遊戯王ARC-V 戦士の鼓動   作:ナタタク

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第9話 栄次郎

「…。やはり、榊遊矢は犯人ではなかったか…」

社長室で、零児はLDSのエリートチーム、通称制服組から提出された写真や書類、そして破損したデュエルディスクとデッキを見る。

エクストラデッキの中には《異星の最終戦士》が入っていて、それはLDS融合コース講師のマルコのエースカードだ。

制服組からの報告によると、襲撃現場にはそれらと爪痕や燃えた段ボール箱が残っていて、マルコの消息は不明となっている。

また、その時間帯は遊勝塾とLDSの塾対抗戦で、更にLDSがレーダーで識別した召喚反応がエクシーズ召喚であったことから、沢渡襲撃で疑われていた遊矢がマルコを襲うことはもちろん不可能。

その結果、制服組は同じ人物が沢渡とマルコを襲撃したと判断して、遊矢への疑いは晴れた。

「それにしても、なぜ私はあの人の名前を…」

遊勝塾からの去り際に遊矢と翔太に伝えた石倉純也という名前。

零児にとってはどうしても忘れることのできない人物だ。

彼のノートパソコンには石倉純也についての記録が表示されていた。

 

「石倉…純也…」

パジャマ姿で施設の屋上から夜空を見上げる。

あの戦いから数日経つが、未だに彼の名前が頭から離れない。

ネットでは、彼は通常モンスターを軸に戦う異色のプロデュエリストで、彼のデッキの中には《魔装戦士テライガー》、《魔装戦士ヴァンドラ》などの魔装モンスターがサブとして入っている。

しかし、彼は数年前に突然行方不明になってしまっている。

「お前なら…こたえられるのか?《ペイルライダー》…」

月を明かりにして《魔装騎士ペイルライダー》をかざす。

「翔太くーん!!」

屋上の出入り口から伊織の声が聞こえる。

「伊織…」

「翔太君、まーた1人でいる!駄目だよ、もっとみんなと一緒にいないと…」

「分かってる」

「分かってない!ほら、まずは私と一緒に来る!」

強引に伊織が翔太の腕を引っ張ろうとするが、すぐに振り払って横になる。

「あと10分横になってからだ」

「ダ・メ!!!」

こうして、翔太は伊織に強引に引っ張られる形で中へ入って行った。

 

「ペンデュラムの新しい可能性…」

それと同時刻、遊矢は自室で零児の言葉を頭に浮かべる。

(私には見えた!ペンデュラムの新たな可能性を!!)

(なぜ今まで気づかなかった…?ペンデュラムはまだ完成形ではないことに)

「うわあーーー!!あいつはあの状況で何が見えたんだーーーー!?」

頭が痛くなるほど考えたが、全く彼が言っていた新たな可能性が見えてこない。

まるで、真っ暗な部屋の中で黒い懐中電灯を探しているような感覚だ。

「赤馬零児…プロデュエリストで、レオコーポレーションの社長か…」

あのデュエルの後、修造から零児について聞いた。

彼の会社であるレオコーポレーションは舞網市に本社を置く巨大企業で、現在使っている質量を持ったソリッドビジョンシステムを開発したこと、そしてデュエシスト養成塾であるLDSを持っていることで有名だ。

そこの社長であり、彼がペンデュラムモンスターを使った以上、いずれペンデュラムモンスターが世界中にばらまかれ、誰もがペンデュラム召喚を使えるようになる。

「ペンデュラム召喚は俺だけの物じゃない…か。翔太が来た時から、そのことは分かりきっていたはずなのにな」

今、遊矢の手には見たことのない魔術師のカードがある。

このカードは今朝、遊勝塾のポストの中で見つけた封筒の中に入っていたカードだ。

その封筒の中にはほかにも、遊矢が沢渡襲撃の犯人でないことが分かったことと遊矢を疑ったことを謝罪する内容の手紙があった。

(俺も見つけないと…ペンデュラム召喚の新たな可能性を。そうじゃないと、赤馬零児には…)

 

「翔太兄ちゃん!!」

「遅いぞーー!!」

「早くデュエルしようよー!!」

施設の遊具室では、パジャマ姿の子供たちと昭和風の茶色い地味なセーターと蝶ネクタイ、鼻眼鏡をつけた白髪の老人が待っていた。

彼が施設長の鮫島栄次郎

「待っていたよ、翔太君。さあ、私とデュエルをしようか」

「なんで俺とだ?伊織かこいつらでもいいだろ?」

「いやいや、この子達が君がすごく強いといっていてね、ぜひとも私と君のデュエルを見てみたい見てみたいって…」

「ねーねー、おじいちゃん、翔太兄ちゃん、早くデュエルしてよー!」

「デュエルデュエルー!!」

「そーそー!翔太君ファイト!」

「…たくっ、仕方ないな」

味方がいないことを一瞬で理解した翔太は自分のデュエルディスクが部屋に置いたままであるため、伊織からデュエルディスクを借りる。

「それにしても、君は伊織ちゃんからデュエルを教えてもらったばかりなんだってね。けど、聞いた話によると全くやり始めたばかりに思えないなぁ…?やっぱり、昔からやっていたんじゃないかな?」

「さあな」

両者はデュエルディスクを構える。

「言っておくけど、私は強いよ。若いころはデュエルでやんちゃをしていたからね」

「関係ない、相手がだれでも全力でやるだけだからな」

「「デュエル!!」」

 

栄次郎

手札5

ライフ4000

 

翔太

手札5

ライフ4000

 

「私の先攻。私はモンスターを裏守備表示で召喚。そして、カードを1枚伏せてターンエンド」

 

栄次郎

手札5→3

ライフ4000

場 裏守備モンスター1

  伏せカード1

 

翔太

手札5

ライフ4000

場 なし

 

「俺のターン!」

 

翔太

手札5→6

 

「俺は《魔装竜ファーブニル》を召喚!」

翔太のフィールドに財宝が現れ、その中から金色の目と鱗、そして爪を持つ細身な翼竜が現れる。

 

魔装竜ファーブニル レベル4 攻撃1900

 

「バトルだ。《魔装竜ファーブニル》で裏守備モンスターを攻撃」

《魔装竜ファーブニル》の口から金色の炎が放たれる。

しかし、裏守備モンスターは炎をはじき、弾かれた炎が翔太を襲う。

「ぐう…!!」

 

翔太

ライフ4000→3800

 

裏守備モンスターの正体はクリスタルでできた六角形の盾を複数周囲に展開させている、重装な黄色い鎧を着たサイだった。

「うかつな攻撃はしてはいけないよ、翔太君。裏守備モンスターの正体は《剣闘獣ホプロムス》、守備力2100だよ」

「出たーーー!!おじいちゃんの剣闘獣デッキ!!」

剣闘獣デッキ、ライトロードデッキに並んでかつて猛威を振るったデッキだ。

「ちっ…」

「こらこら、年寄り相手に舌打ちはいけないよ。《ホプロムス》の効果発動。このカードは戦闘を行ったバトルフェイズ終了時にデッキに戻すことで、デッキから《ホプロムス》以外の剣闘獣モンスター1体を特殊召喚できる。私は《剣闘獣ムルミロ》を特殊召喚!」

《剣闘獣ホプロムス》が拳を地面にたたきつけると、そのモンスターが地面から隆起した岩石に身を隠す。

そして、それが砕けると周囲に水が飛び散り、それと共に巨大なほら貝を持つウツボと魚が融合したような青いモンスターが現れる。

 

剣闘獣ムルミロ レベル3 守備400

 

「更に、《ムルミロ》の特殊召喚に成功した時表側表示モンスター1体を破壊する」

「何!?」

《剣闘獣ムルミロ》のほら貝が飛び散った水を掃除機のように吸収していく。

ほら貝の吸引力は次第に強力になっていき、《魔装竜ファーブニル》までも飲み込まれてしまった。

「私の剣闘獣は戦闘を行ったターンのバトルフェイズ終了時にデッキで待機する仲間とバトンタッチする。強力な効果を持ってね。気を付けて戦ったほうがいいよ」

「だが、破壊すればバトンタッチすらできないだろう。俺は手札から速攻魔法《魔装の輝き》を発動。俺の魔装モンスターがカード効果で破壊された時、そのモンスターを墓地またはエクストラデッキから攻撃表示で特殊召喚できる。更に、この効果で特殊召喚されたモンスターの攻撃力は500ポイントアップする。蘇れ、《ファーブニル》」

五芒星を模した魔法陣がフィールドに描かれ、そこから《魔装竜ファーブニル》が現れる。

 

魔装竜ファーブニル レベル4 攻撃1900→2400

 

「更にこのカードを俺のターンに発動した場合、特殊召喚したモンスターと相手モンスター1体を強制戦闘させる」

 

魔装の輝き

速攻魔法カード

「魔装の輝き」は1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分フィールド上に表側表示で存在する「魔装」モンスターが効果によって破壊された時、そのモンスターを対象にして発動できる。選択したモンスターを墓地またはエクストラデッキから攻撃表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの攻撃力は500ポイントアップする。

(2):このカードを発動したのが自分のターンの場合、相手フィールド上のモンスター1体を選択し、選択したモンスターと(1)の効果で特殊召喚したモンスターで戦闘を行いダメージ計算を行う。

 

「再攻撃だ。《ファーブニル》」

《魔装竜ファーブニル》が放った金色のブレスが《剣闘獣ムルミロ》を焼き払った。

「更に《ファーブニル》が戦闘で相手モンスターを破壊した時、デッキからレベル4以下の魔装モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚できる。俺はデッキから《魔装妖ビャッコ》を特殊召喚する」

「キュイー!!」

《魔装妖ビャッコ》がかわいらしい鳴き声を出しながら《魔装竜ファーブニル》の背中に乗り、はりきる。

それを見た伊織を含めた女性陣が歓声を上げる。

 

魔装妖ビャッコ レベル3 攻撃300

 

「ただし、この効果で特殊召喚されたモンスターは攻撃できず、ターン終了と共にデッキに戻る」

《魔装竜ファーブニル》の効果の後半を読み上げると、はりきっていた《魔装妖ビャッコ》がショックを受ける。

 

 

魔装竜ファーブニル

レベル4 攻撃1900 守備1200 効果 炎属性 ドラゴン族

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動できる。自分のデッキからレベル4以下の「魔装」モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの攻撃できず、ターン終了時にデッキに戻る。

 

「とは言うけれど、ただでデッキに戻すことはないんだろうね?」

「ああ。このカードを魔装モンスターのシンクロ素材かエクシーズ素材とするとき、レベルを4として扱うことができる」

「キュ!?キュイーーー!!キュイーーー!!」

その言葉を聞いた瞬間、《魔装妖ビャッコ》が嬉しそうに飛び跳ねて自身のレベルを変化させる。

 

魔装妖ビャッコ レベル3→4 攻撃300

 

「俺はレベル4の《ファーブニル》と《ビャッコ》でオーバーレイ。エクシーズ召喚!現れろ、魔装の力を宿した紅蓮の番犬、《魔装獣ケルベロス》!」

3つの頭を持った、大きさが2メートル近くある赤い犬が現れる。

そのモンスターの額にはいずれも五芒星が刻まれている。

 

魔装獣ケルベロス ランク4 攻撃2300

 

攻撃力は《魔装竜ファーブニル》よりも低いものの、これで《魔装妖ビャッコ》をデッキに戻す必要がなくなった。

「《ビャッコ》の効果発動。このカードを魔装モンスターのシンクロ素材かエクシーズ素材としたとき、デッキからカードを1枚ドローする。そしてカードを2枚伏せ、ターンエンド」

 

栄次郎

手札3

ライフ4000

場 伏せカード1

 

翔太

手札6→3

ライフ3800

場 魔装獣ケルベロス(オーバーレイユニット2) ランク4 攻撃2300

  伏せカード2

 

(あれ…?でも、翔太君のデッキには…)

伊織は前にデュエルをしたときにシンクロ召喚された《魔装剛毅クレイトス》を思い出す。

エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターに対して抜群の破壊力を持っていて、先ほど《魔装竜ファーブニル》の効果で《魔装陰陽師セイメイ》を特殊召喚すればすぐに呼び出せた。

にもかかわらず、攻撃力2300の《魔装獣ケルベロス》のエクシーズ召喚を選択した。

(《ケルベロス》って、どんな効果があるんだろう…)

「では、私のターン、ドロー」

 

栄次郎

手札3→4

 

「私は手札から《剣闘獣ラクエル》を召喚」

6つの赤いビットを展開させている炎の鎧を装備した虎と人間が融合したような剣闘獣が現れる。

 

剣闘獣ラクエル レベル4 攻撃1800

 

「そして、手札から魔法カード《テイク・オーバー5》を発動。私はその効果でデッキトップから5枚のカードを墓地へ送る」

 

デッキから墓地へ送られたカード

・剣闘獣ベストロウリィ

・パリィ

・貪欲な壺

・休息する剣闘獣

・剣闘獣アウグストル

 

「墓地肥やしかよ…」

墓地へ送られたカードの中に2枚の剣闘獣が存在する。

先日、塾で修造が墓地肥やし戦術についての授業を行っていた。

それ以前にも、伊織が墓地を利用した融合召喚を見せ、苦い思いをしたことから墓地肥やしの重要性を嫌というほど思い知っている。

「更に手札から《スレイヴタイガー》を特殊召喚。このカードは私のフィールドに剣闘獣が表側表示で存在するとき、手札から特殊召喚できる」

赤い模様が付いた青い鎧を身に着けた虎が《剣闘獣ラクエル》の口笛を聞きつけて現れる。

 

スレイヴタイガー レベル3 攻撃600

 

「《スレイヴタイガー》の効果発動。このカードをリリースし、私の剣闘獣をデッキに戻すことで、デッキから剣闘獣1体を特殊召喚できる。私はデッキから《剣闘獣ダリウス》を特殊召喚」

《スレイヴタイガー》に乗り、《剣闘獣ラクエル》がデッキへ戻る。

そしてそのモンスターと入れ替わるように、左手に鋼の鞭を持つオレンジ色の鎧を着た馬の剣闘獣が現れる。

 

剣闘獣ダリウス レベル4 攻撃1700

 

「更に《スレイヴタイガー》の効果で特殊召喚されたモンスターは剣闘獣の効果で特殊召喚されたモンスターとして扱われるため、《ダリウス》の効果を発動。私の墓地から剣闘獣1体を効果を無効にして特殊召喚する。私は《剣闘獣ベストロウリィ》を復活」

鋼の鎧を身に着けた緑色の鳥の剣闘獣が上空から現れる。

 

剣闘獣ベストロウリィ レベル4 攻撃1500

 

(レベル4の剣闘獣が2体。エクシーズ召喚するのか?)

「うわあ…この組み合わせって…」

2体の剣闘獣を見て、伊織の顔が青くなる。

「では、いくよ。私は《ダリウス》と《ベストロウリィ》を融合」

「何!?」

栄次郎が《融合》を使用していないにもかかわらず、2体の剣闘獣がフィールドから消える。

「この融合モンスターは融合素材モンスターをフィールドからデッキに戻すことで、《融合》なしでエクストラデッキから特殊召喚できる。天駆ける鳥よ!鎖を振るいし馬よ!今こそ結束し新たな闘士を覚醒させよ。剣闘召喚!天からの破壊者、《剣闘獣ガイザレス》」

より重装な鎧をまとい、頭部の赤い鬣がある、若干太めになった《剣闘獣ベストロウリィ》が現れる。

 

剣闘獣ガイザレス レベル6 攻撃2400

 

「あーあ、出ちゃった…」

「これが剣闘獣の融合モンスター…」

「《ガイザレス》の効果発動。このカードの特殊召喚に成功した時、フィールド上のモンスターを2枚まで破壊する。私は君の伏せカード1枚と《ケルベロス》を破壊させてもらうよ」

《剣闘獣ガイザレス》の両翼からすさまじい勢いの竜巻が発生する。

その竜巻に飲み込まれ、《魔装獣ケルベロス》と伏せカードを砕こうとする。

「く…!罠発動!《威嚇する咆哮》!」

破壊されたそうになった伏せカードが発動し、《剣闘獣ガイザレス》が動きを止める。

「おやおや、これで私のモンスターは攻撃できないなあ…」

《サイクロン》や《砂塵の大竜巻》などでも阻止できないフリーチェーンのカード。

《ナイト・ショット》にはかなわないが、《攻撃の無力化》や《炸裂装甲》とは違った良点がある。

「では、私は手札から永続魔法《剣闘獣の闘気》を発動。このカードが発動している限り、剣闘獣以外のモンスターを特殊召喚できない代わりに、剣闘獣の効果で特殊召喚されたモンスターの攻撃力は800ポイントアップする」

どこからともなく鬨の声が上がり、《剣闘獣ガイザレス》に宿る闘争心が激しく燃え上がる。

 

剣闘獣ガイザレス レベル6 攻撃2400→3200

 

「私はこれでターンエンド」

 

栄次郎

手札4→0

ライフ4000

場 剣闘獣ガイザレス レベル6 攻撃3200

  剣闘獣の闘気(永続魔法)

  伏せカード1

 

翔太

手札3

ライフ3800

場 伏せカード1

 

(ちっ…!《ガイザレス》は絶対に召喚させたくないな)

先程の栄次郎の説明が正しければ、《剣闘獣ガイザレス》の効果は普通に特殊召喚しても発動する。

つまり、これからそのモンスターを倒そうが、自身の効果でエクストラデッキに戻ろうが強烈な破壊効果におびえながらターンを進めなければならなくなる。

「俺のターン!」

 

翔太

手札3→4

 

「俺は手札から魔法カード《死者蘇生》を発動。その効果で墓地から《魔装獣ケルベロス》を特殊召喚」

 

魔装獣ケルベロス ランク4 攻撃2300

 

「でも、攻撃力2300の《ケルベロス》を特殊召喚しても攻撃力3200の《ガイザレス》は倒せないよ」

「更に俺は手札から魔法カード《五芒星の鼓動》を発動。俺のフィールドに存在するオーバーレイユニットのない魔装と名のつくエクシーズモンスターを選択、俺の墓地に存在するカード2枚を選択したモンスターのオーバーレイユニットにする」

《魔装獣ケルベロス》が咆哮すると、墓地から《魔装竜ファーブニル》と《魔装妖ビャッコ》が現れ、咆哮する番犬のオーバーレイユニットとなる。

 

五芒星の鼓動

通常魔法カード

「五芒星の鼓動」の(1)の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分フィールド上に表側表示で存在するX素材のない「魔装」Xモンスター1体を選択して発動する。自分の墓地に存在するカード2枚を選択したカードの下に重ねてX素材とする。

(2):自分フィールド上にセットされているこのカードがカード効果で破壊され墓地へ送られた時、自分はデッキからカードを1枚ドローする。

 

「そして、俺は《魔装学者エヴェレット》を召喚」

赤いあまり整っていない短髪で、右側と左側にそれぞれ別々の世界の地図が描かれたローブを着た学者が現れる。

また、彼のローブの背中には大きな五芒星が刻まれている。

 

魔装学者エヴェレット レベル3 攻撃1000

 

「《エヴェレット》の効果発動。このカードを2ターン後まで除外することで、俺の魔装モンスター1体の攻撃力を1000ポイントアップさせることができる。次元の壁を超えろ、《エヴェレット》」

《魔装学者エヴェレット》が右手に巨大な世界地図を広げると、それで自らの身を包み込む。

そして地図と共に《魔装学者エヴェレット》が消え、それと共に《魔装獣ケルベロス》とうり2つのモンスターが現れる。

 

魔装獣ケルベロス ランク4 攻撃2300→3300

 

「おやおや、もう1体の《ケルベロス》かぁ…」

《魔装獣ケルベロス》の攻撃力が《剣闘獣ガイザレス》を上回ったにもかかわらず、のんきな言動の栄次郎。

「バトルだ。《ケルベロス》で《ガイザレス》を攻撃。ブラッド・ファング!」

2体の《魔装獣ケルベロス》が一斉に《剣闘獣ガイザレス》にかみつく。

「けれど、そうはいかないね。私は《剣闘獣の闘気》の効果を発動。私の剣闘獣が相手モンスターに攻撃されるとき、このカードを墓地へ送ることでそのモンスターは戦闘では破壊されず、私への戦闘ダメージも0となる」

「何!?」

2体の番犬にかみつかれ、出血しているにもかかわらず《剣闘獣ガイザレス》が肉体からすさまじいプレッシャーを放ち、番犬たちが吹き飛ばされる。

獲物を倒し損ねた2体の《魔装獣ケルベロス》は怒りのこもった目で相手を見る。

 

剣闘獣ガイザレス レベル6 攻撃3200→2400

 

剣闘獣の闘気

永続魔法カード

(1):フィールド上に存在する「剣闘獣」カードの効果で特殊召喚されたモンスターの攻撃力は800アップする。

(2):自分フィールド上に存在する「剣闘獣」モンスターが攻撃対象となったとき、このカードを墓地へ送ることで発動できる。そのモンスターはその戦闘では破壊されず、発生する自分へのダメージは0となる。

 

「ちなみに、戦闘を行った《ガイザレス》はバトルフェイズ終了時にエクストラデッキに戻り、デッキから《ベストロウリィ》以外の剣闘獣モンスター2体を特殊召喚できる。いやあ、手伝ってくれてありがとう翔太君」

(く…あのじじい、できる!)

すっかり栄次郎のペースに乗せられてしまった。

的確に行動を阻害し、確実にキーカードを潰してくる。

「うー相変わらず強いなあ、栄次郎おじいちゃん…」

観戦している伊織も今まで一度も彼に勝ったことがない。

「さあさあ、次はどんなものを見せてくれるのかな?翔太君」

「ああ…見せてやる。俺は罠カード《ケリュケイオンの毒牙》を発動。俺のフィールド上に存在する魔装と名のつく融合モンスター、シンクロモンスター、エクシーズモンスターの攻撃回数を1度増やす」

フィールド上に2匹の蛇が巻かれ、頭部に翼のある杖が現れる。

そして、頭部から放たれた紫色の光を受けた《魔装獣ケルベロス》の五芒星はそれと同じ色の光を発する。

 

ケリュケイオンの毒牙

通常罠カード

(1):自分フィールド上に攻撃表示で存在する「魔装」融合・S・Xモンスター1体を選択して発動できる。このターン、選択されたモンスターはもう1度攻撃できる。

 

「ほぉほぉ…」

「さあ、楽しい狩りの時間だぞ。《ケルベロス》」

翔太の言葉に2体の《魔装獣ケルベロス》が嬉しそうに咆哮すると、一斉に《剣闘獣ガイザレス》にとびかかり、容赦なく喰らいついていった

 

栄次郎

ライフ4000→3100

 

「更に《魔装学者エヴェレット》の効果を発動。このカードが自身の効果で除外されたターンに魔装モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、そのモンスターを除外できる。これで、《ガイザレス》を墓地から召喚できない」

2匹の番犬の攻撃で弱った《剣闘獣ガイザレス》の前に突然巨大な地図が現れ、その中からもう1体の《剣闘獣ガイザレス》が姿を現す。

すると2体のモンスターが重なり合い、苦しみながら消滅してしまった。

 

魔装学者エヴェレット

レベル3 攻撃1000 守備0 効果 闇属性 魔法使い族

「魔装学者エヴェレット」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。

(1):このカードを除外し、自分フィールド上に表側表示で存在する「魔装」モンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターの攻撃力は1000アップする。

(2):(1)の効果を発動したターン、自分フィールド上の「魔装」モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊したとき、そのモンスターを対象に発動できる。対象となったモンスターをゲームから除外する。

(3):(1)の効果を発動してから2回目の自分のスタンバイフェイズ時に発動する。ゲームから除外されているこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する。

 

「うーん、ここまで力任せにやるとは…」

「まだ続くぞ。俺は《ケルベロス》の効果を発動。このモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、オーバーレイユニットを1つ取り除くことでもう1度攻撃できる」

《魔装獣ケルベロス》がオーバーレイユニットを1つ噛み砕くと、五芒星が光り、肉体が活性化する。

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・魔装妖ビャッコ

 

魔装獣ケルベロス

ランク4 攻撃2300 守備1200 エクシーズ 炎属性 獣族

「魔装」レベル4モンスター×2

「魔装獣ケルベロス」の(1)の効果は1ターンに2度まで発動できる。

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、このカードのX素材を1つ取り除くことで発動できる。このカードはこのターン、もう1度攻撃できる。

 

「デザートにはもってこいだろ?」

2体の《魔装獣ケルベロス》が強欲にも栄次郎をも喰らおうとした。

「罠発動、《レジスト》。デッキからレベル4以下の剣闘獣1体を守備表示で特殊召喚する」

上空から《剣闘獣ベストロウリィ》が現れ、栄次郎の盾となる。

 

「更にこの効果で特殊召喚されたモンスターはこのターン、戦闘では破壊されない」

楯となった《剣闘獣ベストロウリィ》は傷だらけになった。

だが、凄まじい精神力で倒れることはなかった。

 

レジスト

通常罠カード

(1):自分のデッキに存在するレベル4以下の「剣闘獣」モンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターを自分フィールド上に表側守備表示で特殊召喚する。その後、手札1枚をデッキに戻す。

(2):(1)の効果で特殊召喚されたモンスターはターン終了時まで戦闘では破壊されない。

 

「く…これでまた剣闘獣の力を」

「そうだよ。私はバトルフェイズ終了時に《ベストロウリィ》をデッキに戻し、デッキから《剣闘獣ダリウス》を特殊召喚する」

《剣闘獣ダリウス》に介抱され、《剣闘獣ベストロウリィ》はその場を後にする。

「《剣闘獣ダリウス》の効果は分かっているね」

「ああ…。剣闘獣の効果で特殊召喚された時、墓地から剣闘獣1体を効果を無効にして特殊召喚する」

「そういうこと。私は墓地から《剣闘獣アウグストル》を特殊召喚」

紫色の魔法陣から背中に青い飛龍を宿した青い鎧を着た緑鳥の剣士が《剣闘獣ダリウス》の鎖で引っ張られる形で現れる。

 

剣闘獣アウグストル レベル8 攻撃2600

剣闘獣ダリウス レベル4 攻撃1700

 

「うわぁ…翔太君のターンなのにおじいちゃんのフィールドに2体のモンスター…」

2体とも攻撃力は《魔装獣ケルベロス》には及ばない。

しかし、翔太にはここまでの栄次郎の動きを見ていて1つだけわかることがある。

次のターン、《魔装獣ケルベロス》が無事で済むかわからないということだ。

「…。俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

栄次郎

手札0

ライフ3100

場 剣闘獣アウグストル レベル8 攻撃2600

  剣闘獣ダリウス レベル4 攻撃1700

 

翔太

手札4→0

ライフ4000

場 魔装獣ケルベロス(オーバーレイユニット1) ランク4 攻撃3300

  伏せカード1

 

「私のターン、ドロー。更にスタンバイフェイズ時に《テイク・オーバー5》を除外し、デッキからカードを1枚ドロー」

 

栄次郎

手札0→2

 

「私は手札から《E・HEROプリズマー》を召喚」

竜と人が融合したようなプリズム状の肉体の戦士が現れる。

 

E・HEROプリズマー レベル4 攻撃1700

 

「な…?HERO??」

なぜ剣闘獣デッキの中に伊織が使用するHEROがあるのか分からず、伊織に目を向ける。

「あー…あのカードすっごく便利なんだよ」

「便利…?」

「私は《プリスマー》の効果を発動。1ターンに1度、エクストラデッキから融合モンスター1体を選択し、選択したカードに書かれている融合素材モンスター1体をデッキから墓地へ送ることで、エンドフェイズまでそのモンスターの姿と名前を得る。リフレクト・チェンジ」

《E・HEROプリスマー》の体に《剣闘獣ベストロウリィ》と《剣闘獣ガイザレス》のカードが映し出される。

そして、肉体が見る見るうちに《剣闘獣ベストロウリィ》の同じ形に変化していく。

「なるほどな…。確かに便利だ」

「うん。けど、モンスターの名前が記されていない融合モンスターしかエクストラデッキになかったら使えないって弱点があるんだよ」

伊織から《E・HEROプリスマー》の解説を聞きつつ、栄次郎のフィールドを見る。

「さて…。私は《アウグストル》と《ベストロウリィ》をデッキに戻し、融合!天かける鳥よ!尊厳ある鳥よ!今こそ結束し新たな闘士を覚醒させよ。剣闘召喚!天からの破壊者、《剣闘獣ガイザレス》」

エクストラデッキから2体目の《剣闘獣ガイザレス》が姿を現す。

栄次郎のエクストラデッキには有用性の高い《剣闘獣ガイザレス》が3枚入っているのだ。

 

剣闘獣ガイザレス レベル6 攻撃2400

 

「あ…あれ?なんで栄次郎おじいちゃんは攻撃力2600の《アウグストル》を融合素材にしたんだろう?」

あくびをしながらデュエルを観戦している太一が栄次郎の行動を疑問を抱くが、伊織がきちんと解説する。

「《剣闘獣ダリウス》はフィールドから離れたとき、そのモンスターの効果で特殊召喚された剣闘獣がデッキに戻ってしまうんだ。あ、太一君キャンディ食べる?」

「あーーー!!伊織お姉ちゃん、少し前には歯磨きしたばっかりじゃん!!」

「いーじゃんいーじゃん。後でまた磨けば」

「おやおや、お菓子かあ…。じゃあ、後でコーヒーと牛乳を出さないとなあ…」

「おい、じいさん。《ガイザレス》の効果はどうするんだよ?」

「ああ…失礼。私は《ガイザレス》の効果により、《ケルベロス》と伏せカードを破壊し…」

「罠発動。《ブレイクスルー・スキル》。こいつは相手モンスター1体の効果をエンドフェイズまで無効にする」

竜巻を起こそうとした《剣闘獣ガイザレス》が動きを止め、ゆっくりと地に降りる。

「なら、私はさらに《ガイザレス》と《ダリウス》をデッキに戻す」

「何!?」

2体の剣闘獣が姿をけし、栄次郎のフィールドに強烈な風の柱が発生する。

「来るよ、翔太君!栄次郎おじいちゃんのエースカード!」

「破壊の翼よ!戦友を救う鎖よ!今こそ結束し新たな闘士を覚醒させよ。剣闘召喚!雷鳴の狩人、《剣闘獣スキピオ》」

ライオンの髪飾りと重装な鎧と槍、盾を装備した緑鳥の戦士が現れる。

左目に切り傷があり、右腕と左腕が機械となっているところから数々の決闘を繰り広げてきた剣闘獣であることがよくわかる。

また、槍には稲妻が、盾には風がそれぞれ宿っている。

 

剣闘獣スキピオ レベル9 攻撃2800

 

「これがじいさんのエースカード…?」

「このカードは《ガイザレス》とレベル4以上の剣闘獣をデッキに戻すことで呼び出せるモンスター。このカードにはエクストラデッキに戻る力はないよ。《スキピオ》の効果発動。このカードは攻撃を行わない代わりに相手モンスター1体を破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与えることができる」

「何!?」

《剣闘獣スキピオ》が空高く舞い上がり、ナイフ以上の鋭さを持った羽の弾丸を放つ。

弾丸を受けた《魔装獣ケルベロス》は消滅し、翔太にも羽が襲い掛かる。

「更に、破壊したモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを与える」

 

翔太

ライフ4000→2850

 

剣闘獣スキピオ

レベル9 攻撃2800 守備2300 融合 風属性 鳥獣族

「剣闘獣ガイザレス」+レベル4以上の「剣闘獣」モンスター

このカードはエクストラデッキからのみ融合召喚できる。

このカード以下の方法でのみ特殊召喚できる。

●自分フィールドの上記カードをデッキに戻した場合にエクストラデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。

(1):1ターンに1度、相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択することで発動できる。選択したモンスターを破壊し、そのモンスターの元々の攻撃力の半分の数値のダメージを相手に与える。この効果を発動したターン、このカードは攻撃できない。

 

(くそ…ライフが逆転された。あのじじい…)

心の中で悪態をつけ、空になった手札とフィールドを見る。

「このまま追撃したいけど、《スキピオ》はもう攻撃できないからね…。私はこれでターンエンド」

 

栄次郎

手札2→1

ライフ3100

場 剣闘獣スキピオ レベル9 攻撃2800

 

翔太

手札0

ライフ2850

場 なし

 

「うわあ…これじゃあ翔太兄ちゃん勝ち目がない…」

「《剣闘獣スキピオ》の効果、すごいからね…」

子供たちが全員すでに雌雄は決したかのような発言を口々にする。

彼らも何度か栄次郎とデュエルをしたことがあるが、《剣闘獣スキピオ》を見たことがあまりない。

つまり、エースカードが現れる前に彼らは負けている。

「ううん…。まだまだ分からないよ」

「え…?」

子供たちの目が伊織に向く。

「だって、翔太君は強いんだもん!」

あまりに根拠がない言葉。

だが、彼女は今まですべての翔太のデュエルを見てきた。

だからこそ、はっきりとそう言えるのかもしれない。

彼女の言葉に若干表情を緩める。

「おやおや、どうやら翔太君と伊織ちゃん、なかなかいい関係になっているみたいだね。もしかして…」

「勘違いするなよ。俺と伊織はそういう関係じゃない。俺のターン!」

(そんなにはっきり否定しなくても…)

 

翔太

手札0→1

 

「相手フィールド上に《魔装幻影トークン》2体を特殊召喚することで、手札から魔法カード《魔装門》を発動」

栄次郎のフィールドに青い炎で構築された騎士が2体現れる。

その騎士の胸のあたりに五芒星が刻まれている。

 

魔装幻影トークン×2 レベル6 攻撃2000

 

「私のフィールドにトークンを?」

「《魔装門》は相手フィールドにトークン2体を特殊召喚する代わりに、デッキから魔装と名のつくカード1枚を手札に加えることができる。その効果で俺はデッキから《魔装融合》を手札に加える」

「《魔装融合》?」

「魔装モンスター専用の《融合》だ」

 

魔装門

通常魔法カード

「魔装門」は1ターンに1度しか発動できない。

(1):相手フィールド上に「魔装幻影トークン」2体を特殊召喚することで発動できる。デッキから「魔装」カード1枚を手札に加える。

 

魔装幻影トークン

レベル6 攻撃2000 守備2000 トークン 炎属性 アンデッド族

「魔装門」の効果を特殊召喚される。

 

「え…?でも…」

翔太のフィールドにも手札にも素材となるカードはない。

もしそのカードが手札・フィールドのモンスターしか素材にできないならば、全くの死に札になる。

「けれど、わざわざ無駄なカードをサーチするはずがないんだろう?」

「ああ…。俺は《魔装融合》を発動。手札・フィールド・墓地に存在するモンスターを素材に、魔装と名のつく融合モンスター1体を融合召喚する。俺が素材とするのは《ケルベロス》、《ファーブニル》、《ビャッコ》」

墓地から3体のモンスターが現れ、渦の中に消えていく。

「灼熱の番犬よ!財宝を守る飛竜よ!可憐なる式神よ!魔導の力によりて、今1つとならん。融合召喚!真紅の騎士、《魔装騎士レッドライダー》!!」

赤いフルプレートを装い、背中に赤い刀身の大剣を下げている騎士が現れる。

五芒星はフルプレートの胸部分に刻まれている。

 

魔装騎士レッドライダー レベル8 攻撃3000

 

魔装融合

通常魔法カード

(1)自分の手札・フィールドから「魔装」融合モンスターカードによって決められた融合素材を墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。また、自分の墓地に存在するカードを除外することで融合素材とすることもできる。

 

「おや…?翔太君、花粉症なのかい?」

李次郎が《魔装騎士レッドライダー》召喚と同時に目の色が赤に変化した翔太を心配そうに見つめる。

「眼のことは気にするな。《レッドライダー》は俺のターンにモンスターの特殊召喚に成功した場合、そのターンのバトルフェイズ時のみ攻撃力を1000ポイントアップさせることができる。バトルだ。《レッドライダー》で《剣闘獣スキピオ》を攻撃。必殺真剣」

《魔装騎士レッドライダー》の五芒星が凄まじい光を発し、両腕の筋肉を強化していく。

そして、真紅の大剣は一撃で《剣闘獣スキピオ》を両断した。

 

魔装騎士レッドライダー レベル8 攻撃3000→4000(このターンのバトルフェイズのみ)

 

栄次郎

ライフ3100→1900

 

「やったね、翔太君!!《剣闘獣スキピオ》をやっつけた!!」

「更に《レッドライダー》の効果発動。このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、続けてもう1度だけ相手モンスターを攻撃できる」

「なるほど…そのために私のフィールドにトークンを…」

自身の敗北を悟り、栄次郎はゆっくりと腕を降ろす。

「《魔装騎士レッドライダー》で《魔装幻影トークン》を攻撃」

《剣闘獣スキピオ》の消滅を見届けた《魔装騎士レッドライダー》はすぐに《魔装幻影トークン》に目を向ける。

すると、《魔装幻影トークン》はわずかにうなずき、青い炎でできた剣で栄次郎を切り裂いた。

 

栄次郎

ライフ1900→0

 

魔装騎士レッドライダー

レベル8 攻撃3000 守備2300 融合 炎属性 戦士族

「魔装」モンスター×3

このカードが融合召喚でのみ自分フィールド上に特殊召喚できる。

(1):自分のターンにモンスターの特殊召喚に成功した場合、そのターンのバトルフェイズ時に発動できる。このカードの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで1000ポイントアップする。

(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、続けてもう1度だけ相手モンスターを攻撃することができる。

 

「ふう…」

デュエルが終わり、目の色が元に戻ると、翔太が若干疲れたかのような表情を浮かべる。

「翔太君、大丈夫?」

「どうってことない。にしても、とんでもないじいさんだな」

「当然だよ!だって、おじいちゃんは昔ユース選手権まで行ったんだから!」

「ユース選手権…?」

「あ…そういえば翔太君はまだ知らなかったね。ユース選手権は…」

伊織が翔太にプロデュエリストになるまでの道筋に1つであるジュニアユース選手権とユース選手権について説明を受けている間に、栄次郎はコーヒーづくりを始める。

「うーん…それにしても…」

「どうしたんだよー、太一」

なぜか紫色のリーゼント頭をしている小学生の典亮が太一に話しかける。

伊織曰く、親から虐待を受けていた時に助けてくれた高校生がリーゼントをしていて、その少年にあこがれてこのような頭にしたらしい。

「いや、翔太兄ちゃんが来てから、伊織お姉ちゃんの笑顔が増えたなって思って…」

「んー?そうかー。気のせいだと思うけどなー。それより太一、じいちゃんがコーヒー作ってる間にデュエルするか?」

「うん!手加減なしだ!典亮!!」

「…。とにかく選手権で好成績を収めればいいってわけだな」

「そういうこと!そうすれば、プロデュエリストになれるんだよ!あ、太一君と典亮君がデュエルをしてる!!一緒に観戦しよ!!」

「ふう…どうせ拒否権がないんだろ?」

「当然!」

翔太が逃げ出さないように腕にしがみつく。

そんな伊織に呆れながら、翔太はデュエルを観戦することにした。

太一のフィールドには《BKベイル》、典亮のフィールドには《ゴブリン突撃部隊》が存在した。




疲れが抜けず、眠ってばかりで創作にかなり時間がかかってしまったナタタクです。
さて、これで四騎士がすべてそろいました。
しかし、ここからどのような展開にしようか…うーーーん…。
ちなみに、栄次郎の苗字が鮫島の理由については今は内緒ということでお願いします。
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