか、追いついた時には全員ヘトヘトになっている。

そのため、5体全員《ダーク・アームド・ドラゴン》に乗る。

「…。おっさん、どうつっこめばいいか教えてくれ」

「つっこまんでやってくれ。彼らには彼らなりの考えがあるのだ」

(アホな動きになったが、4体のモンスターを同時に召喚だと?遊矢のP召喚並みだな)

「バトルだ!まずは《首領・ザルーグ》でダイレクトアタック!」

「喰らえ、ダブルリボルバー!!」

《首領・ザルーグ》が2丁のリボルバーを取り出し、《魔装船ヴィマーナ》に向けて発射する。

「高度を上げろ、伊織」

「う、うん!!《ヴィマーナ》のビークル効果発動!1ターンに1度、相手モンスター1体の攻撃を無効にするよ!」

左腕で視界をある程度確保しながら、《魔装船ヴィマーナ》の高度を上げ、銃弾を回避する。

「これで、俺たちにとどめを刺せなくなったな」

「ええい。だが、我らにはこの手もある。罠発動!《必殺!黒蠍コンビネーション》!!このカードは我々のフィールドに黒蠍団が勢ぞろいしているとき、このターンのみこれらのモンスターはダイレクトアタックをすることができる。ただし、相手プレイヤーに与えるダメージはそれぞれ400ポイントとなる」

「えーーーー!!?」

「ゆけ!!《ゴーグ》、《ミーネ》、《クリフ》、《チック》!!」

疲れの取れた4体の黒蠍団員が《魔装船ヴィマーナ》を追跡する。

《ズババジェネラル》が2本の光剣で4体のモンスターを追い払おうとするが、《黒蠍―強力のゴーグ》が両手槌で左の剣を受け止め、《黒蠍―棘のミーネ》の鞭が右腕を封じる。

その後、《黒蠍―強力のゴーグ》が力一杯両手槌を《ズババジェネラル》の足元に振り下ろす。

それによって足場が崩れ、《ズババジェネラル》が転倒している間に《黒蠍―罠はずしのクリフ》、《黒蠍―逃げ足のチック》がそのモンスターを踏み台にして跳躍する。

それでも、高度を上げた《魔装船ヴィマーナ》には届かない。

そこで《黒蠍―逃げ足のチック》が木槌を上へ向けて振るい、《黒蠍―罠はずしのクリフ》が更にそれを踏み台とすることでついに《魔装船ヴィマーナ》に取りつく。

「くそ…取りつかれた!!伊織!!」

「ふぇぇ!!」

長年盗掘を繰り返してきたのか、翔太並みの身体能力を持つ《黒蠍―罠外しのクリフ》が操縦席まで到達し、伊織にナイフで切りつけようとする。

「キャアアア!!」

「その程度でギャーギャーいうな、やかましい」

伊織に近づいたそのモンスターを翔太が蹴りで地表へ叩き落とす。

落下する《黒蠍―罠外しのクリフ》は《黒蠍―強力のゴーグ》が受け止めたため無事だった。

 

翔太&伊織

ライフ2600→2200→1800→1400→1000

 

「うわあ、翔太君かっこいい」

「伊織!!さっさと操縦席に…!!」

操縦者を失った《魔装船ヴィマーナ》が雷雲に突っ込みそうになる。

「わ…わ…!!」

あわてて操縦したことでなんと地表へ垂直落下を始めてしまう。

「操縦のやり方は教えただろ?どうしてこういう操縦になる!?」

「だってだってー」

幸いダメージを受けたことで速度が下がっていたため、なんとか通常の飛行状態に戻すことができた。

(もう二度と…タッグビークルデュエルはやらない)

「ただ、ダメージを受けただけではない。お前たちは黒蠍団によってフィールドが崩壊している」

「何!?」

「まずは《強力のゴーグ》の効果。このカードが戦闘で相手にダメージを与えたとき、相手フィールド上のモンスター1体をデッキの一番上に戻す」

転倒した《ズババジェネラル》がフィールドから消えていく。

「それだけじゃない。《逃げ足のチック》の効果発動!このカードが戦闘で相手にダメージを与えたとき、相手フィールド上のカード1枚を手札に戻すことができる!」

翔太の伏せカードが《黒蠍―逃げ足のチック》がいつの間にか設置したバネの罠で吹き飛ばされていく。

「ということは、残り2体にも効果があるのか?」

「そういうことだ。《罠はずしのクリフ》の効果発動。このカードが戦闘で相手にダメージを与えたとき、相手のデッキの上から2枚のカードを墓地へ送ることができる」

《黒蠍―罠外しのクリフ》が投げたナイフが翔太のデッキに刺さる。

翔太がそれを引き抜くとそれには2枚のカードが刺さっていた。

ソリッドビジョンの演出であるため実際に刺さっている訳ではないが。

 

デッキから墓地へ送られたカード

・魔装祭事クリスト

・融合

 

「そして、《棘のミーネ》の効果発動。このカードが戦闘で相手にダメージを与えたとき。デッキ・墓地から黒蠍カード1枚を手札に加える」

マグレの墓地から《必殺!黒蠍コンビネーション》が自動的に排出される。

「このままだと、次のターンにまたそのカードでダイレクトアタックされちゃう!」

「そう。そしてとどめを刺すまで行かずともあっという間に効果で戦略がぼろぼろになる。私はカードを2枚伏せ、ターンエンド」

 

チック&マグレ

手札

マグレ6→0

チック1

ライフ2400

場 首領ザルーグ レベル4 攻撃3000

  黒蠍-強力のゴーグ レベル5 攻撃1800

  黒蠍-棘のミーネ レベル4 攻撃1000

  黒蠍―罠はずしのクリフ レベル3 攻撃1200

  黒蠍―逃げ足のチック レベル3 攻撃1000

  伏せカード2

  ダーク・アームド・ドラゴン(ビークル)

 

翔太&伊織

手札

翔太3→4

伊織1

ライフ1000

場 魔装船ヴィマーナ(ビークル)

 

黒蠍たちの攻撃により、翔太のフィールドからモンスターがいなくなった。

そして2枚の伏せカードのうち1枚は《必殺!黒蠍コンビネーション》。

今できることは可能な限り相手モンスターを減らすことだ。

「俺のターン!」

 

翔太

手札4→5

 

「(よし…!)このカードは相手フィールド上にのみモンスターが存在するとき、リリースなしで召喚できる。俺は《魔装近衛エモンフ》を召喚!」

 

魔装近衛エモンフ レベル5 攻撃1000

 

「レベル5の魔装モンスターが2体!あれを出すんだね、翔太君!」

「俺はレベル5の《エモンフ》と手札の《魔装槍士タダカツ》でオーバーレイ!」

「何!?手札のモンスターをエクシーズ素材にするだと??」

「こいつをエクシーズ素材とするとき、他の素材は手札の魔装モンスターでなければならないからな。万物を測りし漆黒の騎士よ、むさぼりし者たちに飢餓をもたらせ!エクシーズ召喚!!現れろ、《魔装騎士ブラックライダー》!!」

 

魔装騎士ブラックライダー ランク5 攻撃2800

 

「攻撃力2800!?だが、攻撃力3000の《首領・ザルーグ》には届かん。それに、《ダーク・アームド・ドラゴン》の効果を忘れたわけではないな?」

「当たり前だ。少し黙っていろ」

5体の黒蠍団に対抗するためのカードを翔太は既に手にしていた。

「俺は手札から魔法カード《死者蘇生》を発動。墓地から《魔装獣ユニコーン》を復活させる」

《魔装獣ユニコーン》が地上を疾走し始め、《魔装騎士ブラックライダー》に騎乗されると、その体毛を黒く染める。

「《ユニコーン》の体毛が変化を!?」

「《魔装獣ユニコーン》は魔装騎士の装備カードとなることができ、装備モンスターの攻撃力を800アップさせる」

 

魔装騎士ブラックライダー ランク5 攻撃2800→3600

 

「そして《ブラックライダー》の効果を発動。メインフェイズ1にオーバーレイユニットを2つ取り除くことで、このターン、相手モンスターすべてに1回ずつ攻撃できるようにする」

《魔装騎士ブラックライダー》の天秤にオーバーレイユニットが宿ろうとする。

「ちっ…罠発動!《黒蠍団潜伏》。俺のフィールド上に存在する黒蠍団をターン終了時まで除外する。そして、この効果で除外したモンスター1体につき1000ポイント俺のライフを回復する」

《首領・ザルーグ》がリボルバーから閃光弾を発射する。

それにより、《魔装騎士ブラックライダー》の目がくらんでいる間に5体のモンスターが姿を消した。

同時に、マグレとチックのライフも回復する。

 

チック&マグレ

ライフ2400→7400

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・魔装槍士タダカツ

・魔装近衛エモンフ

 

黒蠍団潜伏

通常罠カード

(1):自分フィールド上に存在する「首領・ザルーグ」「黒蠍」モンスターをすべてゲームから除外する。その後、除外したモンスター1体に付き1000LP回復する。この効果で除外されたモンスターはターン終了時に自分フィールド上に特殊召喚される。

 

「ちっ…なら俺は《ブラックライダー》でダイレクトアタックだ。ブラック・リブラ・メテオ」

黒蠍団を殲滅するために生み出された5つの隕石がすべてマグレとチックを襲う。

「うわあああ!!」

「ぐおおおお!!」

 

チック&マグレ

ライフ7400→3600

 

「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド」

ターン終了宣言と同時に、黒蠍たちが主の元へ戻ってくる。

 

チック&マグレ

手札

マグレ0

チック1

ライフ3600

場 首領ザルーグ レベル4 攻撃1400

  黒蠍-強力のゴーグ レベル5 攻撃1800

  黒蠍-棘のミーネ レベル4 攻撃1000

  黒蠍―罠はずしのクリフ レベル3 攻撃1200

  黒蠍―逃げ足のチック レベル3 攻撃1000

  伏せカード1

  ダーク・アームド・ドラゴン(ビークル)

 

翔太&伊織

手札

翔太5→0

伊織1

ライフ1000

場 魔装騎士ブラックライダー(《魔装獣ユニコーン》装備) ランク5 攻撃3600

  伏せカード2

  魔装船ヴィマーナ(ビークル)

 

ライフは大幅に回復したものの、一度に大量のダメージを受けたせいで《ダーク・アームド・ドラゴン》のスピードが低下している。

「今のは効いたぜ…だが、お前は黒蠍たちを止めることができなかった。我らの勝利は決した!!」

「とどめは俺がさしてやる!!俺のターン、ドロー!」

 

チック

手札1→2

 

「罠発動!《必殺!黒蠍コンビネーション》!!再び黒蠍団全員はダイレクトアタックできるようになる!」

黒蠍団が再び《魔装船ヴィマーナ》に狙いをつけ、武器を構える。

「バトルだ!!必殺!黒蠍コンビネーション!!!」

《黒蠍―強力のゴーグ》が投擲用ハンマーに装備を変え、それを投擲する。

残り4体の黒蠍団は建物や信号機などを利用して高く跳躍する。

「翔太君!」

「ギャーギャー騒ぐな。罠発動《聖なるバリア―ミラーフォース》」

「な…!!!?」

「分かっているな?これで黒蠍団は全滅だぜ?」

虹色のバリアが5体の攻撃をすべて受け止め、攻撃エネルギーを光線に変換して黒蠍団に襲い掛かる。

光線を受けたモンスターたちは相次いで消滅していった。

「そんな…黒蠍団が全滅!?」

「盗掘団が罠にはまってどうすんだ?」

「くぅぅ…けど、まだだ!!俺は手札から魔法カード《失楽園への切符》を発動!俺のフィールド上に存在する闇属性モンスターが2体以上墓地へ送られたターンにのみ発動でき、デッキからカードを2枚ドローし、手札を1枚墓地へ捨てる!」

 

手札から墓地へ捨てられたカード

・ダーク・ジャッジ・マン

 

失楽園への切符

「失楽園への切符」は1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分フィールド上に存在する闇属性モンスターが2体以上墓地へ送られたターンにのみ発動できる。デッキからカードを2枚ドローし、手札を1枚墓地へ捨てる。

 

「更にこのカードは俺の墓地に闇属性モンスターが5体以上存在し、俺のフィールド上にモンスターが存在しないとき、手札から特殊召喚できる!《ダーク・クリエイター》を特殊召喚!!」

黒い岩石でできた肉体とオレンジ色の岩石でできた翼の巨人が姿を現す。

闇に落ちたものの、《創世神》としての風格は健在だ。

 

ダーク・クリエイター レベル8 守備3000

 

「ダークモンスターを使ってきたか!!」

闇属性・戦士族と属性と種族が統一されている黒蠍はこのようにダークモンスターと相性がいい。

キーカードが集まらないと真価を発揮できないそれらの手助けとなりえるのだ。

「《ダーク・クリエイター》の効果発動!1ターンに1度、墓地の闇属性モンスター1体を除外することで、墓地から闇属性モンスター1体を特殊召喚できる。俺は《キラー・トマト》を除外し、《ダーク・ジャッジ・マン》を特殊召喚!」

骸骨を模した装飾のある裁判官用の服を着た《ジャッジ・マン》が現れる。

 

ダーク・ジャッジ・マン レベル5 守備1500

 

「《ダーク・ジャッジ・マン》がフィールド上に存在する限り、俺の闇属性モンスターは戦闘では破壊されない!」

《ダーク・ジャッジ・マン》が棍棒を地面にたたきつけると、巨大な岩石の障壁が生み出され、2体の闇属性モンスターを守護し始める。

 

ダーク・ジャッジ・マン

レベル6 攻撃2200 守備1500 効果 闇属性 戦士族

(1):このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールド上の闇属性モンスターは戦闘では破壊されない。

 

「俺はこれでターンエンドだ!」

 

チック&マグレ

手札

マグレ0

チック2→0

ライフ3600

場 ダーク・ジャッジ・マン レベル6 守備1500

  ダーク・クリエイター レベル8 守備3000

  伏せカード1

  ダーク・アームド・ドラゴン(ビークル)

 

翔太&伊織

手札

翔太0

伊織1

ライフ1000

場 魔装騎士ブラックライダー(《魔装獣ユニコーン》装備) ランク5 攻撃3600

  伏せカード1

  魔装船ヴィマーナ(ビークル)

 

「ちっ…余計にてこずらせる状況を作りやがって…」

2体のダークモンスターに悪態をつきながら、次の手を考える。

《ダーク・クリエイター》の効果で闇属性モンスターの除外と復活が行われ、《ダーク・ジャッジ・マン》が防御を行う。

更に貫通ダメージを与えたとしても、《ダーク・アームド・ドラゴン》によって闇属性モンスターの強化が行われ、返り討ちにされるというオチがお待ちかねだ。

「俺のターン!」

 

翔太

手札0→1

 

「あまりこいつだけを相手したくないな…」

この2人とデュエルをしている間に、すでに2組に抜かれている。

これ以上相手をしていたら順位の都合で敗退となってしまう。

「マグレの親父、次のターンくらいで決着をつけないと…」

「ふふ、そうだな。だが、おそらく次の我々のターンはないかもしれんぞ?」

「それって…このターンで逆転されるってことか!?」

「きっとだがな…」

「俺は手札から魔法カード《忌まれし天魔の右手》を発動。俺のフィールド上に存在するモンスターが闇属性モンスター1体のみの時、ライフを半分支払うことでデッキからカードを3枚ドローし、手札の闇属性モンスター1体を墓地へ送る。手札に闇属性モンスターが存在しなかった場合、手札をすべて墓地へ送る」

「翔太君のデッキにはいろんな属性のモンスターがいる!もし、これで闇属性モンスターをドローできなかったら…」

通常、こういう《闇の誘惑》のようなタイプの魔法カードは手札に代償となるカードが用意できている状況下で発動するべきカードだ。

ドローするカードの中にそういうものが確実にあるような状況であるならば話は別だが、翔太の場合は明らかにギャンブルだ。

(ドローした3枚のカードで…勝たなければならない…か…)

(おいおい翔太ちゃーん、あんまり状況が良くないんじゃないかー?なんなら、また俺が力を…)

翔太の脳裏にまたあの声が聞こえてくる。

(黙っていろ…)

(うわぁー怖い怖い。まあいいか。今の俺は邪魔が入っているせいであんまり力出せねえし。ここは見物させてもらうぜー?)

声が脳裏から消えていく。

それと同時に翔太はデッキからカードをドローする。

 

翔太

手札1→3

ライフ1000→500

 

忌まれし天魔の右手(小説オリカ・調整)

「忌まれし天魔の右手」は1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分フィールド上に存在するモンスターが闇属性モンスター1体のみの場合に、LPを半分払って発動できる。デッキからカードを3枚ドローし、その後手札から闇属性モンスター1体を墓地に送る。手札に闇属性モンスターが存在しない時、手札を全て墓地に送る。

 

「俺は手札の《魔装鬼ヨシヒロ》を墓地へ捨てる。そして、手札から魔法カード《魔装天啓》を発動!俺の墓地に存在する魔装ペンデュラムモンスター2体を手札に戻す」

翔太の墓地から2枚の逆転のカードが自動排出される。

 

墓地から手札に加わったカード

・魔装騎士ペイルライダー

・魔装槍士タダカツ

 

魔装天啓

「魔装天啓」は1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分のエクストラデッキ・墓地に存在する「魔装」Pモンスター2体を対象として発動する。そのモンスターを手札に加える。

 

「そして俺はスケール2の《タダカツ》とスケール4の《ペイルライダー》でペンデュラムスケールをセッティング!」

「何…!?」

「翔太君!このスケールだとレベル3のモンスターしかペンデュラム召喚できないよ!」

「それで十分だ。来たれ、時の果てに眠りし英雄の魂。希望の道を照らし、勝鬨を上げろ!ペンデュラム召喚!!現れろ、《魔装獣剣スイモウ》!!」

 

魔装獣剣スイモウ レベル3 攻撃1200

 

「ふん。せっかくのペンデュラム召喚だけど、召喚されたのは攻撃力1200の雑魚モンスターじゃないか!」

「俺は《魔装騎士ペイルライダー》のペンデュラム効果を発動」」

《魔装騎士ペイルライダー》がキャノン砲を召喚し、狙いを《ダーク・ジャッジ・マン》に定める。

「な…!?」

「このカードをペンデュラムゾーンにセッティングしている状態でペンデュラム召喚に成功した時、相手フィールド上のカードを1枚破壊する。俺が破壊するのは《ダーク・ジャッジ・マン》だ」

キャノン砲から漆黒の銃弾が発射され、《ダーク・ジャッジ・マン》の心臓を貫いた。

「け、けどこの程度なら次のターンに《ダーク・クリエイター》の効果で…」

「俺は墓地に存在する《魔装鬼ヨシヒロ》の効果を発動。俺のフィールド上に存在する魔装カードが戦闘またはカード効果によって相手モンスターを破壊した時、墓地から特殊召喚できる」

日本の鬼をイメージさせる角と赤い肌の巨大な肉体で、右腕には自身の倍近くの重さを持つ槌を持つ男が現れる。

槌の柄には五芒星が刻まれている。

 

魔装鬼ヨシヒロ レベル3 攻撃800

 

「そして、《ヨシヒロ》は魔装モンスター専用のユニオンモンスター。《スイモウ》に装着する」

「何!?」

《魔装鬼ヨシヒロ》が雄たけびとともに霊体に変化する。

そして、《魔装獣剣スイモウ》の剣に宿ると刀身が赤く染まっていく。

「これで装備モンスターの攻撃力は800ポイントアップする」

 

魔装獣剣スイモウ レベル3 攻撃1200→2000

 

「この効果で装備カードとなった《ヨシヒロ》はターン終了時に墓地へ送られる。しかし、装備モンスターが戦闘で相手に与えるダメージを2倍する!そして、《スイモウ》はダイレクトアタックをすることができる」

「何!!!?」

「ということは、《スイモウ》がこのままダイレクトアタックをすれば、2000の倍の4000のダメージで私たちの勝ち!!!」

「バトルだ。《スイモウ》でダイレクトアタック!」

《魔装獣剣スイモウ》が《ダーク・アームド・ドラゴン》に向けて突撃する。

《ダーク・クリエイター》が主を守るために行く手を阻む。

しかし、《魔装獣剣スイモウ》の鬼を宿した剣は闇の創世神を一刀両断する。

そして、その余波がマグレ達に襲い掛かる。

「「うわあああああ!!!」」

 

チック&マグレ

ライフ3600→0

 

魔装鬼ヨシヒロ

レベル3 攻撃800 守備800 ユニオン 地属性 悪魔族

「魔装鬼ヨシヒロ」は1ターンに1度しか特殊召喚できず、(1)の効果はこのカードが特殊召喚されたターンにのみ発動できる。

(1):1ターンに1度、自分のメインフェイズに攻撃力800アップの装備カード扱いとして自分の「魔装」モンスターに装備することができる。この効果で装備カードとなっているこのカードを装備したモンスターが戦闘を行う場合、このカードが相手に与える戦闘ダメージは倍になる。この効果で装備カードとなったこのカードはターン終了時に墓地へ送られる。

(2):自分フィールド上に存在する「魔装」カードが戦闘または効果によって相手モンスターを破壊した時に発動できる。このカードを墓地から表側攻撃表示で特殊召喚する。

 

ライフが0になると同時に《ダーク・アームド・ドラゴン》が消え、2人はコースから強制排除される。

「ふう…なんとか勝てたか。伊織、今の順位は」

「今は15位だよ。急がないと…」

「ああ。だが…」

このデュエルによって、翔太たちのライフはわずか500となり、《魔装船ヴィマーナ》の速度低下も著しい。

まずはチェンジポイントで乗り換えを行う必要がある。

「問題は次のビークルモンスターだな…」

「《ユニコーン》は翔太君を乗せるので限界だし…」

「《ビャッコ》は論外だ。ふう…」

頭を抱えながら、翔太は《魔装鬼ヨシヒロ》を墓地へ送り、《魔装獣剣スイモウ》を手札に戻す。

これ以上追撃が来ないことを願いながら。

 

「あーあ、結局脱落しちゃったな。マグレの親父」

「ふん…だが、これでデータを取ることができた」

「データ…?」

「ああ、こいつだ」

マグレが懐から出した携帯型ゲーム機のような機械には翔太がセッティングした2体のペンデュラムモンスターの放出エネルギーや状態などを表示されていた。

「おー。けど、これが何か意味でも…」

「あるとも。これで更にペンデュラムモンスターの正式な生産への準備が加速する…」

マグレはその記録をUSBメモリを経由して携帯に転送する。

そして、メールでそれをとある人物へ送った。




今回はウォーミングアップのような感じです。
しばらく更新できなかったので…。
ちなみに、これから作者はおそらく半年くらい更新スピードがダウンすると思います。
その点はご了承ください。
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