「う…嘘だ、私が…こんな…」
「強い…」
デュエル開始から数十分が経過した。
(セレナのターンのメインフェイズ2)
侑斗
手札3
ライフ8000
場 精霊獣騎ガイアペライオ レベル10 攻撃3200
マクロコスモス(永続罠)
魂吸収(永続魔法)
セレナ
手札2
ライフ1500
場 なし
「く…!!私は手札から魔法カード《蘇生融合》を発動!」
「何度やっても結果は同じだよ。《ガイアペライオ》の効果発動。手札の霊獣カード1枚を除外することで、カード効果の発動を無効にし、破壊する」
背中に巨木を生やし、赤い花びらを模した毛を顔に着けた白き鎧の獅子に乗った金髪で若干露出度の高い緑と黒が基調の服を着た少女の杖から緑色の旋風が放たれ、《蘇生融合》が砕かれる。
手札から除外されたカード
・精霊獣ペトルフィン
「更に、《マクロコスモス》の効果で《蘇生融合》は除外され、《魂吸収》の効果で僕は除外されたカードの数×500ライフを回復する」
侑斗
ライフ8000→9000
「くぅ…!!」
あまりの力量差とプレッシャーでセレナの顔が汗でびしょ濡れになっている。
そして、間近で見ている北斗は自分のデッキを握りしめる。
(これが…剣崎侑斗という人のデュエル!?LDSのエクシーズでも勝てなかった相手をここまで…!!)
(うーん…だんだん慣れてはきたけど、まだまだ完全に使いこなせていないな)
D・パッドにセットされているデッキを見つめながら、心の中でつぶやく。
経緯は不明だが、侑斗はこのデッキを新たに手にしたばかりらしい。
「私は…モンスターを裏守備表示で召喚。ターンエンド…」
侑斗
手札2
ライフ9000
場 精霊獣騎ガイアペライオ レベル10 攻撃3200
マクロコスモス(永続罠)
魂吸収(永続魔法)
セレナ
手札2→0
ライフ1500
場 裏守備モンスター1
「僕のターン、ドロー」
侑斗
手札2→3
(このカードは…!)
ドローしたカードを見ると、侑斗は即座に手札を確認する。
「(零児君の言うとおりなら…)僕は…この2体のモンスターでペンデュラムスケールをセッティング!」
「何ぃ!?」
「まさか…ペンデュラム召喚を!?」
セレナと北斗の驚きをよそに、侑斗の左右を守るように白い翼をつけた2人の緑色の髪の少女が現れる。
彼女らが生み出す光の柱の間に緑色の旋風が発生し、その中から同じ白い翼をつけた緑色の髪の魔剣士が現れる。
そして、その剣士は《精霊獣騎ガイアペライオ》と共にセレナに襲い掛かる。
「そんな…私がこんなところで!!?」
「させるかぁ!!」
急にセレナの前に男が出てくる。
緑色のジャケットと黒いズボン、そして生々しい左目部分の傷を黒い眼帯で隠した青い髪で軍人風の大柄な男だ。
「バレット!!」
「ここは退きましょう…奴を倒すのは不可能!」
バレットと呼ばれた男は煙幕弾を侑斗に向けて投げつける。
侑斗達の視界が黒い煙に包まれていく。
急に発生した緑色の風がそれを吹き飛ばしたことにはセレナとバレットの姿はなかった。
「逃げられちゃったか…。零児君に謝っておかないと。ねえ、大丈夫かい?」
少し困った顔になった後、侑斗は座ったままの北斗に手を差し伸べる。
服の襟には緑色の羽根が左右についている白いライオンの頭部を模ったエンブレムが彫られたバッジがある。
「あ、あなたは…?」
「僕?僕は剣崎侑斗、デュエリストだよ」
驚きながら侑斗を見つめる北斗。
その眼には彼の背後にいるウィンダの姿がうっすらと映っていた。
「んー…むにゃむにゃ…」
「のんきに寝ているな、こいつ…」
隣の席で寝ている伊織に翔太が掛布団代わりの学ランをかける。
「仕方ありませんよ。昨日の夜はずっと騒いでいたんですよ」
伊織の傍で透明な状態で浮かんでいるセラフィムが翔太にこたえる。
今、翔太たちはLDSが用意した大型バスの中にいる。
大型トラックが追従していて、その中には翔太のDホイールやバスに乗っているメンバーの荷物がある。
乗っているのは今まで勝ち残った組のデュエリストや、オスロ、ボマー、漁介、里香などの敗退した一部の組がいる。
なんでも、零児が推薦した組のようだ。
「そのまま寝かせておいてやれ。今のところはな…」
「ちっ…なんでよりによって向かい側の席にいるのはお前ら何だ」
向かい側に座る鬼柳とロットンを見て、不愉快そうな顔になる翔太。
「そんな顔するなよ。何度も謝ったじゃないか」
「俺はな…こういうことに関してはかなり根に持つんだ」
嘘だとはいえ、伊織を誘拐したといった鬼柳に翔太はどうしてもマイナスのイメージしか持つことができない。
「…来るな」
急に翔太たちの前に座っているジョンソンが口を開く。
「何?」
どういう意味だと言おうとした瞬間、急にバスが大きく揺れる。
「く…!!」
「ヒャア!!何?何!?」
あまりの揺れで熟睡していた伊織も目を覚ます。
「翔太さん、伊織さん!外を見てください…!!」
セラフィムの言うとおり、2人は窓から外を見る。
そこには小型の青い戦闘機のような物に乗ってバスを包囲する、昨日翔太が戦ったデュエリストと同じ制服を着た男が数人いた。
違いとしたら、仮面に埋め込まれている宝石の色だろう。
「なんやねん、あんな悪趣味な仮面つけた兄ちゃんは!!」
「どうやら、俺たちの邪魔をしたいみたいだな」
舌打ちをしながら、今視認できる相手を数える。
少なくとも6人、多くて9人いるだろう。
しかも、今いるのは高速道路の中。
すぐに対応しなければ関係ない他の車両まで巻き込まれる可能性がある。
「はあ…もうこんなところまで。給料いいからこの仕事引き受けたんだけどなぁ」
首の少し上までの長さのある少し赤めの黒の七三分けに似た形の髪型で、淡褐色の目でいわゆる制服組の服装の運転手がため息交じりにつぶやく。
彼の服の襟にも侑斗と同じエンブレムが彫られたバッジをつけている。
そして、そのバッジに仕込まれているスイッチを押す。
(こちらハイヤー、ボスの予測通りオベリスクフォースが追跡してきました。対処、よろしくお願いします)
(了解!運転は頼んだぜ)
同じバッジをつけた制服姿の男が数人天井にある扉を開けて、上へ昇る。
「何…!?」
「おいおい、いくらなんでも関係ない人間を巻き込むのは無しだろう?オベリスクフォース」
丸坊主で高校生にしてはかなり大柄な黒人風の男がデュエルディスクを構える。
その背後には少し小柄な青い髪の少年も同様に構える。
どちらにも襟には例のバッジをつけている。
「何!?奴らは…」
「諜報部隊の話で聞いたことがある。赤馬零児が結成予定のランサーズとは異なる…」
「なら、分かるよな?これから何が始まるか…」
「く、くそう!!」
オベリスク・フォースもデュエルディスクを展開する。
「「デュエル!!」」
デュエリストA
手札5
ライフ4000
デュエリストB
手札5
ライフ4000
オベリスクフォースA
手札5
ライフ4000
オベリスクフォースB
手札5
ライフ4000
オベリスクフォースC
手札5
ライフ4000
オベリスクフォースD
手札5
ライフ4000
「バトルロイヤルルールは分かってるよな?次の最初のプレイヤーのターンまですべてのプレイヤーはドローもバトルフェイズも行えない。俺のターン。俺は手札から《デス・ウォンバット》を召喚」
ウォンバットという小柄な草食動物を模したモンスターが召喚されると同時にバスの上にちょこんと座る。
デス・ウォンバット レベル3 攻撃1600
「何!?《デス・ウォンバット》だと??」
召喚されたモンスターを見て、オベリスク・フォースの面々が顔を青くする。
「おっと、こいつはあんたらにとっては鬼門か?そりゃあそうだよな。こいつは俺への効果ダメージをすべて無効にしてくれる可愛いペットだ。更に俺は手札からフィールド魔法《ナチュラル・サファリ》を発動!」
発動と同時に、バスの上に様々な種類の木が現れ、更にはオベリスク・フォースの乗り物には草や花が生えてくる。
「う、うわああ!!一体どうなってるんだ!?」
「落ち着け、ただのソリッドビジョンだ!!とにかく、まずは《デス・ウォンバット》を潰すぞ!」
あわてるほかのメンバーを紺色の宝石がついた仮面のオベリスク・フォースが落ち着かせる。
「(ほう…ということは、こいつを先に倒せばいいんだな?)《ナチュラル・サファリ》の効果発動!1ターンに1度、フィールド上に獣族・獣戦士族・鳥獣族が存在するとき、手札からレベル4以下の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体を特殊召喚できる。俺は手札から《おとぼけオポッサム》を特殊召喚」
今度はオポッサムを模したモンスターが木の中から飛び出してくる。
おとぼけオポッサム レベル3 攻撃800
「そして、特殊召喚されたモンスターのコントローラーから見て相手フィールド上に《野獣トークン》を特殊召喚する」
「何!?」
路上に通常の倍の大きさのハイエナが現れ、オベリスク・フォースDにとびかかる。
「う、うわあああ!!ハイエナが俺を襲ってくるーー!!」
野獣トークン レベル4 攻撃1800
ナチュラル・サファリ
フィールド魔法カード
「ナチュラル・サファリ」の効果は1ターンに1度しか発動できない。
(1):1ターンに1度、フィールド上に獣族・獣戦士族・鳥獣族が存在するときに発動できる、手札からレベル4以下の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体を特殊召喚する。その後、モンスターのコントローラーから見て相手のフィールド上に「野獣トークン」1体を表側攻撃表示で特殊召喚する。
野獣トークン
レベル4 攻撃1800 守備1800 トークン 地属性 獣族
「ナチュラル・サファリ」の効果で特殊召喚される。
「なーるほどな…けっこうえぐいことをやるなぁ」
のんきに翔太は窓からデュエルを見ている。
「えぐいことって?」
「《ナチュラル・サファリ》の効果で特殊召喚されたモンスターの攻撃力は1800。それに対して、《おとぼけオポッサム》の攻撃力は800。この状況を見て、なんとも思わないのか?」
「あ…!」
《おとぼけオポッサム》という言葉から伊織は修造の授業を思い出す。
獣族主体のデッキで《おとぼけオポッサム》が現れた際に警戒しなければならないモンスターがいるのだ。
「そして手札から永続魔法《補給部隊》を発動。更に、《おとぼけオポッサム》の効果発動!こいつは相手フィールド上に自分よりも高い攻撃力を持つモンスターがいる時、次の俺のターンのスタンバイフェイズまで死んだふりをするんだぜ?フェイク・ダイ!」
《おとぼけオポッサム》が木の裏に隠れ、死んだふりをする。
といっても、鼻提灯が出ていることからバレバレなのだが。
「何!?モンスターを自爆させただと!?」
「更に俺は手札から《森の番人グリーン・バブーン》の効果を発動!こいつは俺のフィールド上に存在する獣族モンスターがカード効果で破壊され墓地へ送られた時、ライフを1000支払うことで、手札・墓地から特殊召喚できる」
巨大な棍棒を左手に持つ緑色のゴリラのような巨人がバスの後ろに現れ、走り始める。
森の番人グリーン・バブーン レベル7 攻撃2600
デュエリストA
ライフ4000→3000
「更に《補給部隊》の効果を発動。こいつは1ターンに1度、俺のモンスターが戦闘・効果で破壊された場合、デッキからカードを1枚ドローする」
デュエリストA
手札6→2→3
「うわああ!!」
《森の番人グリーン・バブーン》が現れると同時にオベリスクフォースDが《野獣トークン》にかみつかれ、高速道路に落っこちる。
現在のバスは時速70キロ以上。
彼はそのまま取り残されてしまった。
「おっと、1人ターンが回らないまま離脱しちまったな」
「貴様…卑怯なぁ!」
「悪いが被害を可能な限り抑えろってボスからの命令でな、俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」
デュエリストA
手札3→2
ライフ3000
場 森の番人グリーン・バブーン レベル7 攻撃2600
デス・ウォンバット レベル3 攻撃1600
補給部隊(永続魔法)
伏せカード1
ナチュラル・サファリ(フィールド魔法)
デュエリストB
手札5
ライフ4000
場 なし
オベリスクフォースA
手札5
ライフ4000
場 なし
オベリスクフォースB
手札5
ライフ4000
場 なし
オベリスクフォースC
手札5
ライフ4000
場 なし
オベリスクフォースD→アクシデントにより離脱
手札5
ライフ4000
「それにしても、まだいるな。こいつらの対処はどうすんだ?確か、オベリスク・フォースだったか?」
他のもあと2人オベリスクフォースが存在し、バスを狙っている。
デュエリストAの言葉から彼らがオベリスク・フォースであることは分かっている。
「ここは、もちろん翔太君に!」
「俺はただの乗客だから、これから出るランチを食べないとな」
「もー、そんなこと言わずにさっさと行く!」
伊織に引っ張られる形で天井の扉まで行く。
「はあ…ま、あいつらだけだと頼りないからな。軽く料理してやるよ」
乗り気でない翔太は扉を開き、バスの上に出る。
「おい、そこの兄ちゃん!すぐに客席に戻りな!」
「あんたらだけだと安心して飯が食えないからな、だから…!」
それだけ言うと、一番近くにいるオベリスクフォースを見る。
「へえ、デュエルディスクにケーブルをつけることで操縦できるのか。俺に貸せよ」
「何を言ってやがる!この状況がわから…ヘブゥ!!」
言い終わらないうちに飛び蹴りを喰らい、乗り物から叩き落される。
そして、翔太が乗り込むと自分のデュエルディスクにケーブルを接続する。
「ここ交通量が多いからな、たくさん車にもてなしてもらえよ?」
「貴様は…秋山翔太!!お前に殺された同朋の無念、ここで晴らしてくれる!」
「何を言ってんだ?あいつが勝手に死んだだけだろ?」
「き…さまぁ!!!」
激昂した3人のオベリスクフォースが構える。
「墓場まで案内してやる、ついてこいよ」
すぐに操縦方法を覚えた翔太が乗り物を付近にある山へと向かわせる。
「逃がすな、追え、追えーーーー!!」
翔太の後を追いかけるように、3人もバスから離れる。
「あいつ、バスを巻き添えにしないようにするために…」
「どうしますか、ガーダー!無茶すぎます!!それに、自分たちの任務は…」
小柄な方の男が遠くへ行く翔太を追いかけようとするが、大柄な男に肩を掴まれる。
「落ち着け、ラインマン。3人程度なら、任せて大丈夫さ」
「しかし…!!」
「いいから俺を信じてデュエルに集中しろ」
「は、はあ…」
はっきり言い切られたことで、ラインマンは落ち着くために手札を確認する。
「自分のターン!自分も手札から《デス・ウォンバット》を召喚!」
デス・ウォンバット レベル3 攻撃1600
(よし…この中なら!)
山の奥深くまで入った翔太は乗り物を気の裏側に停める。
それと同時に、オベリスクフォースが三方向から彼を包囲する。
「おいおい、1人ずつ挑む勇気もないのか?臆病者のオベリスクフォースさん?」
「うるさい!!もう貴様を餌にするのはやめだ!!ここで始末し、永瀬伊織を捕獲する!」
「何…?」
伊織の名前を聞き、一瞬でかなり真面目な表情になる。
「お前…なぜあいつを!?」
「ふん!これから我らに倒されるお前たちに言う義理はない!」
3人はデュエルディスクを展開する。
「ちっ…」
彼らの目的が伊織だろうと悟った翔太は舌打ちしながら、デュエルディスクを展開する。
(あいつら、伊織に何があるって言うんだ!?)
「「デュエル!!」」
翔太
手札5
ライフ4000
オベリスクフォースE
手札5
ライフ4000
オベリスクフォースF
手札5
ライフ4000
オベリスクフォースG
手札5
ライフ4000
「俺のターン、俺はモンスターを裏守備表示で召喚。カードを2枚伏せ、ターンエンド」
翔太
手札5→2
ライフ4000
場 裏守備モンスター1
伏せカード2
オベリスクフォースE
手札5
ライフ4000
場 なし
オベリスクフォースF
手札5
ライフ4000
場 なし
オベリスクフォースG
手札5
ライフ4000
場 なし
「俺のターン!俺は《古代の機械猟犬》を召喚!」
腹部に茶色い歯車がついた緑と黒が基調の装甲で覆われた猟犬型の機械が現れる。
古代の機械猟犬 レベル3 攻撃1000
「こいつは相手フィールド上にモンスターが存在する場合、1ターンに1度、相手に600ダメージを与えることができる!」
《古代の機械猟犬》の口から火球が発射される。
「ちっ…!」
翔太
ライフ4000→3400
「俺はこれでターンエンド」
翔太
手札2
ライフ3400
場 裏守備モンスター1
伏せカード2
オベリスクフォースE
手札5→4
ライフ4000
場 古代の機械猟犬 レベル3 攻撃1000
オベリスクフォースF
手札5
ライフ4000
場 なし
オベリスクフォースG
手札5
ライフ4000
場 なし
「俺のターン!俺も《古代の機械猟犬》を召喚し、効果を発動!喰らえぃ!」
もう1体の《古代の機械猟犬》が召喚と同時に火球を発射する。
翔太
ライフ3400→2800
「これでターンエンド」
翔太
手札2
ライフ2800
場 裏守備モンスター1
伏せカード2
オベリスクフォースE
手札4
ライフ4000
場 古代の機械猟犬 レベル3 攻撃1000
オベリスクフォースF
手札5→4
ライフ4000
場 古代の機械猟犬 レベル3 攻撃1000
オベリスクフォースG
手札5
ライフ4000
場 なし
「俺のターン!出ろ、《古代の機械猟犬》!!」
古代の機械猟犬 レベル3 攻撃1000
「さあ、あいつを焼肉にしてやれぇ!」
《古代の機械猟犬》の火球が再び翔太を襲う。
翔太
ライフ2800→2200
「俺はこれでターンエンド」
翔太
手札2
ライフ2200
場 裏守備モンスター1
伏せカード2
オベリスクフォースE
手札4
ライフ4000
場 古代の機械猟犬 レベル3 攻撃1000
オベリスクフォースF
手札4
ライフ4000
場 古代の機械猟犬 レベル3 攻撃1000
オベリスクフォースG
手札5→4
ライフ4000
場 古代の機械猟犬 レベル3 攻撃1000
「へへへ…まだまだ俺たちには手が残ってるぜ?」
オベリスクフォースEが手札にある《古代の機械巨人》と《古代の機械騎士》を見る。
(《古代の機械猟犬》は他のアンティーク・ギアが俺のフィールドに存在するとき、1度だけ俺の手札・フィールド上に存在するモンスターで融合召喚を行うことができる。それでこの3枚を融合して…)
「気は済んだか?」
「な…!?」
翔太の口からドスの利いた言葉が飛び出し、3人は彼を恐れる。
「遊びはおしまいだ。俺のターン!」
翔太
手札2→3
「俺は手札から魔法カード《手札抹殺》を発動。全員、手札交換だ」
手札から墓地へ送られたカード
翔太
・魔装獣ユニコーン
・魔装獣剣スイモウ
オベリスクフォースE
・古代の機械騎士
・古代の機械巨人
・シュレッダー
・トレード・イン
オベリスクフォースF
・古代の機械獣
・古代の機械猟犬×2
・古代の機械箱
オベリスクフォースG
・古代の機械猟犬
・グリーン・ガジェット
・レッド・ガジェット
・イエロー・ガジェット
「今更《手札抹殺》が何だっていうんだ!?たった2枚のカードを墓地に落とした程度で…」
「そうだ、その2枚のカードがお前らを地獄へ叩き落とす。俺はフィールドに存在する《魔装霊レブナント》を反転召喚」
魔装霊レブナント レベル2 攻撃600(チューナー)
「このカードがリバースした時、デッキから魔装モンスター1体を手札に加える。俺はデッキから《魔装陰陽師セイメイ》を手札に加える。そして、手札から魔法カード《魔装融合》を発動。俺の手札・フィールド・墓地のモンスターを素材に魔装モンスターを融合召喚する。俺が素材とするのは手札の《セイメイ》とフィールドの《レブナント》、そして墓地の《魔装獣剣スイモウ》!神秘にうずもれし陰陽師よ、満たされぬ魂よ、青き痣を持つ獣よ、魔導の力によりて、今1つとならん。融合召喚!真紅の騎士、《魔装騎士レッドライダー》!!」
魔装騎士レッドライダー レベル8 攻撃3000
「攻撃力3000の融合モンスター!?」
「まだだ!こいつは俺のターンにモンスターの特殊召喚に成功した場合、バトルフェイズ時のみ攻撃力が1000アップする」
魔装騎士レッドライダー レベル8 攻撃3000→4000
「更に俺は永続罠《リビングデッドの呼び声》を発動!その効果で墓地から《魔装獣ユニコーン》を特殊召喚する」
魔装獣ユニコーン レベル4 攻撃1600
「このカードは魔装騎士の装備カードとなり、攻撃力を800アップさせる」
真紅の毛並みに変化した《魔装獣ユニコーン》を自らの足とした《魔装騎士レッドライダー》は大剣を右手のみで持ち、天に掲げる。
魔装騎士レッドライダー レベル8 攻撃4000→4800
「あ…ああ…」
更に強大な力を手に入れた《魔装騎士レッドライダー》を見て、3人は腰を抜かす。
「更に俺は罠カード《騎士の逆鱗》を発動。俺のフィールド上に存在するモンスターが魔装騎士1体だけの場合、そのモンスターはこのターン、相手フィールド上に存在するすべてのモンスターに1回ずつ攻撃することができる。そして、《魔装獣ユニコーン》を装備したモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える」
「ば…バカな…そんな!!」
今の彼らには第2の騎士を止める術はない。
ただ、このわずかな時間の間に自らの敗北を受け入れるしかないのだ。
「やれ…《レッドライダー》」
《魔装騎士レッドライダー》を乗せた《魔装獣ユニコーン》が疾走する。
そして、3体の哀れな猟犬を一太刀で切り裂いていった。
「「うわああああああ!!!!」」
オベリスクフォースE
ライフ4000→200→0
オベリスクフォースF
ライフ4000→200→0
オベリスクフォースG
ライフ4000→200→0
古代の機械猟犬(アニメオリカ・調整)
レベル3 攻撃1000 守備1000 効果 地属性 機械族
「古代の機械猟犬」の(3)の効果はこのカードが表側表示で存在する限り1度しか発動できない。
(1):このカードが攻撃する場合のダメージステップ終了時まで、相手は魔法・罠カードを発動できない。
(2):1ターンに1度、相手フィールドにモンスターが存在する場合に発動できる。相手に600ダメージを与える。
(3):自分フィールドにこのカード以外の「アンティーク・ギア」モンスターが存在する場合に発動できる。自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
騎士の逆鱗
通常罠カード
(1):バトルフェイズ開始時、自分フィールド上に存在するモンスターが「魔装騎士」モンスター1体のみの場合に発動できる。このターン、そのモンスターは相手フィールド上に存在するすべてのモンスターに1回ずつ攻撃することができる。
「こいつら…伊織よりも弱え」
気を失っている3人を見つめ、そう吐き捨てる。
そうしていると、翔太の背後に急に青い渦が現れる。
その中から、新たなオベリスクフォースが現れる。
「まだまだいるぜー?」
「これだけの人数でやれば…」
「ちっ、これじゃあ分が悪…ん?」
更に数が増えるオベリスクフォースに舌打ちをしていると、翔太は違和感を感じる左手を見る。
カードから人を解放した時のように、痣が光っている。
(まさかな…だが!)
翔太は青い渦に向けて痣をかざす。
「なんだよその痣!?」
「こけおどしだ!そのままこいつをカードへ…!!?」
痣の光が糸のように青い渦と接続する。
するとその渦の動きに乱れが生じ、オベリスクフォースを吸い込み始める。
先程敗北した3人も同様だ。
「な、なんだ!?一体どうなっている!!?」
「こ、こいつは…このデュエリストは化け物かーーーーー!!!?」
オベリスクフォースを吸いつくした渦は爆発を起こしながら消滅する。
「はあ…はあ…はあ…」
渦が消えたのを確認すると、翔太は突然起きた疲れで片膝を地につける。
「こいつは…カードから人を解放するだけでなく、おそらくは別次元へつながる扉を閉鎖する力もあるのか…。1人1人は大したことないが、大量にこられたら厄介だな…」
「キュイー!」
草むらの中から突然ビャッコが飛び出してくる。
「お前、追ってきたのか!?ったく、よく分からない精霊だぜ」
「キュイキュイー!」
「悪いが、信号弾みたいなのを撃ってくれ。なぜか…疲れてな…」
「キュッ!」
ビャッコはランドセルから打ち上げ花火を発射させた。
赤や黒、緑や紫などのカラフルな色合いの花火だ。
(これで…気づいてくれるだろうな…。だが、あいつはなぜ俺に…)
左手の痣を見つめながら、翔太はそのまま意識を失った。
「私だ…。ああ、あなたか」
同時刻、レオコーポレーションの社長室では零児が誰かと電話をしていた。
扉には鍵がかけられていて、電話の内容を誰にも聞かれないようにしている。
「なるほど…分かった、セレナとバレットだな?了解した。セレナは私が何とかしよう。あなたは今回スカウトした彼の練度を高めるのに集中してほしい。それから、これは追加情報だが…」