遊戯王ARC-V 戦士の鼓動   作:ナタタク

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第84話 地縛

ジャックが意識を失ったのを確認したセルゲイの目線が遊矢に向けられる。

そして、遊矢の目の前にはソリッドビジョンでロジェの姿が映し出される。

「まったく、厄介なことをしてくれましたね。榊遊矢。あなたのせいで、ジャック・アトラスが使い物にならなくなった」

「ロジェ…!!」

遊矢は怒りのこもった目でロジェを見る。

彼がセルゲイを操り、柚子をさらった上に、ようやく分かり合えたジャックを傷つけた。

そんな彼を遊矢は許せなかった。

「これでは、ランサーズを始末して、それも交渉材料にしなければならない…。まったく、仕事が増えて困る」

「遊矢…遊矢!!」

「柚子!?」

ソリッドビジョンにはさらに柚子の姿も映る。

両腕を天井からおろした縄によって縛られ、両足も枷をつけられていて身動きが取れない。

「じっくり見ておきなさい、柊柚子。本当の力がどのようなものなのかを…」

右手で柚子の顔をつかみ、下種な笑みを浮かべながら自信たっぷりに言う。

彼にとって、今のセルゲイはまさに史上最強の駒。

彼がいる限り、自らの繁栄は約束されていると思い込んでいる。

「必ず助ける…。待ってろ、柚子!!」

遊矢が叫ぶと同時に、ソリッドビジョンが消えて、セルゲイがデュエルディスクを展開し、更に開いていたドアも閉じる。

「フィールド魔法…《クロス・オーバー》…セット!」

《クロス・オーバー》が発動し、周囲に透明な足場とアクションカードが生まれる。

そして、足元に落ちている《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》を手にし、倒れているジャックに目を向ける。

(俺に力を貸してくれ…ジャック!!)

(マスター…)

「ナディはジャックのそばにいてくれ。ジャックの分も…俺は戦う!!」

覚悟を決めた遊矢はエクストラデッキにそのカードを入れ、ナディはジャックのそばへ向かう。

そして、かつての主の手に触れ、彼の無事を願った。

(今のボクにはこれくらいしかできないけれど、それだけでも…!)

「「デュエル!!」」

 

セルゲイ

手札5

ライフ4000

 

遊矢

手札5

ライフ4000

 

「俺の先攻…俺は手札から《地縛囚人グランド・キーパー》を召喚…」

紫色の模様がついた、黒一色の人型がひび割れた床を砕いてフィールドに現れる。

 

地縛囚人グランド・キーパー レベル1 攻撃300(チューナー)

 

「更に、このカードはフィールド上にカードが存在するとき、手札から特殊召喚できる。《地縛囚人ストーン・スィーパー》を特殊召喚!」

《地縛囚人グランド・キーパー》が生み出した穴の中から青い模様が描かれた黒いシャチが飛び出してくる。

 

地縛囚人ストーン・スィーパー レベル5 攻撃1600

 

地縛囚人ストーン・スィーパー(アニメオリカ・調整)

レベル5 攻撃1600 守備1600 効果 闇属性 悪魔族

このカードの(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しか行えない。

(1):フィールド上にカードが存在するとき、このカードは手札から特殊召喚できる。この効果で特殊召喚に成功したターン、自分は「地縛」モンスターしか召喚・反転召喚・特殊召喚できない。

 

「地縛…?」

遊矢は翔太、そしてデイモンとデュエルをしたときのセルゲイのデッキを思い出す。

その時の彼のデッキは自らのライフをギリギリまで減らし、それがトリガーとなるカード効果を使った一発逆転を狙う茨の囚人デッキだ。

セルゲイはロジェによって新たな改造が施されたと同時に、新たなデッキも手に入れたのだろう。

「更に、俺は手札から魔法カード《異界共鳴-シンクロ・フュージョン》を発動。俺のフィールド上に存在するモンスターを素材に、シンクロ召喚と融合召喚を同時に行う。俺は《ストーン・スィーパー》と《グランド・キーパー》を墓地へ送り、この2体で融合とシンクロ召喚を行う!!」

「何!?」

融合召喚とシンクロ召喚を同時に行うことができるそのカードに遊矢は驚愕する。

そして、セルゲイの背後には融合の渦が出現し、その中で2体のモンスターがチューニングを行う。

「大地に縛られし2つの戒隷よ、呪われし魂を食み、その血をけがすために現れよ!《地縛戒隷ジオグレムリン》!《地縛戒隷ジオグレムリーナ》!」

両腕と両足が枷と鎖で拘束された、青い模様のある2本角の黒い巨人と首と片翼のない、黄色い模様と茶色い革の拘束具に木星の枷がついた4本脚の黒い獣が現れる。

 

地縛戒隷ジオグレムリン レベル6 攻撃2000

地縛戒隷ジオグレムリーナ レベル6 攻撃2000

 

地縛囚人グランド・キーパー(アニメオリカ)

レベル1 攻撃300 守備300 チューナー 闇属性 悪魔族

(1):このカードがフィールド上に存在する限り、自分フィールド上に存在する「地縛」モンスターは1ターンに1度、戦闘では破壊されない。

 

異界共鳴-シンクロ・フュージョン(アニメオリカ・調整)

通常魔法カード

このカード名の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分フィールドから、Sモンスターカードによって決められたS素材モンスターであり、また融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターでもある一組のモンスターを墓地へ送り、そのSモンスター1体と融合モンスター1体をEXデッキからそれぞれS召喚・融合召喚する。

 

「フフフフ…これが私が生み出した力!私の融合召喚とこの次元のシンクロ召喚を融合させた、まさに私にしか使えない効果だ!!ハハハハハ!!」

セルゲイが同時召喚したシンクロモンスターと融合モンスターを自室の机上にあるノートパソコンで見ながら、ロジェは狂喜する。

「ふざけないで…!そんなに自分の力と言って見せびらかしたいなら…あなた自身が遊矢とデュエルをしなさいよ!!」

他人に力を与えて命令するだけで、自分からは何もしないロジェに柚子は抗議する。

その言葉が耳に入ったロジェは笑うのをやめ、柚子の目の前へ行き、彼女の頬にビンタをする。

「この次元の王に意見するとは…少しは自分の立場というものを認識したまえ!」

痛みに耐え、涙を浮かべる柚子を見つめるロジェ。

痛みに耐える柚子は悲鳴を上げもしなければ、声を上げることもしなかった。

(こんな痛み…遊矢が今まで受けた痛みと比べたら、これくらい…!)

 

「そして、俺はカードを2枚伏せて、ターンエンド…」

 

セルゲイ

手札5→0

ライフ4000

場 地縛戒隷ジオグレムリン レベル6 攻撃2000

  地縛戒隷ジオグレムリーナ レベル6 攻撃2000

  伏せカード2

 

 

遊矢

手札5

ライフ4000

場 なし

 

「俺のターン、ドロー!」

 

遊矢

手札5→6

 

「シンクロと融合?こっちはシンクロ、融合、エクシーズ、ペンデュラムのすべてだ!俺は手札からフィールド魔法《天空の虹彩》を発動!アクションデュエルでは、フィールド魔法は永続魔法として扱う!更に、俺はスケール2の《EMドラミング・コング》とスケール6の《EMリザードロー》でペンデュラムスケールをセッティング!」

《EMドラミング・コング》と襟が?マークのついたカード数枚となっている紫色の道化師の服装をした、右目に大きな五芒星のペイントの有るオレンジ色のトカゲが青い光の柱を生み出す。

「更に、俺は《リザードロー》の効果発動!このカード以外のもう片方の俺のペンデュラムゾーンに存在するカードがEMの場合、このカードを破壊することで、デッキからカードを1枚ドローできる!」

《EMリザードロー》が恭しきお辞儀をすると、持っているステッキが光りはじめ、そのモンスターは光の柱もろとも複数羽の鳩に変わってフィールドから姿を消した。

「更に、《天空の虹彩》の効果発動!このカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を破壊することで、デッキからオッドアイズカード1枚を手札に加えることができる!俺は《EMドラミング・コング》を破壊し、デッキから《オッドアイズ・フュージョン》を手札に加える!」

せっかく発動したペンデュラムカードを2枚とも自ら除去し、手札を増強する。

ペンデュラムカードはフィールドから墓地へ送られるとき、代わりのエクストラデッキへ行く上、遊矢のデッキにはまだまだ多くのペンデュラムカードが眠っている。

それらをうまく使えば、破壊したペンデュラムカードはすぐにフィールドに出ることができる。

「俺は手札から魔法カード《オッドアイズ・フュージョン》を発動!このカードはオッドアイズ専用の融合魔法で、相手フィールド上にモンスターが2体以上存在するとき、エクストラデッキに存在するオッドアイズを2体まで融合素材として使用することができる!俺が素材とするモンスターは《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》と《覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン》!!」

遊矢のエクストラデッキが光りだし、2体の怒りと憎しみの力を宿したドラゴンが赤と緑が混ざり合った渦の中で一つになっていく。

「怒りの眼と憎しみを重ねし竜よ、二色の眼の輝きのもとに、新たな力を生み出さん!融合召喚!雷鳴纏いし疾風の竜、《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》!!」

渦の中から《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》が雷鳴を起こしながら現れる。

敵であるセルゲイに向けて咆哮する中、《地縛戒隷ジオグレムリン》の枷が光り始める。

 

オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン レベル7 攻撃2500

 

「《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》は特殊召喚に成功したとき、相手フィールド上に攻撃表示で存在するモンスター1体を手札に戻すことができる!」

遊矢はデュエルディスクを操作し、セルゲイのフィールド上から追放すべきモンスターをどちらにするか考え始める。

「《ジオグレムリン》は相手モンスター1体を対象に、そのモンスターを破壊するかその攻撃力分まで自分のライフを回復させるかの選択を迫るモンスター…。だけど、それはこのカードが特殊召喚されたターンにしか使えない…)

《地縛戒隷ジオグレムリン》の効果は後半になり、強力なモンスターが相手フィールド上に存在することで真価を発揮する。

だが、先攻1ターン目にどうしても使いたい場合は、《トーチ・ゴーレム》のような相手フィールド上に特殊召喚できるモンスターやトークンを使う必要がある。

「(それに、攻撃力は2000。どちらも《オッドアイズ》で倒せる…)俺は《ジオグレムリーナ》をデッキに戻す!ライトニング・トルネード!!」

「カウンター罠《地縛魔封》を発動。俺のフィールド上にエクストラデッキから特殊召喚された地縛モンスターが存在するとき、相手のカード効果の発動を無効にし、破壊する」

「何!?

4枚の羽に雷鳴を宿そうとした《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》が鎖によって拘束され、そのまま地面を向けて転落していく。

その鎖には時限爆弾が仕込まれていて、あと数秒で爆発する。

その数秒の間にアクションカードを探すことができるが、カウンター罠にチェーンして発動することができない。

カウントが0になり、鎖が爆発して《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》は消滅した。

 

地縛魔封(アニメオリカ・調整)

カウンター罠カード

このカード名の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):自分フィールド上にEXデッキから特殊召喚された「地縛」モンスターが存在するときに発動できる。相手の魔法・罠・モンスター効果の発動を無効にし、破壊する。

 

「更に、《ジオグレムリーナ》の効果発動」

《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》の消滅を目にした《地縛戒隷ジオグレムリーナ》の黄色い模様が輝きはじめ、それに反応して青い模様が光り始めた《地縛戒隷ジオグレムリン》が苦しみ始める。

「これは…セルゲイ、いったい何を!?」

「相手フィールド上に存在するモンスターがカード効果によって破壊されたとき、俺のフィールド上に存在する地縛モンスターをすべて破壊する」

「自分のモンスターを自爆させる…!?」

苦しみながら《地縛戒隷ジオグレムリン》が消滅し、それに続いて《地縛戒隷ジオグレムリーナ》も消滅する。

そして、彼らだった青と黄色の粒子がビームとなって遊矢に襲い掛かる。

「更に、この効果で破壊されたモンスターの数×1000のダメージを与える!」

「うわあああ!!」

ビームが直撃した遊矢の体が吹き飛び、真後ろにある壁に激突する。

 

遊矢

ライフ4000→2000

 

「そして、この効果を発動したターン、相手モンスターは攻撃できない」

「ぐうう…」

あおむけに倒れた遊矢はゆっくりと起き上がる。

セルゲイはフィールドを自らがら空きにしたにもかかわらず、モンスターから攻撃を受ける心配がなくなっていた。

 

地縛戒隷ジオグレムリーナ(アニメオリカ・調整)

レベル6 攻撃2000 守備1000 融合 闇属性 悪魔族

「地縛」モンスター×2

このカード名の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):このカードが自分フィールド上に存在し、相手フィールド上に存在するモンスターが効果で破壊されたときに発動できる。自分フィールド上に存在する「地縛」モンスターをすべて破壊し、その数×1000のダメージを相手に与える。この効果を発動したターン、相手は攻撃宣言できない。

 

地縛戒隷ジオグレムリン(アニメオリカ)

レベル6 攻撃2000 守備1000 シンクロ 闇属性 悪魔族

「地縛」チューナー+チューナー以外の「地縛」モンスター1体以上

(1):このカードの特殊召喚に成功したターンのメインフェイズ1に1度、相手フィールド上に存在するモンスター1体を対象に発動できる。相手は以下の効果から1つを選択する。

●そのモンスターを破壊し、このターンのバトルフェイズをスキップする。

●そのモンスターの攻撃力分、このカードのプレイヤーのLPを回復する。

 

「だったら…俺はスケール2の《EMラクダウン》とスケール6の《EMギタートル》でペンデュラムスケールをセッティング!」

大きなダメージを受けた遊矢だが、まだ彼のターンは始まったばかりだ。

今度は縦長の帽子をかぶった黄色いラクダと腹部からしっぽの部分がその名の通りギターとなっている青い亀が光りの柱を生み出す。

「更に《ギタートル》の効果発動!1ターンに1度、もう片方のペンデュラムゾーンで発動したカードがEMの場合、デッキからカードを1枚ドローできる。揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け、光のアーク!ペンデュラム召喚!現れろ、俺のモンスター!エクストラデッキから《EMリザードロー》、《EMドラミング・コング》!!

 

EMリザードロー レベル3 守備600

EMドラミング・コング レベル5 攻撃1600

 

「さらに手札から《EMシルバー・クロウ》!《EMペンデュラム・マジシャン》!!」

 

EMシルバー・クロウ レベル4 攻撃1800

EMペンデュラム・マジシャン レベル4 攻撃1500

 

「《ペンデュラム・マジシャン》の効果発動!このカードの特殊召喚に成功したとき、自分フィールド上のカードを2枚まで破壊できる!俺は《シルバー・クロウ》と《ペンデュラム・マジシャン》を破壊する!」

《EMペンデュラム・マジシャン》の振り子から放たれる青い波紋を受けた2体のモンスターが消滅する。

「そして、破壊した数だけデッキから《ペンデュラム・マジシャン》以外のEMを手札に加える。俺が手札に加えるのは《EMドクロバット・ジョーカー》と《EMオッドアイズ・ユニコーン》!更に、俺は手札から《EMドクロバット・ジョーカー》を召喚!」

 

EMドクロバット・ジョーカー レベル4 攻撃1800

 

「このカードの召喚に成功したとき、デッキからEMか魔術師ペンデュラムモンスター、もしくはオッドアイズモンスター1体を手札に加えることができる。俺はデッキから《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》を手札に加える!そして、カードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

セルゲイ

手札0

ライフ4000

場 伏せカード1

 

 

遊矢

手札5→2(《EMオッドアイズ・ユニコーン》《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》

ライフ2000

場 EMドクロバット・ジョーカー レベル4 攻撃1800

  EMドラミング・コング レベル5 攻撃2000

  EMリザードロー レベル3 守備600

  天空の虹彩(永続魔法扱い)

  伏せカード1

  EMラクダウン(青) Pスケール2

  EMギタートル(赤) Pスケール6

 

「俺のターン…」

 

セルゲイ

手札0→1

 

「俺は手札からフィールド魔法《地縛園》。アクションデュエルでは、フィールド魔法は永続魔法として扱う」

発動と同時に、床や壁、天井が黒く染まっていき、周囲が紫色の炎の壁に包まれていく。

炎に触れたアクションカードは燃え尽きていき、これにより両者はアクションカードの入手が困難になっていく。

遊矢はどうにかアクションカードを確保しようと走る。

「更に、俺は永続罠《リビングデッドの呼び声》を発動。その効果で、俺は墓地から《地縛戒隷ジオグレムリーナ》を特殊召喚」

墓地から遊矢のライフを一気に半分消し飛ばしたあの不気味な獣が現れる。

現れたと同時に、紫色の炎の勢いも増した。

 

地縛戒隷ジオグレムリーナ レベル6 攻撃2000

 

「更に、《地縛園》の効果発動。俺のフィールド上に地縛戒隷が存在し、相手フィールド上にモンスターが存在するとき、デッキからカードを2枚ドローできる」

「手札増強のフィールド魔法だって!?」

セルゲイのデッキの弱点としたら、強いて言えば手札を消費しやすいというところと《異界共鳴-シンクロ・フュージョン》に上級モンスターの展開を依存しているところだ。

《地縛園》の効果で実質1ターンに3枚カードをドローできるようになったことで、2枚目以降のそのカードや墓地のそのカードを回収できるカードや、素材となるモンスターを一気にそろえることができる。

速めに除去しなければ、どんどん遊矢を価値から遠ざけていくカードだ。

 

セルゲイ

手札1→2

 

「更に、俺は手札から魔法カード《地縛救魂》を発動。フィールド魔法が発動しているとき、墓地に存在する地縛モンスターと《異界共鳴-シンクロ・フュージョン》1枚を手札に加える」

「何!?」

《融合回収》とほぼ同じような効果を持つ魔法カードによって、セルゲイの手に再び《異界共鳴-シンクロ・フュージョン》が手札に加わる。

ここからのどうなるのか、だれもがわかるだろう。

 

地縛救魂(アニメオリカ・調整)

通常魔法カード

(1):フィールド魔法が発動しているとき、自分の墓地に存在する「地縛」モンスター1体と「異界融合-シンクロ・フュージョン」1枚を対象に発動できる。そのカードを手札に加える。

 

「そして、手札から《地縛囚人グランド・キーパー》を召喚」

 

地縛囚人グランド・キーパー レベル1 攻撃300(チューナー)

 

「更に、手札から魔法カード《異界共鳴-シンクロ・フュージョン》発動。俺は《グレムリーナ》と《グランド・キーパー》でシンクロ召喚と融合召喚を行う。大地に縛られし2つの戒隷よ、呪われし魂を食み、その血をけがすために現れよ!《地縛戒隷ジオゴーレム》!《地縛戒隷ジオハイドラ》!」

再び生まれたあの不気味な渦の中から真っ黒な魔石が数か所に埋め込まれた、灰色の大きな石人形と紫の模様が描かれた6匹の黒い蛇が融合したかのような不気味なモンスターが現れる。

 

地縛戒隷ジオゴーレム レベル7 攻撃2400

地縛戒隷ジオハイドラ レベル7 攻撃2600

 

「《ジオハイドラ》の効果発動。このカードの融合召喚に成功したとき、相手フィールド上に存在する特殊召喚されたモンスターをすべて破壊する」

「何!?」

《地縛戒隷ジオハイドラ》の6匹のうちの3匹の蛇が大きな口を開き、遊矢のフィールド上に存在する3体のモンスターを捕食する。

捕食されたとしても、エクストラデッキに行くというのは分かっているが、それでもあまりにも露骨なまでにグシャリグシャリとくらっていて、見ている遊矢はあやうく嘔吐しかけた。

「更に、この効果で破壊したモンスター1体につき、ターン終了時まで攻撃力が300アップする」

 

地縛戒隷ジオハイドラ レベル7 攻撃2600→3500

 

地縛戒隷ジオハイドラ

レベル7 攻撃2600 守備1300 融合 闇属性 悪魔族

「地縛」モンスター×2

このカード名の効果は1ターンに1度しか発動できない。

(1):このカードの融合召喚に成功したときに、自分フィールド上にほかにカードが表側表示で存在する場合にのみ発動できる。相手フィールド上に存在する特殊召喚されたモンスターをすべて破壊する。その後、このカードの攻撃力はターン終了時まで破壊したモンスターの数×300アップする。

 

ペンデュラム召喚によって守りを固めたことがあだとなった。

すべてが特殊召喚されたモンスターということで蹂躙され、結果として遊矢は丸裸になる。

「榊遊矢のライフは2000。この2体のうちのいずれかの直接攻撃を受ければ、終わりですね」

「遊矢…」

勝利を確信し、駒をいじるロジェに対して、柚子は遊矢の身を案じる。

「バトル。《ジオハイドラ》で榊遊矢にダイレクトアタック」

《地縛戒隷ジオハイドラ》の口から強い毒が入った液体が連続で発射される。

液体が当たった足場や床はジュッという音を一瞬立てた後で溶けてしまう。

(アクションカードを…!)

アクションカードを手にしようと足場を上る遊矢だが、急に腹部から激痛を覚える。

「ぐうう…!?こんな、時に!!」

ジャックとのデュエルの後のセルゲイとの連戦。

そして、連続で使ったことで体にある程度免疫ができてしまったせいか、思ったよりも短い時間で薬が切れてしまい、遊矢の腹部の激痛がよみがえる。

よく見ると、傷口が開いてしまっており、既に出血している。

これではアクションカードを取ることができない。

「俺は…速攻魔法《イリュージョン・バルーン》を発動…!俺のフィールド上に存在するモンスターが破壊されたターン、デッキの上から5枚をめくり、その中にあるEM1体を特殊召喚できる!…よし!俺は《EMアメンボート》を特殊召喚!」

 

EMアメンボート レベル4 攻撃500

 

「そして、《アメンボート》の効果発動!攻撃表示で存在するこのカードが攻撃対象となったとき、このカードを守備表示にすることで…その攻撃を無効にする…ハァハァ…」

《EMアメンボート》によって守られた遊矢はゆっくりと起き上がる。

まだ薬はあと1本残っており、それを打てば痛みが消えるのだが、既に遊矢の脳裏からその最後の1本の存在が消えていた。

あるのはセルゲイとロジェを倒し、柚子を救うことだけだった。

「《ジオゴーレム》で《アメンボート》を攻撃…」

《地縛戒隷ジオゴーレム》の頭部にある魔石から紫色のレーザーが発射され、それに直撃した《EMアメンボート》が消滅する。

フィールドからカードがなくなったものの、これで遊矢は首の皮1枚をつなげることができた。

「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド…」

 

セルゲイ

手札2→0

ライフ4000

場 地縛戒隷ジオゴーレム レベル7 攻撃2400

  地縛戒隷ジオハイドラ レベル7 攻撃3500→2600

  地縛園(永続魔法扱い)

  伏せカード1

 

 

遊矢

手札2(《EMオッドアイズ・ユニコーン》《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》

ライフ2000

場 天空の虹彩(永続魔法扱い)

  EMラクダウン(青) Pスケール2

  EMギタートル(赤) Pスケール6

 

「俺の…ターン…!グゥ…!!」

シャツに血が染みつき、もはや遊矢はアクションカードを探すことができる状態ではなかった。

よく見ると、セルゲイは一向にアクションカードを探そうとしない。

まるで、遊矢相手に不確定要素の多いアクションカードを使わないほうがいいと判断したかのように。

 

遊矢

手札2→3

 

「俺は…《天空の虹彩》の効果を発動…!《ギタートル》を破壊し、デッキから《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》を手札に加える…。そして、俺はスケール8の《EMオッドアイズ・ユニコーン》をセッティング…!」

《EMオッドアイズ・ユニコーン》をセッティングすると同時に、遊矢の視界がぼやけ始める。

痛みや出血のせいか、それとも疲労のせいかは分からない。

だが、仮にこの痛みがなかったら意識まで持っていかれていたかもしれない。

遊矢は今だけはロジェに撃たれたことを幸運に思いつつ、声を上げる。

「揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け、光のアーク!ペンデュラム召喚!現れろ、俺のモンスター!エクストラデッキから《EMシルバー・クロウ》、《EMペンデュラム・マジシャン》、《EMドラミング・コング》、《EMドクロバット・ジョーカー》、そして手札から…《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!!」

エクストラデッキと手札から一気に合計5体のモンスターが遊矢を守らんとフィールドに集結する。

同時に、遊矢のペンデュラムが赤く輝き、遊矢の体をファントムライトが包んでいく。

なぜマシンレッドクラウンに乗っていないのに、このようなことになるのかは遊矢にはわからないが、まだ戦えるだけの力を得られるのであれば、正体は何でもよかった。

 

EMペンデュラム・マジシャン レベル4 攻撃1500

EMシルバー・クロウ レベル4 攻撃1800

EMドラミング・コング レベル5 攻撃1600

EMドクロバット・ジョーカー レベル4 攻撃1800

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン レベル7 攻撃2500

 

「《ドラミング・コング》は1ターンに1度、相手モンスターと戦闘を行う自分のモンスターの攻撃力をバトルフェイズ終了時まで600アップさせる効果がある!それを《オッドアイズ》に使うことができれば…!」

今のセルゲイは《地縛戒隷ジオグレムリーナ》の効果に守られていない。

そして、《EMペンデュラム・マジシャン》をはじめとするレベル4モンスター2体を素材にすることで、《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》をエクシーズ召喚できる。

これで一斉攻撃でセルゲイのフィールド上のモンスターを全滅させた上に勝利することができる。

「果たして、そのような都合のいいことが実現できるでしょうかね…彼を前にして」

(それに、早くデュエルを終わらせないと…遊矢が…)

どういう理屈かわからないが、赤い光を纏った遊矢は痛みを気にすることなく立ち上がった。

だが、例の傷からは出血をしたままで、このまま放置していいはずがない。

遊矢が柚子を救いだし、生き残るにはセルゲイを倒すしかない。

 

「《ジオゴーレム》の効果発動」

《地縛戒隷ジオゴーレム》が突然両拳を床にたたきつける。

すると、真っ黒に染まった床が激しい揺れを引き起こし、遊矢のフィールド上に存在する5体のモンスターが守備表示に変わってしまう。

 

EMペンデュラム・マジシャン レベル4 攻撃1500→守備800

EMシルバー・クロウ レベル4 攻撃1800→守備700

EMドラミング・コング レベル5 攻撃1600→守備900

EMドクロバット・ジョーカー レベル4 攻撃1800→守備100

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン レベル7 攻撃2500→守備2000

 

「何!?」

「《ジオゴーレム》が存在し、俺のフィールド上にこのカード以外の地縛モンスターが存在するとき、相手フィールド上に存在する特殊召喚されたモンスターはすべて守備表示となる…」

救いなのは《地縛戒隷ジオハイドラ》の効果が融合召喚に成功したターンにしか発動できないことだ。

仮に1ターンに1度発動できる効果だったら、また遊矢のフィールド上のカードが全滅していた。

「俺は…《ペンデュラム・マジシャン》の効果発動…!俺は《ドクロバット・ジョーカー》と《EMオッドアイズ・ユニコーン》を破壊する!そして、デッキから《EMオッドアイズ・シンクロン》と《EMカード・ガードナー》を手札に加える…。そして、空いたペンデュラムゾーンにスケール6の《EMオッドアイズ・シンクロン》をセッティング…!」

《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》と同じレンズで歯車上の形をしたサングラスをしていて、シルクハットをつけた丸い頭に手足がついたようなモンスターが光の柱を生み出す。

「《オッドアイズ・シンクロン》のペンデュラム効果発動!1ターンに1度、俺のフィールド上に存在するEM、オッドアイズ1体をこのターン、レベルを1にし、チューナーに変えることができる」

 

EMペンデュラム・マジシャン レベル4→1 守備800(チューナー)

 

遊矢はゆっくりと目線を意識を失ったままのジャックと彼に声をかけ続けるナディに向ける。

「(いくよ…ジャック!)レベル7の《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》にレベル1の《ペンデュラム・マジシャン》をチューニング!王者の咆哮、今天地を揺るがす。紅蓮の炎と共に、覇者の力宿して今こそ現れろ!シンクロ召喚!王者の魂、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》!!」

遊矢の手によって、ジャックの魂のカードが召喚される。

ジャックが荒ぶる魂を取り戻したせいか、傷の半分以上がすでに消えており、何よりもそのドラゴンの目そのものが活力に満ちていた。

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト レベル8 攻撃3000→守備2500

 

「何!?ジャック・アトラスのカードを…榊遊矢め…!!」

ジャックのカードをエクストラデッキに入れていたことを知らないロジェは驚きながら遊矢を見る。

自分にとって使い物にならなくなったジャックの処分だけを重視していて、彼の手から《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》が離れていたことに全く気付いていなかった。

「遊矢…」

「ええい、小娘め…!これで勝った気になるなぁ!!」

余裕な態度をかなぐり捨てたロジェは両手で柚子の胸ぐらをつかむ。

そのような姿をさらしているだけで王の器ではないということを証明しているにもかかわらず。

「あなたなんかに…遊矢は倒せない…!」

「貴…様ぁ…いい気になるなぁ!!」

ロジェは柚子の服に手をかけ、チャックを一気に下へおろす。

ピンク色の下着で胸部が隠れた上半身がさらされ、羞恥心から顔を赤く染め、涙をためる柚子はじっとロジェをにらむ。

「今の貴様は何もできない、ただの交渉材料だ!!そんな貴様が…王に口答えするなどぉ!!」

「あなたは…王様なんかじゃない!!自分では何もしない、何もできないただの弱い男よ!」

 

「俺に力を貸してくれ、《レッド・デーモンズ》!!1ターンに1度、このカードの攻撃力以下のこのカード以外の特殊召喚された効果モンスターをすべて破壊し、破壊したモンスターの数×500のダメージを相手に与える!アブソリュート・パワー・フレイム!!」

遊矢にうなずいた《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》が炎を宿した拳を地面にたたきつける。

底を中心に赤い炎が周囲に拡散していき、このカード以外のすべてのモンスターがその炎の中へ消えていった。

「破壊されたモンスターの数は5体!よって、2500のダメージだ!!」

「ヌオオオオオ!?!?《ジオゴーレム》の効果発動…このカードがフィールドを離れたとき、相手フィールド上に存在する特殊召喚されたモンスターはすべて攻撃表示となる…!」

 

セルゲイ

ライフ4000→1500

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト レベル8 守備2500→攻撃3000

 

地縛戒隷ジオゴーレム

レベル7 攻撃2400 守備1200 シンクロ 闇属性 悪魔ぞzく

「地縛」チューナー+チューナー以外の「地縛」モンスター1体以上

(1):このカードが自分フィールド上に存在し、自分フィールド上にこのカード以外の「地縛」モンスターが存在するとき、相手フィールド上に存在する特殊召喚されたモンスターはすべて守備表示となる。

(2):このカードがフィールドから離れたときに発動する。相手フィールド上に存在する特殊召喚されたモンスターはすべて攻撃表示となる。

 

《地縛戒隷ジオゴーレム》の効果により、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》が攻撃表示となる。

そして、今はまだメインフェイズ1であるため、バトルフェイズ中に攻撃が可能となった。

「バトルだ!《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》でダイレクトアタック!!」

ジャックの無念を晴らさんと、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》の口から炎がはなたれ、その炎がセルゲイに襲い掛かる。

この攻撃が決まれば、遊矢の勝利が決まる。

「速攻魔法《地縛融合》発動!俺のフィールド上にモンスターが存在せず、相手フィールド上にモンスターが存在するとき、フィールド・墓地のモンスターを素材に地縛融合モンスターを融合召喚できる。俺は墓地の《ジオゴーレム》と《ジオハイドラ》を除外し、融合!融合召喚!現れろ、レベル10!《地縛戒隷ジオグラシャ=ラボラス》!」

墓地に眠る2体の囚人が1つとなり、赤い模様が描かれたコンドルに似た姿の黒いドラゴンが現れ、そのドラゴンを見た瞬間、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》の動きが止まる。

 

地縛戒隷ジオグラシャ=ラボラス レベル10 攻撃3000

 

地縛融合(アニメオリカ・調整)

速攻魔法カード

(1):自分フィールド上にモンスターが存在せず、相手フィールド上にモンスターが存在する場合にのみ、EXデッキに存在する「地縛」融合モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

 

同じ攻撃力3000の融合モンスターが現れた以上、ここから攻撃することは自殺行為。

遊矢は攻撃再開を命令することなく、バトルフェイズを終える。

「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

セルゲイ

手札0

ライフ1500

場 地縛戒隷ジオグラシャ=ラボラス レベル10 攻撃3000

  地縛園(永続魔法扱い)

 

 

遊矢

手札2(《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》《EMカード・ガードナー》)

ライフ2000

場 レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト レベル8 攻撃3000

  天空の虹彩(永続魔法扱い)

  伏せカード1

  EMラクダウン(青) Pスケール2

  EMオッドアイズ・シンクロン(赤) Pスケール6

 

「俺のターン…」

 

セルゲイ

手札0→1

 

「さらに、《地縛園》の効果。デッキからカードを2枚ドローする。そして、手札から魔法カード《地縛救魂》を発動。墓地から《異界共鳴-シンクロ・フュージョン》と《地縛囚人グランド・キーパー》を手札に加える。更に、手札から魔法カード《死者蘇生》を発動。その効果で墓地から《地縛戒隷ジオハイドラ》を特殊召喚」

 

地縛戒隷ジオハイドラ レベル7 攻撃2600

 

「そして、《地縛囚人グランド・キーパー》を召喚」

 

地縛囚人グランド・キーパー レベル1 攻撃300(チューナー)

 

「更に、手札から魔法カード《異界共鳴-シンクロ・フュージョン》を発動。その効果で、《ジオハイドラ》と《グランド・キーパー》をシンクロ素材、そして融合素材となる」

今回のデュエルで実に3回目となるそのカードに遊矢は警戒する。

今度はレベル8のシンクロモンスターとともに新たな地縛融合モンスターが現れることになる。

「大地に縛られし2つの戒隷よ、呪われし魂を食み、その血をけがすために現れよ!《地縛戒隷ジオグリフォン》!《地縛戒隷ジオクラーケン》!」

渦の中から黄緑色の模様が描かれた黒いグリフォンと紫色の模様が描かれた巨大なクラーケンが現れる。

 

地縛戒隷ジオグリフォン レベル8 攻撃2500

地縛戒隷ジオクラーケン レベル8 攻撃2800

 

ここで召喚された2体のモンスターはいずれも《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》よりも攻撃力が低い。

だが、これで《地縛戒隷ジオグラシャ=ラボラス》に相討ちさせることで、そのまま遊矢に直接攻撃をかけることが可能となる。

「バトル。《地縛戒隷ジオグラシャ=ラボラス》で《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》を攻撃」

《地縛戒隷ジオグラシャ=ラボラス》の口から紫色の炎が吐き出される。

《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》は口から炎を吐き、相殺しようとするが、なぜかいくら力を集中させても炎を吐くことができない。

「《ジオグラシャ=ラボラス》の効果。このカードと戦闘を行うモンスターの攻撃力をバトルフェイズ終了時まで0にする」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト レベル8 攻撃3000→0

 

「フハハハハハ!!榊遊矢、これで貴様は終わりだぁ!私の手駒となれば、このような苦しみを感じなくて済んだものをぉ!!」

炎を吐くのをあきらめ、遊矢を守るためにわが身を盾にする《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》を見ながらロジェは狂ったように笑い始める。

「くっ…まさか…!?」

遊矢の体を包むファントムライトが消え、再び体から力が抜けていく。

もう、指もまともに動かすことができない。

(そんな…ここまで、なのか…!?)

動けない遊矢は観念するかのように目を閉じる。

「遊矢ーーーーーー!!!!!」

一瞬、遊矢の耳に柚子の叫びが聞こえ、再び遊矢の目が開く。

「俺は…罠カード…《シンクロ・バリアー》…発動…!」

必死に指を動かし、罠カードを発動すると同時に再びファントムライトが遊矢の体を包んでいく。

「俺のシンクロモンスター1体をリリースすることで、次のターン終了時まで、俺が受けるすべてのダメージを0にする!」

《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》の体が紅蓮の炎に変わり、遊矢を包み込む。

紫色の炎はそのまま遊矢を襲おうとしたが、その炎によってかき消された。

「…カードを1枚伏せ、ターンエンド…」」

 

セルゲイ

手札3→0

ライフ1500

場 地縛戒隷ジオグラシャ=ラボラス レベル10 攻撃3000

  地縛戒隷ジオグリフォン レベル8 攻撃2500

  地縛戒隷ジオクラーケン レベル8 攻撃2800

  地縛園(永続魔法扱い)

  伏せカード1

 

 

遊矢

手札2(《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》《EMカードガードナー》)

ライフ2000

場 天空の虹彩(永続魔法扱い)

  EMラクダウン(青) Pスケール2

  EMオッドアイズ・シンクロン(赤) Pスケール6

 

地縛戒隷ジオグラシャ=ラボラス(アニメオリカ・調整)

レベル10 攻撃3000 守備1800 融合 闇属性 悪魔族

「地縛戒隷」モンスター×2

このカード名のカードはフィールド上に1枚しか存在できない。

(1):このカードが相手モンスターと戦闘を行う場合に発動できる。そのモンスターの攻撃力をバトルフェイズ終了時まで0にする。

 

「ええい、何をしているセルゲイ!?さっさと榊遊矢にとどめをさせ!!」

《シンクロ・バリアー》でダメージを与えられない状態であるにもかかわらず、ロジェは怒り狂いながらセルゲイに無理な命令を繰り返す。

ロジェによって完全な人形に改造されているセルゲイは不可能な命令に従う理由なしと判断しているのか、何もアクションを起こさない。

「俺の…ターーーーン!!」

 

遊矢

手札2→3

 

「《天空の虹彩》の効果発動!《EMオッドアイズ・シンクロン》を破壊し、デッキから《オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン》を手札に加える!そして、俺はスケール8の《オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン》をペンデュラムスケールにセッティング!」

体の色は緑色であるものの、その姿は《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》を小さくしたようなものに見えるドラゴンが青い光の柱を生み出す。

「揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け、光のアーク!ペンデュラム召喚!現れろ、俺のモンスター!エクストラデッキから《EMカード・ガードナー》、《EMオッドアイズ・シンクロン》、《EMドラミング・コング》、《EMペンデュラム・マジシャン》、《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!!」

 

EMカード・ガードナー レベル3 守備1000

EMオッドアイズ・シンクロン レベル2 攻撃200

EMドラミング・コング レベル5 攻撃1600

EMペンデュラム・マジシャン レベル4 攻撃1500

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン レベル7 攻撃2500

 

さすがに度重なる召喚に疲れ果てたのか、《EMペンデュラム・マジシャン》と《EMドラミング・コング》は疲れを見せている。

遊矢自身、もうこれ以上時間をかけるつもりはなかった。

「罠発動《地縛獄門》。相手がエクストラデッキからモンスターの特殊召喚に成功し、俺のフィールド上の地縛戒隷を2体までリリースすることで、その数だけ相手の手札を墓地へ送る」

《地縛戒隷ジオグリフォン》と《地縛戒隷ジオクラーケン》がその黒い体を液体に変え、遊矢の腕に襲い掛かる。

そして、遊矢の手札にある《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》と《PCM-シルバームーン・アーマー》にへばりつき、無理やり墓地へ落とした。

「更に、この効果で墓地へ送ったカード1枚につき、600のダメージを与える」

 

遊矢

ライフ2000→800

 

地縛獄門

通常罠カード

(1):相手がEXデッキからモンスターの特殊召喚に成功したとき、自分フィールド上に存在する「地縛獄門」モンスターを2体までリリースすることで発動できる。その数だけ相手の手札をランダムに選択して墓地へ送る。この効果で墓地へ送られたカードの効果は発動できない。その後、この効果で墓地へ送られたカードの数×600のダメージを相手に与える。この効果は相手のカード効果では無効化されない。

 

 

地縛戒隷ジオグリフォン(アニメオリカ)

レベル8 攻撃2500 守備1500 シンクロ 闇属性 悪魔族

「地縛」チューナー+チューナー以外の「地縛」モンスター1体以上

(1):自分フィールドの「地縛」モンスターが破壊された場合、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターを破壊する。

 

地縛戒隷ジオクラーケン(アニメオリカ)

レベル8 攻撃2800 守備1200 融合 闇属性 悪魔族

「地縛」モンスター×2

(1):自分ターンに1度、相手フィールドにモンスターが特殊召喚された場合に発動できる。このターンに特殊召喚された相手フィールドのモンスターを全て破壊し、その破壊したモンスターの数×800ダメージを相手に与える。

 

「まだだ!!俺はレベル5の《ドラミング・コング》にレベル2の《EMオッドアイズ・シンクロン》をチューニング!エクストラデッキから特殊召喚された《オッドアイズ・シンクロン》はシンクロ素材となったとき、除外される!二色の眼の竜よ、怒りの業火で闇を焦がせ!シンクロ召喚!レベル7!大地を焼き尽くす業火の竜!《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》!!」

 

オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン レベル7 攻撃2500

 

「そして、《メテオバースト・ドラゴン》の効果発動!このカードの特殊召喚に成功したとき、ペンデュラムゾーンにセッティングしている俺のペンデュラムモンスター1体を特殊召喚できる!バーニング・コール!!」

咆哮と共に燃え上がる光の柱から《オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン》が飛び出す。

 

オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン レベル3 攻撃1200

 

「更に、俺はレベル7の《オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン》にレベル3の《EMカード・ガードナー》をチューニング!!」

「シンクロモンスターとペンデュラムモンスターでシンクロ召喚だと!?!?」

「平穏なる時の彼方から、あまねく世界に光を放ち、蘇れ!シンクロ召喚!現れろ、レベル10!《涅槃の超魔導剣士》!!」

 

涅槃の超魔導剣士 レベル10 攻撃3300

 

「更に、《涅槃の超魔導剣士》の効果発動!このカードがペンデュラム召喚に成功したペンデュラムモンスターをチューナーとしてシンクロ召喚に成功したとき、墓地からカードを1枚手札に加えることができる。俺は《PCM-シルバームーン・アーマー》を手札に加え、発動!このカードは俺のフィールド上に存在するレベル7のペンデュラムモンスター1体を同じ種族でランク7のエクシーズモンスターに変化させる。俺は《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》でオーバーレイ!!」

「エクシーズ…召喚…」

セルゲイの脳裏に翔太が召喚したあの死をもたらす美女の姿がよみがえる。

月の光に照らされながら、《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》に銀の鎧が装備されていく。

「月の光よ、今こそ憎悪の心を鎮め、魂を救済する刃を生み出せ。ペンデュラムエクシーズチェンジ!!月の鎧纏いし二色の眼、《MLX-オッドアイズ・月下・ドラゴン》!!」

 

MLX-オッドアイズ・月下・ドラゴン ランク7 攻撃2500

 

「美…しい…」

機械であるはずのセルゲイの目から涙がこぼれる。

「《オッドアイズ・月下・ドラゴン》で《地縛戒隷ジオグラシャ=ラボラス》を攻撃!!」

「まずい…セルゲイ!!アクションカードでその攻撃を回避しろーーー!!」

攻撃力の劣る《MLX-オッドアイズ・月下・ドラゴン》の攻撃を危険だと判断したロジェが叫ぶものの、今のセルゲイにその声は届かない。

次第に笑みを浮かべると同時に、《地縛戒隷ジオグラシャ=ラボラス》が迎撃のために紫色の炎を放つ。

「バカ者ぉおおおお!!なぜだ、なぜ私の命令に従わない!?」

「《オッドアイズ・月下・ドラゴン》の効果!俺のライフが1000以下の時、このカードは戦闘では破壊されず、俺が受ける戦闘ダメージも0になる!」

自身に襲い掛かる炎を刀で切り裂き、《地縛戒隷ジオグラシャ=ラボラス》に肉薄していく。

「更に、《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》をオーバーレイユニットとしているとき、攻撃した相手モンスターをダメージステップ終了時に破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える!!」

「アクションカードを取れぇぇぇぇ!!!」

「月光のムラマサ・スラッシュ!!」

《MLX-オッドアイズ・月下・ドラゴン》の刃が《地縛戒隷ジオグラシャ=ラボラス》を真っ二つに両断する。

両断された哀れな奴隷は爆発とともに消滅し、その爆風にセルゲイは吹き飛ばされた。

だが、彼は笑みを浮かべたままだった。

 

セルゲイ

ライフ1500→0

 

地縛園

フィールド魔法カード

(1):1ターンに1度、自分フィールド上に「地縛戒隷」モンスターが存在し、相手フィールド上にモンスターが存在するときに発動できる。自分はデッキからカードを2枚ドローする。

 

ドゴンと激しい音と共にセルゲイが激突したドアが外れ、大きく吹き飛ぶ。

「遊矢!」

「馬鹿な…そんな、馬鹿な!?」

自らの最も忠実であり、最も強い駒であるはずのセルゲイが倒されたことに動揺するロジェと遊矢の勝利を喜ぶ柚子。

そんな2人の前に、ファントムライトを発動したままの遊矢がゆっくりと入ってくる。

「あ、あ、ありえない!!そうだ!!こんなのありえるはずがない!この役立たずが私の命令に従ってさえいれば…こんな、こんな小僧には!!」

机の下から銃を取ったロジェは遊矢に向けて発砲する。

しかし、あまりの動揺で手が震えているためか、それともファントムライトによって軌道が変化したためか、弾丸は遊矢には当たらず、ドアがあった場所の囲いに当たる。

「ば、ば、ば…化け物めーーーー!!!!」

再び発砲音が鳴り響く。

その瞬間、ロジェの肩に弾丸が当たり、それから感じる激痛で叫び声をあげながら、ロジェは銃を落としてしまう。

「あの人は…!」

「ヒ…ヒ…ヒイロ・リオニスぅ!!」

左手で方からの出血を止めながら、怒りのこもった目で遊矢の後ろにいる男の名を呼ぶ。

彼の右手にはピストルが握られていて、デュエルディスクのついている左手にはショットガンが握られていた。

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